過去に生き続ける半端者
本人は否定して嫌がるものの、確かに異界の伝説と呼ばれるだけはあった。
この男はあまりにも強すぎる。
膂力、速力、耐久力、どれをとっても異常。
「よっ……! はっ……!」
成り行きでそいつとそいつを呼び出したと言う竜族の女と共に旅をしている過程で手合わせをしてみたけど、今のオレでは話にならない程の差があった。
しかもそんな強さを持ちながら、本人曰く『グータラと寝まくってたせいで本来の兆分の一まで衰えてる』と言うのだから、軽く心が折れそうにすらなる。
オレが生きた世界とはまた違う、似て非なる世界を生きた異界の伝説。
それがイッセーという男だ。
「あーぁ、ほんのちょっぴり期待して迷宮のトラップらしき針山にわざと落ちてみてもこれかぁ。
やっぱし中途半端に衰えてるな俺……」
「イッセーが落ちた場所の剣山が逆に折れてる……」
「どんな硬さしてんだよお前……」
「おいおい、そんなに引かないでくれよ。
全身の凝りがほぐれたとはいえ、ちょっとは痛かったぞ?」
「凝りがほぐれたって……」
ライセンと呼ばれる迷宮は、入った者をおちょくるようなトラップが多く、加えて魔法の分解作用が働いている。
つまり、この迷宮のを進むには純粋な身体能力が必要であるのだが、そのトラップの数々に引っ掛かっても一切ダメージを負わないどころか逆にそのトラップが破壊されるという現象には流石のオレも引いてしまう。
「そういえば、あの子に呼び出されて起きてから一度もまともに『出血』してなかったっけか。
頼むからせめて腕とかひきちぎれるくらいの強烈トラップとかあって欲しいよ……」
「「「…………」」」
理由は単純にこの迷宮の仕掛けよりもイッセーの肉体強度が上だから。
しかもティオによってこの世界に来てから一度もまだ出血する程のダメージを負った事もないらしい。
にも関わらず本人の言動や行動は自殺願望者そのものなので、端から聞いていればただの精神破綻者のそれであり、余計に異質さが目立つ中、ティオが不満そう口を開く。
「この程度の『遊具』ごときにイッセーは殺られはせんさ。
いくら全盛期よりも弱くなったとしてもな」
「全盛期のイッセーってどんだけヤバイんだよ? てか、どんな世界なんだよ……」
「妾が聞いた限りでは、今のイッセーは全盛期の兆分の一……らしく、この世界よりは遥かに『弱肉強食』の世界だったみたいじゃ」
「うわぁ、天井から落ちてきた瓦礫が頭にぶつかっても平然と歩いてますよあの人……」
「吸血鬼より頑丈かも……」
「兆分の一て……」
天井から落ちてきた瓦礫が頭に落下しても逆に瓦礫が砕けていく様を見るオレ達は、やはり引きつつもイッセーという男の立つ領域の遠さを痛感するのと同時に、そんな領域に立つイッセーですら『紙一重だった』らしい存在が蔓延る世界が気になる。
「誰でも良いから俺を殺してくれよー……」
「「「………」」」
「………」
どうやら少しは強くなった程度のオレはまだまだなようだ。
常に過去しか見ない理由を知ってしまっているだけに、密かに憧れもしていたのもあるだけに、愛する者の為なら世界や神にすら牙を剥く燃えたぎるような情熱があることを知ってしまっただけに、現在と未来を見ようとしないイッセーにはとてもモヤモヤとさせられている。
「最初は煽られてるようでムカついたが、こうも悉くこの迷宮のトラップがイッセーの頑丈さのお陰で逆にぶち壊されてるせいか、段々腹も立たなくなってきた気がするわ」
「寧ろこの煽り文を寄越してくる誰かさんから焦りみたいなものを感じますしねー……」
「逆に煽ってみるか? 聞こえてんのか知らんけど―――『もうちっと手強いと思っていたんだがな? 俺に出させてくれよ、本気を』……ってな?」
「出す気は無いんでしょう?」
「まーねー……。
最初からヤル気があったら、とっくにこの迷宮全体をぶち壊してるし」
「やることが大雑把だなイッセーは……」
「………」
色々あって共に行動をすることになったハジメ達にヘラヘラと笑う今のイッセーには伝承として聞かされた覇気をまるで感じない。
それもこれもイッセーがどこまでも過去の思い出に生きているからに他ならないし、今の妾では過去の者達の代わりにすらなれない。
加えて妾は一度拒絶されてしまっている。
『ちょ、ちょ~っとそこのお兄さん? 一々罠を壊すのは止めて欲しいなあ……?』
「……という文字が地面から浮かんでます」
「だってよ南雲君?」
「いやお前だからな? オレ等は寧ろただ普通にお前のお陰で散歩感覚で進んでるだけだからな?」
そこから推察するに、一時的にイッセーのヤル気を引き起こす方法が浮かび上がってきたりはするのだけど、妾は絶対にやらない。
それをしてしまえば最後、イッセーは必ず妾を『殺すべき敵』と見なすから。
「………」
「さっきから黙ってるけど、どうかしたか?」
腑抜けた――いや、喪失したことで生きる意味を無くしてしまっている今のイッセーにとって許しがたき行為は、イッセー自身の心と過去に対して土足で踏み込む事だとあの日の夜に妾は知ったのだから……。
「ずっと言っておる事じゃが、いい加減キミだのあの子だのではなく名で呼んで貰いたいのに、たまにしか呼ばんから不満なだけじゃ」
「?? あれ、呼んでなかったか?」
でも、それ故に妾は寂しさを募らせてしまう。
「ティオの言うとおり、確かにイッセーってティオの事を殆ど『キミ』とか『あの子』と呼んでる」
「そうだったか……? うーん、だけど別に良くないか? 不都合がある訳でもないしよ」
「それを本気で思ってるのだとするなら、イッセーさんは相当に酷い人です」
「えぇ……? 名前呼ばんだけでなんで酷いのかよ? 南雲君もそう思うのか?」
「………まぁ、仮にも仲間同士だってのに、お前だけ妙に壁を感じる態度な気はすると少なくともオレですら感じるな」
解っている。
愛する者を代償に自由を勝ち取ったイッセーの途方も無き喪失感も。
そうとは知らずにただの興味本位でこの世界へと呼び出してしまった妾に非があることも。
生きる意味を失って燃え尽きているイッセーを強引に振り回しているのも――全て妾のせいなのは百も承知だ。
「よくわからんが、悪かったなティオ?」
「………別に。
妾が単に神経質なだけなのかもしれぬ」
でも、それでも。
ほんの少しでも良いから今を見て欲しい。
数々のトラップが襲いかかるライセン迷宮を、イッセーという無敵盾のお陰であまり苦労せずに探索を進めるハジメ一行だが、目的のものがある部屋は未だに見つからず、気づけば一週間近くの時間が経過している。
「お前も一度ちゃんと寝た方が……」
「ははは、大丈夫だ。
これでも何百年って寝てたんだ。
今さら数ヵ月寝なくても問題はないよ」
その一週間の間、ハジメ達が安眠出来るようにと一切寝ずに番をしているイッセーに対して、流石のハジメも気遣おうとはするのだが、本人はヘラヘラと笑いながら大丈夫だと返すだけで休む気配は全くない。
「むにゃむにゃ……」
「すーすー……」
「………」
シア、ユエ、ティオの三人が壁に背を預けながら眠る中、一切の疲労の色も無く周囲を警戒し続けるその姿に、ハジメは元の世界で見た映画であるターミ○ーター2のT-800というサイボーグを思い出す。
「答えたくなければ別に答えなくても良いが、イッセーはその……人間なんだよな?」
それほどまでに常人とは色々と違うイッセーを仲間に加えてまだ日が浅いハジメは、改めてイッセーという存在の歪さが気になり、質問をする。
「気味悪いか?」
「そういう意味じゃない。
ただ……」
そんなハジメに対してイッセーは軽く笑う。
自分も大概な方法で力を蓄えたという自覚はあるが、この男はそれを越えたものを持っている。
呼び寄せたティオ曰く、自分の生きていた世界とはまた別の世界を生きた――神を屠った英雄。
力を求めるハジメからすれば、イッセーという男の立つ領域は自分にとってのひとつの到達点にも思えるからこそ、改めて聞きたかったのだ。
「あー……一応カテゴリ的には人間――の筈だな俺は。
もしくは、人をベースに悪魔にもドラゴンにもなれない半端者か?」
「それはどういう意味だ? ティオの言っていた、お前の昔の仲間の事を言っているのか?」
「んーそうなる……のか? 実の所俺自身よくわかってなかったりしてね」
人でも、魔でも、龍でもない半端者だと答えるイッセーの表情は自嘲するような笑みだ。
「敢えて今の自分がなんなのかを表現するなら、
大切なものを失ったからこそ到達した領域に孤独に君臨する男のどこか後悔を感じさせる言葉に、ハジメはそれ以上の質問をやめる。
「後はオレが警戒しておくからイッセーは寝ろ」
「だからオレは――」
「ずっとお前に借りを作りっぱなしなのは嫌なんだよ。
そもそもお前がこの迷宮のトラップを破壊してくれるせいで全然疲れちゃいねーしな」
「………」
「第一、人間ならちゃんと寝ないとイザって時に力が発揮できないだろう?」
そう意地悪く笑うハジメの言葉に、イッセーは肩をすくめる。
「さっきの説明を聞いた上で人間扱いしてくれるのかよ?
別に俺の事は使えないって思ったら適当に放置しても良いんだけどな……」
「そういうのは嫌いだし、何よりそんな真似をしたらオレがティオに殺されるっての」
そもそも誘ったのは自分なのだからと苦笑いするハジメに従い、仮眠をすることにしたイッセーはユエ、シア、ティオが眠っている場所から数メートル程離れた箇所に腰かけると、そのまま目を閉じる。
その様子を暫くじーっと確認するように見つめていたハジメはやがてイッセーが寝息を静かに立て始めていることを確認すると………。
「おい、どうやら寝たみたいだぞティオ?」
シアとユエと共に寝ていた筈のティオに声をかける。
するとハジメの声を耳にしたティオは目を開ける。
「……すまんな、理屈をこねなければイッセーは寝ようとすらしない」
「ああ、警戒する手段は他にもあると説明してもイッセーは寝ようとしなかったからな」
実は今まで狸寝入りしていたらしいティオの感謝の言葉にハジメは気にするなと手を軽く振る。
「後はお前がちゃんと寝ているか見張ってやれ」
「うむ……」
ハジメの言葉に頷くティオが隣で寝ているユエとシアを起こさないように気を使いながら静かに少し離れた箇所で寝ているイッセーの隣に移動し、壁に背を預けている体勢から起こさなぬよう慎重に膝枕をする。
「ん……?」
「まだ朝じゃないわイッセー」
「う……ん……ありがと……リアス……ちゃん……」
そして普段のティオとは違った声色と口調でイッセーに優しく語りかけながらその頭を撫でるといった行為を見ていたハジメは、少々遠慮がちにティオに声をかける。
「なぁ、リアスって名前はさっきもイッセーが言ってた、昔のイッセーの仲間の名前だよな?」
「うむ……」
ハジメの言葉に、ティオはどこか寂しげに頷く。
「口調は違うものの、妾の声は余程リアス・グレモリーにそっくりのようじゃ」
「だからさっき口調が変わってたのか……」
「ああ……少しでもイッセーの過去の傷が癒えるならと思っての」
「なんというか……」
「お主に言われなくても自覚しておるさ。
所詮妾がイッセーをどう想おうとも、イッセーの心はリアス・グレモリーに向けられている」
「やっぱりお前―――」
「……。戦う前から負けている自覚はある。
けれど、それでも想うことは悪いことではないじゃろう?」
どこか安心したように眠るイッセーの頬を寂しそうに撫でながら微笑むティオに、ハジメはそれ以上の言葉が見つからない。
「リアスちゃん……」
「私はここに居るわ。だから、おやすみイッセー……」
「…………」
決して報われぬものを見てしまっているが故に。
「イッセーが寝てるのは珍しい……けど」
「これは……ちょっと」
「ああ……」
「んん……リアスちゃ~ん……へへへ」
「………………………」
「さっきからティオに抱きついて寝てるくせに、誰かと勘違いしてる……」
「普通に失礼過ぎるのでは……?」
「良いのじゃ……。
それを承知してるしの……」
「んー……はれ、リアスちゃん………なんか太った?」
「………………………………………………………」
「「「…………」」」
「あでっ!?!? な、なんだ―――どわっ!!!?」
「よ、よく……眠れたみたいじゃな……?」
「あ、ああ……なんでか知らんけどさっきから南雲君達からの批判めいた視線が痛いし、俺は一体なにを……?」
「妾って、リアス・グレモリーより肥えておるのか……?」
「は、はぁ!? い、いや別にそんな―――」
「「「………」」」
「すまん、俺が全面的に悪かった……」
怒るでも無しに、ただ普通に本気で傷ついた顔をしていたティオを勝手に抱き枕代わりにした挙げ句、冷たい目をしていたハジメ、ユエ、シアの話を聞けばリアスの名前を呼びながら寝ていたらしいのだから、流石のイッセーも謝るしかない。
「セクハラしておきながら違う女の名前を呼ぶとか酷いにも程がある」
「しかもティオさんの気持ちを知った上でですよ!」
「へ? 気持ちってなんだ?」
「おい、流石にそれはねーだろ」
「あ、はい……すんません……?」
起き抜けに三人からマジな説教をされているイッセーは、拗ねる事も無ければ激昂もせず、ただただ傷付いた表情をするティオを気にしつつひたすらに平身低頭となって謝る。
「この際だから言うがな、わざわざティオはリアス・グレモリーって女の口調を真似ながらお前を寝かせてたんだぞ」
「え゛……そ、そうなの? だからか……リアスちゃんの声が聞こえたお陰で無茶苦茶安心して寝られたんだけど、それっててっきり夢だと思ってたぞ」
「そんなティオに対して太ったとか言ってた」
「ずっとそのリアスという方の名前を幸せそうな顔して呼び続けてましたし、聞かされていたティオさんからしたら地獄ですね」
「………………う」
全くもって反論不可能なやらかしを三人から言われてしまえば、今尚リアスだけしか想わないイッセーとはいえ、罪悪感は出てくる。
「先に進む前にさっさとティオに謝るんだな」
「ヘラヘラなんてしないで真面目に」
「誠心誠意」
「お、おう……」
三人からの冷たい視線と共に背中を蹴る勢いで押されたイッセーは、離れた所で少し泣いてすらいたティオにおずおずと近づく。
「わ、悪かった……ちと気を抜き過ぎた」
「別に……良いのじゃ。
妾が勝手にやった事じゃし……」
ちっとも良さそうに見えないティオの様子を前に、さしものイッセーも100%己が悪いという自覚もあるので、上手い言葉が浮かばずに『あー』と気まずそうな声が出てしまう。
(クソっ! 馬鹿なのか俺は……!? 声が似てるだけで何をしてるんだ……!)
その胸の内には絶大な罪悪感で埋め尽くされており、ティオをリアスと間違えた事への自己嫌悪もあってかどうすれば解らずについ後ろを振り向いてみれば、『ちゃんとしろ』と言いたい顔をしているハジメ、ユエ、シアの視線が痛い程突き刺さる。
(ぐ……三人からの視線が痛い。
けどこれ以上俺にはどうすることも出来ないぞ……)
リアス以外の事にはとことん無頓着であり、とことん気が回らないイッセーは口を開いてしまう。
「俺は……知っての通り、リアス・グレモリーという悪魔の女の子が好きだ。
俺が紛いなりにも人の限界を越えられたのは、あの子とずっと一緒に生きたいと思ったからだ」
「………」
「「「…………」」」
(う……三人どころかティオからの視線も突き刺さるし、なんか泣いてるし……)
今それを言うのか!? と言いたげな視線を三人から、解っていても悲しいと言いたげな視線をティオから受けることで視線の挟み撃ちをくらうことになったイッセーが一瞬たじろいでしまうも、敢えてもう一度ハッキリと言うべきだと再び口を開く。
「キミをリアスちゃんと間違ったのは俺が全面的に悪い。
キミにもリアスちゃんにも失礼なのはちゃんとわかっている。
だけど、その……やっぱりこれだけは言わせてくれティオ」
眠っている自分にティオがしていたことを三人から聞いた以上、これだけは言わなければならない。
「キミはリアスちゃん―――いや、リアスじゃあない。
決してリアスの代わりになんてなれないし、そんなことは俺も望まない。
この世界に呼び出してしまったという罪悪感がキミをそうさせているというのなら、そんな罪悪感は抱かないでくれ」
「…………………」
ティオは決してリアスではないのだと、自分に言い聞かせるように。
戒めのように。
「キミは他の誰でもない、ティオ・クラルスだろう?」
「…………」
「だからもう、リアスの真似事はやめろ。
キミは――いや、お前はお前で居ればそれで良い。罪悪感なんて俺に感じるな。
それ以上に俺はお前に迷惑ばかりかけちまってるんだからな」
そう言ってイッセーは俯くティオの肩に手を置く。
「あの時、俺に踏み込むなって言ったことも謝るよ。
悪かったな……」
それでも過去を見続ける男の言葉が迷宮内に響き渡り、そして溶けていく。
「妾も……ごめんなさい」
その言葉を受けたティオもまた謝りながらイッセーに身を寄せる。
そのティオの行動に対し、普段のイッセーなら拒否するのだが、この時ばかりはそんなティオを受け止め、背中を撫でている。
「色々似てんなぁ俺たちって。
お前が俺を呼び出せた理由が今わかった気ィするよ」
「イッセー程頑固じゃないぞ妾は…」
「ははは、そうかもな」
こうして一応の仲直りには成功したイッセーとティオは暫くひっついたままだったとか。
「………なんだろ、段々腹立ってきたんだが」
「所謂痴話喧嘩……?」
「とは違うような気はしますけど、苦いものが食べたくなってきました」
そんな様子を見ていた三人は胸焼け気味にさせられたらしくて……。
簡易人物紹介
イッセー
ベリーハードルートにて『勝利』こそしたものの、代償としてリアスとドライグを失った、謂わばBADに近いトゥルーエンドを迎えたイッセー。
今際の際にリアスとドライグから全ての力を託された事で、人でも悪魔でもドラゴンでもない歪な生命体となっており、全シリーズでも最強クラスのパワーを持っているものの、リアスとドライグを喪ったことで精神的には全シリーズでも灰に近いほど燃え尽きている。
二人の最愛を喪った事で生きる意味を失い、死にたいと思っても死ねない程に進化を重ねてしまい、そのまま永遠に眠ることに。
すると喪った筈のリアスの声に起こされた気がしたので目を開けると目の前には見知らぬ女の子が……。
現在は、殆どの力を眠っている間に封じたことにより、全盛期の兆分一まで力を落としている。
しかしそれでもこの世界においては大陸程度なら一撃で消し去れる程度には危険ではあるらしい。
本人にヤル気も気力もないので、寧ろ誰か殺してくれとすら思っている。
というか、自分達のやった事が異世界で伝説として祭り上げられているのが普通に嫌で困っている。
天職・不明。
全ステータス測定不能
必殺技・ドラゴン波
龍拳他
ティオ・クラルス
イッセーを自身の世界に呼び寄せた張本人。
とはいえ、本人も流石に眉唾な伝説が本当に存在するなんて信じては居なかった訳で、召喚に成功してしまった時は驚いたし、その伝説の存在が自分とそう変わらない青年であったことにも驚く。
全盛期よりも大きく力を落としているとはいえ、伝説に違わぬ力を持つイッセーの精神的な衰弱と理由を聞いた事で、安易に呼び出してしまった事への罪悪感を持つようになった事でなんとか責任を取ろうと世話を焼こうとする内に、惹かれていく事になる。
しかしイッセーの心は常に過去――つまりリアスやドライグに向けられ続けている事や、自分の声がリアスに似ているのもあって、色々と辛い思いを強いられている。
だが、それを承知でリアスの声を再現したり、話を聞いてはリアスの行動を真似たりと悲しいまでに健気に頑張る。
それは皮肉にも、死に別れも尚同じ女性を愛し続けているイッセーの一途さに惹かれている。
南雲ハジメ
途中まで原作通りに生きたが、早くにティオ――そして存在しないはずの男であるイッセーと出会ったことでちょっと精神的には余裕がある模様。
ヤル気こそ全く見えないが、律儀に寝ずの番をしてくれたり、鬱陶しい連中を先んじて排除してくれるイッセーの事は頼りにしており、自分とはまた違う世界から召喚された者同士というシンパシーもあって結構優しい。
続きは………感想次第