色々なIF集   作:超人類DX

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連続。

今回はここ


三馬鹿達の疾走記録

その1・三馬鹿行進曲

 

 

 あの変態褌カマ野郎め、一方的に勝手な事を抜かして俺たちをこんな世界に送りつけておきながらアフターケアどころか、寧ろ時が進むごとに彼等からの俺達の評判が悪くなってるだけじゃねーか。

 

 何がご主人様の補佐をして欲しいだ。

 

 そのご主人様とやらが完全に俺達を化け物呼ばわりして怖がってたら世話がねーじゃねーか。

 ………まあ、怖がらせる真似したのはこっちだけどもよ。

 

 お陰でこちとら嘘みたいなまな板金髪娘のパシりやらされる日々なんだぞちくしょーめ。

 

 神牙とヴァーリはまだ良いさ、なんだかんだボインなお嬢さんといつの間にか仲良くしてるし。

 

 俺なんかそんなチャンスなんて与えられんとばかりにまな板娘のパシりなんだぞ? ………いや、態度は偉そうながらこんなワケわからん野郎三人を食わせてくれてる当たりは良い奴とは思うけど。

 

 でも俺にだってボインボインなお姉さんと仲良くなりたいんだよ。

 ボインだけど頭が残念だとかじゃなくて……。

 

 あのクソ変態マッチョ野郎め、今度見たら絶対に九分殺しにしてやるぜ……!

 

 

 

 

 

 

 本物の天の御使いの補佐を無理矢理頼まれて天とは別の場所からやって来た三人の男。

 

 字を持たず、名そのものが我等で言う真名であるその三人の男はどれもこれも癖が強すぎるのだけど、その力はまさに世の理をひっくり返す程の絶大なもの。

 

 それでも本人達は『本来の半分以下の力しか出せない』と言う訳だけど、私から見れば充分この世を力で捩じ伏せる程のものだと思う。 

 もっとも、それだけの力を持ちながら三人揃って俗な性格をしているので恐れといったものは皆無。

 

 けれど慣れている私達とは違って他の勢力の者からしたら怪物と呼ばれて恐れるものらしく、本来の目的であり、今現在関羽の所に居るとされる本物の天の御使いは三人を恐れているとか。

 

 三人の目的がその天の御使いの補佐だというのに、皮肉にも恐れられて補佐どころではないし、なんなら勢力としては敵対に近い位置だったりするので、三人が帰る条件は最早破綻してしまっているともいえるわね。

 

 流石にほんの少しだけ悪いかなと思ったりもするのだけど、神牙もヴァーリも――そして一誠も『なるようになるだろうよ』と簡単に私を許した。

 

 普通なら怒り狂ってその力を私に向けてきても可笑しくないというのに……やっぱりおバカというか呑気というか。

 

 

 

 

 ひとつの帝国と化している蜀軍に潜り込ませたスパイによれば、誰かが誑かしたのか曹操の抱える軍に存在する三人の将はこの世をメチャクチャにする悪鬼という風評で固まってしまっているとの事。

 

 

「あ、俺等って周りからは華琳の軍の将クラスだと思われてるんだな。ただの一兵卒なのに」

 

「つまり今更彼等に胡麻擂りをしても無意味という訳か……」

 

「そうなるな。

そして気付けば俺達は裏から華琳を誑かしてこの世を支配せんとする悪――と見なされてるということだ」

 

「うっそだろオイ!? 誑かしてるどころかパシりさせられるってのにか……!?」

 

「端から見たらそう思うらしい……」

 

 

 一方的に頼むだけ頼んでおいて、アフターケアもゼロ。

 ならばと自分達で動いてみたら完全に向こうサイドからはラスボス魔王呼ばわりされているという現状にいよいよ例の変態マッチョマンは宛にならないと悟るほかなくなってしまう。

 

 

「というかよ神牙、確かその赤壁の合戦ってのは史実だとこっちの負けなんだろ?」

 

「ああ、武力自体は圧倒的に有利だったのだが事故と偶然が重なり続けたんだ。

本当かはわからんが、病気が蔓延し、こちらの仕官の殆どが病死しで指揮系統がガタガタに……」

 

「ま、マジか……ひでぇな」

 

「仮に負けたとしたら、恐らく俺達は追放か死罪だろうな。

この前の小競り合いも結構派手に暴れたし……」

 

 

 暗い未来に流石にポジティブではいられない三馬鹿。

 それこそフルパワーを引き出せる状態なら一瞬でひっくり返せるのだけど、未だにフルパワーの領域は取り戻せない。

 

 

「こ、こうなりゃ直接あの変態褌カマ野郎を探し出して、半殺しにしてでも元に戻させるしかないだろ」

 

「そうだが、現状そいつの目撃情報は入って来ない。捜索の網は広げているのだが……」

 

「もしかしたらこの世界には居ないのかもしれないという事もありえるわけか……」

 

「ふざけやがって……! 勝手に飛ばしておきながら……!」

 

 

 それでも三馬鹿の戦力は、華琳率いる曹操軍にて最高戦力の位置に属してはいるものの、数の暴力に何度か潰されかけたこともある為に不安しかない。

 

 

「可能な限りフルパワーを取り戻すしかない。俺も部下達のレベルをなんとか引き上げてみせる」

 

「わかった」

 

「それとアレだ、全員に手洗いとうがいを徹底させてみるべ」

 

 

 こうなったら帰れる条件なんぞ宛にせず、殺られる前に殺るしかない。

 死んでしまえば元の時代に戻るもへったくれもないのだし、何より最早世話になりっぱなしな彼女達を見捨てる事は三人にはできないのだ。

 

 こうして三馬鹿達の極秘会議が終わり、其々の仕事に戻る。

 

 

 極秘会談を終えた一誠は早速曹操こと華琳に配下全員に毎日の手洗いとうがいを徹底させるべきだと言っておく。

 

 

「急にまともな事を言うのね?」

 

「イザという時に病気で倒れて戦えませんじゃ話にならんだろう? 只でさえ最近の世の中はピリピリしてるし、何が原因で戦争になるかわからないんだ、備えは必要だ」

 

「………。熱でもあるのかしら?」

「たまにはまともな事も言うわい」

 

 

 無駄にキリッとまともな顔して言う一誠が逆に心配なる華琳たが、言ってる事は至極まともなので配下に伝達させる。

 それを見届けた一誠は今度はトレーニングをすべく天幕を出ようとすると、華琳が呼び止めた。

 

 

「一誠、アナタはヴァーリや神牙と違って無理に縛ると規律を乱す程に好き勝手やるから私直属の配下という名目である程度の自由を許してはいるわ。

けれど限度があるというのはわかるわよね?」

 

「わかってるよ。

でもお前の近くに居るとお前の熱狂的なファン共が五月蝿いんだよ……」

 

「春蘭と桂花の事かしら?」

 

「だけじゃないけど、そんなとこ」

 

 

 基本的に華琳の周辺を護衛する形の仕事をやらされている一誠は、華琳の熱烈なファンから多大な嫉妬を買わされている。

 故にそういった者達からの風当たりは未だに強く、かといって他の所に配属しろと華琳に頼んでも断られる。

 故に余程の事がなければ離れるつもりだったりするのだが、ここ最近の華琳はずっと近くに置きたがる。

 

 

「何を言われてもアナタなら気にしないじゃない?」

 

「気にはしないけど、暇ではあるんだよ。

だから華侖でも誘って遊――じゃなくて訓練をだな……」

 

「…………」

 

 

 華琳の従妹である、曹仁こと真名を華侖の名前を出した瞬間、微妙にムッとなっている事に一誠は気付いていない。

 というのもその華侖という少女は一誠達にとっての元の時代における下級堕天使の少女に口調が似ているのもあるし、一誠ば特にその堕天使の少女に何故だか懐れていたのもあってか、微妙に気が合うようなのだ。

 

 

「最近随分と仲が良いのね……」

 

「微妙に気が合うんだよあの子。

やっぱミッテルトと似てるからかなぁ……」

 

「………」

 

 

 はははと何時もの人妻を前にしただらしのない笑みではなく、穏やかに笑みを浮かべる一誠に華琳はますます面白くない気分になってきた。

 ぺたんこだの、まな板だの、ド貧乳だの寸胴だのと自分を恐れずそのような暴言を真正面から吐くし、短気ですぐ手が出てくるし、おおよそ女扱いなんて何一つされた事がない。

 

 それならそれで構わないのだけど、一誠の性癖をこれまで共にこの時代を駆け抜けてきた中で知っていたのもあって、一誠にしてみれば性癖には入らない従妹の片割れと仲良く楽しそうにしてるのを見ると何故だか腹が立つ。

 

 

「あの子に手を出したら、その粗末なものを切り落とすわよ」

 

「出さねーよ!!? 急に怖い事言うなや!?」

 

「どうかしらねぇ……? その点に関してはアナタは信用ならないもの」

 

「ぐっ……び、微妙に言い返せねぇ」

 

 

 押さえ込んでた感情をむき出しにしながら取っ組み合う時間がちょっと楽しいと密かに思うからこそなのかもしれない。

 

 

 

 初めて直接言葉を交わしたというよりは、互いに目を合わせたその瞬間から『あ、気が合う』と感じた華侖にとって一誠は友達だった。

 凄く強いし、一誠と何度か訓練を共にするようになってからは剣の腕だけではなく素手での戦い方も学んで更に強くなった。

 

 しかもひとつの事を覚えてみせれば一誠は褒めてくれるし、難しいところは根気強く出きるまで教えてくれる。 

 ちょっと年の行ったオバサンにばかり鼻の下を伸ばすのが玉に瑕だけど、華侖はあらゆる意味で一誠という不可思議で自由そのものな青年が好きだった。

 

 

「い、イッセー? なんだか華琳ねぇが不機嫌だけど、なにかしたんスか?」

 

 

 そんな一誠は常に華琳と一緒に居る。

 それが一誠に与えられた仕事なのだから仕方ないのだけど、よくその華琳と取っ組み合いの喧嘩をする姿を見るとモヤモヤする気分になる。

 せっかく一誠に誘われて訓練をしようと張り切っていた華侖は、その訓練場に居る不機嫌顔の華琳にちょっと引けてしまう。

 

 

「なんもしてないし、華侖のせいじゃないのだけは間違いないぞ」

 

「またイッセーが怒らせたんスか?」

 

「いや? お前誘って遊ぶ――じゃなくて訓練するって話をしただけだけど?」

 

 

 間違いなくそれじゃないか……と、本人はまったく気付いていない様子に華侖は内心突っ込む。

 その手の話に疎い華侖も見ていてわかるが、一誠が来てからの華琳は良い意味で自分の感情を表に出すようになった。

 そのせいで一誠が自分の姉貴分であり華琳を熱烈に慕う春蘭やら、軍師の桂花に目の敵にされているくらい、一誠は良い意味でも悪い意味でも華琳を変えたと思っている。

 

 

「アイツがもしお前になんか言うつもりなら俺が守ってやるし、気にするな」

 

「…………。そういう事を平気な顔して言うからッスよ」

 

「へ?」

 

 

 つまり華琳はかなり一誠を気に入ってる。

 実の妹と従妹だとかがヴァーリと取り合いをしているのと同じなのだと。

 

 

「なんでもないッス」

 

「??」

 

 

 女にだらしない癖に、変に鈍い。

 そう華侖は一誠の鈍さに内心文句を垂れながら、不規則なステップを踏みながら構える一誠に対し、模擬刀を片手に斬りかかるのだった。

 

 

 

 

 『ガキの頃編み出した戦い方を復帰させる』

 という言葉の意味が最近までわからなかった華琳は、従妹の華侖の攻撃の全てを踊るように避けるその姿を見て意味をなんとなく理解していく。

 

 

(すたいる……そう一誠は言っていたけど、戦う相手によって戦い方を変えるという意味だわきっと……)

 

 

 ヒラヒラを舞うように避け続ける一誠の不可思議な動きをよく観察しながら考察していく華琳。

 やがて避けるだけであった一誠が攻めに転じ始めた時、その見たこともない無駄にも思える動きに少しだけ目を奪われる。

 

 

「ヒャッホー!!!」

「うべべべ!?」

 

 

 勢いよく回転しながら華侖を蹴りまくる。

 足を払い、少し宙に浮いた華侖を大きく回転しながら蹴り落とす等、相手の呼吸を強制的に崩すような戦いを展開させる一誠に華琳は『一々驚かせてくれる』と思う。

 

 

「そ、それはやめるッス! 戦い辛いし!」

 

 

 華侖も完全に術中に填まってしまっているようで、普通に戦えと抗議している。

 

 

「ははは、ガキの頃にミッテルトも同じような事を言ってたなぁ」

 

「むがー! アタシはミッテルトじゃない!」

 

「あ、ごめん」

 

 

 そんな華侖の反応に対して一誠はちょっと楽しそうに笑う。

 その楽しげな笑みを引き出せているのは自分ではない事に、華琳はちょっとモヤモヤしながらじゃれ合うように模擬戦をする一誠と華侖を見るのであった。

 

 

「うー……イッセーはたまに意地悪っすー」

 

「なに言ってんだ、訓練ってそういうもんだろ?」

 

「そーっすけどー……」

 

 

 結局なんやかんや華琳から見たら実に楽しそうに訓練をしていた華侖と一誠にモヤモヤさせられたまま時間だけが過ぎ、訓練を切り上げた後も楽しげに話をしながら何気なく夕飯の席に同席する。

 

 

「わかったわかった、今日のところは俺が奢るから」

 

「! やったー! イッセー大好きっすー!」

 

「ぐェ!? きゅ、急に飛び付くなっての。

まったく現金なやつめ……」

 

「…………」

 

 

 改めて華侖と一誠のやり取りを見ている内に華琳は思う。

 『距離感近すぎではないか』と。

 

 例えば今のように公衆の面前で大好きだなんて宣いながら当たり前のように一誠に飛び付いているし。

 人懐っこい華侖の性格を考えたら別に不思議ではないのかもしれないが、何故か納得できない気分だ。

 

 

(華琳ねぇがずっと付いてきてるッスけど……)

 

(割りと暇してたんだろ? 別に悪いことなんてしてないし、普通にしてれば良いだろ)

 

「…………」

 

 

 顔を寄せ合いながらヒソヒソと小声でなにか話したりと、いっそわざと煽られてる気分ですら華琳の機嫌はますます悪くなるが、張本人たる一誠はどこ吹く風だ。

 

 

「むっ!? あのお姉さん……中々の戦闘力(おっぱい)をしている……? ぬっ!? 向こうの通りを歩くお姉さんは更に戦闘力(おっぱい)があるだと!? ぐぅ、町が発展すればするほど逸材も現れるとはな!」

 

「む……」

 

「また始まったわね……例の発作が」

 

 

 挙げ句の果てに今度は道行く女性の胸を見てだらしなく鼻の下を伸ばすものだから、華侖までむっとさせる始末。

 

 

「へーい! そこのお姉さん! 今からご飯なんだけど、俺と一緒に―――にょごげっ!?」

 

「早くするっすー!!」

 

「ええ、どうせ逃げられて終わりでしょうしね」

 

「ごへ!? な、なにすんだ!? あ、危うくマジで窒息しかけたぞ!?」

 

「この前アタシのおっぱいを鷲掴みにしたくせに」

 

「してねーわ! ありゃ訓練の事故だっての!」

 

「そんなにおっぱいが好きならアタシので我慢するっすー!」

 

「や、やめろ馬鹿!? お前ホント癇癪の起こし方がミッテルトみたい――もぶぶぶ!?」

 

 

『…………』

 

 

 最早華琳の治める地域に住まう者には『慣れた』光景が町の大通りのど真ん中で発生し、住人達の視線はとても生暖かいものだったという。

 

 

「またですか……」

 

「俺のせいじゃねーぞ! 二人が俺のナンパを邪魔したから――」

 

「はいはい、つまり一誠殿が悪いと」

 

「わ、わかってないだろ。

ぐ……キミって神牙には懐いた犬みたいな子なのに俺には塩対応だよな」

 

「別にそんなつもりでは――」

 

「まー、そらそやろ。

毎回ウチの隊長さんにあんなことやこんなことされとるもん」

 

「さっきも神牙隊長と絡み合ってたのー」

 

「違います! あ、アレは転びそうになった神牙様をお支えしようとしたらああなっただけで……!」

 

「…………アイツの性質の一番の被害者ってやっぱキミか。で、その神牙は?」

 

「頭打って気絶中やで。

それを楽しそうに凪が介抱してたら、アンタ等が騒ぎ起こして邪魔されたと不機嫌なんや」

 

「だから塩対応なのー」

 

「だから違う! わ、私が至らないばかりに神牙様がお怪我をなさった! だ、だからその……」

 

「……くそ、ちょっと腹立ってきた」

 

 

 

 その内華琳を含めて取っ組み合いの喧嘩騒ぎで通報され、神牙が隊長を勤める警備隊に連行されたり。

 

 

 

「貴様ァ! またしても華琳様に粗相を働いたなァ!? そこに直れ! 叩き斬ってくれるわ!!」

 

「やかましいっ!! 俺だって好きでこんな事してんじゃねーやい! 斬れるもんなら斬ってみろオラァ!!」

 

 

 華琳シンパにキレられたので逆ギレし返してやってたり。

 

 

「落ち着けよ一誠――うげ!?」

 

「うるせー天然野郎! お前はなんやかんや良い思いしてるからそんな事言えるんだってんだちくしょー!!」

 

「ヴァーリさんになにをしているのですかこの野蛮人!!」

「だ、大丈夫ですかヴァーリさん? お顔が……」

 

「いてて……ああ、別に大丈夫だし俺達にとってはじゃれ合いのようなものだから心配するな。

だからちょっと離れてくれるか柳琳? 苦しいぞ……」

 

「え、あ、ご、こめんなさい……!」

 

「な、なにをどさくさ紛れにしているのですか柳琳さん!!? まったくもう……! ああ……! ヴァーリさんのお顔が腫れてしまっていますわ!」

 

「いやだからな栄華? お前にまでそんな真似をされたら苦しいんだが……」

 

 

 

 

「な、なんだこの今までにない敗北感は……」

 

 

 天然龍皇のマイペースなモテを見て負けた気分にさせられたり……。

 

 

「大丈夫一誠お兄ちゃん?」

 

「とても落ち込んでるみたいで心配です」

 

「また騒ぎを起こしたみたいですねー?」

 

「チビッ子共にはわからん大人の悩みだよ……はぁ」

 

 

 あまりにも表裏がなさすぎて欲望ブッパな性格なせいか、チビッ子達に懐かれたり。

 

 

「それなら今日はお兄さんと一緒に寝てあげますよー? 良い子良い子してあげます」

 

「あァ? 別にそんなことせんでも――」

 

「ぼ、ボクがやるよ! ねっ! 良いよね!?」

 

「ここは私が!」

 

「俺の話聞いてる?」

 

 

 最近朝起きたら何故か全裸のチビッ子数人にひっつかれてる事があったりと。

 外では各勢力から危険分子扱いされているというのに、呑気な日々はまだ続くのだった。

 

 

「一誠、アナタ……こんな小さな子に……」

 

「ちげーわ!? 起きるといつも居るんだよ!!」

 

「……どうなのアナタ達?」

 

「お兄さんが寝た辺りを見計らって侵入しているのは事実です。

服を脱ぐのも勝手にやっていることです……。

んー……しかしお兄さんをぎゅっとしてあげると、ちゅーってされちゃうのは想定外でしたねー……」

 

「くすぐったいけど、その……ちょっと癖になってます」

 

「あれをされるといつもその……びしょびしょになります……」

 

「…………一誠?」

 

「酷いッス、アタシが先じゃないなんて……」

 

「し、知らんわ!? ちょ、待て! そもそも記憶にねーぞ!?」

 

「お兄さんに覚えはなくても私たちはちゃんと覚えてますよー? あー困りましたねー? ほら、ここの所にお兄さんがちゅーってした痕が……」

 

 

 

 

 

「………元の時代の時も妙にミッテルトと仲が良いとは思っていたが」

 

「まさか本物のロリコンだったとはな……」

 

「ちっがーう!!!」

 

 

終わり

 

 

 

 

 

 




補足

実は三馬鹿√って基本的にどのルートも堕天使側であり、その中でも一誠はミッテルトと仲が良いという裏設定。

そのせいか、取っ組み合いの喧嘩をする華琳様とは別に、話し方がかなり似てる華侖さんと気が合うとか。

それ見て最近華琳様がモヤモヤしてるとかなんとか。


その2
だからロリコン龍帝とヴァーリと神牙に馬鹿にされがちなのですが―――遂に本領発揮した模様。

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