それが誰か。タイトルから誰かわかる人~。
とある日の朝、いつもの用にホームルームを行い、一時間目の準備をしているとクラスの人が殺せんせーのもとへ向かう。
俺はその人物を知っている。去年も同じクラスだった、海老名姫菜さんだ!
「殺せんせー。これを呼んでみてもらえませんか?」
海老名さんはそう言って、殺せんせーに原稿用紙を出す。というか、セリフだけならラブレターを渡す少女だな。
「おや? 海老名さん。先生、作文の宿題は出していないと思いますが?」
殺せんせーも自分が間違えたと思ったのか、海老名さんに聞く。すると海老名さんは言う。
「いえ、今度小説投稿サイトに投稿しようと思った自作小説なんですが、殺せんせーを題材にしたので先に読んで感想を貰おうかと思いまして」
『殺せんせーが題材!?』
俺は嫌な予感がした。すると殺せんせーは自分が題材と聞いて、嬉しかったのかなにやらデレデレし始めた。
「ニュフフフ、先生が題材とは嬉しいですね~、では早速」
そう言って殺せんせーは海老名さんの自作小説を読み始めた。
……マッハで。
一瞬にしてページがめくれてパラパラパラパラと殺せんせーは読んで行く。そして読み終わった時の殺せんせーの顔は……
「ニュニャアアアア!? え、海老名さん!? この小説、先生の前に誰かにもう読んでしまいましたか!?」
……いったい、どんな内容だったのだろうか? いや、俺はどんな内容かだいたい予想できるが……
「腐腐腐、殺せんせー。この小説を全国ネットに投稿されたくなければ、大人しくこの場で私に殺されてください!」
なにやら、最初に言った「ふふふ」がおかしかった気がするが、まあいい。みんな気がついた。海老名さんは殺せんせーを精神的と社会的に殺そうとしている。つまりは『脅迫』だ。
「ぬぬぬ、なるほどこれが海老名さん流の暗殺ですか?」
「はい、ちなみに殺せんせー。私がこのスマホワンパッチでその小説は全国に流れますよ~、社会的に死ぬか、物理的に死ぬか。どっちがいいですか~」
すると、一瞬、殺せんせーはこの場から消えた。
「へ?」
海老名さんも驚くが、スマホを押そうとすると、殺せんせーの触手にスマホが変わっていた。
「ふえ!?」
「ヌフフフフ、海老名さん。先生を脅迫しようなんて甘いですよ? そんな風に大っぴらにスマホを見せつけては先生に取ってくださいと言っているようなものです」
「す、スマホを取っても家にバックアップが……」
まあ、そうだよな? すると殺せんせーは……
「それについては、謝ります。先生、今の一瞬で海老名さんのパソコンにハッキングしました。データは先生の手の中です」
なんだと!? 殺せんせーの手にはUSBメモリがあった。
「ちょっ、まっ、え!? いや、いくらなんでもそんなこと……」
「ええ、信じる信じないは貴方の自由です。ですがね本当だったらどうでしょうね~」
殺せんせーはなめてるときの緑と黄色のしましま模様に顔が変化する。確かに嘘かもしれないが海老名さんに今、それを確認する手段がない。つまりは海老名さんにとっては手詰まりと言うことだ。すると殺せんせーは言う。
「海老名さん。貴方の今の方法は素晴らしかった。そしてこの先生を題材にした自作小説も内容はあれですが、その手の人には実に面白いと思います。ですがね、そんな作品をこのような使い方は間違っています。貴方の文才はきっと役立つときが来ます。しかしそれは脅迫のためではない。別の方法で暗殺に役立ててください」
そう言って、殺せんせーは海老名さんに原稿用紙を返した。
「うう、この方法、自信あったのに……」
「ねえねえ、海老名さん。殺せんせー題材ってどんなの書いたの?」
赤羽が海老名さんに聞いてくる。すると……
「BL」
これを聞いた瞬間、教室にいた全男子に悪寒がはしった。
そう海老名さんは……腐女子だ!
後日聞いたが、海老名さんの家にあったバックアップデータは無事だったらしく、結局、殺せんせーを題材にしたBL小説は全国ネットにさらされたのだった。
俺ガイルキャラ二人目の登場は海老名!
というか海老名は別に作家志望じゃなかった!?
作家志望は材木座だった!?
腐女子だけど別に自作はしてなかった!?
でも暗殺教室に作家志望の生徒いないし……狭間は司書志望。不破は漫画好きなだけ。だからいいよね!?
次はビッチ先生登場!