暗殺教室でも俺の青春はまちがっている。   作:sewashi

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サブタイトルの間違いはひらがなにすべきでしょうか?



三時間目 間違いの時間

午後の授業。国語。

俺は得意科目だが、授業内容が面倒だった。

「はい、それではお題にそって短歌を作ってみましょう、ラスト七文字を『触手なりけり』でしめてください」

は? 触手なりけり? どんな短歌だよ……

するとクラスの誰かが、先生に質問する。まあ、当然だわな。

「先生、しつもーん」

「? なんですか? 茅野さん」

ああ、そういやこの女子はそんな名前だったな。そして茅野の質問は……

「今さらなんだけど、先生の名前って何て言うの? 他の先生と区別するのに不便だし」

授業の質問じゃねえのかよ! つーか今する質問じゃねえだろうが! 俺なんて2年のときクラス担任と国語担当教師だった平塚先生以外、先生の名前なんて覚えてねえよ!

……別に好きだったわけじゃ、ないんだからね‼(ツンデレではない。素だ)

「地球破壊生物先生でいんじゃね?」

俺は言ってやった。するとクラスの連中はみんな俺を見て微妙な表情をしていた。村松ら三人はクスクス笑っていたが、反応は逆であって欲しかった。

「……ヒキタニ君。それは流石にないでしょ」

前の席の女子委員長が言う。

だから誰だよヒキタニ君! 委員長なら間違えんな!

そして先生は言う。

「そうですね、名乗るような名前はありませんね? なんなら比企谷君の案もありですが、皆さんがつけてください。今は授業に集中してください」

そう言って先生は椅子に座る。すると先生の顔色が薄いピンクっぽくなったのを見計らい潮田が動く。

(殺る気か?)

潮田は先生に短歌の用紙に隠していたナイフを出して先生を攻撃する。

シュッ! パシッ!

もちろん見事に先生は受け止める。この場で避けるはない。そして潮田は先生に油断を誘うかのようになめらかに先生に抱きつく。潮田の首にはBB弾グレネードが――

「全員、伏せろ‼」

俺が教室で叫ぶ、すると寺坂がスイッチをオン。

 

ドガァッ!

 

グレネードが爆発して教室中にBB弾が飛び散り、先生にあたり、潮田にも当たる。

てか威力が強すぎねえか?

寺坂たちは「ひゃっほう!」「百億いただき!」と喜んでいた。すると茅野が言う。

「ちょっと!? 渚になに持たせたのよ!?」

渚? ああ、潮田の下の名前か。って、そんなこと思ってる場合じゃねえ! 寺坂も答える。

「あ? 玩具の手榴弾だよ。ただし、火薬を使って威力を上げてる。三百発の対先生用BB弾が飛び散るようにな!」

それで威力がおかしかったのか……それじゃあ潮田も怪我するじゃねえか! 火薬なんてつかってるとわかったらあのとき止めてたっつの! 火薬なしなら軽い打撲程度ですんだから選択肢で済ましたってのに……

「死ぬ威力じゃねえよ。俺の百億円で治療費くらい……あ?」

そう言って寺坂が見たものは薄い膜に包まれて無傷の潮田。先生の死体に繋がって……

「実は先生、月に一度ほど脱皮をします。脱いだ皮を渚君に被せて守りました。逆に言えば月一で出来る奥の手と言うことです」

と言う声が天井から聞こえた。その先生は誰がどう見ても……ぶちギレた表情だ。

「寺坂、村松、吉田。主犯はお前らだな……」

先生の口調から『君』が抜け、敬語も消えた。ついでに一瞬、姿も消えた!?

そして一瞬で戻ってきたがその手には……

 

『寺坂』『吉田』『村松』

 

三人の家の表札が握られていた。ほかにも表札らしきものを握っていると言うことは、このクラス全員の家の表札を取って回ったと言うことになる。俺んちのも……

「政府との契約ですから、先生は君たちには手を出さない。だがまた今と同じ手で殺しに来たら君たち以外になにをするかわかりませんよ?」

確かに先生は契約上、俺らには危害を加えられない。しかし、俺らの家族は別だ。やべぇ、小町があぶねぇ。

寺坂たちは涙目で反論した!

「なんなんだよ! 地球破壊とか! 暗殺とか。迷惑なんだよ! 迷惑な奴を迷惑な方法で殺してなにが悪いんだよ! 」

すると先生は――

「迷惑? とんでもない、君たちのアイデアは素晴らしい。特に渚君の肉薄までのからだ運びは百点です。それに比企谷君もみんなに伏せろと叫んだのも良かった」

ん? 俺も? 先生の言葉にみんなが注目する。

「でも、寺坂君は渚君を、渚君は自分自身を大切にしなかった。そんな生徒に暗殺をする資格はありません」

どんな生徒ならそんな暗殺する資格があんだよ。いやそこじゃないか。つまりは――

「笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。君たちはそれをなせる力を秘めている」

どんな暗殺だよ。いや、先生の言いたいことはわかるが。すると先生は言う。

「さて渚君、先生は殺される気など毛頭ない。来年の三月まで君たちとエンジョイして地球を破壊します。どうしますか?」

諦めますね。俺なら。しかし、潮田がそう言うハズもなく。

「先生を……殺します」

笑顔でいった。

「ヌフフフフ、そう来なくては……では、今日はみんな殺せ次第帰ってよし!」

『えぇ!?』

先生の宣言にみんな席に戻り、ナイフや銃を持つが……

(殺せねえ)

(今、いったら表札と一緒に手入れされる)

身動きが取れない。すると茅野が言う。

「殺せない先生……殺せん……あっ!」

「おいおい、まさか『殺せんせー』なんて名付けんじゃねえよな? そのまんまじゃねえか」

するとクラスで……

「いいんじゃないか? 分かりやすいし」

「うん、いい」

なんと。決定してしまった。

椚ヶ丘中学3-E担任、地球破壊生物先生改め、殺せんせーとなったのだった。




ようやく原作第一話が終了です。
どさくさに紛れて小町と平塚先生が登場しました。
椚ヶ丘中学1年の設定にしたいと思います。E組に落ちた兄を『ゴミぃちゃん』と呼ばせて『お前も気を付けろよ』と八幡に言わせたいです。
次はカルマ君登場。

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