ユージ君登場できるのか?
“スレッド”を倒して行くと、そこは違法ドラッグパーティの会場。ここを通らなければ次のフロアに行けない。だが通るには厳しい警備員のチェックを通らなければならない。
「強行突破しかねえだろ!」
寺坂が言うがそれは黒幕にバレる可能性が高いため無理だ。
殺せんせーが言う。
「女子の皆さん。少し危険かもしれませんが、女性はチェックが甘いようなので内部から警備員を誘導して見てください。他の皆は外通路で待機です」
たしかに女性はチェックが甘い。しかし中学生じゃ、違和感あるのでは?とも思ったが、俺らと同じくらいの違法薬物使ってる男子が外から見えたから大丈夫だろう。しかし、女子だけで行かせるのは……
するとプールサイドから赤羽が……
「渚君。女装して女子と一緒に行きなよ」
「なんで!?」
赤羽の手には黒のワンピースを持っていた。どうやら脱ぎ捨ててあったらしい。
女性下着とかも脱ぎ捨ててあった。岡島がいなくてよかった……
「そうね。男手が必要になるかも知れないし……」
片岡も進める。
「嫌だよ! 男手が必要なら比企谷君がいいよ! 比企谷君の腐りきった目ならドラッグ決めてると思って警備員も通してくれるよ!」
「潮田。なにいきなり俺をディスッてんの? てか無理だろ流石に、てかチェックが甘いのは女性限定だろ。目とか関係ないだろ」
潮田に失礼なことを言われ、俺は反論する。が……
「でもたしかにそうね。比企谷君。試してみましょう」
片岡が言う。おいこら!?
かくして、潮田がいやいや女装して女子たちと潜入したのだった。
ちなみに俺もつれていかれそうになったが通れなかった。
……。
…………。
………………。
待っている間。俺らは他に行けそうな通路がないか模索していた。烏間先生は回復に専念。
……すると千葉が俺に言う。
「比企谷。実際、殺せんせーの狙撃。お前だったら成功できたんじゃないか?」
――と。何を言うのやら……
「無理だよ。俺はお前とは違って、アンバランスな状態での狙撃は練習してねえ、狙撃能力クラス男子トップは間違いなく千葉。お前だよ。そのお前が外したんなら、俺が当てられるわけがねぇ」
すると千葉は……
「……俺さ、撃った瞬間にミスったことがわかったんだ。練習では失敗しなかったし殺れる自信もあった。なのに失敗した。今回の作戦の失敗は俺が原因だよ」
……なるほど。千葉のやつは今の状況を遠回しに自分のせいにしているのか? 仕方ねえな……
「ま、そうかもな。でもな千葉、お前が殺せんせーの狙撃に成功しようと失敗しようと黒幕の連中が俺らにウイルス盛った事実は変わらねえだろ?」
「え?」
「ウイルスを盛られたのはホテルについてすぐサービスドリンクを配られたときだ。暗殺作戦が成功しても前原たちは倒れちまっただろうよ。んで黒幕連中の要求は賞金百億の証拠のなにか他のものになる。どのみち俺らは暗殺作戦が成功してもこんな状況になってたことになるんだよ」
「……あ」
「ま、だから気にすんな」
千葉は力が抜けたか、落ち着いた表情になる。といっても千葉は髪の毛で目が見えんから表情は分かりにくいが……
すると中から……
バグッ!
という音がしたあと……
「すいませーん、店の人~。あの人急に倒れたみたいで……運び出して見てあげてよ」
矢田が警備員の人にいって警備員を退かした。
「今のうちよ」
片岡の指示で俺らは上のフロアへ。聞いたところ。潮田はなにもしていないらしい。
「僕がこんな格好した意味って……」
「面白いからに決まってんじゃん(カシャッ)」
赤羽が潮田の女装姿を写メに納める。
「中村にでも送ってやれ」
「送らないでよ!?」
こうして俺らは上のフロアへ進む。
このときの俺らは知らなかった。この潮田の女装が一人の少年を救っていたことを……
ユウジ君出せませんでした!?
次回“ガストロ”編。
予定ですが。
学園祭編でユウジ君と八幡で関わらせたいです。