色々なIF集   作:超人類DX

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前回圧された楯無。

しかし全ての元凶を知るまでは引き下がれない。

故に……


シスコンは折りたくない

 変わりたいと願う者とは正反対に、変わらないで欲しいと願う者も居る。

 

 更識楯無はその後者に当たる人物であり、異常者との関わりによって変貌してしまった妹の簪に対してショックと隠しきれない恐怖を抱いてしまった。

 

 だからこそ楯無はその元凶となる一家が嫌いになった。

 得体の知れない力を植え付けた兵藤一夏――そしてその少年の育ての親とされる謎の兄と姉が。

 

 

「……。ココが兵藤一夏の家ね」

 

 

 だからこそ――妹を探っても影すら掴めなかった元凶を、兵藤一夏という存在の発覚によって漸く知り得た情報を元に、個人で調べ尽くした事により兵藤一夏の実家の場所を得た楯無は、1学年によるクラス対抗戦が行われているIS学園からこっそりと抜け出し、たった一人でこの場所――兵藤一夏の実家へとやって来た。

 

 

「……」

 

 

 あの異常者の家とは一体どんなものなのかと、何と無く物語に出てきそうな薄気味悪い西洋の屋敷を想像していた楯無だったが、住所は日本だし、着いてみれば何て事無い――寧ろ前時代を思わせる古めかしい二階建ての一軒家であり、表札に書かれた兵藤というネームプレートを様々な思いを抱きつつ睨みつけた楯無は、カメラセンサーが無いタイプの古いインターホンのボタンを、少々震えながら押そうと手を伸ばし――

 

 

 ぴんぽーん

 

 

 押した。

 押してやった……いや押してしまった。

 

 

「うっ……」

 

 

 正直怒りを抱いていたが、それ以上に緊張していた。

 何せ今から目にするだろう一夏が兄と姉と呼ぶ相手は正しく全ての元凶であり、もっと言えば先日感じた一夏と簪の異常性を更に越えた正真正銘の化け物である事はほぼ間違いないのだ。

 

 一夏の様に真上から押し潰す様な重苦しい圧力を放ってくるのか、はたまた捻り潰して来るのか……。

 平日の……しかも1学年のイベントを見ないのサボりでココに来た楯無は、急に不安になっていたが、三十秒経ってもインターホンから声が聞こえない事に眉を潜める。

 

 

「留守……かしら?」

 

 

 2度、3度、4度……。

 ピンポンダッシュとかしやすそうなインターホンのボタンをポチポチと押しながら一行に門の向こうに構える木製のドアから誰も出てくる気配を感じられない楯無は、もしかしたら共働きで留守なのかもしれないという考えに今更ながら至り、何度も押しても出てくる気配が無い兵藤家の門前でちょっとした安心と、出鼻を挫かれた感半々の何とも言えない気分のまま立ち尽くしながら、どうしようかと考える。

 

 このまま帰ってくるまで此処に一日中張り込む事は暗部組織の当主の名を継ぐ楯無としては造作も無いが、今日は学校をサボって此処に来ているのだ。

 仮にも生徒会長である楯無が私事でサボったとなれば、教師が色々と煩いし、従者であり親友である布仏姉妹にも黙っている。

 

 

「し、仕方ないわね。

ま、また今度来てやるわよ」

 

 

 結果、まるで『明日から頑張る』と宣うニートみたいな事を口にしつつ本日の所は引き返す事にした。

 折角会って話を聞いてから、妹を変貌させた元凶だと文句を言ってやろうとしたが、居ないなら仕方ない。

 居ないなら帰るしか無いと、一体誰に対しての言い訳なのか、心の隅に確かに抱いた『安堵』と共に踵を返そうとした―――

 

 

「………………………。だれ?」

 

 

 その瞬間(トキ)だった。

 

 

「っ!?!?!?」

 

 

 踵を返した瞬間、自分の視線の若干下から聞こえる妹にそっくりな声に心臓を鷲掴みにされたかの様な衝撃に襲われた楯無は、思わず悲鳴をあげそうになった。

 しかしそこは更識家時期確定当主。

 自分の探知能力を嘲笑うかの様に背後に現れていた気配の元である簪そっくりな声の主である小さな少女に、楯無はバクバクと喧しい己の心音を無理矢理抑え込む。

 

 

「え……っと、こ、此処の家の子?」

 

「…………」

 

 

 小学生くらいだと思われる少女に、動揺を悟られない様にと年下の子供に向ける笑顔を浮かべながら目線を合わせる為に屈んだ楯無は、内心兵藤一夏の兄と姉の子供かしら? と家の場所以外は名前すら探れなかった兵藤の情報を頭の中で更新しながら問う。

 

 

「…………………」

 

「う……」

 

 

 しかし親の趣味だか知らないが、属に言うゴスロリファッションに身を包む長い黒髪の少女は、一切の感情が読めない黒真珠を思わせる無機質な瞳で楯無をジーッと見つめるだけで答えない。

 

 

「お、お父さんとお母さんは居ないのかな?」

 

 

 考えてみたら、今頃学校に居る筈の時間に何故少女がランドセルも背負わずに居るのかとか色々と冷静になるに連れて疑問に思う楯無だが、多分それは仕方ないのかもしれないし責められない話だと思う。

 

 何せ――

 

 

「ったく、そんな急いでもアイスはそう簡単に溶けねーっつーに」

 

 

 楯無が屈んで目線を合わせていた少女の背後に現れた脚と声の主。

 そしてこの簪の声にそっくりな少女こそが……。

 

 

「って、誰?」

 

「……………。家の前に居た。簪の似た匂いがするから多分血族の人間」

 

 

 簪がお兄ちゃんとお姉ちゃんと呼び慕う……楯無にとっての元凶なのだから。

 

 

「っ……」

 

「あぁ、その髪――なるほどね、簪の言ってたお姉ちゃんかいキミ?」

 

「え……あ……」

 

 

 少女の言葉と、楯無の容姿を見て納得した表情を浮かべるは、茶髪の青年だった。

 背は楯無より高く、兄? と疑問に思うレベルに若い……いやもっと言えば楯無と同年代の少年にしか見えず、近所のスーパーの買い物袋を片手にTシャツとハーフパンツ姿に楯無はまたしても『え、学校は?』と考えたが、簪という名前を口にした時点でその考えは直ぐに切り替わる。

 

 

「……」

 

「と、特盛じゃないか!」

 

「……………。一誠」

 

 

 この青年こそが……間違いなく兵藤一夏の兄である事を名乗っては無いものの確信に近いものを感じた楯無は、動揺を抑え込みながら静かに立ち上がり――

 

 

「間違いなくアナタが兵藤一夏のお兄さんね? …………。ジロジロ見るのはどうかと思いますけど」

 

「お? お、おぉ……ごめんなさい」

 

 

 兵藤一夏みたいなデレデレした表情で胸をガン見してくる兄に、楯無は冷たく言い放つ。

 

 

「え、っと……何用で? というかキミ学校はよ?」

 

「………………。特例で有給を取りました。簪の事でお話を伺いたいので」

 

「………」

 

 

 それでもチラッチラと見てくる一夏の兄――というか一誠を冷たい視線で睨みながら用件を告げる。

 ぶっちゃけこんなに若いとは思わなかったものの、一応兄との事なので年上だろうと判断して建前だけの敬語で話す楯無。

 

 

「一誠、アイスが溶けるから中で話そう」

 

「ん、そうだな……じゃあ詳しくは中で話そうか?」

 

「……はい」

 

 

 姉の姿は見えないものの、話を聞くだけなら兄だけで良いと思った楯無の冷たい言い方に一誠は若干目を細めたものの、アイスが食べたくて仕方ないゴスロリファッションの少女ことオーフィスにシャツの袖をクイクイされたので、取り敢えず目の前に佇む簪の姉を家の中に招き入れ、居間のソファに案内し、お茶代わりに買ってきたばかりのアイスを出す。

 

 

「えっと、来てくれてありがとうというべきか、ごめんね? 見た通り急にコイツがアイスが食いたいと駄々こねたもんだから」

 

「ちゅぱちゅぱ」

 

「いえ……」

 

 

 良い材質でも無い安いソファに腰を下ろし、出された大福アイスに手を付けずに睨むようにして見つめてくる簪の姉に一誠は内心『うわー……特盛を近くで見るの久々だぜ』と無意味に感激しつつ、警戒されない程度の笑みを浮かべながら、隣で呑気に棒状のミルクアイスをアレな感じにくわえてるオーフィスの頭をポンポンと叩く。

 

 

「多分もう一夏と簪――いや、キミの妹からある程度聞いてると思うが一応自己紹介をするよ。

俺は兵藤一誠。で、コイツはオーフィス――まあ、一応一夏の保護者って感じ?」

 

「……。更識楯無です」

 

「ちゅぱちゅぱ……んっ……甘くておいしい」

 

 

 余程食べたかったのか、口の端から溶けたミルクが垂れてるのもお構い無しに頬張ってる少女はオーフィスという名前らしい。

 もしかして姉……つまりこの少女の母親は外国の人なのかと全然一誠と似てないオーフィスを見つめながら楯無は思案するが――

 

 

「オーフィス……。一夏と簪のお姉さん」

 

「………………………………はい?」

 

 

 食べ終えたオーフィスの口から出てきたのは、楯無にとって予想を斜めに越えた真実だった。

 

 

「え、あの……冗談ですよね?」

 

「む、嘘じゃない。我が一夏と簪のお姉さん」

 

 

 小学生にしか見えない……しかも一誠の趣味なのかと思う格好の簪は自称にしても一夏の姉? とそんなバカな話があるかと直ぐ様一誠に目線で確認をする楯無だが、あーっと抜けた声で明後日の方向に目を逸らした一誠は何かを覚悟したかの様にただ一言……。

 

 

「見た目はこんなだけど、コイツ俺より年上なんだよ。

だから……マジ」

 

「…………………………………。嘘だ」

 

「嘘じゃない、我は一誠よりも永く生きてる」

 

「う、嘘よ……! あ、アナタがロリコンって事を隠すためにこの子にそう言えって言ったに決まってるわ!」

 

「ろ、ロリコン……。いや、初対面だからショックなのはわかるけど、ほ、ほら……これオーフィスの住民台帳カード」

 

「ふ、ふん……!

そんなの偽装も可能じゃないですか。ましてやアナタなら訳無いはずですしね」

 

 

 姉がこんなチビッ子で、兄はロリコンだと? ふざけるな! と激怒したくなる気持ちが少々抑えきれずに一誠を即座にロリコンと罵倒した楯無は多分悪くない。

 何せ、年齢云々は本当だが、一誠は昔から成長した姿にもなれる筈のオーフィスに意訳で――

 

 

『やだー! オーフィスはチビで寸胴でまな板じゃないとやーだー!!』

 

 

 と、オーフィスに成長した姿になる事を拒否しまくってた……いや今もであり、ぶっちゃけいくら20手前か前半の青年姿だとしても、小学生にしか見えないオーフィスに膝枕だ抱き枕だ風呂だなんだだとしてる時点で有罪(ギルティ)である。

 世間は例え無自覚だろうとロリコンに厳しいのだ。

 

 

「……。ま、まさか貴方、ち、小さい頃の簪にもこの子みたいな格好をして写真に納めてるとか」

 

「するかっ! そんな趣味は断じて無いわい!」

 

「嘘よ! 何処にその写真を隠してるの!? 出しなさい! フィルムごと没収よ!」

 

「ある訳ねーだろ! 何だこの子、失礼にも程があるわ!」

 

「一誠、アイスが溶けて我の胸に垂れちゃったから拭いて欲しい。何時もの様に我の胸をちゅーちゅーでも可」

 

「!? あ、アナタ、ほ、本当に……!」

 

「してないから!

オイこのバカ龍! また勝手にエロ本読んで要らん知識付けやがったなコラ! アイスが急に食いたいとほざいた時点でおかしいと思った!」

 

 

 気付けば一誠がロリコンだったせいで妙な不安と恐怖が吹き飛び、ロリコンだー ロリコンじゃねー だで二人の間で大騒ぎし始める。

 オーフィスはオーフィスで一誠の秘蔵本からまた要らん知識を広い、客の前だろうが関係なくその知識決行しようとするものだからますますカオスな争いは激化していったのだったとか。

 

 

 

 

 最低よ。

 姉がこんな小学生で、兄であるこの兵藤一誠はロリコンだなんて……。

 住民台帳カードには確かにこの子の年齢は織斑先生より年上と書いてはあるけど……。

 

 

「……。つーか、わざわざ学校サボってまで俺をロリコンと罵る為に来たわけキミ? だとしたら失礼ながら暇だな……」

 

「……。違います、私が訪ねた理由は妹の事です」

 

 

 しかし今は置いておく。

 ロリコンだとしても、彼が簪を変貌させた元凶である事は間違いない。

 ロリコンで、オーフィスちゃん曰く完全にアウトな事を強要してる変態だとしても、変えた何かを持っている事に変わりは無い。

 

 ほら、現に簪ちゃんの事を切り出したから顔色が変わったしね。

 

 

「簪の事……あぁ、そゆこと」

 

「ええ、そういう事です。先日妹と貴方の弟から話は伺ってます。

二人を『ああいう』風にしたのはアナタと……オーフィスちゃんだって」

 

「オーフィス……ちゃん?」

 

 

 見た目は兎も角として雰囲気は何と無く簪に近いオーフィスちゃんも簪について関わっているのは間違いないのだろうけど、何と無く嫌いにはなれないので、コッチのロリコンに全部ゲロさせることにしようと、私はロリコン男を睨む。

 

 

「ああいう風にした……か。

一つ聞くけど、キミはその変化についてどう思ってるの?」

 

「…………。怖い……そう思ってます」

 

「ちゅぱちゅぱ」

 

 

 私の言葉に少しだけ雰囲気を変えたロリコン男の質問に私は再度答える。

 怖い……そう私は怖い。

 あの二人が……人の領域を踏み越えてるあの二人が私は怖い。

 

 関わらなければ良いのかもしれないけど、簪は私の妹だ……怖いと思っても、逃げる訳にはいかない。

 だから私はその元凶たる目の前のロリコン男に全てを聞く。

 

 何を思って妹を変えたのか、変えてどうしたいのかを。

 

 

「怖いか……。

普通の子からすれば怖いのか……。そっか、俺自身周りがバカなパシり二人やら、自力で吹っ切ったスゲーひんぬーだとかばっかりだったからな……怖いと思われる事自体珍しく、キミみたいな子の感想は新鮮だよ。

そっか……怖いのか」

 

「………。一誠の力を知った直後の雌悪魔を思い出す」

 

「……。悪魔?」

 

 

 どこか遠い目をしながら天井を見上げるロリコン男は自覚してなかったのか、今気付かされたといった様子だった。

 しかしオーフィスちゃんの言ってた雌悪魔とは何の事なのだろう? ま、まさかそういうファンタジーなプレイを強要……いや、良いわ今は。

 

 

「で、変えた元凶の俺にどうして欲しいんだ? 言って置くけど、変えたというのは語弊があるぜ?

あの領域になるには本人の強い精神力と覚悟が必須であり、確かにそうなるように教えたのは俺だが、切っ掛けに過ぎない……これは信じてくれる?」

 

「…………。はい、妹の様子を見れば大体は。ですが、そうだとしてもアナタの弟は――」

 

「一夏? あぁ、アイツ簪――っと、キミの妹の事大好きだからなー……。

なるほど、つまりお姉さんとしては俺に似ちゃったアイツは相応しくないと? 反対だと?」

 

「…………………………。ま、まぁ」

 

 

 まるで彼氏の親に怒鳴り込む父親みたいなポジションになってる気がしてならないけど、概ね合ってるので反論ができない。

 

 

「だがどうするんだ? 事実を言うようで悪いが、一夏と簪はキミ等の学校で学んでるISとやら全軍とタイマン状態になっても――――んー……20分は掛かるが全滅させられるくらいには強くなってるんだぜ? 俺としても本人同士が惹かれ合ってるし、反対する気は更々無い」

 

「に、にじゅう?」

 

 

 サラッとロリコン男は言ったけど、IS全軍と戦って20分で全滅って……。

 た、確かに得体のしれないというか、前に見てしまった簪ちゃんのあの『すり抜ける』力を考えたら兵藤一夏と似た様な力を持っているだろうし、考えられなくも無いけど……。

 

 

「まあ、まだ発展途上だし20分も掛かるのは仕方ねーが、学園を卒業する頃には俺かオーフィスに一発当てられるくらいにはなって欲しいもんだね」

 

「そうなれば二人は安心」

「…………」

 

 

 何をバカな。荒唐無稽だ……と思えない。

 織斑千冬が世界最強なんて呼ばれてる裏には……こんなのが居るなんて笑えやしない。

 だからこそ……私は言わなければならない。

 

 確かに妹を変え、私よりベタベタとしてる兵藤一夏はムカつく。

 だけど強さだけは認めなければならない……私が専用機を以てして挑んだ所で、虫の様に捻り潰される程の差がある事を気に入らないけど認めなければならない。

 

 その上で私は……元凶にオーフィスちゃんを膝枕をしてあげながら頭を撫でてるロリコン男に告げるのだ。

 

 

「私があの二人の足下に届く領域に、入ることは出来ますか?」

 

「…………」

 

 

 毒を以て毒を制す……この言葉通りに。

 

 

「…………………。ひんぬー会長は例外中の例外だからノーカンだとしても、ある程度精神が成熟したキミに同じ教え方をした所で意味は無いと思う。残念な事にな」

 

「は、ひ、ひんぬー会長……?」

 

「が……まあ、嫌な相手なのにも拘わらずわざわざ学校をサボってまで来てくれたその覚悟は好ましい。

良いよ、途中で投げ出さないって誓えるなら、俺とオーフィスである程度あの二人に食い下がれる様に鍛えてあげる」

 

「願うなら簪共々雌悪魔より強くなって欲しいし、我は協力する」

 

 

 そう……怖いと思うのであれば、自分が同じになれば良い。

 そうすればあのドヤ顔男にドヤ顔で返せるばかりか悔しがらせる事も出来る……それが私の至った考えなんだけど……。

 

 

 

 

 

 

 

「え、が、学園に正体不明の機体が侵入してアリーナで暴れてるですって!? あ、いや……ごめんなさい虚ちゃん。今私外に出てて分からなかったわ……」

 

 

 それと同時に事件は起きていた。

 

 

「いえ、ちょっとした野暮用というか……う、うん。へ? お、織斑一夏の機体が破壊された? その侵入して来た機体に――――え、ご、50体も!?」

 

 

 学園に所属不明のIS無人機全50体の侵入、そして戦った専用機持ちの一年生は機体を破壊されて敗北。

 教師達も戦うが、まるで歯が立たない……。

 

 篠ノ之束の仕業? と考える暇もなく直ぐ様学園へ戻らなくてはならなくなった私は、ロリコン男とオーフィスちゃんに挨拶をしてから帰ろうとソファから立ち上がろうとしたけど……。

 

 

「ちょうど良い、一夏と簪がどうしてるか気になるし……遊びに行くぞオーフィス」

 

「ん……わかった」

 

「は?」

 

 

 何を思ったのか、ちょっとわくわくした顔のロリコン男がオーフィスちゃんと一緒に学園に行くと宣い始めたのだ。

 

 

「心配せんでも一夏と簪ならその50体とやらは何とでもなる……んだが、そのISとやらにどう立ち回るか地味に気になるから見物しようとね……………一夏の人生奪った奴も見ておきたいし」

 

「……え?」

 

 

 誰かに対してなのか、冷たい目を覗かせながら。

 

 

「そら、ひんぬー会長に教えて貰った転移用の魔方陣作ったから乗りな。

20秒で向こうに到着だ」

 

「雌悪魔のより我の移動方が速いのに……」

 

「え、えっ!? な、なにこれ!? ま、魔法!?」

 

 

 




補足

…………。あれ、強化フラグになっちまった。
まあ、一誠からすれば突っぱねる理由も無いし、簪ちゃんの姉だしって感じですが。

しかしこれで楯無さんは確実に似非のヒロインフラグは消えましたね。
今の彼女は簪ちゃんを理解するために努力し直すお姉ちゃん化しましたから……。

その2
似非だと知ってるし、何より今のいっくんを知りたいが故に張り切り過ぎた結果――


「いやーソーナちゃんの戦闘データを集めて作ったら強化し過ぎちゃった……てへっ♪」

ってなりました。
故にいくら転生で何らかしらのチートを持とうが、袋叩きに……。


その3

今回のオーフィスたんの知識

「ミルクのアイスをわざと溢して胸元に垂らして、一誠にちゅぱちゅぱして貰う。そうなれば我は幸せ」フンス


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