暗殺教室でも俺の青春はまちがっている。   作:sewashi

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今回は烏間先生目線からスタートします。
といっても本当に前半の最初だけですが。


二十三時間目 訓練の時間

暗殺訓練の中間報告。

四ヶ月目に入るあたり、可能性がありそうな生徒が増えてきた。

磯貝悠馬と前原陽斗。運動神経がよく仲も良い二人のコンビネーション。二人係なら俺がナイフを当てられるケースが増えてきた。

赤羽 業、一見のらりくらりとしているがその目には強い悪戯心が宿っている。

比企谷 八幡。目は腐っているが、自信の存在感の薄さや考えの深さを生かし俺の裏をかこうとしている。俺とて簡単には裏をかかれはしないが……

全体を見れば生徒たちの暗殺能力は格段に向上している……

 

ぬるり

 

「!!!(バシッ)」

 

 

 

烏間先生は潮田に気がついているのだろうか?

一見、今の攻防は、潮田がミスしただけに見えるがそうではない。潮田には自覚させてはいけないことだ。

「それでは今日の体育は終了」

ありがとうございました。と全員言って授業が終わる。すると倉橋が烏間先生に言う。

「せんせー、放課後街で皆でお茶してこーよ」

「誘いは嬉しいがこのあと防衛省から連絡街でな」

烏間先生は隙がない。だが、プロに徹底しているからこそ、俺らは技術が向上している。

すると烏間先生と入れ替わりで大量の袋と箱をもった大柄な男がきた。

「俺の名前は鷹岡 明。今日から烏間の補佐としてここで働く! よろしくなE組の皆!」

そう言って置いたのはケーキや飲物……茅野が言うにはどれも結構な値段の有名なスウィーツらしい。

……餌付けか?

「モノで釣ってるなんて思わないでくれよ、おまえらと早く仲良くなりたいんだ。それには皆で囲んでメシ食うのが一番だろ!」

うわぁ、明かな餌付けの台詞だ。

 

翌日の体育の授業。今までなら烏間先生だが、今日からは鷹岡先生だ。

「ちょっと厳しくなると思うが、終わったらまたウマイもん食わしてやるからな!」

「そんなこと言って自分が食いたいだけじゃないの?」

「まーな、おかげ様でこの横幅だ」

中村が言って皆か笑うが違うぞ中村……それは飴と鞭の飴だ。

こういう熱血っぽい先生は嫌いなんだよな……青春だー、とか言って飴と鞭の訓練するから。俺にとっては飴と鞭の飴さえも鞭になるから嫌だ。

「さて! 訓練内容の一新に伴ってE組の時間割りも変更になった、これを皆に回してくれ」

時間割変更? 俺らは配られた時間割を見ると……よ、夜の九時まで訓練だと!?

「ちょっ、待ってくれよ無理だぜこんなの!」

前原が言う。当たり前だ!

しかも、理事長も『地球の危機ならしょうがない』なんてE組の成績を落とすために承諾したらしい。あの支配者……

「遊ぶ時間もねーし! できるわけねーよ、こんなの!」

すると鷹岡先生は――

 

ズンッ!

 

前原の腹に膝蹴りを入れた。

これがこいつの本性……飴と鞭の鞭だ。

「「できない」じゃない「やる」んだよ」

飴と鞭……こいつの場合は飴一割、鞭九割。それで成功させてきたと言うことだろう。

「抜けたいやつは抜けてもいいぜ? そのときは俺の権限で新しい生徒を補充する。俺が手塩にかけて育てた屈強な兵士は何人もいる一人や二人入れ替わっても問題ない。けどな俺はそういうことでしたくないんだ。おまえらは大事な家族みたいなもんなんだから、その父親位置にいる身として誰一人かけてほしくない」

家族みたいと言って、近づいてくる。本当に嫌なやつだ。

「家族みんなで地球を救おうぜ、なっ?」

俺と神崎が鷹岡の腕に捉えられた。

ここで逆らえば躾られる。従えば誉めて飼い慣らされる。俺はどっちもごめんだ!

俺が動こうとすると――

「私は嫌です。烏間先生の授業を希望します」

――神崎さん。あなたは勇者です。

 

バシッ!

 

と鷹岡先生は神崎を叩く。

「……おまえらまだわかってないようだな。「はい」以外は無いんだよ。文句があるなら拳と拳で語り合おうか? そっちの方が父ちゃんは得意だぞ!」

「つまりそれって虐待じゃないっすか?」

 

ゴッ!

 

俺も殴られた。

「はっは、お前は目だけじゃなくて頭も腐ってるみたいだな、躾だよ身に美しいと書いて躾だよ。子供を躾するのが父親の役目だろ?」

くそ、どうすりゃいいんだ。




鷹岡の前にヒッキーの卑屈な一言も通じない!?
どうする八幡……

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