どう取り繕った所で、自分が敗けて無駄死にしたという現実に変わりはない。
どこぞの神がそんな自分達を英雄だなんで呼ぶけど、欠片だって嬉しくないし皮肉にしか聞こえない。
敗けて、死んで、そしてそのまま消えずに無様に生き伸びている。
それだけが自分達にとっての『現実』なのだから。
何を言った所で彼等からしたらただの皮肉にしか聞こえないのはわかっていても、それでも一つの狂った世界に抗い続けた彼等はまさしく英雄だった。
地の底へと堕とされても、たったひとつの復讐心を糧に這い戻り、最早神の干渉すら許さぬ程に増長し続けていた復讐相手を後一歩まで追い詰めた事は、干渉出来ずに観ている事しか出来なかった神々にとって、まさに英雄的な働きと称賛するに値するものだったし、その決して綺麗ではない少年と少年に宿る龍が歩んだ軌跡は神々にとってとても刺激的なものですらあった。
つまるところ何が言いたいのかといえば、干渉すら不可能となった世界に抗った少年の存在が、あらゆる意味で神々の価値観を変えたのかもしれない。
寧ろ変えすぎて、ミーハーなファンを自称する神すら出現させる程に少年の歩んだ軌跡は壮絶だったのかもしれない。
…………当の本人達からしたらただの嫌味しか思えないものだとしても、女神達にとってすれば彼は真の英雄であり、そして求めてしまう存在だった。
それ故に帰る世界を失った少年を是非迎え入れようと、女神の間でひとつの抗争が勃発した。
そしてその権利を勝ち取ったのは――――
無様に敗けてそれで終わりと思っていた自分の人生はまだ続いており、生きるべき世界を失った少年は別世界でひっそりと相棒の龍と共に生きようとした。
復讐だけが生きる動機であったこともあり、何を目標に生きれば良いのか当初はわからなかったけど、今となってはそういったものに対して一定の折り合いをつける事で、それなりに今を生きていた。
ただひっそりと……。
「フッ……! ハッ!!」
復讐と生への莫大なる執着により自身の精神に生まれた異常性と共に。
「ふー……」
終わりの見えぬ進化を続けながら。
『またひとつ壁を越えたか』
「その感覚がするからそうだろうな。
………越える度にやるせない気分になるけど、やめられないんだよ」
『今のオレ達なら、あのゲス野郎を殺せたと思うからか?』
「まぁ……ね……。
敗けて、殺されて、それで終わりと思ったらこうして生き残ってしまった以上、他にやることもないしさ……」
『……………』
どこかの世界にあるとある地域。
天界での堕落した生活に飽き娯楽を求めて下界に降り立った気まぐれな神々によって世界の中心と呼ばれる都市。
別名を迷宮都市と呼ばれるこの都市には何時の頃からかこんなの都市伝説があった。
『赤龍帝』
曰く、史上最強の生物。
曰く、別世界からやって来た英雄。
曰く、三大モンスターである黒竜と相対してたった五秒で粉砕し、使い魔としてこき使っている。
といった、よくありがちな話が盛られがちな都市伝説がこの迷宮都市であるオラリオに広まり続けているのだが、その都市伝説が何時誰によって広められたのかは定かではない。
だがしかし、迷宮都市に住まう下天した神々やその眷属達はその都市伝説が本物であることを理解している。
何故なら、その異世界の英雄をこの世界へと招いたのは他ならぬその神々なのだから。
そしてその神々が挙って時折オラリオに出現してはフラフラと飲み食いする青年に恥も外聞もかなぐり捨てて勧誘せんとする姿がチラホラ目撃されているのだから。
「今出した金額分の飯を適当に作ってくれ」
そんな都市伝説化されている赤き龍の帝王ことイッセーは、周期的にオラリオに出向いては気に入った食事処にフラりと立ち寄って飲み食いをしていた。
そしてまだ開店する前だというのに勝手に入るや否や、一回の食事で払う金額ではないお金の入った袋を置いて注文をつける茶髪の青年に、店を仕切る恰幅の良い女主人は若干呆れた顔をする。
「何度も言ってるけどね、アンタからは料金を取るなって『上』から厳命されてるんだよ」
既に『お得意様』であり、それなりに永い付き合いでもある目の前の『何時までも昔のまま』である青年に対して女主人は言うと、青年が若い女性店員から差し出された水を飲みながら言う。
「開店する前に押し掛けて無理を言ってるのはコッチだからな。
迷惑料ととでも思って欲しい」
「アンタだったら何時でも来て良いと言ったのはコッチだよ」
「良いんだよ。
どうせ他に使い道なんて無いし、要らないなら燃やすでも消し飛ばすでもすれば良い。
とにかく腹が減ったから金額分の飯を頼むぜ」
「そういう妙な律儀さは昔と変わらないね……。はいよ」
昔と変わらず、妙な律儀さは変わっていないと思いつつ先程から業務を忘れて青年をじーっと見ている店員達に指示を飛ばす。
「アンタ達聞こえてたかい? こちらのお客様のご注文だよ。
後悔するくらいお出ししな!」
『は、はいっ!』
ハッとした様に仕事に戻る店員達にハァと女主人はため息を吐く。
「すぐにでもアンタが来た事が『上』に知られるだろうけど……」
「構うもんか。
どうせ何を言われようとも俺の――いいや俺達の答えは変わらないし、俺はただ飯を食いながらキミと駄弁りたいだけだ」
「……………」
ヘラヘラしながら受け手によっては誤解でもされそうな発言をする青年に女主人はもうひとつため息を吐く。
「そういう所、本当に昔と変わらないねアンタは。
何度騙されてきたか……」
「騙してなんかないだろ。
本当の事だし」
「アタシと同年代の女達はアンタのそういう無自覚さに泣かされてきたんだよ……まったく」
はははと笑う青年と出会ったばかりの頃を思い出す女主人。
「もっとも、今現在も『上』の連中はアンタの事を諦めちゃいないみたいだけどね。異世界の英雄様を」
「やめろやめろ、俺達は英雄なんかじゃないっての。
今までも――そしてこれからも」
伝説として語り継がれている神をも屠る龍を宿す伝説の英雄。
それがイッセーという異界の青年。
出した金額以上の料理を食べ尽くして大満足で店を後をしたイッセーは、相棒の龍と声には出さぬ会話をしながら街を出ようとした。
普段は街の外にある山奥にて世捨て人のような生活をしているのだが、それには理由があり、その理由がある為このオラリオにはあまり長居はしたくないのだが……。
『イッセー、案の定だ。
この街に入り込んだ瞬間から監視をしている連中だ』
「……ま、そうだろうね」
街はイッセーをそう簡単には帰さないとばかりに、呑気に歩いていたイッセーの目の前に立ちはだかる。
『…………………』
「おーおー、主にでも命令されたってか? 毎度毎度ご苦労だね」
街の外へと繋がる大きな門の前を陣取るように並んで立ちはだかる様々な人種の者達にイッセーはヘラヘラとした様子を崩さず、寧ろ挑発してみるが、立ちはだかる者達からの殺気は感じられない。
「ロキに貴方を連れて来て欲しいと言われた」
その内ちょうどイッセーの視界に入っていた金髪金眼の少女が、敵意はないとばかりに言う。
「ロキ? ………………ああ」
ロキという名前を聞いたイッセーは覚えがあるような声を出すが、連れていかれるつもりは無かった。
「折角事務所総出とばかりに出てきたキミ等には悪いんだけど、俺は今から帰って寝るという崇高なる目的があるんだ。
悪いけど彼女には『またいつか』とでも言っておいて―――
「へぶっ!?」
――――くれよ?」
少女に行く気は無いと返しながらおもむろに右横へと一歩移動すると、何かが超高速で横切り、盛大に地面を転がる。
その見事な顔面スライディングは、目の前で見ていた少女達をドン引きされ、イッセーは間抜けな姿で尻をこちらに向けながら地面とキスをしている『それ』をバカでも見るような目で、内に宿す龍ことドライグと共に見下ろす。
「いたたた……! な、なんで避けんねん!!?」
すると間抜けにも地面とキスをしていたそれが勢いよく起き上がると、顔面を傷だらけにしながらイッセーに抗議の声を威勢よくあげる。
「避けないと俺が危なかったから」
糸目にオレンジに近い赤髪の女性に対して、見知った態度で平然と返すイッセーに、女性は包囲網を命じた自分の家族達の『しょうもないものを見る目』に気づくこと無く地団駄を踏む。
「このキュートな顔がキズモノになってもうた! せやから責任を取れ! というか是非取ってください!!」
「……………」
『何時見てもバカにしか見えんなこの『神』は。
いや、基本的にアホしかいなかったな、この世界の神は……』
下天した神のひとつが今イッセーに90°に腰を折ってお辞儀している女性の正体であり、良い意味でも悪い意味でも神らしさゼロの姿にドライグが心底あきれ果てた声を出し、イッセーも内心同意する。
「嫌じゃ」
「ガビーン! こ、これで169999回フラれてもうた……」
『………………………』
何がそこまで突き動かしているのかの自覚がなく、自覚したくもないイッセーは、ロキと呼ばれる後ろで生ゴミでも見ているような目をしている眷属達と共に割りと本気で落ち込む彼女を見る。
「ぐぅ、折角一番乗りでイッセー君と会えたのにぃ……」
「街に入る度に一々直接接触なんてしないで貰いたいんだけど……」
「そうでもせんとフレイヤだイシュタルの色ボケに変な事されるやろ!?」
「された試しもねーよ……。
あーいや、あのイシュタルとかいうのには魅了だかなんだか仕掛けられた事はあったか? あの時は流石にガチキレしたなぁ……」
「それや! ガチギレしてズタボロになるまでシバき回されたいわ!!」
『……………どうしようもないなコイツ』
最早そこら辺に落ちた糸屑でも見るような目になっている眷属達にやはり気づかず、長年の『ファン』としての欲望をぶちまけだすロキにイッセーは付き合ってられないとばかりに背を向ける。
「あ! ど、どこ行くねん! ま、まだサイン書いて貰ってへん……」
「アンタには2000枚くらい書かされただろうが。
二度と書くか」
「じゃ、じゃあせめて握手――いや言い値で払うからハグのサービスを――」
「ほざいてろ」
追いかけて来ようとするロキを振りきる速度で跳躍し、そのまま空を走る抜けるイッセー。
「うう……また失敗してもうた」
「ロキ、もう諦めた方が……」
「嫌じゃ嫌じゃ! 別の管轄の女神との勝負に勝つ為に、フレイヤだイシュタルだと等と徒党を組んでまで勝ちに行って、異世界のヒーローことイッセーをこの世界に導けたんや! それなのに諦められるわけないやろ!?」
「異世界のヒーローって何時も言うけど、彼って一体何者なの? よく考えたらロキ以外の主神達も彼を狙ってるみたいだけど……」
「……。神々が見放した世界を抗いながら生きた英雄なんよ」
やかましい神の一人を撒いたイッセーは別の門から街を出ようと空を文字通り走りつつふとある光景が視界に入ったので、一旦地上へと降りる。
その際、街を歩く人々にギョッとされるも、それを気にすること無くスタスタと人を掻き分けながら進み……。
「やっぱりアンタだったか……」
「いらっしゃーい、早い・安い・美味いのじゃがまるくんはー―――あひゃあ!?」
お祭りの出店で売ってそうな食べ物の売り子をしている女性に話しかける。
すると、売り子をしていた女性は思いがけない人物から話しかけられたからなのもあるのか、おかしな悲鳴をあげる。
「なっ!? えっ!? おっ!? いっ!?」
まるで画面の中でしか見ることができない有名人と出くわしたかのようなリアクションをする女性に、道行く人々がなんだなんだと視線を寄越していく中、イッセーは苦笑いしながら懐からお金を取り出す。
「今あるそれ全部買うから売ってくれ」
「あ、あう……」
その一言に少しだけ落ち着きを取り戻した女性なのだった。
かつて下天する前、神々の干渉すら不可能となってしまった世界に反逆し、敗北こそしたものの神々の干渉の隙をもたらした英雄が居た。
その英雄の死と引き換えに無法地帯となっていた世界を消滅させることに成功した神々――というかほぼ女神達は本来の人生すら歩めなかった少年に、祝福を与える事を決めた。
即ち別の世界で復讐とは違う自分の人生を歩んで欲しい。
英雄的な働きをしてくれた少年へのせめてものお礼。
しかしそこで女神達は揉めに揉めた。
少年をどの世界に導くか……だ。
「き、来てたんだね?」
「飯を食いにね。で、案の定神に絡まれたから適当に撒いたら、アンタが呼子してんのを見つけたって感じ」
「絡まれただって!? だ、誰に!?」
「えーっと、あの貧乳の――」
「ロキか!? ロキなんだね!?」
「おう」
「ぐ、ぐぬぬ……ロキめぇ……!」
自分達の管轄する世界に導こうとする女神達の主張により、ちょっとした戦争が勃発した。
そして、勝ち抜いた事でイッセーはこの世界で生きるようになったのだが問題はそこからであり、この世界で生きる少年を当初は平等に『見守る』という不文律が、とある女神のせいで完全に無くなり、今現在少年の『ファン』である神々は彼の傍に近づこうとする為だけにわざわざ神の座を降りて下天しまくるようになり、結果このオラリオという都市が作られるようになった――――という裏の歴史があったりする。
「イッセー君の気配は感じられてたけど、見ての通りアルバイト中だったから……」
「相変わらず貧乏やってんだねアンタは……」
「ま、まあね……あははは」
そのファンというのは先程のロキもそうだが、今こうしてじゃがまるくんをもしゃもしゃと食べているイッセーの言葉に恥じるような苦笑いを浮かべる見た目少女である彼女もそうだし、オラリオに鎮座する下天した女神の殆どがそうだったりする。
「ふー、ごっそさん。
あぁ、ちょっと多めに金払うから差し引きの金は持っときなよ」
「え!? い、いやいやそんなの受け取れないってば! そ、それよりさ、僕もうそろそろアルバイトの時間も終わるから、ウチに遊びに来ないかい?」
「は?」
「う……い、嫌なら別に良いんだけどね?
……どうせ帰っても僕一人だし……」
「いや別に良いけど……」
「え!? ほ、ホント!?」
「アンタが下天しても上手いことやれてないのはわかってるし、前々から思ってたけど、アンタは一番神らしくないからね」
このヘスティアもその一人であり、あらゆる側から神らしくないという理由のせいか、他の神々には壁作りまくりな態度を崩さないイッセーが唯一例外的に気安い態度を取るという意味で他のファンの女神達から目の敵にされている。
「うう……遊びに来てくれるだけでも下天した甲斐があった」
「んな大袈裟な……」
「だって他と違って未だに眷属だって――いやまぁ僕の場合そっちに関しては精力的じゃないからだってのが大きいけどさ。
……いっそイッセー君がなってくれたらなぁ――なんて」
「……………まあ、ある程度は考えておいてやるよ」
「むー……ドライグ君からも説得してくれないかい?」
『オレはイッセーが決めた事についていくだけだ』
だからボッチだという事に気づくことなく……。
究極パワーの龍戦士(イッセー&ドライグ)
『赤き龍の系譜』または『進化の壁を越えし者』カテゴリの気力+5 ATK,DEF250%UP
パッシブスキル『最強最後の赤龍帝』
自身のATK,DEF150%upし、ダメージを20%カット。
攻撃をする度にATKを20%、受ける度にDEFを20%up(最大100%)
ターン経過毎に更にATK.DEFを50%UP(最大100%)
気力22以上で必殺技が追加発動。
必殺技・『クリムゾン・ラッシュ』
ATK.DEFを大幅上昇させ敵に極大ダメージを与える
超必殺技・『龍拳・爆撃』
ATK,DEFを超大幅上昇させ、敵に超極大ダメージを与える
アクティブスキル『完全一体化』
3ターン経過後に発動可能。
効果・融合する
究極パワーの龍戦士(赤龍帝)
パッシブスキル『無神臓の赤龍帝』
自身のATK,DEFを250%upさせ、ダメージを50%カットし、全属性効果抜群で攻撃。
攻撃をする度にATK,DEFを5%、受ける度にDEFを5%UPさせ、更にターン開始時にATK.DEFを10%UP(無限)
最大4回攻撃を行い、2回目の攻撃は必ず必殺技が追加発動する。
敵の必殺技を見きり、超高確率で無効化し、激烈なダメージで反撃する。
必殺技・『ドラゴン波』
1ターンATK,DEFを超大幅上昇させ、敵に超極大ダメージを与える
超必殺技・『ビッグバン・ドラゴン波』
1ターンATK.DEFを超大幅上昇させ敵に究極ダメージを与える。
アクティブスキル『ファイナルビッグバンドラゴン波』
一時的にATK.DEFを急上昇させ、敵に超究極ダメージを与える。
(こ、断られると思ってたのに本当に来てくれた……。
ゆ、夢なのか? いや夢じゃない!? ど、どうしよ……ま、まずはえと……お、お茶? お茶してお話して……えと……!)
「うへへへ……!」
(……。チッ、ミアの言ってた通りだな。
鬱陶しいのが一定の距離を保ちながら見てきやがる……)
『おい、この小娘女神が間抜けな顔してニヤけているが、気づいてないのか? 見ている奴から殺意を向けられているのが……』
仮ステイタス
イッセー 年齢不明
赤龍帝
力:計測不能
耐久:計測不能
器用:B650
敏捷:計測不能
魔力∶不明
【完全洗脳耐性】【神滅】【対転生】【無限進化】【完全適応】【完全再生】
スキル
【
【
これは英雄であることを否定する青年の孤独なその後の話。
「あ、あ、あの……!! ひ、久しぶりというかなんというか……! さ、サイン……! じゃなくて、食事でも……!」
「…………」
「い、何時ものイシュタル様じゃない……」
何をしても自身の魅了が通じないばかりか、初見の際八つ裂きにされて以降、魅了の力を完全に封じて自身の努力のみでオラリオの最大手の派閥まで育て上げた神に、思春期の女の子みたいなノリで話しかけられたり。
「いい加減、私の誘いを一度は受けてくれても良いとは思わないのかしら?」
「受けて何になるんだか俺にはわからなくてね。
それに、アンタの部下が今にも俺を殺そうとする形相で見てくるし、何より俺はアンタに興味がない」
「……………」
何故か微妙に残念な扱いされるもうひとりの美の女神だったり。
「神は嫌いだ。それなりに見苦しく生きている今でも、呪った事はあるが祈った事なんて一度もありはしない。
でも結局の所、こんな神達に借りがあったから俺は今を生きている。
だからその借りだけは返す……それが今を生きる理由だ!」
しかし結局は赤き龍帝は復讐とは違う理由で初めて力を開放する。
『そこで間抜けな顔をしている女神共は知っているだろうが―――融合するぞイッセー』
「え?」
『所謂サービスってやつだ。
それに、俺ももう一度あの時の領域を体感したくてな』
「まったく……本当にお前は最高だぜドライグ」
本来の道から外れたからこそ掴んだ領域を。
「『オレはイッセーでもドライグでもない。
オレは――貴様等をぶちのめす者だ!」』
「ゆ、融合モードや!」
「め、目の前で見られるなんて! きゃ、キャメラを――カメラは!?」
「『これであの世に送ってやる! ファイナルビッグバン・ドラゴン波ァァァッ!!!」』
ダンジョンの外で赤龍帝との出会いを求めるのは間違いだらけ―――――始まらない。
補足
このすば女神達とのバトルに勝利した場合はこうなる的な。
イシュタルさんは当然速攻で魅了を仕掛けたけど、一切通じずに張り倒されたので魅了を封印して自力で原作と同等の勢力にした努力の方になったとか。
フレイヤさんは―――基本雑に扱われる。
ロキさんは―――大体逃げられる。
ヘスティアさんは――不憫なせいか微妙に対応が甘い。
そんな緩めの世界