暗殺教室でも俺の青春はまちがっている。   作:sewashi

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班分けに悩みました。
なのに班分けまでいきませんでした。


七十七時間目 奪還の時間

時間は17:45。

俺らは「死神」 のアジトと思われる建物の近くに来た。

堀部の『糸成3号(偵察ヘリコプター)』を使って周囲を偵察したが人影はなし。サイズ的に手下が居ても少人数。こっちは人工知能の律を除いて29人もいる。数的には有利だ。それぞれが対殺せんせー用に作った武器もある。「死神」を倒す必要は最悪無い。ビッチ先生を救出してとんずらできりゃOKだ。

俺らは建物に入る。

中は何もなく、だだっ広い。俺らは全員、端々に散る。

するとアナウンスがかかった。

『全員来たね。それじゃ閉めるよ』

アナウンスと同時に扉が閉まり、空かなくなる。

『皆カッコいい服を着てるね。スキあらば一戦交えるつもりかい?』

この「死神」の発言で片岡が言う。

「クラス全員で来る約束は守ったでしょ、ビッチ先生さえ返してくれればそれで終わりよ」

『ふむふむ、部屋の端々に散っている油断の無さ、よく出来てる』

このアナウンスをし終わると――

 

ガゴッ!

 

部屋に振動が!

「へ、部屋全体が下に!?」

ま、まさか!?

 

ガゴォン!

 

下に降りるとそこは鉄格子の牢屋だった。あの建物……エレベーターか!?

「捕獲完了。予想外だろ? 一人一人捕らえるのは予想外のリスクがある。こうやって一斉に捕獲するのが一番早い」

そこには花屋姿の「死神」と縛られているビッチ先生。

「お察しと思うが、君達全員、あのタコをおびき寄せる人質になってもらうよ。大丈夫。奴が大人しく来れば誰も殺らない」

俺らはガンガン壁を叩く。そして片岡が聞く。

「本当? ビッチ先生も今は殺すつもりはないの?」

「人質は多い方がいい。奴を確実に狩り場に引き込むために、場合によっては大量の見せしめがいる。交渉次第では30人近く殺せる命が欲しい所だ」

すると岡島が怯えきった表情で聞く。

「でも今は殺さない。本当だな? 俺たちがアンタに反抗的な態度とって、頭にきて殺したりは?」

「しないよ。子供だからってビビりすぎだろ」

よし、これで安全は確保できた。

「竹林、ここだ!」

三村の指示で竹林は自作の指向性爆薬を壁につける。そして、奥田がカプセル煙幕を投げつけて――

 

ドゴォンッ!

 

壁を壊して逃げた。

部屋を一つ移動した辺りくらいで、アナウンスが流れる。

『聞こえるかな、E組の皆。君達がいるのは閉ざされた地下空間だ。外に通じる出口には全て電子ロックがかかっている。ロックを解く鍵は、僕の眼球の虹彩認証のみ、つまり、君達がここを出るには、僕を倒して電子ロックを開かせる他無いって事だ』

くそ、やっぱりバトル展開になるのかよ……

『実はね、竹林君の爆薬で君達が逃げてうれしかったよ』

は? 何で?

『これだけの人数の訓練を積んだ殺し屋達を一度に相手にできる機会は滅多にない。人質にするだけじゃもったいない。未知の大物の前に肩慣らしだ。君達全員に、僕のスキルを高める相手をしてもらう』

つまり俺らは練習相手ってわけかよ……

『期待してるよ。どこからでも殺しにおいで』

アナウンスがきれた。

「まるでゲーム感覚」

全くだ。俺らをなめてるわけでは無いだろうが、それ以上に俺らに殺られないという絶対の自信。

俺らはどう立ち向かうべきか……




次回こそは班分け。
八幡がどの班なのかお楽しみに。

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