暗殺教室でも俺の青春はまちがっている。   作:sewashi

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今回から原作に戻ります。


三十七時間目 特訓の時間

殺せんせー暗殺作戦の沖縄離島行きまで一週間をきった。今日は暗殺訓練の為に登校する。

リビングに入ると俺の席で飼い猫のカマクラが寝ていた。じゃまくせぇ。

そして小町がソファでジャムを塗ったトーストをかじっていた。

「およ? お兄ちゃん。なんで夏休みなのに制服?」

「E組で特別夏期講習があるんだよ。来週には沖縄離島にもいくしな。その予定とか打ち合わせとか」

「あー、いいよねー。お兄ちゃん修学旅行に二回行くようなもんだし、羨ましい」

それは違うだろ。

「お前も再来年優秀成績クラスに入れば行けるだろ?」

「それが小町にできると思う?」

……思いません。

「取りあえず口元拭いとけ」

「ん? ジャムってる?」

「おいこら、ジャムるの使い方間違えてるぞ。ジャムるってのは銃の弾詰まりのことだぞ?」

「お兄ちゃんって、時々なにいってんのかわかんないよね?」

それはお前だ! こちとら毎日のように銃を使ってんだぞ! 国家機密で言えないけど……

そんな兄妹の会話をして俺はE組校舎へ向かうのだった。

 

「まぁまあガキ共。汗水流してご苦労様な事ねぇ」

「ビッチ先生も訓練しろよ。射撃やナイフは俺らと大差ないだろーにさ」

プロの殺し屋と言うことでビッチ先生も射撃やナイフの腕前は凄腕と思いがちだが、そうでもない。むしろ色仕掛けに頼ってきたせいで俺らと大差ない。いや最近では俺ら以下になりつつある。

「大人はズルいのよ。あんたたちの作戦に乗じてオイシイとこだけ持っていくわ」

なんて大人だよ。ひでぇー。するとビッチ先生の背後から……

「ほほう、えらいもんだなイリーナ」

「ロッ、ロヴロ師匠!?」

ビッチ先生の殺し屋の師匠ロヴロさん登場。本当になんでいるの?

「夏休み特別講師で来てもらった。今回の作戦にプロの視点から助言をくれる」

なるほど。じゃあ今はロヴロ先生と言うわけか……

「1日休めば指や腕は殺しを忘れる。落第が嫌ならさっさと着替えろ!」

「ヘ、ヘイ、喜んで!」

ビッチ先生もあの師匠には頭が上がらない。つか本当にロヴロ先生はいかにも殺し屋って雰囲気で怖いし……この見た目で職業がお笑い芸人とか言われたら即座に絶対ウソだとわかるくらい殺し屋がいたについてるもん!

ちなみに現在、ターゲットの殺せんせーはエベレストで避暑中。機密保持には丁度いい。

そしてロヴロ先生がいるなら作戦に他のプロの殺し屋をサポーターとしてつけてくれるのかと思いきや、ロヴロ先生の手持ちの殺し屋が数名なぜか連絡がつかず、今回は斡旋してはもらえないらしい。

しかも、俺らが知らないところで何人も送りはしたが失敗し、一度使った殺し屋は臭いを殺せんせーに覚えられ、二度目からはこのE組校舎に行くことすら出来なかったらしい……相変わらず殺せんせー、すげぇな。

そして本格的に作戦会議と訓練に入る。

今回の作戦を大まかに説明すると、まず始めに殺せんせーに精神攻撃を与えて動揺させて、次に約束の7本の触手を破壊、最後に一斉射撃でとどめと言うシンプルな作戦だが、細かいところを決めるととどめを指す役目は千葉と速水の射撃能力クラスツートップがやることになりそうだ。俺は誘導射撃。

 

パァン!

 

「狙いが安定しただろう。人によっては立て膝よりあぐらで打つのが向いている」

なるほど。俺は立て膝のほうが打ちやすいが、不破はあぐらで打ったほうが命中率が上がった。

すると潮田がロヴロ先生をじっと見たのち聞いた。

「ロヴロさん。僕が知ってる殺し屋って、今のところビッチ先生とあなたしかいないんですが。ロヴロさんが知ってるなかで一番優れた殺し屋ってどんな人なんですか?」

その質問が意外だったのか、潮田の暗殺の才能に気づいたのかロヴロ先生は言う。

「興味があるのか? 殺し屋の世界に」

「あ、いや、そういう訳では」

「俺は少しありますね」

俺は潮田の後ろに行って、ロヴロ先生に言った。べつに殺し屋になりたい訳じゃない。しかし、潮田はこのままでは殺し屋になりたいと思いかねない。だからあえて興味を持つ。

「む? 君は……ほう、いい目をしているな……」

「どうもっす。で、最高の殺し屋ってどんな人なんですか?」

するとロヴロ先生は答える。

「そうだな、俺が斡旋する殺し屋の中にそれはいないが最高の殺し屋、そう呼べるのはたった一人この業界ではよくあることだが、彼の本名は誰も知らない。ただ一言のあだ名で呼ばれている……」

 

「“死神”と」

 

「ありふれたあだ名っすね?」

「フフフ、そうだろう? だが、死を扱う我々の業界でその名前は唯一絶対奴を指す」

なるほど。そいつも殺せんせーを狙っているのかもな……もしかしたら俺らが知らないだけですぐそこにいる可能性も……

「では少年たちよ。君たち二人にはそれぞれに別の“必殺技”を授けてやろう」

「必殺技?」

そのあと俺と潮田はロヴロ先生に殺し屋の必殺技を潮田と俺とで別々の必殺技を託された。

これが殺せんせーに通用するかはわからないが、殺せんせーは沖縄離島で暗殺して見せるとE組全員で決意した。




八幡に授けられた必殺技とは!?
次回から沖縄離島編です。

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