とんどんヘヴィになる
敵をぶちのめし、糧とする。
敵を粉砕し、血肉へとする。
敵を殺し、永遠に進化する。
それが普通が当たり前だった、鼻タレのガキだった俺が持ってしまっていた異常。
他にとっては異常でも、俺にとってはそれが当たり前で普通だった異常。
別に望んだ訳じゃない。
別に欲しかった訳じゃない。
だけど俺の精神に根付いて居たその異常が、俺を普通ではない道を歩ませていった。
他を蹴散らし、無尽蔵に成長するその異常を、もう顔もあまり覚えちゃ居ない――知られる前は優しかった親達に恐れられた。
化け物だとか、自分達の子供なんかじゃないとか……。
まあ、この手の事によくありがちな言葉と共に俺は捨てられた。
でも、絶望はしなかったし、心のどこかでは『その内そうなるんだろう』と思っていたので、早い段階で割りきれたし、別に憎むといった感情も沸かなかった。
何故なら俺にはドライグが居たから。
俺のこの説明できないなにかを恐れる事なく、褒めてくれた相棒が居たから俺は生きる事をやめずに居られた。
そしてなによりも、俺のこれを恐れずに居てくれた――ほんの少ししか遊べなかった男みたいな女の子と交わした約束があったから。
俺は誰よりも強くなって、誰よりも自由に生きてやろうと思えたんだ。
悪魔だなんだといった畜生共に奴隷のように扱われた時期は確かにあったし、それによって俺は人としてのタガが外れてしまったのは否定しない。
終わりが全く見えない進化を重ねる度に、俺はとことん化け物なんだと思う時もあった。
けれど、そんな俺を――少ないけど否定しない人達が居たくれたから俺は生きる意思を折ることはなかった。
生きる事は逃げないこと
再会した女の子と、その相棒であり同類だった女の子に言われたその言葉が今でも俺の中に残っている。
もう二度と二人――イリナとゼノヴィアには会えないけど、俺は決して忘れない。
タガが外れてしまった俺を、それでも受け入れてくれたあの二人との日々だけはこの先なにがあっても決して……。
………って、俺は常に態度や言葉で示している筈なんだけどなぁ。
「うーむ」
「…………」
「ふーむ……」
「っ……」
「ふむふむ……」
「ぅ……」
「むーむむむっ……!」
「あ、あの……感想とかあるなら聞いてあげなくもないけど?」
異世界でかち合ったアホな女はそれでもアホなんだよね……ははは。
「うんダメだな。
アレだ、ユミエラ。お前はやはりちとムチムチさが足りん! 思ってた通り、イリナとゼノヴィアと違って圧倒的な戦闘力不足が……」
「んがっ!? さ、散々セクハラしておきながら最低極まりないんだけど!?」
「そうだな。
けど知っててお前はそれでもと言い張ったんだろ? へ、だったらここからは遠慮なんてしねーよ」
「今まで私に遠慮してくれた事なんてあったことに驚きなんですけど?」
「失礼な奴だな。
これでもそこそこお前に配慮してたんだぜ?」
「両手両足の骨を砕いてから獣の群れに放り込んで、私が食い殺されそうになる様をステーキ食べながら笑って見ていた男の台詞とはとても思えないわ」
「そういう危機感が壁を越えるためには必要なんだよ。現にお前はそれで強くはなれたろ?」
「……納得はしないけど理解はできてしまうのが悔しいわね」
「俺もガキの頃ははぐれ悪魔やら堕天使やらを辻斬りのように襲撃しまくって殺す方法を学んだもんだ」
本音爆発トークの末、鬼畜さはそのままにほんのちょっとだけイッセーの接し方が変わってから月日はそこそこ流れた。
主にセクハラ頻度が高まった的な意味で。
「こう、自分のパワーを両手に込めてからポーンと出す感覚だな」
「……ダーク・ドラゴン波!」
「……ホワイト・ドラゴン波!」
修行は相変わらず鬼畜めいた厳しさなのには変わりなかったが、前よりはイッセー側の技術を直接教えて貰えるようになれた。
例えばイッセーの十八番であるドラゴン波の出し方もその一つであり、実に抽象的な説明ではあるとはいえユミエラとアリシアの二人が己の魔力属性を媒体としたそれぞれのドラゴン波を習得せんとしている。
「ちょっとだけ出たわ」
「私も……実戦では使えないけど」
「最初はそんなもんだ」
ユミエラやアリシアといったこの世界の人間達とイッセーの力の気質は根本的に違っている。
例えばイッセーはこの世界の魔力を扱う才能はほぼ皆無である代わりに、己の肉体に内包するエネルギーを放出して戦う。
「慣れれば意識せずとも出せるようになるぞ」
故にこの世界の人間達からしたら未知の力に見えるし、神器に至ってはオーパーツ的な認識をされる。
「この前危うくパトリックをこの世から消そうとした時に構えかけていたウルトラビッグバン・ドラゴン波でどれくらい破壊できるの?」
「え? あー……月くらいは吹っ飛ばせると思うかな?」
『あの時ユミエラが止めなかったらこの世界というよりは星ごと消し飛ばしてた程度の規模ではあるな』
「そ、そんなオーバーキル通り越して無理心中になりかねない規模のを本気でパトリック一人に向かって放とうとしてたわけね…」
「しゃーねーだろ、むっちゃムカついたんだから」
「いいなーユミエラちゃん……」
故に見方に依らずともイッセーという存在は二年後に復活を噂される魔王よりも脅威度が高いのだが……。
「で、約束の通りにしてんだろうな、あのガキは?」
「ええ、クラスは一緒だけどあの日以降一切近寄ることもないわ」
「たまに何か言いたそうな顔をしながらユミエラちゃんを見たりはするけどね」
「………へぇ?」
下手に突っつかなければただのチンピラ男なので、今のところは大丈夫である……筈だ。
「なんだろな、やっぱ気にくわない」
「ちぇー、やっぱり一緒に居た時間が長い分ユミエラちゃんの方が有利なんだよなー……」
「ガキの頃、似たような事をゼノヴィアに言われたっけな……」
そんな毎日を過ごす事で、レベル99の限界を少しずつ越え始めているユミエラは、アリシアというまさかのズッ友を得た事もあってかそれまでは退屈の極みでった学園生活も割りと楽しんでいる。
「はっ!!」
「疾ッ!!」
特に実戦授業は互角に腕を確かめ合える存在にまで到達してくれたアリシアのお陰で遠慮せずやれるので、周囲のドン引き視線も何のそので木の模擬剣を使っての攻防はとても楽しい。
「二人の持ってる剣の太刀筋が全く見えない……」
「ユミエラさんと互角に打ち合えているアリシアさんを見ていると、本当にあのヒョウドウって人に鍛えられるとああなれるのね……」
実のところ剣の腕前自体はこれまでスデゴロでの戦い方しか教わらなかった事もありお互いに素人だったりする。
だが、99というレベルのスペックから織り成すそれのせいで端から見たら達人同士の攻防にしか見えない。
現に互いにテンションが上がってきたユミエラとアリシアは、模擬の剣に其々の属性の魔力を伝わせ――
「はぁっ!」
「やぁっ!!」
「ちょ!? そ、そこまで! それ以上は―――――あぎゃあ!?」
「せ、先生ー!!!?」
これで何度目になるかの大爆発を引き起こすのだ。
「ふぅ……良い汗を流せたわ」
「そうだね。じゃあユミエラちゃん―――そろそろ本気でやろうか?」
「ええ―――って、あら?」
「あ、しまった……。また壊しちゃった」
そろそろ修繕費がヤバイことになると学園長は今日も密かに涙する……そんな日常が今のユミエラとアリシアなのだ。
「…………」
「…………」
「………」
「…………」
そんな怪物女子二人を見ていた一部の男達は、恐らくは彼女達がそうなったであろう元凶の男の事を思い浮かべながらある決意をすることになるのだが……。
「アイツ等に悪いことを吹き込んだだの、魔王呼ばわりしていたにしては随分と都合の良い台詞だとは思わないのか?」
『………』
大なり小なりユミエラ、若しくはアリシアが気になっていた男子生徒達は授業が終わると同時にその男を探し……そして人気のない訓練場に使われる広場で行儀悪く近くの川から獲ってきた魚を焼いて食べていたイッセーに頭を下げた。
「お前らからしたら庶民の、暴力男の、下品の極みのような野郎じゃあなかったかな?」
『………』
それに対してイッセーはといえば串に刺して焼いていた名も知らぬ魚をもしゃもしゃと行儀という概念に中指でも立てる勢いで食べながら、頭を下げた四人――つまりエドウィン、オズワルド、ウィリアム……そしてパトリックに冷たく返す。
「特にそこの半端白髪頭野郎。
テメーは治療する代わりに二度と関わらねぇって約束したよな? つまりテメーは今から俺にぶち殺されて犬の餌にされてーって事だよなぁ?」
「あ、あの約束はユミエラ嬢に対する約束であってアンタには適応されない筈だ」
「そんな屁理屈で俺が納得するとでも思ってんのか? あ?」
「う……」
完全にチンピラムーブ全開で、パトリックを詰る様を見ていたエドウィン、オズワルド、ウィリアムの三人組は『一体なにが……?』とパトリックがこれでもかと攻撃される様を困惑しながら見つめる。
「それにそこのボンクラ三人も、俺を散々諸悪の根元扱いしてたよな?」
「そ、それは……」
「……」
「で、でも事実ではあるだろう?」
「んなもんテメー等なんぞに言われんでも自覚してるんだよボケ」
世が世ならパワハラもビックリなパトリックへの罵詈雑言の嵐に既に心が折れかけているパトリックを放置し、三人に対しても地位ってなんだっけ? と考えさせるレベルの暴言を叩きつけるイッセー。
「あの時点でレベルが2だったアリシアを一週間足らずでユミエラと互角に張り合えるまでに成長させたのはキミだというのは既に殆どの者が知っている。
だからその……俺達にもその方法を教えてくれないか? 頼む、これまでのキミに対する無礼は詫びる」
「俺からも頼む……」
「アリシアが遠くに行ってしまい、このままでは永遠にそうなるのだと思うと悔しいんだ」
「……………」
それでもこれまでの非礼を詫びると頭を下げる三人とついでにパトリックを前に、程好く焼けた焼き魚をムシャムシャ食べつつイッセーは鼻で笑う。
「強くなった途端、殺しに来そうな奴等にわざわざ教えると思うか?」
「そ、そんな事は……」
「無いなんてその場では誰でも言えるんだよ間抜けが」
「ぐっ……こ、コイツ……!」
「よせウィリアム!」
さっさと手のひらでも返すであろう面子の言葉なんて信じるわけが無いと一蹴するイッセーだが、それでも頭を下げたまま微動だにしない四人。
「第一、オメー等にはそんな才能は無いし、時間も掛かりそうだ。
オメー等ごときに一々時間を割くなんて無駄だ無駄」
(な、生で魚を……し、しかもハラワタまで食ってる……)
そう言いながら焼くのが億劫になったのか、その内魚を生で――しかもハラワタごと食っているイッセーの人間とは思えない悪食さに内心ドン引きだ。
「そ、そこをなんとか!」
「頼む!」
「もう二度とアンタに無礼な事はしないと誓う!」
「お、俺も……!」
しかし強くなるには――なにより三人組はアリシア。
パトリックにとってはユミエラの強さに近づくにはこの野生児のような男の協力が必要不可欠だ。
故に食い下がる。食い下がるしか道はない。
「何だろうな、何となく嫌だな」
『……』
「揃いも揃ってツラが良いからムカつくのか、こうしてると顔面偏差値が低めの俺が惨めに思えてしまうからなのか……」
四人が四人、ジャンルの違う男前な顔を微妙に僻むような発言をしながら、最後の一匹を頭から食い散らかしたイッセーは水を飲んでからゆっくりと腰を上げる。
「一応忠告と断言だけはしてやる。
大人しく諦めて地道にレベルを上げて人並みの強さを磨け、お前らにはユミエラやアリシアのようなイカれた精神力が無い」
漠然と強さを求めるだけではまるで足りないと、首の関節をパキパキと鳴らしつつ、必要なのは『イカれてる』と言わせるだけの途方もない精神力だと告げるイッセーに四人はその意味が理解出来ずに困惑する。
「ユミエラとアリシアは最初から耐えられるだけの精神力を持っていた。
だがオメー等には耐えられるだけの精神力を一切感じない。
だから諦めろ。諦めて地道に、人並みに強さを磨けば良い――――
―――――――――――………と、言ってやった所で、どいつもこいつも『はいそうですか、それだったら諦めます』なんて納得するとは思わない」
何故ならイッセーは空となったカップを握りつぶしながら獰猛に嗤っているのだから。
「だから特別サービスしてやるよ小僧共。
もし俺に『教えさせたい』と思わせたら、望み通りにしてやる」
そして四人が戦慄し、恐怖と絶望と吐き気を覚える殺意を剥き出しに左右の指をボキボキと鳴らしたイッセーは……。
「まずはかすり傷――いや、俺に一撃かすらせてみろよ? そうしたら俺なりのやり方でテメー等全員99にしてやる」
「え!?」
「ほ、本当か!? か、かすらせさえすれば良いのか!?」
「魔法を使っても良いのだろうな!?」
「当然だろ。各々の得意な分野を存分に使えば良い―――出来るのならな?」
三人の希望の光を見つけたような表情に対して不敵に笑うイッセー。
それを聞いていたパトリックも当然落とすわけにはいかないこのチャンスを必ずモノにしてやると心の中で決意の炎を燃やすのだが……。
「もっとも、実質4対1で俺の方が数的に不利だし、ちゃんと反撃はさせて貰うがな」
その言葉と同時に放たれる異次元の殺意を前に、四人の戦意がその時点で折れ掛かる。
「は、反撃だと?」
「そ、それは当然加減するのだろう……?」
「僕たちを確かめる為だし……」
「そんな事をほざく時点でテメー等の精神力が貧弱なのは目に見えてるな。
まあ、一応死なん程度には加減してやるさ。
ただし――」
ヘタレた三人組から初めてパトリックに視線を移したイッセーが絶望を口にする。
「中途半端白髪野郎――あー、名前なんぞどうでも良いし興味もねぇから名乗る必要も無い。
テメーはユミエラにセクハラかましてたせいかそこら辺の畜生共より殺してやりてぇと今も思うんだわ」
「セクハラだと!?」
「パトリック……お前、ユミエラにそんな事を……」
「妙に彼の当たりがキミに強いのはそういう事だったのか……」
「ち、違う!? あ、あれは不可抗力で―――」
ある意味快挙とも言える真似をパトリックがしていた事が初耳だった三人は、畏怖の籠った視線をパトリックに向ける。
勿論パトリックは否定しようとするがその言葉を待たずしてイッセーが宣告を下す。
「もし俺の言った通りの事が出来たら、ムカつくが約束は守ってやる。
だがオメーに対しては俺の名前を聞いただけで吐くレベルのもんを叩き込んでやる。
アイツにセクハラして良いのは俺だけだから」
「「「えぇ……?」」」
「ぐっ……!」
割りとオープンにスケベな事を言うイッセーに別の意味で引く三人とは反対に、歯を食い縛るパトリック。
「チンケな言葉だが―――恐怖を教えてやろう」
こうしてイッセーの『試験』は幕を開け――――
「あー、怠かった」
「おかえ――り!?」
「ちょ、ど、どど、どうしたのイッセーくん!? ち、血塗れ……」
「俺の血じゃねーよ。
お前らが前にパスした『試験』をしたいと言う連中の相手してやってたんだ」
「は!? それってつまりその人達を血祭りに……」
「も、もしかして殺しちゃった……?」
「そこまでするかよ。
ただ、二度とそんな気になれなくなる程度にぶちのめしただけだし、ちゃんと復帰できる程度には留めたさ……」
厳かに閉幕した。
四人のブレンドされまくりな返り血まみれのイッセーの姿で御察しなオチと共に。
「ちなみに誰が試験を……?」
「アリシアの友達とか言ってるボンクラ三人と、ユミエラの尻に顔突っ込んでた中途半端白髪野郎」
「エドウィン殿下とオズワルドさんとウィリアムさんだねそれ……。
というかユミエラちゃんのお尻にってなんのこと?」
「ぱ、パトリックの事だわ。
あれは事故みたいなもので……」
「だから妙にイッセーくんってその人に対して当たりがキツかったんだね……」
「だから事故というか、イッセーが怖がらせたせいというか……」
「あー……」
さっさと着替えを持って部屋に備えられている浴室へと入っていったイッセーを見送りながら、事情を改めて教えられたアリシアは納得しつつもユミエラを羨ましそうに見つめる。
「アリシアこそ心配じゃないの? あの三人が……」
「後で様子は見に行くけど、イッセーくんは加減はしたみたいだから大丈夫だと思ってる。
それよりそのパトリックって人が危ないんじゃないかなと思うよ?」
「忠告はしたし、それでも絡んだとなればそれはもう本人の責任だわ……」
「確かに……。
でもやっぱりそのパトリックって人はユミエラちゃんが気になってた様に思えるね。
もしかして一目惚れとかされてたり……」
「まさか。
そうだとしても、ただただ普通に困るわ」
「だよねー……? その人がユミエラちゃんにちょっとでも近寄ろうものならすぐイッセーくんのスイッチが入っちゃうし……」
殺してはいないとの事だから死んではいない筈だが、多分ライオンの群れに襲撃されたような状況なんだろうなと、エドウィン、オズワルド、ウィリアムの三人が校舎の壁に頭からめり込んでいるところを、お茶会開催エドウィン推し女子に発見されて大騒ぎになっていたり、顔面を物理的な意味での整形手術を施され、手足はあらぬ方向にねじまがり、歯は全て根こそぎ引っこ抜かれた状態で学園の医務室の前に放置されているという、本当に三人よりえげつない状態のパトリックが発見されて泡吹いて気絶するクラスメート達が居たりすることを知らないユミエラは、血を洗い流して出てきたイッセーの『ちょっとだけスッキリ』した顔を見てため息を吐く。
「間違いなくまた呼び出されるわね……」
「別に悪いことなんてしてないんだから堂々としてればいいだろ」
「いやー……これでも私にしたトレーニングよりは軽いとはいえ放置はよくないと思うな」
「俺は悪くない」
((こういう所は子供じみてるんだよなぁ……))
普通に考えなくても重罪レベルの犯罪だというのに、それを子供じみていると思う辺りは、大分ユミエラとイッセーに感化されまくりなアリシア。
「……………」
「ちょ、ちょっとイッセー? そんな真顔で私のお尻を撫でないでよ……」
「………」
「ひゃ!? な、流れるように私のお尻も……!?」
「……やっぱ俺はおっぱい派だな。
ガキの頃、何度かやり合った白龍皇の宿主は尻フェチ疑惑入ってたが……尻よりおっぱいだろ……うんうん」
「あ、あう……。
ユミエラちゃん、普通に私たち今イッセーくんにおっぱい触られてるよね? 夢じゃないよね?」
「夢じゃないわ。
けど……ここまでするくせにそこで止めるなんて逆に酷い気がしてきた」
「うーん、しかしちっせーなオメー等……」
「「………」」
「あ、悪かった悪かった。
もう言わないからもうちょい揉ませてくれよ?」
「そ、そんな無駄に良い声で言わないでよ……」
「そういうとこずるいよ……」
そしてイッセーのセクハラは何時もより酷かった。
一旦受け止めた存在への執着は恐らく全IFの中でもトップクラスでしょうね。
つまり、ちょっとでも粗相働いた者に対しては本人どころかその周辺全部を潰しにかかる程度。