色々なIF集   作:超人類DX

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続き…かな


モノは言い様

 

 

 

 傷だらけの人間。

 

 触れようとすれば誰彼構わず噛み付こうとする狂暴な人間。

 

 そんな粗暴で、狂暴で、デリカシーが無くて、目を離すと種族無関係に女性を口説こうとする人間に、我々は『生きる事は逃げないこと』である事を教えられた。

 

 

『アンタ達が虫も殺せないくらいに優しい――いや、甘い人達なのはもうわかってるつもりだ。

そんなアンタ達が、同族であるシアの事ならともかく、余所者の――しかも『人間風情』の俺なんかを庇っちまうから国を追われてしまった』

 

 

 奪われるだけであった我々を、忌み子と他の亜人種族達から罵倒されるだけであった娘を、恐れていた筈の人間であるあの子だけが手を差し伸べてくれた。

 

 

『ごめんな……? 余所者でしかない、ましてやどこから来たかも解らない得体の知れない俺が、無関係だったアンタ達まで巻き込んでしまった。

だから俺はそのケジメを付ける』

 

 

 綺麗事ではまかり通らない現実を。

 我々を狩ろうとする人間達を率先して排除しながら、その手を血に染めてでも守らなければならないものがあるのだと教えてくれた。

 

 

『これからはアンタ達の事は死んでも守る。

偉そうに言うつもりでも、カッコつけてるつもりでもない。

今の俺がこうして生きてこんな事を言えてるのも、アンタ達が俺なんかを受け入れてくれたからだ。

何時だってそうだった、ガキの頃から『異常者』だ『化け物』だと言われ、多くの人達に拒絶されてきた俺が生きてこれたのは、アンタ達みたいな優しい『おバカ』が居たからなんだ』

 

 

 異世界の龍を宿す龍の帝王。

 我々の自由の為に戦う事を宣言したはぐれ者の帝王。

 あの子からすればちっぽけな我々の為だけにその力を振るう―――種族も、血の繋がりもも越えた繋がり。

 

 

『そんなおバカが俺は大好きなんだよ。

そんなおバカの為に俺は強くなろうと決めたんだ。

それが――最後の赤龍帝である俺の生きる意味だ……!』

 

 

 誰よりも生きることに貪欲で、誰よりも繋がりに餓え続けた強く、そして寂しい人間の子。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 シアの未来視によって出会ったハジメとユエを樹海付近まで案内する事になっているハウリア族とイッセーは本人達の『別にそこまで急いではいない』という言葉もあったので、割りとのほほんとした移動をしている最中、そう言えば聞いては居なかったと改めてハジメとユエについて色々と聞くことが出来た。

 

 

「へぇ、この世界に召喚? ってのをされてから今話した経験を経て力を持ったってわけか……」

 

「思っていたよりも凄い修羅場を経験されていたのですねー……」

 

「まぁな……ただ、イッセーの話を聞いてるとそれでも軽い気はするが」

 

「こんな話に重いも軽いも無いだろ」

 

 

 イッセーの経験と比べたら自分の経験なんかちっぽけなものだと、若干己を卑下するような言い方をするハジメにイッセーは苦笑いを浮かべる。

 

 

「まあまあ確かに今こうして思い返せば、ちっさい頃は中々に無茶苦茶な事をやらかしまくっていた感は否めないかもしれないさ。

腹減りすぎて誰が捨てたかもわかんねぇ腐った残飯食い荒らしたり、金持ってそうな反社的な奴等を襲撃して金奪ったり……」

 

「それを10になる前からやってたんだろ? やっぱり根本的に潜ってきた修羅場が違う」

 

 

 年齢一桁の時点で肉親に逃げられ、独りでどうにか生きる事を強いられてきたからこそ、世間様には胸を張れないような事をして何とか生きてきたイッセーはハジメにそう言われるが、学校のいじめられっ子的だった位置だった一般人が、魔法やら非人間種族が蔓延る世界に召喚とやらをされた挙げ句、戦いを強いられ、その訓練中の事故で自身の許容を遥かに越えた迷宮の最下層付近まで落とされ、片腕をくいちぎられながらも力を少しずつ得て生き残った事の方が余程凄いと思うわけで。

 

 

「自慢じゃないが、俺の場合は最初から『化け物』だの『異常者』呼ばわりされる『ソレ』を持っていて、その引き出しかたをある程度『把握』していた状態で世間に放り出されたからなんとか生きられたけど、君の場合はそれすらもなくやべー魔物だらけの穴蔵に放り込まれて生き残ったんだろ? そっちの方がかなりスゲーんじゃね? なぁシア?」

 

「ええ、というかこういう話にどっちがどっちというのも無いでしょうしね」

 

「そーそー」

 

「………」

 

 

 シアの言葉にうんうんと頷くイッセーに、今度はハジメが力が抜けたような苦笑いを浮かべてしまう。

 

 

「やっぱ変わってるよお前等って……」

 

「えー? 私からしたらハジメさんとユエさんの方が余程変わってると思いますけどー?」

 

「そうそう。俺はしがない年上お姉さんハーレム王を目指してるだけのそこら辺のチンピラだし」

 

「そんな事をヘラヘラしながら言えてる時点で十分変わってる」

 

 

 ユエの突っ込みにシアやイッセー、そして聞いていた一部のハウリア族までもがガハハと無駄に豪快に笑うので、ハジメとユエはお互いに顔を見合わせながら軽く笑うのだった。

 

 

「あれ、そういえばちょっと流してたけどユエっちって迷宮の中で封印されてたんだろ? しかも吸血鬼っつーことは…………年上か?」

 

「む……」

 

「年齢についてはノーコメント」

 

「おい、いくらお前でもユエに妙な真似をしたら……」

 

「いや? 何もしないし、変な事も言わんよ。

そりゃあ確かに実年齢は俺よりかなり上のおねーさんなんだろうけど………」

 

「…………………なに?」

 

「見た目があまりにもちんちくりん―――いや若すぎるから色々と外れまくってる感が―――おぼえっ!?」

 

「ふふふふ、ごめんなさいねユエさん? ウチのおバカさんが失礼な事を……」

 

「あ、うん……。それは良いけど……」

 

「綺麗に脇腹に入ったぞ今……」

 

 

 そんな、とってもユルユルな空気のまま樹海へと続く森の入り口まで到着したハジメとユエ。

 

 

「行き先は森の最深部である大樹でしたな?」

 

「ああ、そこが恐らくは迷宮の入り口になっている筈だが……」

 

 

 契約上、カム達が案内できるのはここまでとなっているので此処から先は案内が無いと辿り着くのは容易くはないとはいえハジメとユエだけが行かなければならない。

 

 

「樹海自体が迷宮じゃないの?」

 

「最初はオレもそう思っていたが、よくよく考えてみたらオルクスの大迷宮に生息していたような魔物が樹海の中にいたら他の亜人達がまともに棲めるとは思えない。

あるとするなら、樹海の中でも聖地として呼ばれる大樹があるウーア・アルトに入り口があるとオレは見た」

 

 

 ユエとハジメが話をしているのをハウリア族達とイッセーは眺めながら、割りと久々に見る亜人の森の周辺に食料となる動植物は無いかと探し始める。

 

 

「なぁなぁ、このカラフルな蛙とか結構でかいし焼けばイケるんじゃねーか? こっちにはそこそこ良い香りのするキノコがあるぞ」

 

 

 どう見ても人間でも亜人でも食べたらヤバそうな見た目の動植物ばかりを発見するイッセーに、カム達はそれは『猛毒があるからダメだ』と説明するのだが、イッセーは毒があると聞いている癖にこう聞くのだ。

 

 

「わかった。で、味は?」

 

「は?」

 

「だから味……」

 

「聞いていたのか? それらは毒が――」

 

「聞いてたさ! でも食ったらウマイかもしれないだろ!?」

 

 

 

 これまでの人生のせいか、相当な悪食人間の化してしまったイッセーにとってウマイのなら毒の有無なんて関係ないらしく、三年の間でイッセーの悪食さ加減を知っていたシア達が大層呆れてしまう。

 

 

「私達はまだそこまで毒に対する耐性は無いから、それだけは諦めてくれ」

 

「そもそも最初からそうだったけど、イッセーがおかしいんですよ。

猛毒の木の実とかも手当たり次第食べても平気な顔ですし」

 

 

 悪食生活のお陰と、イッセー自身の『適応進化能力』によって、猛毒に対する耐性がほぼ完璧になってしまっているらしく、その割りには酒にはかなり弱いというよくわからない体質。

 

 結局残念そうに猛毒キノコと蛙の採取を諦めたイッセーは、ふとハジメとユエがこっちを見ていたことに気づく。

 

 

「? どしたお二人さん?」

 

「またお前らがコントやってるみたいだったから終わるまで待ってたんだが、話しても良いか?」

 

「? どうぞ?」

 

 

 結局ハウリア族の子供達が採ってきた安全な果実をおやつ代わりに食べる事にしたイッセーとシアが、もしゃもしゃと水色のパステルカラー満載の謎りんご的な果物を食べながら話を促すと、ハジメがユエと共にスッと頭を下げた。

 

 

「無理なのは百も承知なんだが、頼めるのが現状アンタ達しかいないんだ。

悪いんだが、入り口までといった道案内を延長してほしい」

 

 

 

 どうやらこのまま突入しても高確率で迷う可能性を感じたらしく、道案内の延長を頼んできたのだ。

 それに対してハウリア族達は各々お互いの顔を見合わせたりする中、シアとカムは難しそうに唸る。

 

 

「構いませんよ……と言えるものなら言いたいのですがね」

 

「勝手に入ると割りと五月蝿いことになるんですよねぇ……」

 

 

 別にそんな義理をこの二人から貰ったわけではないのだが、元来騙されやすいくらいにお人好しな兎人族からすればこうも頼み込まれてしまうと、実に断りにくくなってしまう。

 

 

「もちろんタダでとは言わない。

さっきイッセーがチラッと言ってた礼のようなものは―――」

 

「なにぃ!? はっつぁんの知り合いのお色気むんむんムレムレなお姉さんを紹介してくれるのか!? どんな人なんだ!?」

 

 

 そんなカウ達に十分な礼を約束すると言うハジメに真っ先に反応するのは他ならないイッセーであり、鼻の下をだるんだるんに伸ばしながら、ぐぬぬと言っているシアの視線をものともせずハジメに詰め寄りまくる。

 

 

「あ、アレだ……歳は25だ」

 

「25! む……25かぁ……ちと若いな」

 

 

 そんなイッセーに引きつつも『知り合い』の年齢をまず言うと、18になったばかりのイッセー的には若すぎる基準だったらしく、微妙な顔をするのを見て慌てたハジメは咄嗟に追撃する。

 

 

「だ、だがすげーぞ! ちゃんと大人の女性って雰囲気あるし、お前の言う色気も凄まじい! なんてったって元の世界じゃオレの通ってた学校の先生――つまり女教師だ!」

 

 

 内心ハジメとしても物凄く言いたくないし、自分でも何を言ってるのかと恥ずかしくもなるし、そもそも大半が今言った何者かの特徴が大嘘であるのだが、そうも言ってられなかったのでハジメは思い付く限りのイッセーが釣れそうな特徴を、イッセーの背後からこっちを思いきり睨むシアと、自分の後ろから生暖かい目で見てくるユエの視線に挟まれながらも訴える。

 

 

「お、女教師……。

ち、ちっさい頃川の土手で拾ったエロ本を初めて読んだが、その中身が女教師モノだった……。

お、おいはっつぁんよ! その人はスーツか!? 黒タイツか!?」

 

「レディーススーツだ! 黒タイツだ! なんならFカップだ! 学校じゃ男子殺しと呼ばれてた!」

 

「おっしゃあ! その話乗ったァァァァッ!!!」

 

 

 どこぞの電信柱のような髪をしたスタンド使いとチェリー大好き男子高校生がやっていたような所謂『ピシガシグッグ』をイッセーとハジメはする事で割りと簡単に契約が成立したのだが……。

 

 

「ふっへへへ……! お色気女教師地獄……ぐへへへ……」

 

「イッセーのバカ!」

 

「ハジメ…」

 

「よ、よせユエ。オレをそんな目で見るな。

し、仕方なかったんだ……」

 

 

 ハジメは色々な意味で自身の尊厳を切り崩したと自覚するのだった。

 

 こうして依頼の延長となりハジメとユエを樹海奥地の大樹まで案内することになるのだが……。

 

 

「動くな! 何故此処に人間が――――あぁぁぁっ!? き、貴様はスケベ小僧!?」

 

「な、なにをしに来た!? 貴様は兎人族共々国を追放――」

 

「うっさいボケェ!! お色気女教師の為じゃあ!」

 

 

 当然元は追放されている兎人族や……他の亜人族からしたら『悪夢』のようなドスケベ小僧が襲撃してきたと亜人族達は大騒ぎとなり、とてもカオスな展開へと進んでいくことになるのだが、それはまた別のお話。

 

 

「理由が理由とはいえ、私、ちょっとハジメさんが嫌いです。

あんな手でイッセーを釣るなんて……」

 

「わ、悪い。

流石に悪い……」

 

「私も同じ事を思った。

普通に頼めばよかったのに……」

 

「そーですよ。

ぐすん、なにが女教師ですか……私だっておっぱい大きくなったのに……酔ったイッセーに凄いことされたのに……」

 

「う、埋め合わせはするから……」

 

 

終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハジメの言っていたお色気女教師を紹介して貰える……という約束が紆余曲折の後に――それもある意味でハジメ的には予想外の状況で果たされる事になった……のだが。

 

 

「は? またまぁ? 冗談キツいぜはっつぁんよぉ? そんなに勿体ぶらずに早く俺にお色気ムンムン教師お姉さんをだな……」

 

「だからこれがそうなんだよ……」

 

「えー? 俺には男子高校生と女子高生と………なんかどっちでもなさそうな、どっちかと言えば中学生くらいにしか見えない女の子しか居ないようにしか見えないし。

早いとこ黒タイツお姉さんをだな……」

 

「だから! ………その中学生くらいにしか見えない女の子がそうなんだよ。

元の世界で社会科の教師だった畑山愛子が彼女なんだよ」

 

 

 

 紹介された女教師は―――――ちんまかった。見た目がとにかく。

 

 

 

「な、なんの話かは知りませんが、確かに私は歴とした教師ですけど……」

 

「………」

 

「え?」

 

「……………………………」

 

 

 その瞬間、なにもかも騙されていたのだと理解したイッセーは怒るでもなく、発狂するでもなく、静かに一言――

 

 

「チェンジで」

 

 

 誰彼構わず気安く、誰に対してもヘラヘラ笑って、割りと人懐っこいイッセーが能面よろしくな冷たい顔でただ一言、愛子を心底見下ろしながら言ったのだ。

 

 そして――

 

 

「ふ、ふざけんなよはっつぁん!? た、確かに教師だし年もマジで25らしいがどこがお色気ムンムンなんだゴラァ!?」

 

「お、落ち着けイッセー! お、オレは少なくともそう見えたから! そう見えてたからそっくりそのままオレの印象をだな……!」

 

「嘘つけこの野郎! どこをどう見たらそう見えるんだ!? そもそもFカップじゃねーだろ!? A-以下だろが!? ただのチビな小娘じゃねーかぁ!!」

 

「んが!? だ、だだだ、誰がチビな小娘ですか!? 初対面で失礼な――」

 

「うるっせぇ!! 寸胴チビが!」

 

「ず、寸胴チビ!?」

 

「それ以外になにがあるってんだオラァ!!」

 

 

 他の生徒達を置いてけぼりに大騒ぎをしてしまい、畑山愛子を口説こうとしていた教会側の人間が罵倒するイッセーに激怒しつつ、ついでとばかりに亜人であるシアに対して差別言葉を言ったものだから、その男性は即座に半殺しにされたあげく、パンツ一丁で町の湖に沈められてしまう。

 

 

「うわーん! シアえも~ん! はっつぁんに騙された~!」

 

「はいはいはい、だから『そんなオイシイ話なんてある訳がない』ってあの時から言ってたのに、まあでもちょっと可哀想なので私が慰めてあげますよイッセー?」

 

 

 その後イッセーは騙された事を嘆き、待ってましたとばかりに両手を広げてスタンバっていたシアに人目も憚らず抱きついてその胸の中でめそめそしていたり……。

 

 

(うっしゃあ! 作戦成功! ありがとうですハジメさん!)

 

(けど、本当に騙してたのは事実なんだよな……。

真面目に悪いことしてしまった気が……)

 

(今までのイッセーを見てたでしょう? 放っておくと新しい町に行く度に勝手に出歩いてはシアの気持ちを他所にナンパしようとする。

少しイッセーは痛い目に逢うべき)

 

(けど出汁に使われた先生からしたらいきなりバカにされた感しかないだろうしよ……)

 

 

 偶然度の途中で立ちよった街の店で発見した、この時空軸のイッセーは通ったことすら無い『駒王学園女子制服風な衣装』を着ているシアに抱きついてさめざめと涙を流すイッセーを、内心ハジメとの打ち合わせ通りになってご満悦なシアが、鬼のような母性を醸し出して思いきり甘やかすという、独り身には毒な空気を放ちまくるものだから、ハジメのクラスメート達や愛子達からしたら直視ができないわけで。

 

 

「しょ、初対面の人になんでここまで言われなくては……」

 

「すまん、多分八割はオレのせいだわ。

アイツがどうしても年上の女の知り合いが居たらを紹介してくれと言うから、なんとなく思い付いた先生の事を多少脚色して教えたから……」

 

「はぁ!? だ、だからお、おお、お色気がどうとか言ってたのですね!?」

 

「まあ……その手の女が好みだからなイッセーは」

 

「なんですかそれは!? そ、それに私はちゃんとお色気ありますからね!? 大人なんですから!」

 

 

 ハッキリ言えば、愛子だけば無駄に被害者でしかないのだった。

 

 

「はぁ、男って生きにきーなぁ……」

 

「アホなこと言ってないでシャンとしてくださいよ。

ほら、おっぱい触っても良いですから」

 

「……………」

 

「やんっ♪ まったく、ホントにスケベなんだからイッセーは♪」

 

 

 

「ちょ、お、おい南雲? あの二人誰だっつーか……」

 

「ふ、普通に人前であの男の人が巨乳ウサギさんの胸揉んでるんだけど……」

 

「………。アイツらなりのコミュニケーションみたいなもんだからそっとしといてやれ……」

 

「そ、そんなコミュニケーションがあってたまりますか! こ、こらー! いけませんよそんな事をしてはー!!」

 

 

「あ? 消えな寸胴。ぶっとばされんうちにな」

 

「もう、邪魔しないでくださいよ。

最近になってやっと少しだけイッセーが素直になってくれたのに……」

 

「邪魔もしますし消えません! 見たところお二人とも南雲君達と変わらない年頃でしょう!? つまり私にとってはまだまだ子供であるのにそんなふしだらな事はしちゃいけません!」

 

「いきなり大人ぶんなよ寸胴? 俺達は別にアンタの生徒でもなんでもねーぞ寸胴。

それに今年で一応18だっつーの、わかったならアッチ行ってろ寸胴」

 

「子供でしょうが! というかやっぱり普通に私より年下な癖に寸胴寸胴失礼です!」

 

「あっそう、ならマイルドにまな板さんと呼び方を変えてやろう。すいませんねまな板先生? さっさと飯食って寝てしまえまな板先生?」

 

「ま、まな板言うなー!!!」

 

 

終わり

 




補足

ハジメ君、何故かはっつぁん呼ばれる。

ハジメ君、道案内の為に先生を餌に使ったら即座に釣れちゃったので内心割りと困る。


多分何故か今後のシアさんの衣服は、どこぞの町で偶々見掛けてイッセーが買ってきた『駒王学園女子制服風の衣装』になるかもしれない。



そしてはっつぁんの言ってた女教師と会ったら――――まあ、こうはなるでしょうよ。

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