色々なIF集   作:超人類DX

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なんとなく主なシリーズネタを合算したらどうなるか……。

別になんもなかった


おふざけ執事
執事な気がする風紀委員長な彼と鳥さん達


 

 

 

 運が良かったのか、それとも運が悪かったのか。

 

 それは今でもわからない。

 

 ただひとつ言えることは、俺はまだ生きているし、これからも生きてやるつもりだ。

 

 例え誰かに死ねと言われようがな。

 

 王道を生きる人達の影に潜む外道となっても俺は誰よりも強くなる。

 

 俺の生き方は俺が決める。

 誰かの決めた正しさには興味ない。

 

 

 気紛れで俺を拾った人達にそう教えられたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 最初にその人を見た時は二重の意味で驚かされた。

 何故ならその人は我々の仲間となった男にあまりにも姿が似ていたから。

 そしてその人が既に我々と同じ存在であったから。

 

 当然その我々の仲間となった彼が一番驚いていた訳だけど、私にはその彼のリアクションに違和感を覚えたのは今のところ内緒だ。

 

 とにかく彼に酷似しているあの人は外見こそ似ていたものの、中身は全くの別物だったのだけはたしかな事である。

 

 刹那的というか、本能に忠実的というか……いい加減な人に見えるというか。

 しかしそれはあの人の一面であって、あの人が所謂仕事モードの衣装に着替えればそのいい加減さはナリを潜めるのを私は知っている。

 

 でも私はあの人を見ているばかりで話をしたりとかはあまりできていない。

 理由はあの人が私の主があまり好いてはいない方の身内だからというのもあるし、あの人に外見がそっくりの――つまり私の仲間となる人があの人に関わらない方が良いと遠回しに言ってくるのもあるし、何よりは現在あの人の主となる私と学年が同じであり、同じように気になる彼女が近づこうとしても邪魔をするから。

 

 

「霧島! アンタまた更衣室を覗いたわね!?」

 

「ちげーわ! 覗いたのは元浜と松田であって俺は覗かねーっての! そもそもオメー等みてーな大人の色気もねーガキなんぞ覗くかってんだ!」

 

「変態一味のアンタに言われたくないわよ!!」

 

 

 そして頗る学園の女子全体から毛嫌いされているから……。

 

 

「また騒いでるわね……」

 

「なんでも昨日女子の更衣室を覗いたとか覗いてないとか……」

 

「ああ、何時ものね……。

でも確か昨日って殆ど彼女に引っ付かれていたんじゃなかったかしら?」

 

「ええ、ですので冤罪の可能性は高いですが、普段が普段のせいか全然信じて貰えないみたいです」

 

「………」

 

 

 十数人の女子から石やらなにやらを投げつけられ、それを苦もなく避けながらその女子達に中指を立てる彼の姿に、たまたま見ていた私や私の仲間達。

 その中にはあの人にそっくりだけど他人らしい彼が居るけど、私は敢えて彼の顔は見ないようにしている。

 

 だって知れば知るほど、彼とあの人は本当に違うのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 登校するなり、殺意の波動を纏う学園の女子達に覗いた覗いてないかを理由による一日がかりの折檻から逃れた少年は、本当に単なる冤罪であるが故にブツブツと文句を垂れていた。

 

 

「まーったく冗談じゃない。元浜と松田のせいでとんだ冤罪だ」

 

 

 放課後となり、生徒達が帰宅するか部活動をするこの時間において、教室ではない一室にて高そうな椅子に座っている少年は此度の冤罪に対してたいそうご立腹な様子である。

 そんなご立腹な少年に対して彼の座っている席のちょうど右斜め側の席に座ってなにかしらの書類に目を通していた金髪の碧眼の女子生徒が呆れた様子で口を開く。

 

 

「だから私は言ったじゃあありませんか、あの様な連中と付き合った所でデメリットにしかなりませんと」

 

 

 そう言いながら書類の一枚に不備があるのを発見したのか、ボールペンを使って修正作業を行う少女の言葉に、深々と椅子に背を預けながらクルクルと回っていた少年は返す。

 

 

「だって話すと結構気ィ合うし。

今時俺や兄貴とタメ張れるレベルであんな正直な奴いねーだろ?」

 

「私には理解しかねますわよ。それに今のアナタは風紀委員長なのですよ?」

 

「わーってるよ。ただ今回の件は完全に冤罪だっての。

そもそもマジでこんなガキしかいない場所で覗きなんてつまらん真似するわけがねーわ」

 

 

 同年代の学園の生徒達を学年関係なくガキと揶揄する少年に少女は呆れた顔になる。

 

 

「報告書ができました。もう少しちゃんと書きましょうよ?」

 

「おう、サンキュー。

これで小うるさい生徒会共に文句なんて言われねぇぜ」

 

「アナタが小学生の日記よりも酷い報告書しか書けないからでしょう? 毎回チェックしている私の身にもなってくださいな……」

 

「それ含めて感謝してるって。

まさかお前が人間界の学校に入ったばかりか、崩壊ギリギリの風紀委員に入ってくるとはねぇ……」

 

「学園の生徒としては先輩と後輩の関係ですけど、本来は一応配下と主という関係ですから。

それに心配だったし……」

 

「……。お前ってホント優しいな」

 

「惚れた弱味ってやつです」

 

 

 少しツンケンしながら言う少女に少年は軽く笑う。

 

 先輩と後輩。委員長と委員。

 二人の関係は端から見ればそんな関係なのかもしれない。

 しかし少女が言うように、本来の関係はもっと深い。

 

 

 ゴミのように捨てられ、死にかけていた少年と、偶々見つけて拾った悪魔の少女。

 主と配下……それが本来の少女と少年の関係。

 

 

「それに、二度と会うことなんて無いと思っていた男の事もありますから。

アナタを独りにはできないわ」

 

「直ぐにでも殺しに来ると思ってたが、俺の背景を知ったからなのか手出しできなくなってるんだし、そもそも最早どうでも良いから大丈夫なんだけどねぇ……」

 

「アナタだけではなく、彼女の身内も居ますわ。

別にその身内の彼女はどうでも良いですけど……」

 

「どうでも良いって……同級生じゃなかったかその子と?」

 

「以前からアナタに変な目をするので、ちょっと気にくわないだけです」

 

「変な目ぇ? なんだそりゃ?」

 

 

 それが霧島イッセーという名の少年とレイヴェルという悪魔の少女の関係だった。

 

 

「なんでもありません。

それより今から報告書を生徒会に提出して来ますので、帰る準備をしておいてください」

 

「? 俺が行かなくて良いのかよ?」

 

「ええ、最近あの生徒会長がアナタを変な目で見ますから……」

 

「また変な目かよ? 別に変な目なんてしてなかったけどな、あの眼鏡会長は」

 

 

 

 レイヴェル・フェニックス。

 

 所属

 フェニックス家

 駒王学園・風紀副委員長

 

 

 霧島イッセー

 所属

 レイヴェル・フェニックス眷属

 駒王学園・風紀委員長

 

 

 

 

「はい、アナタの『制服』です」

 

「別に家で着替えりゃ良いとおもうんだけど……まあ良いか」

 

 

 

 レイヴェル・フェニックス専属執事。

 

 

 

 これはフリーダムに生きるフェニックスの三男のせいで割りといい加減な性格になって再起した少年と、その少年の周りに寄ってくる異性を追っ払おうとする少女のドタバタ話。

 

 

「ふー、うるさいレイヴェルが出ていったお陰でやっと姿が晒せるわ」

 

「お、黒歌じゃん。妹さんの様子はちゃんと見たのか?」

 

「一応元気そうだったわ。

イッセーとレイヴェルがこの学校に通う事になってくれたお陰でこんな近くで安全に白音を見ることができるにゃん」

 

「そりゃあ良かったなっと……? あれ、少し制服の丈が短くなってるな」

 

「背が伸びたからでしょ?」

 

 

 実は悪魔界隈ではお尋ね者だけど、そんなの知らんとばかりにひっそりレイヴェルの眷属の一人になっている黒い猫だったり……。

 

 

「ふん!」

 

「? おいおい帰ってくるなり穏やかじゃねーな? どうしたよレイヴェル?」

 

「報告書を生徒会長に提出しに行ったら、第一声が『彼はどこに? プレゼントを渡したいのですが……』と宣いだしたのですわ!」

 

「へぇ? プレゼントってなんだ? ミニ◯駆かな? それともハ◯パーヨーヨーか? 実はちょっと欲しいと思ってたし」

 

「レイヴェルの怒り方からして違うんじゃない……?」

 

「どいつもこいつも人の男に色目を使うなんて……! というより黒歌さんは先程から然り気無くイッセーにくっつき過ぎよ!」

 

「別に良いじゃない。ちょっとイッセーの子種が欲しいだけだし?」

 

「それで身体まさぐられても……その、微妙に困る」

 

「良いから離れなさい!! まったくもう……!」

 

「どうどう。落ち着けよレイヴェルお嬢様?」

 

「ぐぬ!? ぐ……わ、わかりましたわ」

 

 

 ツンケンしてるし主な割りには結構イッセーに従順気味だったり。

 

 

「何かの本で呼んだけど、レイヴェルのキャラって所謂悪役令嬢みたいだにゃん」

 

「それじゃあ負け組じゃねーか。それに別にレイヴェルって悪役ってキャラじゃねーだろ。

そりゃあツンケン気味だけど、マジで悪役だったら俺や黒歌の面倒なんて見ないべ?」

 

「まーねー? そこが私も好きだったりするし?」

 

「な、なにを二人して――ちょっ!? は、恥ずかしいからやめなさい!?」

 

「んー……イッセーも好きだけどレイヴェルも同じくらい好きだわ。優しい匂いするし」

 

「だろ? 俺もそれは思ってた。あとフェニックスなせいか人肌が温くてちょうど良い」

 

「も、もう……!」

 

 

 眷属二人にはなんだかんだ妹分扱いされつつ懐かれていたりと、複雑な関係なものの結束力はかなり高い。

 

 そんなレイヴェル一味を学年的にも悪魔的にも先輩に当たる二人の悪魔は見ている訳だが……。

 

 

「おおっと、ウチのキングには届かせないぜ?」

 

 

 学園でなオカルト研究部という部を隠れ蓑にして活動する悪魔の眷属の一人が霧島少年に酷似しているという事もあって当初から遠巻きに見ていて関わりがあまり無いのとは反対に、学園の生徒会を隠れ蓑にしている悪魔は霧島少年が風紀委員長というのもあってか割りと関わりが多く、なんなら互いの眷属同士を戦わせる疑似レーティングゲームなんかしていたり。

 

「か、会長……!

あ、あの野郎、ふざけてる癖になんであんな強いんですか……!?」

 

「彼が5歳くらいの頃からフェニックス家で育ったみたいですからね。

単純に悪魔としての活動の年季の違いもそうだけど、彼って見ただけではふざけてばかりに見えるけど、裏では凄まじい努力家だわ。

……最近、その努力が全てレイヴェルさんの為だって想うとかなりモヤモヤするけどね」

 

 

 という眼鏡会長の余計な一言のせいで要らん嫉妬をされたり。

 

 

「今日も眷属達の修行に付き合ってくれてありがとうございます霧島君、レイヴェルさん」

 

「シトリー様に頭まで下げられては断れませんから仕方泣くですわ」

 

「ビー◯マンのアルティメット・フェニックスをくれるとなればやる気は出ますしね」

 

「ふふ、それではこれが霧島君の欲しがってた物ですよ」

 

「どうも!

う、うぉぉ……! こ、これが当時の子供達を戦慄させたアルティメット・フェニックス……!」

 

(こんな玩具に吊られないでくださいよ……)

 

 

 レトロ玩具で割りと簡単に吊れてしまうイッセーに焼きもちするレイヴェルだったり。

 

 

「時に霧島君」

 

「? なんですか?」

 

「私達ってもうただの顔見知りではないですよね? こうして共に修行だってしちゃう仲なことですし」

 

「へ? あ、はあ……ウチのわんぱくお嬢様のご友人と思いますが……」

 

「………」

 

「それもそうですけど、アナタともそういう関係ですよね?」

 

「は? ……いや、俺は――いえ私はただのお嬢様の眷属ですからアナタ様とは身分が違います」

 

「もう、そんな急によそよそしくならないで良いですよ。

少なくとも私は友人と思っています、つきましてはそろそろお互いに名字ではなく名前で呼び合うように―――」

 

「あー! ん゛ん゛っ!!

シトリーさん? ウチのイッセーにそう仰るのは主としても大変光栄なのですが、他の者の目があるので――」

 

「あら、そんな目なんて無視すれば良いでしょう? それでとやかく言う連中なんてどうでも良いですし、私の生き方は私が決めます。

誰かの決めた悪魔としての正しさなんて興味ありません」

 

「……」

 

「しかしお嬢様の言うことも一理あるといいますか……そもそもアナタ様の眷属の方々が納得しないのでは」

 

「そんな器量の狭い者なんて私の眷属には居ませんよ。

ほら、試しに私を名前で呼んでくださいよ?」

 

「………ソーナ先輩」

 

「はぁい♪ ふふ……くふふふ♪」

 

(………この人こんな性格だったか? もっと堅い人だった気が)

 

(意外とレヴィアタン様の妹らしいですわね……)

 

 

 グイグイ来る生徒会長に困ったり。

 

 

「冥界のパーティとかで鉢合わせした時に、あんな気楽に名前呼ばれたら気まずいんだけど……」

 

「半分はアナタのせいですわっ! ふんだ!」

 

「せいって言われても……なぁ黒歌?」

 

「レイヴェルの意見に一票」

 

「えぇ……?」

 

 

 風紀委員長で執事な少年はこうした今日も生きるのだ。

 

 

「ドライグはどう思うよ?」

 

『背中でも刺されて呆気なくくたばらないのなら勝手にしろとしか言えんな……』

 

 

 内に宿す赤き龍も一緒に。

 

 

 

 

 

「なんでか知らないけど勝手に婚約者的な関係にされてたグレモリーの娘さんとゲームで決着つける流れにされたのだが……」

 

「また唐突だなライザーの兄貴」

 

「何故そのような話に? そもそも婚約者とは?」

 

「さぁ? 接点なんてほぼ無かったのにそうなってた。

で、向こうは相当嫌なのか、散々ディスられた挙げ句皮だけ一誠に似てる男に焼き鳥って言われてカチンと来たからゲームでボコボコにしてやろうってなった」

 

「なるほど……でも兄貴って眷属一人も居ないじゃん」

 

「それでお前達を呼んだんだよ。

ゲームの時だけで良いからレイヴェルと一誠は一時的に俺の眷属になってくれないか? 見られたら騒ぎになる黒歌はならなくて良いから。

流石に一人で相手には――まあしても良いけどそれはゲームじゃないからさ」

 

「俺は別に良いけど……」

 

「仕方ありませんわね。

実はグレモリーさんの眷属の戦車――つまり黒歌さんの妹さんには一度わからせてやりたいと思っていましたし……」

 

「? なんだレイヴェル、お前黒歌の妹と仲が悪いのか?」

 

「なんでもイッセーに興味を持った事が気にくわなくて、レイヴェルが徹底的に無視してたせいで鳥女とか呼ばれるらしいにゃん」

 

「ああ……モテるようになったんだなイッセーも」

 

「えぇ……? モテるって感じじゃないだろ」

 

 

終わり




補足

最初からレイヴェルさんの眷属であり専属の執事。

コミュ障ではなく寧ろ人妻といった年上好きなんだけど、イザとなったらその価値観を簡単に捨ててレイヴェルや友達の為に命をかける。

それが執事で風紀委員長な彼。

まあ、例の存在は居るけど既に今のイッセー的に過去の存在と化している。

その2
その性癖とは裏腹にやはり後輩とか年齢的にはストライクではない子達には好かれるし、眼鏡のひんぬーなあの子なんかグイグイ来る。

おかけで常にレイヴェルさんはぷんすかするとか……。


続かない。一言ネタみたいなもんだし

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