由比ヶ浜、出します。
ついでにワンちゃんサブレも出します。
8月31日。夏休み最終日。リビングのソファーでダラダラしていると……
「ワンワン!」
犬の鳴き声がした。
この犬は由比ヶ浜のペットのサブレ。
俺が沖縄離島にいっている間に小町が勝手に預かったらしい。
そしてピンポーンとチャイムがなる。
「はいはーい。あ、結衣さん。やっはろ~です」
サブレのご主人さま到着。
「うん、小町ちゃんやっはろ~。ほーら、サブレ~、おいで~、小町ちゃんもヒッキーもありがとう」
「ん、別に気にすんな」
「そうですよ~、まあカーくんは少しいじけちゃいましたけど、問題はありませんでした!」
カーくんとは飼い猫のカマクラの事だ。
「そうだヒッキー。お礼に一緒に夏祭り行かない? 駅の近くでやってるやつ」
「いいですね~、行きましょう! 集合場所と時間は?」
小町と由比ヶ浜で勝手に決められる。
「二人で行ってこいよ。俺は家でダラダラする」
「もー、本当にお兄ちゃんはごみぃちゃんなんだから! 一緒に行くの! 他にも雪乃さんでも誘って!」
「あ、ゆきのんは来れないらしいんだよね……なんか実家の用事で……」
「へ、そうなんですか? じゃあ三人で!」
「だから行かねえっての」
俺は部屋に行った。すると……
『夏祭りのお知らせ! 今晩七時に駅前に集合!』
というプラカードを持った殺せんせーが窓の外にいた……
俺は玄関に財布を持っていく。
「あれ? お兄ちゃん、やっぱり行くの?」
「E組で召集がかかったんだよ。行かなかったらロクな事にならねぇ」
「E組……」
由比ヶ浜はなぜか悔しそうな顔をした?
なにはともあれ、俺は夏休み最終日に夏祭りに行くこととなった。
……。
…………。
………………。
「うわぁっ! 結構人居ますね!」
「だね~」
「んじゃ、俺はクラスの方いくわ」
「ちょっと待てい!」
小町に耳を捕まれた。E組の訓練で捕まれないように避けることもできたが、あえて捕まっておく。
「結衣さんと小町とまわりながら、お兄ちゃんのクラスの方へ行こう。ね」
こうして俺は小町と由比ヶ浜と共にクラスの奴等を探すことになった。
「みてみてお兄ちゃん! あの人たち射的、全弾命中したよ!」
小町が指差す先には髪の毛で目の隠れた男子とお下げの目付きの鋭い浴衣姿の女子がいた。
「お、千葉と速水だ」
「ん、比企谷じゃないか」
「なに? 女つれて……前原じゃあるまいし」
速水に言われた。
「ちげーよ。こいつは妹の小町だ」
「比企谷小町です。不詳の兄がお世話になってます」
すると二人は……
「比企谷の妹とは思えないな……」
ほっとけ千葉。その後、千葉と速水は射的の景品を取りすぎて出禁をくらった。そして進んで行くと……
「俺今、五千円使って全部五等以下じゃん、糸と商品の残り数から四等以上が一回も出ない確率を計算すると……何と0.05%。ホントに当たりの糸あるのかな~、あ! 比企谷君」
「おう、赤羽。お前最初から見抜いてたな。小町、おまわりさん呼んできてくれ」
「おわあっ! 金返す上に好きな景品やるから黙っててくれ!?」
お、マジか! 赤羽に協力するもんだな……すると由比ヶ浜は……
「ひ、ヒッキーのコミュ力が高くなってる……」
「そうなんですよ……エンド落ちしてから妙に……」
由比ヶ浜と小町が失礼な事言うな……
そのあと、金魚すくいの屋台で磯貝と前原を見つけた。
「こんなもんかな?」
磯貝の手には百匹くらいの金魚が……
「うち貧乏だから百円で一食浮いたのはありがたいわ」
え? 食うの!?
他にもヨーヨーすくいで簡単にすくう潮田と茅野。浴衣美人を盗撮しおまわりさんに追いかけられる岡島。テントでただ酒を飲んでるビッチ先生など色々な人を見つけた。殺せんせーは……分身で出店を開店。
タコ型生物がタコ焼き作るって……
すると由比ヶ浜は……
「な、なんかE組の人たちって凄いね。よくみると一部で有名な人多いし、磯貝君とかイケメグとか前原君とか……カルマ君とか…」
ま、そうだよな……
「なんかヒッキーがE組抜けたくない理由もわかるかも……でも、私は戻って来て欲しい……奉仕部に」
そんな事を言う。
「悪い、無理だ」
俺は言う。小町は……
「ねえ、今年のE組はいつもの年と違うって皆言ってるけど何があるの?」
暗殺です。なんて言えるか!?
「ま、確かに今年のE組は例年のようにはならない。その理由は言えない、だが、卒業する頃にはわかるかもしれん」
「「どう言うこと?」」
それはその時になってからだ。
すると――
ドォン!
――花火が上がる。
こうして暗殺教室の夏休みは幕を閉じた。
『……え? E組を……ぬける?』
夏休み編でした。
磯貝家の金魚料理食べてみたいです。
次回は始業式の時間。