本当の予定では期末テストで登場させる予定だったのですが、前倒しです。
プールで起こった疑問。
殺せんせーは本当に泳げないのか?
クラス全員で思い出してみる。
梅雨時期に、湿気を吸ってふやけたこと。修学旅行でお湯ではなく粘液風呂に入っていたこと。さっき倉橋が水をかけたとこだけ触手がふやけていたこと。
つまり、全身が水でふやけたらかなり動きが悪くなるハズだ。
「水中にいるのが私だったらいつでも任せて。髪飾りに仕込んだ対先生ナイフでいつでも殺れる準備はしてる」
流石、昨年度水泳部クロール学年代表。
女子クラス委員長片岡は文武両道で面倒見もよく『イケメグ』なんてあだ名もある。女子からラブレター貰うような奴だし。
つか、よく考えりゃなんでこいつはエンド落ちしたんだ?
まあいいか。エンド落ちしたのがどうしてかわからんやつは他にもいるしな。磯貝とか竹林とか。
放課後。俺は期末テストが近いので学校近くのサイゼまで来た。すると……
「あ! ヒッキー!」
由比ヶ浜がいた。面倒なやつと共に……
「あら、久しぶりね。えーと、ヒキガエル君」
「おいこら、久しぶりって言うなら名前くらい間違えんな雪ノ下」
A組、雪ノ下雪乃。去年俺が所属していた部活『奉仕部』の部長。奉仕部の活動内容は生徒の相談に乗って解決の手伝いをすること。俺は去年、平塚先生に強制的に入部させられた。
「で、エンド落ちしたあなたがどうしてここにいるのかしら?」
「別に期末が近いからここで勉強しようかと思っただけだよ」
「あ! そういえばヒッキー、前回のテスト総合19位だったのになんで本校舎に戻って来なかったの!? 折角復帰おめでとうって思ってたのに!」
ああ、それは殺せんせーが主な理由だがこいつらには言えないな……よし、あれで誤魔化そう。
「仕方ねぇだろ。担任の許可が降りなかったんだからよ。前の担任は平塚先生だが、居なきゃ許可もなにもねぇ」
「いえ、前のクラスの担任だから今の由比ヶ浜さんのクラス担任の許可さえあれば問題ないはずよ? それとも戻りたくないのかしら?」
ち、誤魔化せられなかったか。
「ま、本校舎でもE組でも俺はボッチに変わりねぇからな」
「で、でも本校舎なら奉仕部にも復帰出来るよ!?」
「今さら復帰してもなぁ、つか顧問の平塚先生居なくなったのに存続してんの?」
「ええ、まあ一応」
そうだったのか? すると由比ヶ浜は俺にしか聞こえないように言ってくる。
「ゆきのんはああ言ってるけど、ヒッキーが部にいれなくなって依頼解決があんまり出来なくて困ってるんだよ、次のテストで戻ってきてあげて」
そうはいってもな……みすみす百億円ゲットのチャンスを逃すのはな~。すると……
「あれ? 比企谷君。君も勉強会?」
店のなかに片岡が入ってきた。後ろに潮田、茅野、変装した殺せんせーもいた。
「ああ、いや一人で勉強しようと思ったら、コイツらにあっただけだ。片岡は潮田たちと勉強会か?」
「へ? 勉強会ではあるけどなんで渚?」
「後ろにいるだろ?」
片岡が振り向くと後ろの三人は隠れだした。
尾行立ったのだろうか?
「ひ、ヒッキーがイケメグと普通に話してる……」
由比ヶ浜が失礼なことを言う。すると奥の席から声が……
「めぐめぐ、こっちこっち!」
ツインテの由比ヶ浜以上に頭の悪そうな女子が片岡を呼んだ。
「あ、ここなん だ」
「ここなん?」
「多川心菜。去年の夏に海で海流に流されて救助された女子ね」
「そーそー、去年イケメグに泳ぎを教わったけど、プールの泳ぎだけ教わって海で溺れちゃったんだよね。んで溺れちゃったのを役に立たない泳ぎ方教えたイケメグのせいにして、テストの度に付きっきりで教えさせてるらしいよ……」
なんだよそれ……自業自得じゃねえか。つかまさか片岡のエンド落ちの原因ってこれか? しかし、これから水殺計画のためには片岡は必須だ。どうにかせねば……
「それより比企谷君も勉強しなくていいのかしら? 次のテストでも総合50位をキープ出来なくては本校舎には戻れないわよ? 教師の許可は計らってあげるわ」
「いや俺、本校舎に戻るつもりないから。それにあれ見てやる気失せたし帰るわ」
「あ、ちょっ! ヒッキー!」
俺は店を出た。
そのあと、潮田、茅野、殺せんせーによって片岡の多川問題は解決したらしい。
今までなら、こういった問題は奉仕部の仕事だったんだがな……平塚先生。なんで退職したんだよ……
奉仕の時間
雪ノ下のキャラ難しい。
雪ノ下は期末テスト編でも登場させます。
次回は寺坂編です。