色々なIF集   作:超人類DX

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……みんな感想で知ってる方ばかりな為に、つい急遽もう一話だけ……すまぬ


ついついな続き

 

 

 

 とある世界に久澄大賀という少年が居る訳だが、彼は志望校を落ちてしまったというのに、悪い言い方をするなら未練まがしく、その落ちた高校の前まで現れた事で、ある意味彼の中で狂いまくった運命の歯車がおかしな音と共に再び回転することになった。

 

 

 簡単に言えば、彼は志望校であったここ聖凪高校の秘密を知ってしまった。

 といっても、その理由の8割は凶悪小僧におちょくられて少しイライラしていた教師の早とりちが原因だったりするので、彼はある意味巻き込まれた形で秘密を知ってしまったのだ。

 

 秘密――つまりこの高校の人間が魔法のような力を行使するというものを。

 

 結果、逃げる為に持ち前の身体能力で校内で暴れ倒し、逃げる為にチンピラ同然となっていた柊なる教師をボコボコにしてしまったせいで、そもそもその高校に落ちた理由のひとつであり、ある意味どうしても入りたいと願う理由でもあるとある女子生徒がその教師の娘であり、父を傷つけられたと激怒して魔法によって吹き飛ばされる羽目になり、果てには学園の制服を着た三人の男子生徒に縛り付けられてしまい、あえなく御用となった。

 

 

「プレートのランクアップとか割りとどうでも良いから金出せよ柊のおっさん?」

 

「オマケしてラーメン一ヶ月分の金で勘弁してやるぞ?」

 

「俺は学食三ヶ月分が良いなぁ」

 

「喧しい! お前らは単に愛花の声晨砲(ボイスワープ)でこの小僧が吹き飛ばされた先に偶々居ただけだろうが!」

 

「あらやだ? 散々大人だから敬えとかほざいてるオッサンが何か言ってますよ?」

 

「学年主任とはいえ所詮は係長レベルの安月給なんだろう? あまり大きな声で言ってはいけないのさ」

 

「所詮はただの柊なんだな……」

 

「こ、この凶悪小僧共ォ……!!」

 

 

 久澄大賀からしたら、これから自分は何をされるのかと思うと気が気ではないし、さっきからマジギレし過ぎて顔がエライ事になっている柊なる教師を煽り散らすこの三人の男子までこの場所に呼ばれているのかが不可解だ。

 

 そんな、これ以上煽りの言葉が一言でも入れば、即座に戦いのゴングでも鳴りそうな空気を止める為に、校長の椅子に座っていた老婆こと花先音芽が、ニタニタする三人の男子と、今にもその三人に飛びかからんとする柊を目で制止させながら、久澄に大してこの学校の秘密を話し始める。

 

 具体的には魔法関連の事や、その力を行使する土地がここであることだとか。

 入試の時点で魔法への適正があるかを見定まれていたとか、その試験に一切気づけなかった久澄が、入試の時点で終わっていたのだと気づくとかとか。

 

 ………学校にまで発展させるに至る技術を提供した何時までもちょいワル男である創設者については伏せながら。

 

 

「くっ、もう良いでしょう? さっさとその者の記憶を消して帰しましょう。

ただでさえ、この凶悪小僧共のクラス別を考えなければならないのに、これ以上無駄な時間など使えません」

 

 

 そんな時、三人の男子にメンチを切りまくっていた柊が久澄についてそう進言するが、久澄はその柊の言葉に違和感を覚えた。

 具体的には時期的な意味でありえないのに、何故かこの男子三人をまるで『昨日今日入ってきたばかり』の生徒だと言っているような違和感を。

 

 

「ちょっと待て……。

クラス別けってなんだよ? まるでそいつ等が今日入ったばかりみたいな……」

 

 

 妙に頭が冴えていた久澄は、ひょっとしてこの三人は正式な入試をしないで入ったのではという、所謂不正のような臭いを感じ取った。

 この学校に通うことを諦めきれないが故に気づいたのかもしれない。

 

 

「お前には関係のない話だ」

 

「か、関係ないことはないだろ!? 俺は入試を受けてに落ちたってのに、この三人は入試もしないで生徒になったかもしれない! だとしたら俺にも入試無しで入れる方法を……」

 

「馬鹿か? そんな方法なぞあるわけないし、こいつ等は推薦で入学が決まったに過ぎん」

 

 

 校長と創設者の推薦でな……と、そこまで詳しく説明する気はないし、理由はもっと単純なのだが敢えてそれらしい理由をつくって話す柊に、久澄は『ぐっ……』と言葉に詰まりながら、首を傾げながら自分を見ている不正疑惑のする三人の男子を睨む。

 

 

「残念ですが……」

 

「うっ……」

 

 

 この時点で久澄は文字通り詰みとなり、先程の話が本当ならばこのまま記憶を消されてしまう。

 そうなれば入試の時に一悶着あった果てに惚れたあの少女の記憶まで消えてしまう……そう思って俯いた時、席から立ち上がった校長が何故か柊に向かって言うのだ。

 

 

 

「柊先生、今までご苦労様でした。

第二の人生をこれからは頑張ってください」

 

「……………あ゛?」

 

「「「え?」」」

 

 

 わざわざ頭を下げての解雇宣言を何故か柊に。

 その校長の言葉に全員が固まる。

 

 

「本校に関わりのない者に魔法の存在が知られた場合、原因になった者は本校に関係する全ての記憶と籍を失う者とする。

本校の創設者が眠そうなお顔をしながら適当に決めた規則とはいえ、絶対に厳守しなければならないものです」

 

「なっ!? それは生徒に適応される規則では!?」

 

「違います。

創設者――アザゼル先生は、今も昔もあんな調子ではございますが、日常(ノーマル)非日常(アブノーマル)の線引きだけは教え子でもあった我々に対して常に説いていました。

それは柊先生、貴方がかつて先生の生徒であったころにも教えられてきた筈です」

 

「ぐっ……」

 

(アザゼル……? 誰だ? この校長のばーちゃんよりも偉い理事長的なのか?)

 

 

 校長が先生と呼ぶ謎の存在を初めて聞く久澄は旗色が何となく変わり始めているのを感じつつも黙って成り行きを見るしかできない。

 

 

「柊や音芽と知り合うまでアザゼルなりの冗談かと思っていたが、アイツは本当に別世界で学校作りをしていたんだな……」

 

「規則と障子は破るためにあるとかヘラヘラしながら言うアザゼルさんとは思えないルールだけど、あの人って昔からそこの一線だけは俺達にも守らせようとしてきたからなぁ」

 

「もっとも、自分の大事なものを守る為ならば規則はさっさと破れとも教えられてきたがね」

 

(べ、別世界!? ま、またわけのわからんSFチックな単語が……)

 

 

 食い下がろうとする柊も、アザゼルという名前が出てこられてしまったせいか言葉を詰まらせてしまい、男子三人こと一誠、ヴァーリ、神牙はまだ小さかった頃にアザゼルから教えられた事を思い返して染々と頷いている。

 そんな三人に音芽は優しそうに微笑む。

 

 

「そういう意味では私達と貴方達三人は同じ恩師を持つ者同士という事です。

だから私は貴方達三人を生徒として迎え入れようと思いました」

 

「「「………」」」

 

「ぐっ……いくらアザゼル先生が決めた規則とはいえ、私は納得いきません! そもそもコイツが逃げ回ったせいで私はクビに……恩師であるアザゼル先生の記憶をも消されなくてはならないというのですか!?」

 

 

 久澄にしてみればそのアザゼルが誰なのかはわからないが、柊の態度を見てみると余程逼迫している状況に追い詰められているのはなんとなくわかった。

 

 

「マジか、残念だよ柊のおっさん」

 

「アンタはキレやすいのがたまに傷だが、恐れもなくアザゼルを慕ってくれているという意味では仲間意識はあったんだがな……」

 

「アンタをおちょくるのは俺達なりの親愛の証のつもりだったが、それもなくなるのは少し寂しいな……」

 

「んがっ!? やめろ! 俺を可哀想な目で見るな!!!? というか急に素直になるな気色悪い!!」

 

「「「…………」」」

 

「ヤメロォォォォッ!!!?」

 

(は、話についていけねぇが……これはひょっとして?)

 

 

 ついに心底同情されるような眼差しに耐えきれなくなった柊が頭を抱え始めた辺りで久澄大賀は圧倒的に閃いた。

 

 

「あのー……聞いた限りでは俺がこの学校に生徒として入学していた体にしたら、いち生徒の騒ぎで済むんじゃあないかなーと……」

 

 

 ある意味弱味に漬け込むものではあるし、刹那で却下される可能性しかないが、言ってみるだけの価値はあると久澄は滑り止めの学校も退学になった件を交えながら提案する。

 すると頭を抱えていた柊は……。

 

 

「そ れ だ ! !」

 

 

 余程解雇――というより記憶を消されたくなかったのか、普段なら切り捨てていた筈の久澄の提案を引っ提げて校長を説得し始めた。

 

 

「これしかありません!! 他の教師と違って、私はアザゼル先生が現役の頃の最後の生徒です! そんな私を失ってもよろしいのですかっ!?」

 

「えぇ……? そう言われたら困りはしますがねェ……」

 

「おら小僧共!! お前らも校長を説得しろ! してくれたら満漢全席食べ放題に連れていってやるぞ!!?」

 

 

 そこそこ三馬鹿との付き合いもあるせいが、なにで釣れるかも把握している柊は、己の懐が暫く寒くなるのを覚悟の対価を示せば、食い意地がすこぶる悪いことでも知られる一誠、ヴァーリ、神牙は、まるで一人のマダムをおもてなしするかのような猫なで声で校長を囲む。

 

 

「まあまあ校長先生~? 柊センセもこう言ってますし~?」

 

 

 そうジュルリと満漢全席食べ放題の妄想のせいで涎を垂らしながら音芽の後ろに回って肩叩きをする一誠。

 

 

「俺達としても、ある程度俺達側の事を知る柊を失うのは痛手ですしー?」

 

 

 と、無駄にキリッとした顔で音芽の使う机をどこからともなく取り出したサラピンの雑巾で磨く神牙。

 

 

「う、うーん……」

 

 

 確実に柊の為ではなく、食い物に釣られてるとしか思えない恩師の義息子達から囲まれるのは割りと悪くはない気分であるが、だからといって恩師が――聞けばチーかま食いながら適当に考えただけの形だけ満載な規則であるとはいえ、破るのは教え子としてどうなのかと迷う音芽。

 しかし最後のヴァーリのこの言葉が……。

 

 

「最近アザゼルの奴は転生堕天使の駒を作ってみたとか言ってたっけな……。

それでもしアザゼルの眷属にでもして貰えたら、アンタの『悩み』は一撃で粉砕できる筈だが……」

 

「え……?」

 

「アザゼル曰く、転生堕天使となれば肉体的にも『全盛期』の年齢まで若返るばかりか、寿命もアイツと同等になるとかなんとか……」

 

「……………」

 

 

 学校の校長ではなく、かつてアザゼルの教え子であった花先音芽として諦めていた感情を蘇らせる事になった。

 

 

「………………。お、おほん! ま、まあ? 久澄大賀くんはそこまでしてまで本校に入りたいようですし? 柊先生を失うのは確かな痛手ですし? 丸く収める方法があるとするなら久澄くんを入学させてしまうしかありませんねェ……」

 

「ま、マジか!?」

 

 

 アザゼルの正体がなんであることを知ったからこそ何時しか『諦めた』感情が蘇った校長は取り繕いながら、久澄の提案に乗ることにした。

 とりあえず彼を入学させる形でこの騒ぎを終わらせた後、きっちりヴァーリから今の話を聞くことを忘れずに。

 

 たぶん『父』がこの話を聞いたら思いきり騒ぐだろうから、ギリギリまで隠しながら。

 

 こうして久澄大賀は、それぞれの持つ俗な欲に助けられる形で入学する事に成功するのであったとさ。

 

 

 

 

「では久澄君には来賓用のプレートを渡し、柊先生のクラスに入って頂きましょう。

後は彼等のクラスをどうするかですが……」

 

「こいつ等は別々のクラスに割り振るつもりです。

そうでなければパワーバランスが崩壊しますから……」

 

「まあ、そうでしょう」

 

「という訳で三馬鹿共、今からじゃんけんをしろ」

 

「「「?」」」

 

 

 そしてその後、何故かじゃんけんをさせられた三馬鹿は……。

 

 

「では一誠が俺のクラスに入ることになり、ヴァーリはF組で神牙はD組とする」

 

「よくわからんがわかったぞ柊」

 

「そんなことより満漢全席の日取りは何時だ柊」

 

「すっぽかしたらマジでキレるぞ柊のおっさん?」

 

「先生と呼べ! それと約束は守るから安心しろ極悪小僧共め! ………それと一誠には協力をして貰うからな?」

 

「え、なんの?」

 

「こいつのフォローだ。

来賓用のマジックプレートしか持てんコイツは、今回の騒動のおかげで『ゴールド・プレート』持ちだと多くの生徒に誤解されてしまったからな。だからコイツがそれ相応の実力があるように見せかけるために俺とお前でフォローをするんだ」

 

「はぁ? なんで俺が? それに俺達はそっちの魔法関連は完全に知らねぇぞ?」

 

「そんなもの、俺の負担をお前に半分は押し付けたいに決まっているからだろうが」

 

「死ぬほど満漢全席を食いつくして貧乏教師にしてやる」

 

 

 じゃんけんに負けて久澄大賀と共に柊のクラスになってしまった一誠が、柊と一緒になって彼のフォローをしなくてはならなくなったりもあり……。

 

 

「久澄だっけ? キミが既に有名なおかげで俺は出涸らしのような認識になれたわ」

 

「い、いやその………すまん。

確か、兵藤……だよな?」

 

「おう。

てか今のは別に皮肉ってるわけじゃないぜ? 寧ろ今のキミの立ち位置に割りと同情してるくらいだし」

 

「ま、魔法が使えないって知られたらヤバイからな……なんとか対策しないと」

 

 

 Gプレート持ち認識のせいで完全にVIP扱いで迎えられた久澄とは逆に、そのインパクトのせいで割りと空気なたなった一誠だったり……。

 

 

「ところでキミは何で愛花ちゃんににらまれてるの? あの子って滅多な事じゃ怒らんのに」

 

「あ、あ、愛花ちゃん!? そ、そういや兵藤達って柊の知り合いなのか!?」

 

「? ああ、柊のおっさんと知り合った流れでガキの頃からかなぁ……」

 

「う、ま、マジか……。

そ、その実は……」

 

 

 割りと意中の女子と深めに知り合いとしって落ち込む久澄大賀がいたり。

 

 

「そっかぁ、ヴァーリくんも神牙くんも違うクラスなんだね?」

 

「ああ、なんでもパワーバランスがどうとか……」

 

「あー……それは正解かもしれない。

でも大丈夫かなぁ……? 特にヴァーリくんとか」

 

「まー……大丈夫じゃね? それより久澄となんかあったのか?」

 

「……………。ちょっと色々と」

 

 

 話すタイミングがわからない久澄を他所に、平然と話す一誠だったり。

 

 

「噂のGプレート持ちの久澄と登校日が被ったせいで、すっかりアンタは印象が薄くなっちゃったわね?」

 

「え? あぁ、愛花ちゃんの友達の子だったっけ?」

「そ、あの時は騒ぎのせいでお互い名前すら名乗れなかったけど、私は――」

 

 

 性癖が年上に全振りされてるせいか、割りと紳士な一誠は愛花の友人と普通に仲良くなったり。

 

 

「ところで愛花から聞いた? 久澄がいきなり愛花に抱きついたらしいって……」

 

「へ? あぁ、だからぷりぷりと怒ってたんだなあの子。

アレだ、柊のおっさん――」

 

「「ひ、柊のおっさん?」」

 

「―――じゃなくて、柊先生とタイマン張ってた時に幻覚系の魔法を食らっちまったんだと。

んで、その時愛花ちゃんが亡くなった父ちゃんに見えたから感極まって………らしいぜ?(大嘘)」

 

 

 取り敢えずフォローの意味も込めて、それらしい理由をでっち上げてあげたり。

 

 

「で、また怒らせたのか? 今度はなんだよ? さっきの授業中、一人で泣き叫んでたけどよ……?」

 

「わ、悪い……」

 

 

 フォローした途端、別件で怒らせてしまう久澄だったりと……満漢全席食べ放題の為とはいえ怠くなってきた一誠だったのだが。

 

 

「お、お姉ちゃんいるのか!?」

 

「おう……」

 

「と、年は?」

 

「19」

 

「ダニィ!? つ、つまり大学生なのか!?」

 

「そうだけど……」

 

 

 世間話をしている時に偶々聞いた久澄の家族構成により、やる気マイナスから一気に全開へとぶち抜く事になったり。

 

 

「とにかく愛花ちゃんと仲直りしてーんだろ!? 任せろ! その代わりそのお姉さんを俺に紹介してくれ! なっ!?」

 

「は、はぁっ!? なんで――――(いや待て! こいつは柊とかなり仲が良いから、ツルんでおけばその内柊との仲を取り持ってくれるかも……? 親父の方の柊の事も押さえ込んでくれそうだし……)」

 

 

 そして久澄も久澄で悪い考えが浮かんでしまった結果、よくわからん取引が水面下で交わされたり……。

 

 

 その結果が……。

 

 

「くぅ~ずぅぅ~みぃぃ~……! 俺を騙したなァ……?」

 

「だ、騙してなんかないし、それを言うならお前だって協力してくれなかったじゃないか!

い、いや確かに柊とは友達になれたのはお前のフォローがあってこそだったが、その柊はヴァーリばかり構うしよ!?」

 

「そんな事まで人に頼るのかゴラ?」

 

「う゛……!? そ、それを言われるとアレだけど、と、とにかく騙してなんてねぇ! 正真正銘俺の姉ちゃんだぞ! 見た目はアレだけど……」

 

 

 会える日を心待にし、イザ対面してみたら、140㎝にも届かぬ合法ロリを紹介されて絶望したり。

 その勢いで、第二の柊教諭となり始めていたとある二学年のシルバープレート持ちの先輩が八つ当たりされたり。

 

 

「アンタねぇ、色々と失礼が過ぎるわよ? あの人って本当にスゴい人なのに……」

 

「うっせー……キミなんかに俺の純な心を踏みにじりられた気持ちなんてわかりっこねーんだい」

 

「…………。やっぱガキね。

だったら身体を動かして忘れなさいよ……? 付き合うわよ?」

 

「けっ! キミじゃあ相手にならねーわ。

はぁ、取り敢えず伊勢(兄)に向かってファイナル・ドラゴン波でもぶちかましてやろう……」

 

「流石に可哀想すぎるし、普通に死ぬでしょうが……! やっぱアンタ等って久澄とは別ベクトルにおかしいわ」

 

 

 時たま食い物の事で三馬鹿がマジレベルの殴り合いが展開されるのを見てきたクラスメートの女子が、スタイルが似ている一誠とそこそこ仲良くなったり。

 

 

「魔法と、アンタが教えた『戦い方』が形になってるかだけ見てくれない?」

 

「……後でアイス奢れよ? スーパーカップな」

 

「はいはい」

 

 

 なんとなく少女の魔法を見てて口を挟んでたら、そんなやり取りが多くなった結果……。

 

 

「どう? 状況に応じて戦い方(スタイル)を変えるアンタみたいになれている?」

 

「まあまあだね……。

でもキミは元々空手かなんかやってたんだろ? だったらそのスタイルを貫いた方がいいんじゃねーの? 変に他のスタイルに手を出すとベースが崩れる気が……」

 

「アンタを見てたら、可能性ってのを信じられる気になれたのよ」

 

 

 そのクラスメートはどこぞの若き頃の堂島の龍みたいな三つの戦闘スタイル+αに覚醒したりと、それなりに関わる人達の領域を引き上げていくのだった。

 

 

「つーか、今のキミなら素であの合法ロリくらいなら勝てると思うぞ」

 

「…………一瞬思ったけど、アンタとやりあう度にあの人も更に強くなってるから微妙なラインね。

久澄が困ってたわよ?」

 

 

 

終わり




補足

食い物であっさり釣られる単純さ……それが三馬鹿。

ここのアザゼルさんは若き頃にこちらの世界に流れ着き
現在は自在に行き来可能になっており、それで元の世界では腫れ物状態の三馬鹿を連れてきたとのこと。

元の世界の者達はこちらの世界については一切知らないし、来れないのでヤバイ事にはなりません。


その2
こちらの世界では知る人には創造神扱いされてたりするアザゼルさん。

なのでプレート自体の質も上がってたり……。


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