暗殺教室でも俺の青春はまちがっている。   作:sewashi

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倉橋、岡島編です。


三十四時間目 生物の時間

夏休み。それは俺にとってのオアシス。

リビングでだらだらしていると、ピンポーンとチャイムがなる。

「はいはーい! 今でまーす!」

「まて小町。出るな!」

遅かった。

玄関には前原、潮田、杉野がいた。

「おっす! 比企谷。お前、メールしても『寝てた』とか『電源切れてた』とかしか返信しねーし律に任せても全然繋がらねーし何かあったかと思ったぞ?」

それが遠回しに『メールすんな』って意味だとなんでこいつはわからねんだよ!? 前原! だからお前は彼女やガールフレンドに浮気されんだよ!

「これからE組校舎の裏山に昆虫採集しに行くんだ。比企谷も来ないか?」

「え? いや、俺はこのあと、ちょっと……アレだから……」

「どうぞどうぞ。家でだらだらしてるだけですから、つれていってあげてくださいな!」

こうして俺は夏休みなのにE組校舎の裏山に行くことになったのだった。

 

俺らはE組校舎の裏山にきた。以外とクワガタやカブトムシはいるもんだな……

「んで、なんで昆虫採集? 俺、虫苦手なんだけど?」

「俺らは夏休みに南国リゾートで暗殺作戦があるわけじゃん? 暗殺作戦はともかく、南国リゾートにいくとなりゃ、足りないものがあるだろ?」

はて? 足りないもの?

「カネさ! 水着で泳ぐきれいな姉ちゃん(ちゃんねー)を落とすために財力が必要不可欠なのさ!」

は? 金?

「オオクワガタとかネトオクに出して大もうけ。最低でも高級ディナー代とご休憩場所の予算までは確保すんだ」

旅の目的を忘れてるだろこいつ……てか中学生の旅行プランとは思えねえな……

すると木の上から声が聞こえる。

「ダメダメ。オオクワはもう古いよ~」

「倉橋」

クラスの生き物大好き女子、倉橋だった。賞金百億を手にいれたら『くらはし動物園』を作るつもりと言っていた。……それ百億で足りるのか? まあ、そんなことはどうでもいい。

倉橋の話によるとオオクワガタは俺らが生まれた頃はそれなりの値段で売れたが、今は簡単に繁殖ができるため値段が暴落したらしい。

「まさかのクワ大暴落!? 1クワガタ=1ちゃんねーくらいの相場だと思ってたのに……」

「ないない。ちゃんねーのほうが全然高いよ~」

「虫と同じ価値にされるちゃんねーって……」

前原も時々失礼なこと言うな……

すると倉橋は自分が仕掛けた虫寄せの罠のところへ向かう。上手くいけば一人千円は稼げるらしい。それはなかなかだな……

するとまた木の上から声が聞こえる。

「効率の悪い罠だな。お前らそれでもE組か?」

「岡島!」

クラスのエロい男代表。岡島だった。

「せこせこ千円稼いでる場合かよ、俺のトラップで狙うのは当然百億円だ!」

百億? まさか……

「南の島で暗殺する予定だから、あのタコもそれまで暗殺はないと油断するはず。そこが俺の狙い目だ」

なるほど、そしてリゾートは思う存分遊べてOKと言うことか……しかし、岡島の罠って……一つしか思い浮かばねえ……

そう思って岡島についていくと大量のエロ本の上でそれをニヤニヤ読んでいる。カブトムシ格好をした殺せんせーが居た……

「クックック、かかってるかかってる。俺の仕掛けたエロ本トラップに」

やっぱりかよ。てかすげぇ量だな……スピードが自慢の殺せんせーが微動だにせずみいっている……

岡島が言うにはどの山にも『エロ本廃棄スポット』なるものが存在し、岡島と殺せんせーはこの山のその場所を熟知しているらしい。殺せんせーの好みのエロ本を自分で拾い集めたエロ本で研究していたらしい。

てか、大の大人が拾い読むな! 買えよ! そして捨てるときは資源ごみに出せ!

「俺はエロいさ。蔑むやつはそれでも結構。だがな、誰よりエロい俺だから知っている。エロは……世界を救えるって」

なにその台詞。無駄にカッコいいな!

岡島の罠は殺せんせーの好みのどんどんなっているエロ本の下に対先生弾を繋ぎ合わせたネットが仕込んであり、ロープを切れば捕まえられるらしい。潮田にハサミを渡し、岡島は構えるが……殺せんせーの目が!

 

みょーん

 

ズーム目になっていた。そして木の上に触手でなにかを捕まえた? すると倉橋が殺せんせーのもとへ向かう。

「すっごーい! 探してたやつだ!」

「ええ、この山にもいたんですねぇ」

「あああ、あとちょっとだったのに……」

残念だったな、岡島。そして倉橋が喜んで見ていたのは……ミヤマクワガタ?

そして殺せんせーは自分がエロ本を拾い読みしていたことが俺らにばれて超恥ずかしがっていた。

「本の下に罠があるのは知ってましたが、どんどん先生好みになる本の誘惑に耐えきれず」

バレてんじゃねぇか!?

「んで、倉橋はなんだ? ミヤマクワガタが見たかったのか?」

「ゲームとかじゃオオクワガタより安いよな?」

「最近はミヤマのほうが高いときが多いんだよ。このサイズなら二万はいくかも」

二万!? マジか!?

「おまけによーく目を見てください」

そのミヤマクワガタの目は白かった。クワガタの目って黒いものじゃね?

「生物で『アルビノ個体』については教えましたね?」

ああ、確かごくたまに全身真っ白なやつが生まれてくるってやつだ。

「クワガタのアルビノは目だけに出ます。『ホワイトアイ』と呼ばれ天然ミヤマのホワイトアイはとんでもなく希少です売れば恐らく数十万は下らない」

「「「すっ……」」」

俺、潮田、杉野、前原、岡島が驚く。そして倉橋が――

「ゲスなみんな~。これ欲しい人手ー上げて♪」

「「「欲しい!!!」」」

――全員、手を上げた。

そのあと、なんかイタチみたいな珍しい動物を見たが、今はミヤマクワガタのほうが重要だ!?




八幡はニホンカワウソを見逃した。
次はオリジナル回を出したいと思います。
海老名さん。出します(予定)

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