色々なIF集   作:超人類DX

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凄まじく前に落書きした奴にちょっとしたスパイスをぶちまけた


赤龍帝とドラゴンなクエスト

 結局は弱かったせいで、その後釜に全部奪い取られてから処分された俺は、そんな殺伐とした世界とは違う――文明レベルはかなり低いけど、心が休まりそうな世界にとある男の子として生まれた。

 

 かつての記憶はある。

 その事を知るのはこの世界では誰も居ない。

 優しくて強くて、俺がもっとも信頼して尊敬する父親にすら打ち明けられない。

 

 唯一知るのは俺と共に地獄へと墜ちてくれた、俺の中に居る相棒だけ。

 

 一誠という名からリュカという名の男に生まれ変わった。

 そしてその名前として生き直している俺は、パパスという歴戦の戦士のような出で立ちの父と宛の無い旅をしていた。

 その目的はイマイチわからないが、恐らくはこの世界で物心がついた時から見たことがない母親に関係しているのかもしれない。

 父――いや、父さんは母さんは死んだと言うが、俺は多分違うと思った。

 

 だからこそガキなりに父さんの力になりたいと、必死こいて鍛えたら……。

 

 

「やったよ父さん! スライムと戦ってたら腕にこんなのが出てきた!」

 

「……!? こ、これはなんだ? 凄まじい力を感じる……」

 

『イッセー……じゃなくてリュカの父親のパパスだな? 俺は赤い龍――まあ、ドライグとでも呼んでくれ』

 

「なっ!? しゃ、喋れるのか!? しかも赤い龍? 聞いたこともないが……」

 

『とにかく俺はお前達に害をなすことはしないと誓う。

この小僧がお前の力になりたいという想いが俺を呼び寄せたのだ』

 

「そ、そうなのか……。本当にリュカの身になにも起きないのだな?」

 

『あぁ、寧ろ全力でサポートさせて貰おう』

 

(我が妻マーサのエルヘブンの血がそうさせたのか? どちらにせすリュカの身に何も起こらなければ良いのだが……)

 

 

 自由と共に俺は本当の意味で生まれ変われた。

 

 

「行くぜドライグ! ドラゴン波ァ!」

 

「むっ!? 今のはメラゾーマ!? いや……もっと別の呪文?」

 

『俺の力で小僧の力を時間と共に倍加させ、小僧の魔力をただ打ち出しただけだ。

呪文とは違う』

 

「そ、そうなのか……? それでは貴方は一体……」

 

『守るべき者も守れなかった、単なる負け犬ドラゴンさ』

 

 

 相棒との再会は少年の強さを元に戻す。

 

 

「こ、ここがレヌール城……」

 

「うへー……ただただ眠いんだけどー」

 

「ね、眠いじゃないわよ! あの子猫ちゃんと助けないといけないんだからシャキッとして!」

 

「わざわざこんな所に来るまでもなく、あのガキ二人に脅しくれて奪った方が早いだろ……ふわぁ」

 

「それじゃああの二人と変わらないでしょう!?」

 

 

 サンタローズの村に帰還し、ビアンカという少女をとなり町に送ったら妙な事に巻き込まれた少年。

 

 

「あー、そんな事よりお姉さんとにゃんにゃんしてーよー」

 

「にゃ、にゃんにゃんってなに?」

 

 

 その少年は昼間、アルカパというビアンカの住む町で、手当たり次第女性をナンパしていた。

……年齢は全部二十後半以降の。

 

 

「ひぃぃっ!? な、なんてガキだ! お助けー!」

 

「と、このボケは言うがどうする? このまま完全に消し飛ばしても良いぞ」

 

「わ、悪いことをしないって誓えるなら許してあげるけど……リュカって強いのね?」

 

「いや、お父さんの方が強くてかっちょいいし、俺はまだまだだね」

 

「………」

 

 

 強く、逞しい父に嘘偽りなき愛情をもらえた事でファザコン入る少年。

 

 

「また一緒に冒険しようねっ! だ、だからその―――」

 

「あぁ、そこの麗しのお姉さん! 僕にいけないことをしてくださいっ!!」

 

「え、ええっ!? わ、私には夫と子供が……」

 

「……………………」

 

「す、すまんビアンカちゃん。

リュカは後で叱っておくから……」

 

「い、良いもん。大きくなってリュカの言う『ないすばでぃー』ってのになってやるもん……!」

 

 

 一回り以上が対象なので、おざなりされてしまったビアンカはここで変な方向にねじまがり……。

 

 

「まあ! アナタは私が見えるのね!? 私はベラ! アナタの力を借りたいの!」

 

「はぁ? また唐突だなオイ」

 

『こいつ、どうやら俺達にしか観えないようだぞ』

 

「取り敢えず私達の国に来て!」

 

 

 そうとは知らないリュカは、サンタローズの村でシスターを口説こうとしてたら、自分に雰囲気が似た大人の自分に邪魔されて不機嫌な所に、ベラという妖精によって妖精の村へと来たのだが……。

 

 

「ようこそ妖精の村へ。

あらあら、随分とかわいい戦士様ですこと」

 

「…………………………………」

 

 

 そこでリュカは前世では決して見なかった『女神』を見た。

 

 

「私はこの村の長であるポワンです。

リュカ、アナタに頼みたいことが――――」

 

 

 そんな女神(妖精族)に対する彼の行動は素早かった。

 

 

「ポワン様、俺と結婚してください」

 

 

 

 即ち求婚だった。

 

 

「そう、私と結婚―――うえっ!?」

 

「りゅ、リュカ!? 急に何を――」

 

「貴女こそ俺の運命の相手! お願いします! 結婚してください! 惚れました!!」

 

『今までと違ってマジだなコイツ……』

 

 

 全力の土下座しながらポワンに求愛する六歳児。

 戸惑う彼女は、そんな彼の求婚を誤魔化すようにこの地へと導いた理由を話せば、一誠からリュカへと生まれ変わった幼児は即座に動いた。

 寧ろ張り切り過ぎたせいで、はるかぜのフルートは最初から全開状態で即座に奪い返し、雪の女王はドラゴン波で木っ端微塵にした。

 

 

「取り返しました! だからポワン様……俺と結婚を……!」

 

「そ、そんな事を言われても……。しゅ、種族も違いますし、年齢だって私――」

 

「それが良いんです! 寧ろドストライクです! なんでもしますから!!」

 

 

 流石に動揺するポワンにとにかく求愛しまくるマセガキことリュカこと赤龍帝。

 『か、考えておきます』と保留で取り敢えずこの場を収めて人界に返した訳だが、リュカはこの時から他の女性をナンパする事もやめた。

 

 

「……はぁ」

 

「どうしたリュカ? 具合でも悪いのか?」

 

「違うんだよお父さん。運命の人と出会ったんだ……」

 

「そ、そうなのか――――は!?」

 

『後で事情を説明してやるから落ち着けパパス』

 

「若い頃の私に似てるなリュカは……」

 

 

 ラインハットで誘拐未遂が起きても即座にぶち壊し、ゲマとかいう変なのが来てもドラゴン波で半身を消し飛ばし、ジャミだかゴンズだかは譲渡したドライグパワーでパパスがぶっ倒した。

 

 

「人質が……なんだって?」

 

「ギャァァァッ!?!? わ、私の腕……! 私の腕がァァァっ!?!!?」

 

「「げ、ゲマ様!?」」

 

「父さん、俺とこのボンクラ王子は大丈夫だから、そこの馬と豚の畜生をやっちまえ」

 

「う、うむ……!」

 

 

 こうして奴隷にされることもなければ、パパスが死ぬこともなく10年の歳月が経ったが、リュカ青年はポワンへの想いをきしょいレベルで募らせていた。

 

 

「はぁ……ポワン様に会いてぇ。膝枕して貰いてぇ……」

 

「私は会ったことがないのだが、ポワン様とは何者たのだ?」

 

『妖精族の村を統治する村長だったな。

俺も一時的なものだと思っていたが……』

 

「相当惚れたのだろうな……この様子では」

 

 

 故に天空の盾の所在を得て、サラボナとかいう町に行って結婚話をされても本人はまるでやる気ゼロだった。

 

 

「持ち主の娘と結婚しないと貰えないってんなら、盾なんて諦めて、俺と父さんのタッグでなんとかしてみないか?」

 

「いやしかし、マーサは魔界に居るのだぞ。

魔界の王は天空の勇者でないと倒せんというお伽噺もあるし……」

 

「伝説は塗り替えるものだぜ? 俺と父さんで伝説を新しく作るんだよ!」

 

「うむぅ……。

確かに不可能とは思えないものをリュカには感じるし、私も成長したお前との鍛練で強くなれた実感はあるが……」

 

 

 天空の盾は要らなくね? という話し合いをしながら、取り敢えず二人で炎のリングと水のリングを入手してみたのだが。

 

 

「娘との結婚ではなく盾だけが欲しい……?」

 

「そっす。

リングを回収したのも、回収すれば話とか聞いて貰えそうかなって」

 

「それは私の娘に魅力が無いと……?」

 

「異性としての好みは対象外っすわ」

 

「た、対象外……」

 

 

 あんまりにもハッキリ言い切ったせいで、横で言われたフローラはショックを受け、激おこしたルドマンには屋敷を追い出された。

 

 

「おかしいな、どこで間違えたんだろ?」

 

『全部だこのバカ』

 

「リュカは興味のあるものと無いものへの態度があからさま過ぎるのだ。

よくないぞそういうのは?」

 

 

 大人二人に怒られるリュカ。

 そして仕方ないので盾は諦めて次の目的地に行こうと町を出ようとした時、唐突に出会う。

 

 

「ちょっとアンタ。

私の妹に酷いことをよくも言ってくれたわね?」

 

「あ? なんだこのケバいねーちゃんは?」

 

「ケバッ!? いきなり失礼かましてくれるわね! フローラの姉よ私は!」

 

「ふーんそうですか、じゃあお達者でー」

 

「待てって言ってんのよ私は! フローラのに今すぐ―――」

 

「うっさいわボケェ! 聞かれたから答えただけじゃあ!! 小娘なんぞに興味あるかい!!」

 

「」

 

 

 盾の持ち主の娘さんのお姉さん――デボラという女性相手だろうとぶれぬ精神。

 

 

「ひ、久しぶりリュカ。

えっとその……ナイスバディーになったわよ?」

 

「そっか、じゃあモテモテだなビアンカは。

はっはっはっー!」

 

「…………………」

 

「す、すまんビアンカさん……」

 

 

 金髪美女だろうとも特になんの反応もせず……。

 結局、このお騒がせ小僧のせいで三人の女性が変な方向に拗らせていく事に……。

 

 

「はぁ!? 三人とも旅についてくる!?」

 

「とにかくこのままだと腹が立って夜も眠れないから、アンタに土下座されながら求婚させる事にしたの」

 

「わ、私は木っ端小娘じゃありませんから! 絶対にリュカ様を惚れさせますわ!」

 

「ナイスバディーなのに約束破ったから許さない……」

 

「何の話だ!?

ええぃ小娘共のお守りなんぞやってられっかい! なぁ父さん!」

 

「……いや、リュカの教育的な意味でも同行して貰った方が良い気がする」

 

『同じく』

 

「ファックッ!!」

 

 

 無理矢理ついてくる三人娘。

 そして何でこんなリュカは頑ななのか……。

 

 

「今日は宿にて夜を明かそうと思うのだが……」

 

「し、仕方ないので私がリュカさんと一緒のお部屋で構いませんわ」

 

「いーえ、ここはリュカの幼馴染みである私が……」

 

「アンタ等じゃこの小魚に何をされるかわからないから、私が……」

 

「あのー……」

 

「「「え、なに?」」」

 

「そのリュカさんというお方はパパスさんと行ってしまわれましたが……」

 

「「「」」」

 

 

 それは紆余曲折な冒険を経て再びたどり着いた妖精の村に答えがあった。

 

 

「お、お久しぶりですねリュカ、随分大きく――きゃっ!?」

 

「ポワン様! 俺だー結婚してくれー!!」

 

 

 妖精の村の長に対するアホらしさ満載の求婚。

 子供から大人になったせいなのと、男性経験が当然皆無なポワンは、飛び付いて離れないリュカに終始ドキマギさせられてしまう。

 

 

「お、落ち着いてくださいリュカ! アナタには素敵な女性が三人も――」

 

「小娘共よりポワン様が最高です! つーか勝手に来ただけだし!」

 

「「「………………………」」」

 

 

 あんまりな言い方に、三人娘が『こいつがポワンか……』と、狩人みたいな目でポワンを睨む。

 

 

「アナタがリュカのお父さんのパパスさんね? ……その、大変ね色々と」

 

「あ、あぁ……。

まさかリュカの好きな女性が彼女だったとは……」

 

 

 慌てるポワン。

 そのポワンに抱きついて離れないリュカ。

 そして散々言われて意地でもリュカにコクらせたくなって拗らせた三人娘のポワンへの嫉妬全開の視線。

 

 

「あ、あのー……私はその……」

 

「アナタの意思はどうでも良いわ。

あのリュカがアナタに心底惚れ込まれてるのが腹立つのよ。

こっちは今まで女扱いすらされなかったしね……!」

 

「修行をお願いしたら容赦なく叩きのめされて……」

 

「勇気を出して三人でリュカのお部屋に夜行ったら『眠い、邪魔』の一言で叩き出されて……」

 

「他の町で男の方から声を掛けられたら流石になにか思ってくださるかと思いきや、その声を掛けた男性に『全員フリーでっせ?』と渡す気満々だったり……」

 

「とにかくっ! あの小魚は私たちを一切女扱いしないし、なんなら全裸で迫っても無反応なのよ!

それが何でアンタ!? スタイルだって私が上なのに!!」

 

「な、何故と申されても……」

 

 

 旅先で散々な扱いをされた不満が爆発する三人娘にポワンはどうしていいのか分からない。

 

 

「でも女扱いしない事を除けば基本的に良いやつなのよね……」

 

「山道で足を挫いた時は抱えて運んでくれましたし……」

 

「魔物に不意討ちで襲われそうになった時も守ってくれるし……」

 

「自分でもめんどくさい性格してる私と対等に話してくれるし……」

 

「「「はぁ………」」」

 

「た、確かにリュカはとても頼もしく思いますね?」

 

 

 しかしこの三人娘が旅を経て結構ガチになってしまったのも事実。

 

 

「この前のジャミとかいう馬みたいな魔物に拐われた時だって、絶対に助けに来ないと思ってたのに、『三人の気配は知ってたら助けに来れたぜ』……なんて笑いながら言うから……」

 

「しかも即座にその魔物を退治しちゃうし、その後来たゲマとかいう身体の半分がグロテスクになってる奴もボッコボコに殴って追い返したし……」

 

「その後私達を優しく抱えて連れ出してくれましたし……」

 

「「「はぁ………」」」

 

「りゅ、リュカは人間界でいう『ぷれいぼーい』という奴ですね……」

 

 

 口では小娘呼ばわりだが、旅の仲間としてはちゃんと認めてるからこそ、飴と鞭が天然で炸裂していたらしい。

悩める三人娘に、ポワンもちょっと傾くのであったとか。

 

 

「リュカよ、そろそろ王位を継ぐものとして世継ぎをだな……」

 

「まかせろ父さん! ポワン様と結婚した暁には――うっへへへへ!」

 

『コイツは変わらんな、この性格だけは………』

 

 

 ドラゴンクエスト5

 ハーレム+αルート。

 

 

一生始まらない。

 

 

「ゆ、夢にまで見たポワン様の膝枕だぁ……」

 

「そ、そんな泣くほどのものではないのでは……」

 

「ポワン様がしてくれると言ってくれたから、ミルドラースを三秒でぶちのめせたくらい俺はこの瞬間を楽しみにしてたんですよ……」

 

「リュカ……」

 

「「「………………」」」

 

「…………………。その、向こうから物凄いお顔で見ているお三方が……」




補足

前提として……。

中身が年上フェチ龍帝。

パパスが余裕で生き残る。

ポワン様との出会いで一気に一途化する。

そのせいで本編の嫁候補達が見向きもされなくなる、

マーサさんも普通に生き残れる可能性大

本編では因縁だらけのゲマ一派が余裕で八つ裂きにされて泣く。

奴隷時代やら石像時代が皆無な為、時間軸が5~6年早い。

マスタードラゴンは基本マダオ

従兄妹のドリスがスデゴロ最強化&ダメな年上オッサン好きになる。

ムスコスとムスメスはまだ居ない

ミルドラースは秒でアボン。

マーサさんがゴッドマザー化(息子のある意味な女性へのだらしなさにより)

三人娘が数百年前には存在していた失われし呪文を独力で会得する(ジゴスパークだのビッグバンだのグランドクロスだのだのだの)

パパスさんはよりパワフルになり、伝説の剣技を会得する(ギガスラッシュだのギガブレイクだの)


……って感じだったね

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