暗殺教室でも俺の青春はまちがっている。   作:sewashi

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オリジナル回です。八幡流の暗殺をご覧あれ!
といっても、読者に気に入ってもらえるかどうかはわかりませんが……


十一時間目 犠牲の時間

潮田の才能を直感した俺は殺せんせーの暗殺計画を考えた。

俺一人で本当に出来るかどうかもわからない。が、ここで俺がやらないといけない。

俺は殺せんせーを暗殺計画を実行する。

 

集会があった日の放課後。俺は殺せんせーに言った。

「殺せんせー、悪いんですけど、ちょっと来てもらえませんか?」

「ニュ? 比企谷君。君が話しかけてくるなんて珍しいですね? わかりました」

クラスのやつはざわついていたが、この場はいい。俺は殺せんせーを連れて前に赤羽が使った崖の近くまできた。

「ヌフフフ、もしかしてカルマ君と同じ方法を取ろうとしていますか?」

「まあ、なんですか? 暗殺には情報が必要ですしね。ダメ元で色々と暗殺を実験してみようかと」

「ヌルフフフ! そうですか、ではどうぞ」

「んじゃ、さよーならー」

そう言って俺はかつて赤羽がやったように崖を飛び降りる。そして銃を構える。すると殺せんせーは赤羽のとき同様に俺のしたに入り触手で蜘蛛の巣を作る。

そして俺はそこに落ちる。しかし、ここからが俺のアレンジだ!

 

パァン!

 

「ニュニャア!?」

俺は制服中に対先生用素材を張り付けた。殺せんせーには俺を見捨てると言う選択がない。

なら、どうする? 答えは簡単、俺に触れることを出来なくして、助けられなくすればいい。すると殺せんせーはどうやって助けようとする?

この答えも簡単。自分の着ている服の布で俺を助けようとする。そしてここからは潮田と寺坂の暗殺のアレンジだ! それはつまり……

BB弾グレネード。俺はスイッチを押す。

 

ドガァ!

 

対先生用BB弾がはじけとび、俺ごと殺せんせーは死ぬ。しかも今月は奥の手の脱皮を使えないことも調査済みだ! 先生に俺を助ける方法がなければ、自分が助かる方法もない。俺の暗殺はせいこ――

「――う?」

「気がつきましたか? 比企谷君」

目の前には洋梨のように頭の変化した殺せんせーがいた。それに回りにはE組が全員いた。

「あれ? 俺、どうやって?」

「ヌフフ、君の暗殺は見事でした。一見、カルマ君のパクリかと思わせておきながら、二重、三重と先生に助けられないように罠を仕掛けるとは大したものです。ですがね比企谷君。渚君の時も言いましたが自分を大事にしない人に暗殺をする資格はありません」

「俺は自分を大事にしていますよ。そして大事だからこそ、自分が嫌いにならないうちに消してしまおうと思ってこの作戦を実行したんですよ。というか、どうやって助けたんすか?」

「ヌフフ、無傷では流石に無理でしたが、このように多少ダメージをうけることを覚悟していれば色々と助ける方法はあります。急所だけを隠して触手で君を自信で覆い、爆発から守るとかね」

なるほど、確かに当たることを覚悟して最低限死なない方法があったと言うことか? じゃあ……

「クラスのやつらはなんでここに?」

「その理由はこ、れ!」

赤羽が一枚の紙を見せてくる。その内容は……

「『わたくし比企谷八幡は地球破壊生物(殺せんせー)の暗殺に成功し命を落とした場合、賞金のうち3億円を赤羽業に寄付します』だって、つまり死ぬ気だったわけ? 遺産分配かっつの!」

そう、俺は殺せんせーを呼び出す前にクラスのやつ全員の机のなかに今、赤羽がいったことと名前だけ変えたほぼ同じ内容の紙を入れておいた。もし奇跡的に殺せた場合、賞金を受けとる奴が居なかったら困るからな。

「比企谷。なんでこんな方法とったんだ」

磯貝が俺に聞いてくる。

「別に、ダメ元だったが万が一の可能性を考えて、賞金を分配しておいただけだ」

「今回のお前の暗殺は、そのダメ元でも殺せんせーが助けることを出来なくするなんて、少し間違えば死んでいたぞ!?」

「はあ、磯貝。お前はわかると思ったんだがな。問題を解決するにはなにかが犠牲にならなければいけない。犠牲になれば誰かが悲しむことになるが、俺が犠牲になっても誰も傷つかない。実質ノーリスクだ」

「誰も悲しまないなんて、なんで言えるのよ!」

女子委員長、片岡が言った。

「誰も悲しまねえよ、エンド落ちで家族からも見放されて、友達も一切居ない。本校舎の平塚先生は心配くらいはしてくれるかと思ったがもういない。なら、誰がいる?」

みんな静まり返る。みんな、どこかしら思うところがあるのだろう……エンド落ちした奴は少なからずみんなあるところだか。俺との違いは俺がボッチであることだ。

他の奴は、エンド落ちしたら、本校舎の友達には見捨てられ今度はE組同士で友達になり、群れるが俺は違う。このE組でもボッチである俺はこのクラスにも本校舎にも友達はいない。つまり誰も悲しまない。

「で、でも比企谷君が知らないだけで、もしかしたら悲しむ人がいるかもしれないよ?」

潮田も言う。

「俺はクラスやつにもまともに名前を覚えられていないような人間だぜ? それが俺の知らないやつにそんな奴がいたらむしろお目にかかりてねよ」

すると殺せんせーが動く。

「ヌフフ、比企谷君。君はまず人との繋がりかたから教える必要がありますねぇ~」

「先生も友達を作れって言うんすか?」

すると殺せんせーは言う。

「いえいえ、それは君は今まで言われ続けたことでしょう? それでは君はわかってもらえませんからね、先生は今まで言われたことのなさそうなことを言いましょう」

殺せんせーは言う。

「比企谷君。君は友達が要らないと言うなら、作らなくてもいいのです」

「「「え!?」」」

クラスの全員、俺も驚いた。そんなことを言うなんて……それが教師の台詞かよ。

「不思議に思うかもしれませんが、別に驚くことではありません。何故なら、先生も友達はいませんからね」

殺せんせーは真っ白な顔になり言う。え?

「よく考えてみてください。先生には友達は本当にいません。烏間先生やイリーナ先生は教師としての同僚。君たちは教え子ですからね、先生に友達はいません。しかし、比企谷君には先生が孤独に見えますか?」

「…………」

確かにそれを考えると確かに殺せんせーにも友達はいない、だか、先生はボッチではない。

「比企谷君。友達はいなくてもいい、ですが人と人との繋がりかたは『友達』だけではない。『仲間』『同士』他にも色々な言い方があります。そして君たちは『暗殺者』という共通点があります。友達と言う言い方にこだわる必要はありません。でもね一人では先生は殺せません。だから見つけて下さい、君なりの人との繋がり方を」

そうか、ボッチの俺はある意味、友達という関係にこだわり過ぎていたのかもしれん。そのくせ本物を求めて……偽物も作れずに本物を作れるわけがない。

「参ったよ殺せんせー。しかし、俺が言い負かされる先生は平塚先生だけだと思ってたのに……なんか悔しいな」

赤羽が言う。

「アハハ、殺せんせー。面白いこというね、てか比企谷君酷いなぁ~、俺は君のこと友達だと思ってたんだけど……」

「そうだよ! 確かに比企谷君はクラスの何人かにヒキタニ君って間違われてるけど、比企谷君が犠牲になったらクラスメイト全員が悲しむよ! だからもう絶対にこんな遺言みたいなことは辞めてよ」

潮田にも言われる。

「わかったよ、善処する」

俺は暗殺に失敗してしまったが、ある意味色々なものを得ることができた。このクラスでなら俺は本物を見つけられるかもしれない。

ついでにいうと、俺はこの日を境に「ヒキタニ君」と呼ばれることがなくなった。




八幡の暗殺でした。
しかし、まだこの作品は続きます。
自己犠牲のなり押す暗殺者これからもよろしくお願いします。
E組は彼の本物になれるのか?
今後にほどほど期待していて下さい。
退職した平塚先生はどうなった?
それも考えています。しかし、期待はほどほどに……

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