色々なIF集   作:超人類DX

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これで……ラス?

くそぅ、レイヴェルたんとのイチャイチャが無い…。


※ちょっと抜けてた箇所を加えました。


フェニックスという一族

 

「オペレーション……(ゼロ)

 

 

 額に赤、両手に七色の炎を灯したライザーが右手を眼下に在る有象無象に、左手を背に構えて小さく呟く。

 すると背に構えた左手から七色の炎が緩やかに放出され、右手からは圧縮された炎が収束していく。

 

 

「っ!?」

 

 

 それを目にしたグレイフィアは、現役時代のエシルとシュラウドの幻影をがライザーの姿に重なる事で危険だと判断し、直ぐ様止めようと上空で構えを取るライザーに向かって跳躍しようと膝をほんの少し折り……。

 

 

「うっ!?」

 

 

 膝を折って。

 

 

「な、な……にっ……!」

 

 

 折って、地に付き、両手も付け……。

 

 

「っあ……!」

 

 

 そのままグレイフィア達は、土下座をする様な格好のまま全く動けなくなった。

 

 

「う、ぁ……っ!?」

 

「お、重い……!?」

 

「か、身体が言うことを……聞いてくれません……!!」

 

「ぐ……ぎぃ……!?」

 

 

 まるで大きな手で上から押さえ付けられた様な重圧をその身に乗し掛かる感覚に襲われたグレイフィアは、リアスは、朱乃は、小猫は、祐斗は地面に縫い付けられた様に身動きの一切が取れない事に、ただ困惑しながら何とか動こうともがくが……身体は己の意思を嘲笑うかの様にピクリとも動かなかった。

 

 

「………」

 

 

 それもその筈だった。

 動けなくしたのは他ならぬライザーなのだから。

 

 

「火と風を操るがフェニックスの真髄……と、貴様等は勝手に思っている。

だが実際はそれだけでは無い……俺達の父と母の代で覚醒させ、受け継いだ別の炎は只燃やすだけでは無い……!」

 

 両親が最初に覚醒させた特殊な炎の放出。

 天地8属性+αの半分を子供達は其々受け継いでおり、ライザーは大地七属性の炎を自在に操れた。

 

『ロックオン完了……チャージ・ライトバーナ、1億FV(フィアンマボルテージ)

 

 

 平伏するかの様に動けなくなっていた『敵』の耳には決して入ること無いライザーの声は、収束を終え、右手に小さな太陽を思わす圧倒的な輝きを放つ七色の炎の球体をみるみる内に巨大化させる時に生じるエフェクトの様な音で掻き消され、聞こえる事は無かった。

 

 

「俺は父であるシュラウド・フェニックスと母であるエシル・フェニックスを受け継ぎ、この炎を覚醒させた。

その一つ『大地』の属性の特徴は『重力』を操る。

故に貴様等の居る数十メートルは通常の何倍にも及ぶ重力を掛けた……だから動けない」

 

 

 七属性が一つ大地。

 その真髄は重力を操る事であり、その性質を利用してグレイフィア達を地面に縫い付けたのだ。

 故に動けない。故に本来なら隙だらけの奥義もグレイフィア達は避けられない。

 

 

『オールクリア――5億FV(フィアンマボルテージ)!』

 

 

 両手の何処からか発する機械音と共に、右手で作り出された七色の太陽を敵へと向けたライザーは――

 

 

(グラヴィティ)・BURNER!」

 

 

 全てを灰塵に帰す一撃を撃ち放った。

 

 

 

 

 

 

 ――しかし。

 

 

「龍帝・改神モード!」

 

 

「っ!?」

 

 

 その炎は――

 

 

怒りの暴発(スコッピオ・ディーラー)!」

 

 

「――!?」

 

 

 リアス達を燃やす尽くす事無く、何者かによって真横から撃ち放たれた炎により、巨大な爆発共に相殺されたのだ。

 

 

「ぬ!? これは――ぐべっ!?」

 

 

 そしてライザーもまた、目で追えない程のスピードの攻撃を横っ面にに喰らい、地面へと叩き落とされた。

 

 

「おいおい、何を消し炭にしちゃおうとかしちゃってんのさ兄貴?」

 

「げ、失敗しました……。

お兄様の炎を相殺させたのは良いですが、その余波がモロ皆さんに……」

 

 

 赤龍帝の籠手を持つ少年と、額に橙色の炎を灯し、両手にハンドガン程の拳銃を二丁もった少女により、ライザーの怒りの殺戮モードは何とか未遂で済んだ。

 

 

「けほ……!

く……レイヴェル様と赤龍帝様ですか……た、助かりました」

 

「いや、アンタ含めて後ろの面子が若干焦げちゃってるんだけどね……」

 

 

 グレイフィアは身の半分を大火傷し、グレモリー眷属達は全身を黒焦げにする程度に……。

 

 

 

 

「…………。打ち首にしてください」

 

 

 危うく純血悪魔を二人殺してしまう所を、文字通り飛んで来た一誠とレイヴェルにより未遂に終わってから約数分。

 

 繋がりの強さ故か、ライザーの強い怒りの感情を冥界から感じ取った眷属達を加えた説得により冷静さを取り戻したライザーは、死は免れたものの全身が焦げてしまったまま気を失っているリアス達を一誠達がフェニックスの涙を使って治療している横で、同じくフェニックスの涙で右半身を焼かれて無惨な事になっていた部分を治療しているグレイフィアに向かって、全力で謝りながらどうぞ殺してくれと懇願した。

 

 

「己の思慮の足らなさをどうぞ罰してください。何ならサーゼクス様に自首して殺して貰います」

 

「い、いえ、元はといえば噂を勝手に鵜呑みにした挙げ句、貶すような台詞を口にした我等に原因があるので……」

 

「そうはいきません……!

サーゼクス様の奥方であるグレイフィア様は寧ろ巻き込まれただけ……故にこの私の首を落として砂漠に野晒しにしたって足りません……さぁ!」

 

 

 フェニックスの涙と……隠れて一誠が施した仕込みにより、既にグレイフィアの身はすっかり元の状態へと戻っている。

 だがライザーからすれば魔王の妻に牙を剥いてしまったしまった事実に変わり無しと思っており、本気で死ぬつもりでグレイフィアに死刑にしてくれと地面に額をこすりつけている。

 

 

「いえ、本当にもう結構です。

私としては、この件により招じるグレモリー家とフェニックス家の関係崩壊の方が心配で……」

 

「それは勿論崩壊なんて有り得ません!」

 

 

 さっきまで本気で殺す気満々だった癖に、ガッツンガッツンと顔面を地面に叩き付けまくりながら謝罪を繰り返すライザーに、既に全快したグレイフィアは繰り返し気にしないでくれの告げている。

 

 

「あーらら、ものの見事に全員黒焦げだ。

ライザー兄貴をキレさせるなんてある意味で尊敬しちまうぜ」

 

 

 そのすぐ近くでは、一誠とレイヴェルとライザー眷属達が、直撃回避出来たけど、余波で全身に大火傷を負って黒焦げになって意識の無いリアスとその眷属達の治療に忙しくしており、その最中一誠が口にした皮肉に、グレイフィアは罰が悪そうに俯いてしまった。

 

 

「申し訳ございません。

事の始まりは、リアスお嬢様がライザー様の眷属の皆様を貶す言葉を口にされまして……」

 

「思った通り、やっぱり地雷を踏んだのか。

はんっ、もし俺やレイヴェル……フェニックスの皆が近くで一緒になって聞いてたら迷い無く兄貴側で同じ事をしただろうよ」

 

 

 黒焦げで目を回してるリアスの頭をベシベシを引っ叩きながら、冷たい顔をする一誠。

 リアス・グレモリーの事は学園に通わせて貰っているという意味では恩義を感じていたが、地雷を踏んで自爆した今回の事に関してだけは容赦無い言葉を向けている。

 

 

「寧ろレイヴェルが止めてくれなかったら黒焦げじゃ済まなかったんだしな。運が良いねこの人達は」

 

「少しだけ間に合わなくて失敗してしまいましたけど……」

 

「良いんだよ、寧ろ生きられてるだけマシだろ。

この程度で済ませられたレイヴェルの狙いの正確さに俺は抱き締めてチューの一つでも送りたいぜ」

 

「………」

 

 

 甘く見ても、止めなければ学園ごと灰になっていたのが黒焦げ程度に済んだ。

 呻き声を時折出すリアス達にも『仕込み』をしてその姿を元に戻した一誠の皮肉をグレイフィアはただ黙って聞くしか出来ない。

 

 

「でもま、こんな事があったんだしめでたく縁談は破談になるでしょ」

 

 

 くつくつと……ある意味尤もその正体が謎過ぎる人間の少年の嘲笑を。

 

 

 

 

 そんな事があり、当然の様にライザーとリアスの縁談はめでたく破談となった。

 自身の眷属を貶されたという理由でリアスとグレイフィアを危うく塵にしてしまおうとしたのは確かに問題となり、ライザーは謹慎処分となり暫く冥界から――いや、フェニックスの実家から出ることを禁じられる事となった。

 

 そして今回の騒動によりフェニックス家とグレモリー家の関係にひびが入ると懸念されたが、両家当主の話し合いにより『痛み分け』という事で一応の解決はする事となった様だ。

 

 少なくとも表面上は。

 

 

「……」

 

 

 両家痛み分け。縁談は白紙で無かったことに。

 そういう事でこの事件は終わりを告げたが、ライザーから丸焦げにされたリアスはこの終わりに正直苛立った。

 縁談が白紙になったのは良い、元々ライザーとなぞ結婚なんかごめん被る話だったのだから。

 だが、白紙となった原因であるライザーからの攻撃を受けた被害者なのに、何故か自分達が両親から今までに無いほどのお叱りを受けたのが気にくわなかった。

 

 

「アナタが嫌なのは充分に理解しました。

ですが、断る際に何故彼の眷属を貶しました?」

 

「そ、それは……」

 

 

 冥界・グレモリー家。

 実家でもある城にて、母であるヴェネラナに呼び出されてお説教を受けるリアスはライザーの眷属を確証もないのに貶した事を問われ、言葉に詰まらせていた。

 

 グレモリー家現当主であるジオティクス・グレモリーとヴェネラナ夫婦。

 フェニックス家現当主のシュラウド・フェニックスとエシル夫婦による話し合いを当事者を加えて行った結果、両家の関わりや、もしもの時の援助の全てを絶つ――という事態はシュラウドとエシルが『ウチの息子が女遊びばっかりしてるというのが誤解だとそちらが覚えて頂ければ良い』と、寧ろ揃ってペコペコされた事で回避出来たが、ヴェネラナからすればそもそも『以前の会合でジオティクスに酔っぱらっいながら絡んできたシュラウドに持ち掛けた』事で此処まで発展してしまった話を、シュラウド自信が酔っぱらって忘れてたのか、自分が余計な事を言ってしまいましたと謝られた時は、ジオティクスとヴェネラナも大層驚いた。

 

 

『え? いや……そもそもこの話を持ち掛けたのは我等で……』

 

『え?』

『何ですかそれは? 夫の話によれば、ジオティクス殿に絡んで、訳も分からず自分から持ち掛けたと私は聞きましたが?』

 

『え?』

『『『『『『……………え?』』』』』』

 

 

 思わず同席していたライザーとリアス含めて微妙な空気になった挙げ句、事の発端の所まで遡る事にもなってしまった――のはどっちもどっちで解決したので今となっては良い。

 

 問題は、奇人・変人・異常……フェニックスと言われる一族だが、その力とフェニックス家のみが許される様々な技術は冥界悪魔の誰もが欲しがるものだった。

 

 故にパイプを作り……あわよくばその戦力と合わせてという思惑がこれにて完全終了となってしまった結果と、結局は痛み分けとなったものの、恐らくこれからのフェニックス家の関わりは上手く行かないだろうと予想できる故、単なる風評で嫌った挙げ句それをネタに他者を貶して激怒させた娘の行動に対して、ヴェネラナはひたすらに説教をかましていた。

 

 

「彼の噂を鵜呑みしたからでしょう?

実際ライザー君は色々と言われてますからね。

ですがその事を――ましてや確証もない与太話を鵜呑みにし、彼の誇りを汚したのは他ならぬ貴女なのよリアス……!」

 

「っ……」

 

 

 ヴェネラナの射抜く様な眼光にリアスはたじろぐ。

 

 今のリアスの姿にしても結局はフェニックス家の秘薬であるフェニックスの涙と……恐らくフェニックスのみが保持する技術のお陰で不可解な程の回復で、後遺症もなく済んだ。

 

 本当なら全身に重度の火傷が一生ものとして残る筈だったのを、ライザーを止めに来た赤龍帝の少年とフェニックスの姫君……そして他ならぬライザー眷属達の尽力により元の美しい姿のままで居られる。

 グレイフィアにより眷属共々運ばれ、冥界の実家で意識を取り戻して直ぐに怒りの表情の両親から聞かされた時は、自分から攻撃しておきながら……! とライザーを恨みもした。

 

 故に射抜きの眼光を向けるヴェネラナに対してリアスも反論しようと口を開く。

 

 

「か、彼は学園を破壊しようとしました!

それに、旧校舎に封印していた私の僧侶も危うく死にかけて……」

 

「そうさせたのは貴女だという事を自覚なさいリアス!」

 

 

 自分だって眷属を傷つけられたと主張しようとしたリアスだが、それは自業自得とアッサリ言い伏せられてしまう。

 

 

「で、ですがお母様!」

 

「ですがもヘチマもありません! 良いことリアス、よく覚えておきなさい。

確かに我がグレモリー家は魔王を出した一家であるかもしれません。

ですがそれだけ――わかる? 現・冥界は四大魔王により統治されているけど、フェニックス家の戦力はそれを遥かに凌駕している。

その気になれば即クーデターすら可能な程に……そしてグレモリー家を文字通り消す事もです。だから寧ろ穏便に済ませられただけ奇跡なの……」

 

 

 奇人・変人・異常……そして規格外。

 シュラウドとエシルの代に変わってからのフェニックス家は、真祖・フェニックスをも超越する覚醒をしたとすら吟われる。

 そんな夫婦が作り上げたフェニックス家と事が起これば、あっという間に自分達は灰になっている。

 それほどまでの差があるのだと、どいう訳かライザーを見くびっていた実の娘に聞かせるグレモリー夫人の表情は何処と無く必死だった。

 

 

「昔からエシル・フェニックスに何度泣かされたか……。

それに、話を聞くに娘のレイヴェル・フェニックスはもろにエシル気質みたいだし……ハァ」

 

「え……?」

 

「……。何でもないわ。

兎に角、これ以上恥をかかせる真似だけは控えなさい。長生きをしたければね」

 

「…………」

 

 

 ピシャリと言った母の言葉にリアスはムッとしつつも小さく頭を下げると、部屋を出て自室へと戻る。

 

 

「何よ……元はといえば勝手に婚約話を決めた癖に」

 

 

 結局スッキリも出来ず、逆に自分のプライドをズタズタにされただけだとリアスは独り内面で憤慨した。

 こんな話だって、勝手に決めてなければ無かったのに……と。

 

 

「勝手に堕天使相手に騒ぎを起こしたのもライザーなのに……!」

 

 

 リアスはますますライザーを、最早生理的な嫌悪にまで昇華させたのだった。

 そんな事があったせいで、冥界から人間界へと戻ってからのリアスは益々ライザーを……というか、その妹であるレイヴェルと犬宜しくに引っ付いてる一誠も好ましくないという視線を向けるようになってしまった。

 

 

 後日――

 

 

「これ以上、頼むから余計な事はしないで頂戴……!」

 

「は?」

 

「余計な事、ですか?」

 

 

 ライザーみたいにヘラヘラする態度が気に食わないのと、釘を指すつもりで明くる日の放課後、部室に呼びつけるや否やそう口に出すリアス。

 確かにライザーに消し炭にされるところを助けられた借りはあるのかもしれない、しかしそれでも……この領地を任せられてるが故にの件とは別だった。

 

 

「黒焦げのままにしてやった方が良かったのか?」

 

「一誠様、滅多な事を言ってはいけません。

私達はリアス様のお陰でこうして学生を謳歌できるのですから」

 

「ま、そりゃそうだ」

 

「…………。わかってくれて何よりよ。それと……あの時は本当にありがとう」

 

 

 フェニックス家以外は本当に態度の悪い一誠と、その一誠を諌めるレイヴェルに言えてなかったお礼をと、後ろに控える眷属達と共に頭を下げる。

 

 

「あー……もう帰って良いっすか?

レイヴェルに抱き着きながらスヤスヤしたいんで」

「もう、嫌ですわ一誠様。

リアス様達の前で仰られなくても……」

 

「仕方無い、何せレイヴェルは可愛いからな!」

 

「………………」

 

 

 そんなリアス達の行動に、一誠はどうでも良さそうに返しつつさっさと帰りたいとレイヴェルに対して惚気を交えながら宣い、対してレイヴェルも口では如何にも恥ずかしいですと言ってるが、態度が満更でも無い処か頬を紅潮させて喜んでいた。

 

 

「うぜぇ」

 

「爆死すれば良いのに……」

 

「……」

 

 

 気絶したお陰で無傷だったという運の良さを持つ二人の新人は露骨に一誠へと毒を吐き、リアスもリアスで、自分自身を見てくれてる相手という、自分の理想に近い関係を既にある意味持ってるレイヴェルに対し、ある種の嫉妬にも似た気分を抱く。

 

 

「アナタは良いわね、実家を継がなくても良い立場で……好きな相手と自由に出来て」

 

 

 だからつい言ってしまう。

 嫉妬の込められた言葉を。

 

 

「はい?」

 

「何だ急に?」

 

「今回の事だって私の意思なんか無かった」

 

 

 その血筋故に絡み付く柵を抱えるリアス。

 同等の血筋なのに自由であるレイヴェルが羨ましく、そして嫉妬する。

 犬みたいで鬱陶しく、その上態度が癪に触るので個人的に全然好みでも無いでも無い男だが、全くブレる無く思われているレイヴェルが妬ましかった。

 

 

「純血だから純血の男と好きでもないのに婚約させられて……」

 

 

 自由なその生き方を……。

 

 

「いやいや、何この人?

じゃあ言うけど、ライザーの兄貴だってアンタの事なんてどうでも良いと思ってたしね、何一方的に被害者ぶってんの? ライザーが下手に出てたのに、話を拗らせたの は他ならぬアンタじゃねーか」

 

 

 だがそんな葛藤にしても、一誠からすればどうでも良く、まだライザーの被害者だと宣ってるリアスに対し、今までにない程の冷たい声と表情で切り捨てる。

 

 

「おいテメー! リアス部長に――」

 

 

 当然、それを聞いて黙っちゃいなかった元浜と松田が食って掛かろうとするが、木場に抑えられてしまい殴り掛かれない。

 そんな二人を一瞥たりも送らず、言われて顔を歪めたリアスに……。

 

 

「ライザーが好む要素――アンタに無し!」

 

「……。(イラッ)」

 

 

 フェニックス家に属する者以外に対する猛犬っぷり遺憾無く発揮した一言に、リアスは一瞬その横っ面に張り手を噛ましてやりたかったという。

 

 

「というかどいつもコイツもレイヴェルの前ではゴミ屑同然!」

 

「いや一誠様? 先程からお腹がきゅんきゅんしてしまう言葉を戴けて嬉しいのですが、今それを言うと変なことに……」

 

「知らん! こう言っておけばライザーの風評も少しは晴れるだろ? もうこの人達に何も言わないつもりらしいし、お人好しにも程があるライザーのサポートは俺がするぜ」

 

 

 終わり




補足

某マフィアになりたくない系の主人公のフェイバリットです。
つーか、属性違いのそのものです。

炎圧だけは悪魔でフェニックス故に人智の外ですけど。


その2
で、レイヴェルたんは某X二文字の暴君スタイルです。

まあ、グローブの方でも戦えますがね。


その3
止めなかったらマジで殺ってたろうライザーさんだった。

その後、新たに保護したアーシアたんを含めた眷属達に対して無意味に

『お前等さ、俺に弄ばれてるとか思ってる? いや、正直に言ってくれ……俺はもしかしたらお前達を道具にして弄んでしまっているのかもしれない……!』

 と、眷属達とアーシアたんからすれば何をアホな……と呆れる質問を真面目に落ち込みつつして、即答で『ありえません』と揃えて返して貰ってホッとしたとかなんとか。

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