蒼穹のファフナー Benediction   作:F20C

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今回は芹→広登→芹視点でございます。

あと、一つ気が付いたんですが…
来栖とか一騎とかの絡み全く書いてねぇ!!

いや、フォーカスを芹ちゃん世代に絞るって決めた時点であまり詳しく書く気はなかったんですが。。。
来栖ファンの方、ごめんね。




たとえ私がそこにいなくても -Ⅰ-

敵は、また攻めてきた。

 

前回の戦闘から数日が経った頃、やっとシュウが病室のベッドから出ることが出来たタイミングで、ソロモンが敵の侵攻を察知した。

シュウはやっと歩けるといったレベルで、まだファフナーでの戦闘は出来ないということらしく、今回の戦闘には不参加ということになっている。

 

その事にほっとする自分と、シュウが居ないということに不安を感じる、まさに正反対な思いはあった。

確かにシュウが居ないというのは戦力的にも不安だし……その、私のメンタル的な意味でも一緒にいてくれたほうが頑張れる気がする。

でも、今の体ではシュウはきっと満足に戦えないし、悪くすればフェストゥムに同化されるかもしれない。

 

二重の意味で、『安全』のために今日のところは大人しくしていて欲しい。

けれど、やっぱりと言うかなんと言うか、本人はその事に全く納得できていないようで。

 

何となくシュウが来るかと思って、ブルグの扉の前で待ち構えていると、案の定だった。

コソコソと隠れながらここまで来て、目的地に着いたという安堵感が表情に出ていたが、私の顔を見るなりそれは青い色に変わっていった。

 

そして私の超平和的交渉によって、シュウは見送りという形でブルグに留まることになった。

ちょっと笑顔のまま『見送りに来てれくれたんだよね? ね?』と威圧感を出してみただけだったけど、シュウが分かってくれてよかった。

 

 

「なぁ……俺もやっぱり…」

 

「ダーメ。遠見先生にも大人しくしてなさいって言われたでしょ? ついこの前、そこで倒れたのもう忘れた?」

 

「いや、でもな…」

 

 

シナジェティックスーツに着替えた私に対して、シュウはいつものアルヴィスの制服。

私達の服装の違いが、これから私達がそれぞれ向かう先の違いを表していた。

 

ファフナーブルグ、マークツヴォルフのコクピットブロック前で出撃の合図を待っている現在、私はムスッとした様子のシュウのお守りをしていた。

いや、別にシュウが子供みたいに拗ねているわけじゃないけど、変に頑固なところがあるシュウを大人しく引き下がらせるのは結構苦労する。

特に、自分の体調が関わった時などはそれが顕著なのだ。

 

でも、今も投薬などのお陰でやっと立てている状態……私としては、まだベッドの上でジッとしていて欲しいくらいだけど。

シュウの責任感や、無力感とかも理解はできるけど、やっぱり無茶はして欲しくない。

 

 

「今のシュウの仕事は、体調を早くもとに戻すこと。それに、今のシュウじゃ足手まとい」

 

「………弾除けくらいにはなる」

 

「次、同じこと言ったら引っ叩くから」

 

 

少し強めに、今のシュウでは戦えないという事実を突きつけると、どこか思いつめた様子でシュウが不吉な事を口走る。

正直、冗談でもそんなことを口にして欲しくない。

 

……何となく、シュウの様子が変だ。

パッと見た感じは体調の所為で辛いようにも見えるけど、それだけじゃないような気がする。

あそこまでネガティブな事を口にすること自体珍しいし、私を不安にさせるようなことを自分から言うような奴じゃない。

 

何となくだけど……何か、酷く追い詰められているように見える。

 

 

「ね、シュウ。別に、シュウだけが頑張らないとダメなんて誰も言ってない」

 

「……」

 

「シュウがヒーローになる必要ない。一人だけでボロボロになって戦う必要ないの」

 

 

ここ最近、シュウに諭され、慰められてばかりだった私が、シュウを諭しているような形になって自分でも新鮮に感じた。

でも、これは私が心からそう思っていることでもあった。

 

シュウ一人が、私や皆を守ってボロボロになる必要なんてどこにもないし、あっていい筈ない。

シュウ自身が言っていたことだけど、『島を守るなら皆で守ろう』だ。

 

シュウが戦えない時は、その分誰かが穴を埋めればいい。

ヒーローになんてなれなくてもいい、戦えないなら、私が帰って来た時に迎えに来てくれるだけでも十分なんだから。

 

 

「お前が心配なんだ」

 

「分かってる。でも、ちゃんとシュウのとこに帰ってくるってば。シュウも約束守ってくれたしね」

 

 

多分、シュウは私のことも本気で心配してくれている…けれど、それだけじゃない。

シュウはファフナーに乗りたがっている、戦いたがっているように見える。

 

何かに急かされているように、自分自身に義務を課しているように、まるで脅迫されているようにも見えた。

これが、剣司先輩の言っていたシュウの危うさ、いなくなりたがっているという自己否定がそうさせているのだろうか。

 

けど、それが分かっているのなら、なおさらシュウをファフナーに乗せるわけには行かなくなる。

さてどうしたものかと数秒考えるが、良い手は思いの外アッサリと浮かんできた。

多分、シュウへの気持ちを自覚、理解していない少し前の私では絶対に出来ないようなことだったけれど。

 

 

「……でも、ちょっと不安だから…さ……ほんのちょっとだけ勇気頂戴」

 

「お、おい…!?」

 

 

私は、シュウの体になんの遠慮も、躊躇すらせずに抱き付いていた。

この前の演習後の時のように縋り付くのではなく、しっかりとシュウの体に腕を回して、離してやらないという意志を示すように強く抱く。

シュウの体温を感じるのと同時に、彼の心臓の音をダイレクトに感じられる。

 

シュウの心臓の鼓動は、少しずつ速くなってきて…私が抱き付いたことでそうなっているんだと思うだけで嬉しかった。

女として、ちょっとだけ自信が持てるような気がした。

 

 

「ふむぅ~……」

 

「せ、芹……? お前、何がどうしたんだよ…」

 

 

シュウが困ったような声を出すが、私は構うことなくシュウの存在を感じさせてもらう。

ずっとこうしていたいという気持ちがジワリジワリと出てくるが、それを押さえ込みつつ、私はシュウの存在を、シュウには私の存在を深く刻み込むように抱き続ける。

 

なんだか、犬のマーキングのような気もするし、私まで得をしているような気もしてくる。

でも、正直なところシュウがいない戦場に出ていくことに不安を感じていたのも事実、シュウに勇気を分けて欲しかったのも嘘じゃない。

 

自分でもなかなか度胸の必要なことしたと思う反面、この前シュウに膝枕をしていた時にように恥ずかしさから赤面することはない。

シュウに何かをしてあげることに慣れたというわけではないけど、それが当然のことのように思えて、慌てる必要を感じなかった。

好きな人のために何かしたいという、基本的な気持ちに従っているからだろうか…だとしたら、やっぱり気持ちを自覚できて本当に良かったと思える。

 

そして、私は加えて今の私の素直な思いを少しだけシュウに伝えていく。

 

 

「シュウ……シュウが何を考えてても、他の誰が何を言っても……私は、シュウにここにいて欲しいって思ってる」

 

「……」

 

「シュウはここにいていいんだよ」

 

 

別に、この私の一言だけでシュウの問題が解決するなんて思っていない。

でも少しずつ、時間をかけてでも、私が癒してあげたい。

例え一方通行な気持ちでも、私はシュウに言い続ける、『シュウの居場所はここにある』と『ここにいていいんだ』と。

シュウが自分を否定しても、私は肯定し続けてやると。

 

 

「よっし!! 補給完了!」

 

「……おい、芹…?」

 

「あれ? シュウってば顔真っ赤~、そんなに私のハグが気持ちよかったのかなぁ?」

 

「ち、違うっての!そんなわけないだろ! あぁ……ったくもう……さっさと行っちまえ!」

 

「はいはい、分かった分かった。また思う存分ハグハグしてあげるから……あ、なんなら今日一緒に寝てあげようか」

 

「こいつ…この前病室で顔真っ赤にして逃げたのはどこのどいつだっての……」

 

 

やや真面目な話を終え、シュウをからかうようにして彼を抱く手を離す。

名残惜しい気持ちはあったけど、さすがにもう時間がそれを許してはくれないだろう。

 

さっきまでの、影のあったシュウは姿を隠し、私の軽口に顔を真っ赤にしつつ、シッシと犬をどこかにやるように私を送り出す。

やや強引だったかもしれないけど、シュウはこういう予想外の事態に弱い。

思い詰めたシュウの思考を一旦リセットする為とは言え、私がこんな風に積極的な姿勢で迫ってくるなんて、思ってもみなかっただろう。

 

…まぁ、私も役得だったけど。

 

 

「じゃあ、行ってくるから!」

 

「…あぁ」

 

 

諦めたような表情のシュウに、私はそう言って背を向ける。

コクピットブロックに入り、ブロックが閉鎖するその瞬間まで、シュウは私のことを見ていてくれた。

その逆も然り、私もシュウの顔が見えなくなるまで、彼から視線を離すことはなかった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

三回目の戦闘中、堂馬広登の心は揺れていた。

それはここ最近、自分の身勝手な嫉妬心からくるシュウへの、あいつだけじゃない周囲への反発によるものではなかった。

 

原因は数日前、偶然修哉の病室の前を通りかかった時に聞いてしまった話。

 

 

『修哉くん、今のあなたの体はファフナーでの戦闘には耐えられないの、このまま戦い続ければ……確実に命を落とします』

 

 

それを立ち聞きしてしまった瞬間、俺の頭は一瞬真っ白になった。

修哉が……死ぬ?

あまりにも実感の沸かない話……いや、ここ最近その兆候がなかっただけで、本来修哉は病人だ。

ありえない、考えられない話じゃなかった……けど、なんで今になってこんなタイミングで、と思わずにはいられない。

 

先輩たちはどうか知らないけど、俺達世代のパイロットへは、修哉は体調不良による戦闘からの一時離脱と情報展開がされてる。

恐らく、俺達の精神的な動揺を考慮しての事だと思うが、修哉がこれ以上ファフナーに乗って戦えないなど、全くもって寝耳に水だった。

一番に反応しそうな芹も、同じく何も知らされていないのか、修哉の分まで戦おうという気持ちでいるようだが……

 

けど、それと同時に……俺の心のなかで『これで邪魔者がいなくなる』という考えていいはずのない感情が生まれていた。

馬鹿か俺は…!

俺は……俺は友達相手に何を考えてやがんだよ!!

 

……あいつが憎いわけでも、そもそも俺が勝手に嫉妬して、突っ掛かってるだけだってのに……

そもそも……あいつがいなくなったら……芹が悲しむじゃねぇか……!

あぁくそ、何なんだよこれ……俺ってやつは…!!

 

 

「クソオォ!!!」

 

 

俺は咆哮を上げながら、イージズ装備で受け止めたスフィンクス型を岩場に挟むような形で追い込み、そのまま押し潰す。

自分の中に蓄積していく黒い塊を吐き出すように、フェストゥムを屠っていく。

 

今日はこの前のようなスカラベ型を使っての爆撃はしてこないが……初めての戦闘時のように敵の数が多い。

先輩たち、芹たちも奮戦しているため、数は徐々に減りはしているが……

 

 

「(やっぱ、修哉がいないのが痛い……いつもあいつのフォローが入りそうなタイミングでそれがないからか、芹たちの動きが少し固い)」

 

 

芹はもちろん、里奈や暉……そして都合のいい話だが俺も、いつの間にか修哉のフォローを当てにした戦闘をしてしまっていた。

それがここに来て、修哉の離脱という形で破綻し、動きの硬さ、いや悪さと言った方が適当かもしれないが、それに繋がってしまっている。

 

もちろん、戦闘が終盤に近づくにつれ、それも解消しつつあるのだが、一人抜けるだけで、軸が抜けてしまうだけで簡単にこうなってしまうのかと実感してしまう。

そして、都合のいい時にだけあいつを頼る、当てにする自分の浅ましさにも嫌気が差してしまう。

 

 

「(あいつがこれ以上戦えないなら……俺が今以上に…あいつの代わり張れるくらいにやりゃいいって……それくらい考えてみせろよ、堂馬広登!!)」

 

 

ガルム44から銃弾をばら撒きつつ、新たに島に上がろうとしているフェストゥムをイージスで受け止める。

受け止めたフェストゥムは、暉がドラゴン・トゥースによる狙撃で排除。

ここ最近上手く行かなかった連携攻撃が、久しぶりに決まったことに少しホッとする。

 

しかし、フェストゥムは数を減らしながら、尚も攻め立ててくる。

人間なら、人間の戦い方を学習したフェストゥムなら、既に撤退を始めていそうなものだが、今日はやけにしつこい。

まるで、島より先に島を守る俺たちを消耗させたいようにも思えてしまう。

 

 

「人間様のタフさを…舐めてんじゃねェェェ!!!」

 

 

吠えつつ、接近しつつあるフェストゥムを引き付けながら、ガルム44で迎撃していく。

撃墜数が既に12を超えつつあったが……頭の中を過るのは、修哉のマークツヴァイの戦闘だ。

 

いつものあいつなら、もう俺の倍以上の数を倒しているんじゃないのか?

やっぱり俺じゃあ勝てないんじゃないのかと、今考えるべきではないことばかり。

 

 

「(島も芹も……今動けないあいつじゃない……!! 俺が守るんだよぉ!!)」

 

 

自分を奮い立たせ、不要なイメージを払拭するために、そう心の中で叫び、俺は目の前に現れるフェストゥムを次々と始末していく。

どれだけ頑張ったとしても、戦ったとしても、守ろうとしたとしても……芹の心が修哉から離れないことを分かった上で。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

戦闘はフェストゥムの数が多かったものの、なんとかその勢いを削ぎ落とし、竜宮島の防衛ラインは安全圏に近付きつつあった。

しかし、ここ最近の戦闘時間から考えると、やはりどこか戦闘の流れ方が悪いというか、上手く回っていない。

理由は、私達世代のパイロット陣の動きがやや精彩を欠いていることだろう。

 

シュウにあそこまでカッコつけた啖呵を切っておいて、これでは形無しだけど、やはりシュウの不在の影響は大きい。

私自身、既に10体ほど敵を倒し、撃墜数で言えば自己最高記録を更新しているが、単純にシュウが抜けた分の負担が皆に均等に行き渡っているだけの話だろう。

里奈も暉も、広登も、フェストゥムの撃墜数が過去最高をマークしているけど、戦闘時間も同様に伸びていることがその証拠だった。

 

だけど、戦線も安定ラインに入った、ここからは残った敵戦力の掃討のみ。

油断さえなければ、無事に島に……シュウのところに帰れると、私は心にそう言い聞かせながらファフナーを駆る。

 

 

「これで……最後ぉぉ!!」

 

 

ショットガン・ホーンを展開し、エネルギーフィールドを発生させたツヴォルフは、さながらカブトムシを彷彿とさせる。

私の周囲にいた最後のスフィンクス型の胴目掛け、背部のスラスターを全開にしてツヴォルフの『角』を食い込ませ、エネルギー弾を放つ。

 

体内を焼かれたフェストゥムは地に落ちるものの、コアは健在なのか消滅することはない。

ならば実弾でトドメをと、手持ちのライフルのマガジンを交換し、フェストゥムを確実に葬るため、近距離から攻撃しようとした……そんな時だった。

 

 

「え?」

 

 

さっき私が刺し貫き、地面に落としたフェストゥム。

普段はのっぺりとした顔のような部分に、以前見た時と同じ、苦痛に歪んだ人の顔が浮かび上がっていた。

そして、以前と同じように、苦しげな表情で何か言葉を発するような口の動きを見せた。

 

今回は、他の敵の姿は既に無い。

それもあってか、私はフェストゥムの口の動きをじっくり、意味を理解しようとして見てしまった。

 

果たして、私はフェストゥムの口の動きから、彼らがなんと言おうとしているのか理解できた。

いや……理解できてしまったというべきだったかもしれない。

 

 

『い た い た す け て』

 

 

フェストゥムの口の動きに合わせ、確認するように自分でもそう呟いていた。

そして、その言葉の意味を理解した瞬間、私は、マークツヴォルフの指はライフルのトリガーから離れていた。

同時に、フェストゥムを前にしているにも関わらず、体が震えだす。

 

 

「痛い助けて……?」

 

 

フェストゥムが痛みを、苦痛を、それらからの救いを求める言葉を発している。

私の攻撃によって出来た傷で苦しみ、救いを求めていたのだ。

 

敵の言葉だ、今まで散々私達から奪い続けてきたフェストゥムの言葉だ。

そう自分に言い聞かせて、今までだって、もう何体ものフェストゥムを葬ってきた……けど、その根底にはもしかしたら、『フェストゥムは痛みも悲しみも感じない怪物なんだから問題ない』という気持ちがあったのかもしれない。

 

痛いと、苦しいと、何かに救いを求めるようなことをしない相手だから、自分たちの命を脅かす相手だからと、そんな免罪符を手に戦っていた。

フェストゥムを倒すことを、正しい事だと自分に言い聞かせるために。

初めての戦闘で見た、フェストゥムの苦悶に歪む表情を拭いたい一心で。

 

でも今日、今この時、その免罪符がボロボロと燃え尽きていくように感じた。

 

 

「うそ…」

 

 

私は、ツヴォルフが立っていられなくなり、地面に尻餅をつくような状態になる。

 

私が今まで、何体も葬ってきた存在は一体何なのか……私は何と戦ってきたのか、戦うべきなのか、一瞬で分からなくなってしまった。

怖かった、目の前で苦痛に満ちた目で何かに救いを求めるように呟く、手負いのフェストゥムが。

 

銃口はまだ向けているが、トリガーに指がかからない、そのイメージができない。

それが本当に正しいことなのか、確信を持てなくなっていた。

 

 

『芹! 大丈夫か!』

 

 

一番近場で戦っていたのだろう、私の異常に気が付いた広登が慌てた様子で私のカバーに入り、クロッシング経由で尋ねてくる。

手負いとはいえ、フェストゥムの前でこんな状態になっていれば、心配されてしまうのも当たり前かもしれない。

 

でも、今の私には広登に一言、『大丈夫』と返事をするだけの余裕すらなかった。

 

 

「なんて言ってるか……やっと分かった…」

 

『え?』

 

「『痛い、助けて……痛い、助けて』って……」

 

「……なら、楽にしてやれよ…!!」

 

 

私の言葉を聞いた広登は、ガルム44の銃口を私の眼の前にいる手負いのフェストゥムへ向け、フルオートで発砲。

銃弾が今度こそ、コアに決定的なダメージを与えたことで、苦痛の表情で救いを求めていたフェストゥムはワームスフィアに包まれて消滅する。

 

フェストゥムを倒すことが出来たにも関わらず、達成感も安堵すら感じることが出来ない。

フェストゥムが何を思って、どういう思考であの言葉を口にしたのか。

人間同様、苦痛から開放されたいという欲求がそうさせたのか、傷を負わせた私達に後悔の念を植えつけたかったのか。

 

気が付けば、私は声を上げて泣いていた。

広登の困ったような声にも構わず、自分がひどく恐ろしいことをしているような気がして、ただフェストゥムと戦うばかりで良いのか分からなくて。

 

 

「蒼い空が見たいよぉ…!」

 

 

まるで縋り付くような声で、そう叫ぶ。

いつもそこにあったはずの青空は、まだ見えないままだった。

 

 

 




ファフナー13話(1クールラスト)


えぇぇえええぇえぇ!?
いや、ちょ、えぇぇええ!?

冲方先生・・・この状態で2クールまで待てと仰るんですか・・・



で、13話についてですが・・・

バーンズ、生きとったんかワレ!!
いや、一期で死んだと思ってたよ普通に。
彼の今後の立ち位置が結構気になりますねぇ。。。

で、竜宮島側では咲良とカノンが愛機に再搭乗。
無人機を操る咲良ですが……は? 無人機増えてる?
カノンに至っては未来視という能力・・・

???「我がギアスは、未来を読む!!」

あかん、これ一刀両断フラグや。


で、久しぶりに出てきたパスタですが……
てめぇこのパスタ野郎!! 芹ちゃんに何してくれやがる!! アルデンテにすんぞ!!
あぁ駄目だ、7話のトラウマがあってか芹ちゃんが攻撃受けるだけで滅茶苦茶不安になる。。。


で、広登と暉の会話ですが・・・
もうね、ホント広登はいい加減にしておくんなまし・・・
死亡フラグのバーゲンセールじゃないんだからさ。

そしてCパート。
カノンの未来視で見えた墓と、大破したファフナー。
あのこれ、もう希望が見えないんですけど。

せ、芹ちゃんの墓? 俺には見えないからヘーキヘーキ(震え声)


続編については5月のイベントで発表らしいですけど、夏に始まるんだろうか。
秋だろうか…あぁ、お腹痛い。

ともあれ、鬼畜レベルな引きで終わった1クール目でしたね。


さてさて、本編でございます。

出撃前の一幕ですが、やっぱりうちの主人公はコソコソとブルグに来てましたね。
芹ちゃんの平和的交渉(平和って難しいね!)で思い留まりましたが、全く手を焼かさてくれます。

で、ブルグの中でも大胆に、人目も憚らずに抱きつくという離れ業を熟す芹ちゃん。
シナジェティックスーツで抱きつかれる……妄想が捗りますね


そして広登視点。
彼は偶然ではありますが、シュウの余命告知とファフナーに乗れないことを知ってしまいました。
これがこの先少し効いてくる……はずです、恐らく。


最後の芹視点は劇場版でもありましたね。
このお話の芹ちゃんは初回の戦闘からずっと、フェストゥムと戦うことが正しいことか悩んでいました。
フェストゥムの声にならない声を見てしまったため、理由付けが必要だったんですね。
が、その言葉の意味を知ってしまい、完全に戦意を喪失してしまいました。



次回は…芹ちゃんが例の役目を…
そして、シュウに…というお話です。

ではでは・・・




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