色々なIF集   作:超人類DX

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なんか……こうなるかなと


精々頑張ってくださいな(ガチめの押し付けモード)

 

 

 

 物心ついた時からそれが当たり前だったから疑問に思わなかった。

 教えられた事を飲み込み、ものにしていくことが当たり前だった。

 

 だけど人には向き不向きがあるのだと知ったのは妹を見たときだった。

 

 妹はとてもじゃないけどこちら側の才能は無かった。

 それに性格的にも無理があった。

 

 だから私は敢えてキツイ言葉で妹にこちら側に来るべきではないと伝えた。

 

 それ以降、妹とはギクシャクするようになってしまったけど、これで良かったのだと私は思う。

 

 

 

 

 

 普通に生きて普通に死んでいく事こそが妹にとって良いことなのだから。

 

 

 そう自分に言い聞かせながら年齢を大人へと近けさせていく最中、私は知る事になる。

 

 

 ―――今まで自分こそが異常な側の人間だと思っていたというその考えを根本的にひっくり返される程に異常で異質な人達の事を。

 

 生きようとする意思が――最早執念にも近い程に強い人達を。

 大切に想う人の為ならば、それが例え悪であろうと構わず世界を敵に回すと至極真面目に思っている男性を。

 

 そんな男性を高校生活の最中、ひょんな理由で知った私は――

 

 

「す、すげぇ……!

急に学園長(真)に呼び出されたと思ったらボーナス貰ったんだが、リアルに袋が立つくらいにパンパンにお札が入ってるぞ……!」

 

 

 密かに……多くの生徒や教師に悟られずに影のように働く用務員さん(27歳)に恋をしてしまった。

 

 

「くくく、貯金がまた増えた。

これでますます隠居生活も捗るってもんだ……にひひひ!」

 

 

 戸籍の上では独身だけど、事実上お嫁さんとなる女性が――それも二人も居る人に……。

 知ったときは当然ショックだったのだけど、困った事にそれでも私は諦めきれないで居る。

 

 ………この男性からは相手にされてないというのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 時には逃げ、時には抗い、時には死にかけ、時には狂犬のように噛みつき。

 己を取り戻す為の復讐から、大切な者達の自由を守る為に世界そのものへ反逆をし続けた少年の行き着いた場所は全く異なる人間界での平穏だった。

 

 共に肩を並べて戦った二人の悪魔の少女と行き着いた色々と違う人間界では誰も自分達を殺そうとはしないし追われる事もないというだけで一人の少年と二人の悪魔の少女は密かに生きる道へと進んだ。

 

 そしてそこから時は流れ、少年から青年へ。少女から大人の女性へと成長した三人は平穏なる生活を送りながらも『もしも』に備えて互いに高め合うという幸せでもある毎日を送っていた。

 

 そんな時だったか。

 

 三人が偶々見つけてしまった……歪みを抱える少年。

 かつての自分達のような仕打ちを受けている幼い男の子と、そんな男の子を守ろうとする姉妹を。

 

 思わず手を差しのべてしまった三人は、後少しで完全に精神を壊していた少年を、少年の周りにある歪み達に悟られぬよう少しずつ少年と少年を守ろうとした姉妹に『抗う術』を教えていった。

 

 それは何となくその三人が自分達の関係性に似ている気がしたからだった。

 

 そしてそこから更に時は経ち……。

 二人の悪魔と一人の人でありながら人でなしへと到達した青年によって心を建て直した少年は元気に学生生活を送ることになるのだった。 

 

 ちょっとしたトタバタ劇を織り交ぜながら……。

 

 

「遊び来てみたら更識先輩が床にひっくり返ってたのは何故に?」

 

「いや、来るなり突然飛び付いて来ようとしたから反射的に避けたんだが……」

 

「容易に想像できるなそれは……」

 

「ぐぬぬ……もう少しだったのに……!」

 

 

 少年にとってこの学生生活は単なるオマケでしかない。

 女性しか動かせない筈のパワードスーツを起動させてしまったという理由で周りが女子しかいない学校にほぼ強制的に通うことになったりしていても、少年は寧ろ世話になった兄貴分と姉貴分が働いている学校に通えるというだけで万歳三唱だった。

 

 問題はその兄貴分は実質的な嫁が二人居るというのに、その事を少し前に教えたというのにも拘わらず、とある先輩女子が嘘みたいな『好き好き光線』を出してその兄貴分(27歳)の元へと暇じゃなくても押し掛けるようになったくらいか。

 

 

「良いじゃないですか! ソーナ先生とリアス先生の他に後一人くらいお嫁さん貰っても!?」

 

「あのな、ソーナちゃんもリアスちゃんも俺の嫁じゃあないっての」

 

「でも好きなんでしょう……?」

 

「おう、それは当然だ」

 

「ほら! それなら後一人だけ好きになる相手が居ても……!」

 

「そんなん居ないっつーの」

 

 

 

 兄貴分にはまるで自覚もなければ覚えもないらしいのだがこの先輩さんが言うには、親にすら見せられなかった弱さを見せられる相手だからという事らしい。

 現に面前では学園最強にて生徒会長として振る舞う彼女も、兄貴分を前にする時は年相応――いや、寧ろ大分子供っぽくなっている。

 

 最初はそんな先輩さんに驚いた少年達も何時しかこっちが素の先輩なんだと受け入れてからは『まーたやってるよ』と何時もの光景として認識するようになっていた。

 

 

「リアス姉とソーナ姉は?」

 

「リアスちゃんは保険医の仕事がまだ残ってるからまだ来てない。

ソーナちゃんは今日非番だからあの子の所に行って助手のバイトだよ。

多分もう少ししたら来るんじゃないか?」

 

 

 抱きつきを見事に避けられて地面に頭を打った更識という先輩さんが頭に漫画みたいなたん瘤を作りながら抗議の視線を紺の作業着を着た青年に向けるが、そんな青年は先輩の視線をスルーしながら呑気にお茶を飲んでいる。

 

 

「変な組織に絡まれたから死ぬほどおちょくってやるって言ってたな」

 

「だからソーナちゃんが付いたんだよ。

あの子ほっとくと箒、お前と同じでイチ坊の障害になりえそうな連中を容赦なく消しにかかるからね」

 

「私と姉さんの場合は一誠兄さん……アナタに叩き込まれたからだからなんだが?」

 

 

 呑気にお茶を飲む紺の作業着を着た青年に、イチ坊と呼ばれた黒髪の男前な少年に同席していた、箒と呼ばれた黒髪の少女がしれっとした顔をする。

 

 

「そういう思いきりの良さというか、後先考えない所は俺の若い頃にそっくりだよなお前ら姉妹は……」

 

「ソーナ姉さんとリアス姉さんからよく兄さんの現役の頃の話を聞かされてきたからね。

正直そういう生き方は私の憧れだ」

 

 

 スイッチが入ると敵となる存在を確実に潰すまで追い込む狂犬のような苛烈さを内に秘める箒という少女にイッセー兄さんと呼ばれし青年はフッと笑みをこぼしながら、懲りずに後ろから飛び付いて来ようとした更識という少女に隣の机に置いてあったクッションを使ってガードをする。

 

 

「ぶも!?」

 

「懐いた犬じゃないんだから、いい加減やめろっての」

 

「ぐ、ぐぬぬ……隙だらけに見えて隙がない……!」

 

 

 空のような色の外跳ねの髪と赤い瞳の少女が悔しげにクッションを抱きながら唸るのに対して湯飲みを片手にイッセーは呆れた顔をしていると、イチ坊と呼ばれた黒髪の少年が同じような表情で口を開く。

 

 

「一回くらい好きにさせてやれば? ソーナ姉とリアス姉も怒らないだろうし?」

 

「ナイスよ一夏くん! そうです! 一回くらいは良いでしょう!? ほら現役のピチピチ女子高生ですよ!?」

 

「アホか、青い制服のポリスメンに捕まるわ」

 

「同意なんだから問題なしです! しかもこの学園内なら治外法権ですし、む、寧ろもっとアレコレしたって犯罪には――」

 

「前提からして俺はキミにそんな感情が無いんだなこれが」

 

「むきー!!」

 

 

 ここまで突き抜けても相手にされない先輩を見てて不憫に思うイチ坊改め一夏の言葉に目を輝かせる更識なる少女だが、本人がそもそもそんな感情が無いと言い切るせいで結局不発に終わってしまい、子供のように悔しがっていると、殆どの生徒や教師には『認識すらされていない』用務員室の扉が開き、白衣を着た赤髪の――人外めいた美貌の女性が入ってくる。

 

 

「ふー、やっとお仕事が終わったわ……って、どうしたの?」

 

 

 箒とよく似た声の女性は入るなり涙目で悔しがる最近仲良くなった少女と、微妙な顔をしていたイッセーと箒と一夏に気づいて首を傾げていると、涙目で悔しがっていた更識なる少女がまさに子供のように白衣を着た赤髪の女性に抱きつき、嘘臭さ満載のうそ泣きをし始める。

 

 

「リアス先生ぇ~ イッセーさんが酷いんですぅ!」

 

 

 ヨヨヨ……と誰が見ても嘘にしか見えないうそ泣きをしながらリアス先生と呼ばれた女性の豊満極まりない胸に顔を埋める更識なる少女に、なんとなく状況を察したリアスは困った表情を浮かべながら一応その頭を撫でる。

 

 

「またイッセーに逃げられちゃったのね? うーん……一応私とソーナの『テスト』に合格してるし、構わないのだけど……」

 

「いやいやいや、そんなん言われてもだぞリアスちゃんよ?」

 

「後はイッセーをどう振り向かせるかだから、こればかりはなんとも言えないわよ刀奈?」

 

「はい……引き続き頑張りますぅ……」

 

 

 リアスに視線を向けられ、苦虫を噛み砕いちゃったような顔となるイッセー。

 そんな、彼等にとっては何時もの平穏なる日常はこうして過ぎていく。

 

 そして……。

 

 

「ハロハロ~! いっくんと箒ちゃんのお姉ちゃんこと束さんがご帰還だぜー!」

 

「ふぅ、面倒な連中だったわ」

 

 

 この学園の生徒と教師に知られたら、大騒ぎ処ではない……この世界の人間界では有名人どころではない存在が自宅に戻ってくるような感覚でこの用務員室に眼鏡をかけた真面目そうな黒髪の女性と共に入ってくる事で、不可思議で触れたら火傷じゃあすまない輪は完成していく。

 

 

「あ、束さ――んぷぺっ!?」

 

「ああ、寂しかったよいっくん……! ほら箒ちゃんも一緒にいっくんをおっぱいで暖めてあげようじゃないか☆」

 

「別に一夏は喜んで無いでしょうに……まあ、やりますけど」

 

「むぷぷぷっ!?」

 

 

 精神が死にかけていた少年をギリギリまで繋ぎ止め続けた姉妹。

 

 その姉妹との繋がりと、必要なら世界そのものを噛みちぎる狂犬のような青年と、そんな青年と共に戦い続けた悪魔の女性二人。

 

 

「一夏成分が切れたせいで、途中から絡んできた連中が可哀想なくらい暴れ倒してたし、今日のタバネは激しいわよ一夏?」

 

「そ、ソーナ姉っ……! も、もう既に激し――ぶももも!?」

 

「箒ちゃんや、もっとこういっくんを包むようにむにゅっと……」

 

「こうか?」

 

 

 そして人から人でなしに(事実婚相手二人存在)恋してしまった――飛翔し始めた少女。

 

 

「ふふ、あの三人を見てるとあれくらいの頃の私達を思い出すわ」

 

「最初の頃は意外な程生真面目だったイッセーをその気にさせるのに必死だったものねぇ……」

 

「いや、あそこまででも無かったぞ?」

 

「本当ですよ。

スイッチ入ったイッセーさんったら―――」

 

「おい、キミは関係ないだろ」

 

「…………うわーん! リアス先生! ソーナ先生! イッセーさんが意地悪する~!」

 

「「よしよし」」

 

「……そうやって二人して甘やかすからなのに」

 

 

 

 

 

「そうそう、例のバカはどんな感じ?」

 

「相変わらずだよ姉さん。

だけど、自分から面倒な事に首を突っ込んでくれるからある意味楽に過ごせそうだよ一夏は」

 

 

 篠ノ之束

 

 IS開発者にて天然の規格外で異常者。

 

 そして悪魔・ソーナの女王。

 

 

 篠ノ之箒

 束の妹にて後天的に覚醒した規格外で異常者

 

 そして悪魔・ソーナの兵士

 

 

「あっそう、それなら引き続き『主人公気取り』に浸らせてやろうか」

 

「ええ、だが最近妙に更識先輩に対して絡もうとする気配があるみたいなんだ。もっとも先輩は先輩でイッセー兄さんにしか興味ないものだから相手にすらされてないんだが……」

 

「束さんが言うのもなんだけど、キミも随分と難しい相手に恋しちゃったねぇ……」

 

「だって嫌いになろうにもなれないんだもん……」

 

「そ、それよりそろそろ離れて欲しいんだけど……」

 

 

 

 織斑一夏。

 

 地の底に落とされても守ってくれた姉妹の為に精神を建て直し、覚醒する超越者寸前少年。

 

 そして悪魔・リアスの兵士。

 

 

 

 更識楯無(真名を刀奈)

 

 事実婚相手が二人も居る青年に恋してしまった、人外への道を駆け上がる新たな超越者候補。

 

 そして悪魔・リアスの女王。

 

 

「本当に駒を使ったのかよあの子に?」

 

「打ち明けた上でも上等ってばかりに向かってきたから……」

 

「割りと本気で叩きのめしても諦めなかったし、それだけの精神力があるのならってね。

どうしてもイッセーを雄ライオンに見立てて、私達三人を雌ライオンに見てたハーレムプレイがしたいと言われた時は私もリアスも結構揺れたわ」

 

「揺れないでよ……」

 

 

 リアス・グレモリー

 

 翔心正銘・相手の力や能力を即座に自分の力とするスキル

 

 

 兵藤一誠

 

 無神臓・あらゆる環境や状況や力を糧として永遠に進化を続けるスキル

 赤龍帝

 

 

「あの時、リアスを連れて冥界から逃げ出してよかったわ……。

下手をしたら私もあの連中の仲間にされていたと想うだけでゾッとするもの」

 

 

 ソーナ・シトリー

 

 四季檻々(悪循完)・全ての意思や行動をゼロにするスキル

 

 ただひとり、地に落とされたリアスの味方であり続けた悪魔。

 

 

『精々頑張ってください(ガチめに押し付けつつの日常ばかり話)』

 

 

―――終了

 

 

 

「あんな調子だけど、本当はかなり初心な子で可愛らしい子よ刀奈は?」

 

「そうそう、前にお風呂入ってるイッセーに突撃してみたらって言ったら、顔真っ赤になって『そ、そんなの恥ずかしくてできない……』って言ってたし……」

 

「あのなぁ……」




補足

おおまかな違い。

束さんがガチってきてる。
一夏くんがおっぱいサンドで大概窒息する。
転生悪魔化してる。
ソーたんが自由人気味。

山田先生とは知り合ってない。


逆に変わってないのが……。

たっちゃんがガチってる。
実は布仏姉妹はちゃんと懐いてていてたっちゃんと同じく試練を気合いで乗り越えて転生悪魔化してる(姉妹でそれぞれリアスとソーナに)


その2
篠ノ之姉妹は徹底的にイッセーによって生身の戦闘スキルを叩き込まれてます。

誓って殺してません的なヒートアクションで相手をボコボコにします。

一夏とたっちゃん等は逆にソーナやリアスから叩き込まれてるのでもうちょいスマートです。


その3
例の存在は居るには居るのですが、とにかく気づかれないように色々と押し付けられてるらしい。


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