色々なIF集   作:超人類DX

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…なんも言えねぇ


少しその後

 

 

 

 制御不能の三災厄と呼ばれたのは今は昔の別世界。

 この世界は過去であって過去とは違う世界だというのは、再会した親友の性別が違っている時点で理解する他ないし、何よりその事を思い出すまでに時間が掛かりすぎたせいで、自分は悪魔の眷属になってしまっていた。

 

 

「別におたくらに恨みだって感情はないんですがね。

どうせ下僕になるならお色気ムンムンの人妻か未亡人悪魔のお姉さんの下僕になりたかったなぁと思うと些か残念と言いますか……」

 

『……』

 

「いえね? 記憶がすっ飛んでた間の俺がおたくらに借りが出来たっていうのは重々承知でございますよ? けどその借りにしたってこの前の……あー? 誰だっけ? フェニックスだったかの悪魔との婚約話を無かった事にしたのに力貸した辺りで返してる気がしないでもないと言うかー……」

 

「もっとハッキリと言ってやれイッセー

そうでないとこの手の奴等は聞きもしないぞ」

 

 

 別に自分が悪魔の眷属になったことに関してに不満があるわけではない。

 そもそもその当時は記憶もなかったのだし、どうであれ死にかけていた所を悪魔に転生するという形で助けられたのは事実だ。

 

 

「一応聞きますけど、駒ってのを使って転生した場合、元に戻せたりは……」

 

「できないわ。

一度転生させた駒はアナタ自身の命として宿るし、主従関係は転生悪魔として死ぬまで変わらない」

 

「……………なーるほど」

 

 

 そこにどんな『思惑』があるにせよ、そして自分を悪魔として転生させたこのリアスが記憶を失って生まれ変わる前の自分を『知っている』様な様子であろうが、別に恨みはない。

 その横で話を聞いていたヴァーリ(女)が、実に不満げな顔をしていようとだ。

 

 

「ならばコイツらを殺せば晴れてお前は自由だろう?」

 

 

 親友の一人であり、女として生まれ変わっていた白龍皇はその蒼い瞳を鋭くさせながらリアス達に殺気を向け、それを察知したリアスとその眷属達が身構えようとするが、そんなヴァーリの頭をイッセーは余計小さくなって掴みやすくなったと思いながら掴んで止める。

 

 

「よせよヴァーリ。

ここで彼女達をぶち殺したら色々と面倒なことになる」

 

「別に構わんだろう? この女共を殺したとしても出てくるのは精々魔王クラスだしな」

 

「前提として俺は転生悪魔になってるせいでパワーが落ちているんだぞ。

それに悪魔と敵対しちまったらひんぬーさんで遊べなくなるだろが」

 

 

 そう言いながら無遠慮に美少女化したヴァーリの頭を痛くない程度にぺしぺしと叩くイッセーにより、ヴァーリは渋々と殺気を引っ込める。

 

 

「甘い奴だな相変わらず……」

 

「甘いとは違うと思うぞ? 今消すと困る事になると思ってるだけだしな」

 

「それでもだ……」

 

「拗ねんなよ? 後でラーメン奢ってやるから機嫌直せっての」

 

 

 記憶を取り戻す前の――言うなれば本来の一誠とは違ってどこかシビアな態度になっていることに、リアス以外の眷属達は困惑している様子であり、また話し掛ける事もできない。

 

 

「てなわけで拗ねたダチにラーメン食わせなきゃならないので、今日の所は帰らせて貰いますよ? ああそれと、おたくが勝手に魔改造して無駄にデカくしてくれちゃったあの家に入り浸るのは勝手ですけど、あの両親に余計な事は吹き込まないで貰いたいですね。

アンタ等が余計な事をしてくれたお陰で、あの親父は働くのを辞めてしまいましたし」

 

『…』

 

 

 そんな一誠はヴァーリを連れて部室を出る。

 結局の所、一誠の望みは何者にも縛られない自由なのだ。

 

 

 

 

 

 

 ソーナ・シトリーという悪魔が居る。

 ソーナ・シトリーの性格を一言で顕すとするなら非常に真面目であり、周囲からもそう思われている。

 だから人間界の学校でも生徒会長をやっていたりする訳で……。

 

 

「おっす! 相変わらずひんぬーしてますねひんぬー会長!」

 

 

 そんな真面目で周囲からの信頼も厚いソーナに向かって、開口一番にひんぬー呼ばわりする男なぞ万死に値する……と少なくとも彼女を慕う眷属達はそう思うわけで。

 

 

「お、お前は兵藤? な、なんだよいきなり現れて!?」

 

 

 リアスの兵士であり、先日の聖剣騒動の際は行動を共にした兵士の匙元士郎は、いきなり生徒会室に現れるなり敬愛するソーナに向かって、それまでそこまでの関わりなんてない筈なのに気安い挨拶をしている一誠に戸惑うし、なんならそんな一誠の後ろに居る銀髪碧眼の謎の美少女含めて意味が不明だった。

 

 

「……………。取り戻した後に会いに来た言葉の最初がやっぱりその呼び方なのね……イッセー君?」

 

 

 しかしそれ以上に驚いたのは、それまで呼んでも苗字呼びだったソーナが、心底驚いたような顔と共にイッセーと名前で呼ぶのだ。

 

 

「仕方ないだろ? 輪廻転生しようがアンタはやっぱりひんぬーなんだからな。

よ、眼鏡ひんぬーっ娘!」

 

「ひんぬーって連呼しないでちょうだい!! ま、全く! 記憶を取り戻したと思ったら……! それにそこの方は誰なのよ?」

 

「誰も何もヴァーリだよ……女に生まれ変わった」

 

「……は?」

 

「そんな顔になるのもわからないでもないが、イッセーの言うとおりだ。

久しぶりだなソーナ」

 

「………………………………………は?」

 

 

 こうして眷属達を完全に置いてけぼりにした再会はおごそかに始まるのだった。

 

 

 

 意味がわからないとソーナは思った。

 取り敢えずやっと記憶を取り戻し、自分にとってのイッセーが本当の意味で帰還してくれたことは実に喜ばしいことではあるのだけど、問題はかつての時代においてもよく関わりがあった三人の青年の内の一人であり、白龍皇であるヴァーリの見た目と性別がまるで違う展開にただただ意味がわからない。

 

 

「取り敢えず眷属達は外に出て貰った訳だけど……え、貴女は本当にあのヴァーリさんなの?」

 

「ああ……コカビエルの件の時は鎧を纏っていたから分からなかったのだろうが」

 

「あらまぁ……」

 

「やっぱり驚くよな? 俺もそうだったもの」

 

「それは驚くわよ。

あのラーメン大好きヴァーリさんが女の子になってしまっているだなんて……」

 

「………」

 

 

 とはいえ、話せば話すほど自分の知るヴァーリであると理解したソーナは、銀髪と蒼い瞳である以外はまるっきり違うヴァーリをしげしげと眺め――何となく目についてしまったある部分をジーっと見つめつつ自分のそれとを見比べる。

 

 

「………………」

 

 

 ソーナ自身は確かに慎ましいとは思うものの決して自分が貧乳ではないと思い続けてはいた。

 かつての頃から何度も横で口を抑えながらプルプルと震えているイッセーにひんぬーだのまな板だのド貧乳眼鏡だのと揶揄さらて来てもソーナは自分の戦闘力が0ではないと思っていた。

 

 故に元は男であるヴァーリの戦闘力と自分の戦闘力を見比べた時、ほんの少しだけ負けているのは何かの間違いなのではないかと思ってしまうわけで。

 

 

「あっひゃひゃひゃ! ほらなヴァーリ! お前やっぱひんぬー先輩には勝ってるって!」

 

「……全く喜べないぞ」

 

「う、嘘よ!? び、微妙に私の方が大きいわよ!!」

 

 

 ソーナ・シトリーはひんぬー言われ過ぎて、今でもコンプレックスなのだった。

 

 

「ぐ! そ、それよりもこれから先はどうするつもりなの? リアスの眷属を続けるとは思えないけど……」

 

「取り敢えずは現状維持かな。

この時代では両親も居るし」

 

「そう……。

やっぱりリアスより先にアナタを私の眷属にすべきだったかもしれないわね。

そうなればもし今のように記憶を取り戻した後も動きやすくなれるように動けたのに……」

 

「まー、記憶が飛んでる時の俺はあんまり先輩とは関わりなかったからね。

それにまさかアンタだって俺がそこら辺の堕天使に殺されかけるとは思わんでしょうし」

 

「ホントよ。

アナタが死ぬなんて想像できなかったし……」

 

「なぁソーナ、リアス・グレモリーと駒のトレードはできないのか? もし可能ならイッセーをアンタの眷属にした方が色々と都合が良いだろう?」

 

「うーん……残念だけど兵士の駒は全て揃ってしまっているし、流石にそれだけを理由にウチの兵士の子達をトレードに出すのはね……」

 

「そうか……ではやはりもう暫くイッセーはあの小物共の駒でなければならないわけか」

 

「? やけにリアス達に敵意を持っているのね? アナタらしくないわよ?」

 

「そうそう。お前ってもう少し呑気だったろ?」

 

「…………色々あったんだよオレもオレで」

 

 

 終わり。

 

 

 

 転生悪魔という弊害により記憶を取り戻しても元のパワーまでは取り戻せなかった。

 故に暫くは結構な苦労を強いられるイッセー。

 

 

「げ、マジか……手も足も出せずに喧嘩で負けるなんて初めてかも」

 

「やはり転生悪魔がお前の枷になっているのは間違いない」

 

「力だけではなく、異常性もかなり押さえ込まれているみたいね。

証拠に成長性がアナタらしくもないほどに遅いわ」

 

「地道にやれって地獄の閻魔様からの命令なのかねー……」

 

 

 友に助けられながらパワーを取り戻そうとしたり。

 

 

「そんなことより神牙のアホはどこに居るんだよ?」

 

「アイツは神出鬼没というか、自由過ぎて行動が読めない時があるからな」

 

「案外近くでジャンクフードの食べ歩きでもしてたりしてね」

 

 

 最後の友人を探したり。

 

 

「ソーナにはそうやって簡単に力を貸すくせに……」

 

「は? 何か不都合でも? これまで通りおたくの下僕として働いては居るし、これはただの個人的な事ですからね」

 

「少なくともお前なんかより遥かにソーナの方が良いからな」

 

「…………」

 

「ちょ、だからヴァーリ。

そんな直球ド真ん中163㎞で言うなっての」

 

 

 どこまでも自分に靡かぬイッセーに、リアス達が不満を持ち始めたり。

 色々と歪み始めた人間関係が構築されながらも最後の親友を探し続けた結果……。

 

 

「あー……えー……すまん、久しぶりだな」

 

「あ、おう……」

 

「お前、本当に神牙か?」

 

「………それはこっちの台詞だぞヴァーリ。

まさか互いにこんな姿で生まれ変わるとはな……イッセーはそのままだが」

 

「……せ、戦闘力(おっぱい)が私の倍以上…ですって?」

 

 

 三馬鹿は再会するのだ。

 

 

「こんな姿になってしまった以上、どんな顔をしてお前達に会うのかがわからなかったんだ! 今でこそ慣れたが、トイレなんかも難しかったし……」

 

「わかる、わかるぞ神牙。

この苦悩だけはイッセーもソーナもわかってはくれない」

 

「走ると痛いし……」

 

「ああ、それもわかるぞ神牙。

オレも最近無駄に大きくなってしまったからな……」

 

「………ねぇイッセー君。

私、あの二人のことひっぱたきたいのだけど」

 

「アンタはどこまでもひんぬーだからなー……」

 

 

 その戦闘力を常に嫉妬されながら。

 

 

 

 

 自由なる赤龍帝(イッセー)

 

 

 『親友との絆』または『進化の壁を越えし者』カテゴリの気力+5 ATK,DEF250%UP

 

 

 

 パッシブスキル『転生悪魔なる赤龍帝』

 

 

 

 自身のATK,DEF100%up

 

 攻撃をする度にATKを20%、受ける度にDEFを20%up(最大50%)

 

 ターン経過毎に更にATK.DEFを50%UP(最大50%)

 

 気力22以上で必殺技が追加発動。

 

 

 

 

 

 必殺技・『クリムゾン・ラッシュ』

 

 ATK.DEFを大幅上昇させ敵に極大ダメージを与える

 

 

 

 超必殺技・『龍拳・爆撃』

 

 ATK,DEFを超大幅上昇させ、敵に超極大ダメージを与える

 

 

 

 

 

 アクティブスキル『超越』

 

 味方チームに曹操(神牙)、ヴァーリ、ソーナが居る時のみ発動可能

 

 効果・枷を糧とし、全てを取り戻す。

 

 

 

 

 集結せし三馬鹿とひんぬー眼鏡っ娘悪魔(イッセー・ヴァーリ・神牙・ソーナ)

 

 

 パッシブスキル『カルテット・アブノーマル』

 

 

 自身のATK,DEFを350%upさせ、ダメージを50%カットし、全属性効果抜群で攻撃。

 

 攻撃をする度にATK,DEFを5%、受ける度にDEFを5%UPさせ、更にターン開始時にATK.DEFを10%UP(無限)

 

 最大4回攻撃を行い、2回目の攻撃は必ず必殺技が追加発動する。 

 

 敵の必殺技を見切って無効化し、20%HPを回復する。

 

 

 

 

 必殺技・『カルテット・ラッシュ』

 

 1ターンATK,DEFを超大幅上昇させ、敵に超極大ダメージを与える

 

 

 超必殺技・『カルテット・インフェルノ』

 

 1ターンATK.DEFを超大幅上昇させ敵に究極ダメージを与える。

 

 

 

 

 アクティブスキル『カルテット・ビッグバンドラゴン波』

 

 

 一時的にATK.DEFを急上昇させ、敵に超究極ダメージを与え、以降戦闘終了までATK.DEFを150%upさせる。

 

 

 

 

終わり




補足
三馬鹿とある意味レベルが同じで同じく馬鹿唯一の同世代がソーたんだった。

……基本ひんぬー枠なのはご愛敬。


その2
そのせいか、実は本気出したら三馬鹿にタメ張れるし、共に戦える。

けど、そのせいで実はあまり良い印象を持たれなくなるが、本人は気にしない

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