色々なIF集   作:超人類DX

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凄まじく昔に、放置したまんまの嘘ネタを書き足しただけの話。


こちらの魔法少女
※アルティメット嘘予告


 とある星、とある世界を生きた若き少年が居た。

 

 束縛を嫌い、ただ自由に生きようと駆け上がり続けた人生。

 

 そんな彼等を良しとしない者は数多く居た。

 

 されど少年達はそれでも時には戦いながらも自由に振る舞い続けた。

 誰も成し遂げられなかった事をしでかそうとも……。

 

 

 

 

 

 

 何時も通りに宿敵でもあり、親友でもある相手と更なる領域へと高め合う……端から見れば殺し合いにすら思えるぶつかり稽古を終えて眠ったつもりだった。

 

 

「ここはどこだ?」

 

「俺が聞きたいくらいだ。

起きたらここで寝ていたしな」

 

「だよなぁ……」

 

 

 目が覚めた時、二人の少年が居たのは全くの見知らぬ場所だった。

 

 

「昨日食った物に幻覚作用でもあったのか?」

 

「確かに生えてたキノコを確認もせず食べはしたが、今まで無かっただろう?」

 

「じゃあこのメルヘンな場所はなんなんだ?」

 

「さぁ……? もしかして誰かに拉致されたとかじゃないか?」

 

 

 目が覚めた時、目の前はメルヘンな空間だった。

 と、言うことしか出来ない、不可思議かつ妙な場所をさ迷う二人の少年。

 妙な体験をしているにも拘わらず、この二人の妙な落ち着きっぷりは、似た体験をしていたからなのか、はたまた単に呑気なだけなのか……。

 

 ともかく、よくわからないまま出口は無かろうかと適当にフラフラと歩き続ける少年達は――

 

 

「あ、なぁ、向こうに人らしきのが居ないか?」

 

「む……確かに見える」

 

 

 変わり映えのしない景色の中に、人らしき者が居るのを発見する。

 

 

「……………変な生物とバトルしてるのか?」

 

「多分……」

 

 

 最初は何をしているのだと思って目をこらしていた二人だったが、やがてその人らしき存在が巨大な……これまた見たことの無い生物と戦っているように見えた。

 

 

「………なんかヤバくないか?」

 

「ヤバイな。

どうやらあの巨大謎生物に押されているようだ」

 

 

 そしてその巨大生物に色々と飛び回りながら攻撃しまくる方が不利な状況であると見抜いた二人の少年は――

 

 

「寝起きの運動すっか?」

 

「当然だな。実を言うとあの巨大謎生物と戦ってみたかったしな」

 

 

 状況がまるで掴めていないにも拘わらず、戦いたいという理由だけで飛び入り参加をする事になり――

 

 

「起きろドライグ」

 

「時間だぞ、アルビオン」

 

 

 その腕に赤き力を。

 その背に白き力を。

 二人の少年が持つ其々の力を纏いながら、傷ついて倒れそうになる少女と謎生物の間に割って入るのだ。

 

 

「ウォラッ!!」

 

「ふんっ!!」

 

「―――え?」

 

『!!!?!??』

 

 

 巨大謎生物を文字通り二人でぶっ飛ばして……。

 

 

「っとと! へい、大丈夫かいお嬢さん?」

 

「向こうでキミがそこの謎生物に押されているのを見て、要らぬ世話だと思いつつも加勢させて貰ったぞ? 怪我は―――割りとしているな」

 

「ちょ!? え!? だ、誰よアナタ達!?」

 

 

 そしてよくわからないままメルヘンな空間で目覚めた二天龍を宿す二人の少年と少女達は出会う事になるのだった。

 

 

「俺はイッセー」

 

「俺はヴァーリ」

 

 

 これは、龍を宿した二人の少年の冒険録。

 

 

 

 

 

 

 

「魔法少女?」

 

「確かに一般人とは思えない力は感じたが……」

 

「逆にアナタ達こそ何者? そもそも今までアナタ達なんて見たことがなかったわ」

 

「? 今まで?」

 

 

 取り敢えず巨大謎生物をぶっ潰してやったら、メルヘンな空間から現実へと戻る事ができたので、治療がてら傷ついた少女から話を聞こうとする二人。

 

 

「え!? 中学生なの?」

 

「中学生から金借りて飯を食う事になるなんてな……」

 

 

 その少女が中学生と知り、直前に『助けたんだから』と恩を盾に金を借りて近くのラーメン屋でドカ食いをしていたり。

 

 

「ともかく一応お礼は言うわ」

 

「気にすんな。寧ろ金借りちゃってるしこっちは」

 

「必ず返すぞ」

 

 

 流石に年下の女の子から腹が減ってて金も無かったからと金を借りてしまったのは頂けなかったので、金を返すと約束したり。

 

 

「見滝原……? どこの県だ?」

 

「逆に駒王町ってどこの県よ?」

 

「…………おいまさか」

 

 

 そして、互いにどこに住んでいるのか的な話題で変な差異が互いにあることに気付いたり。

 

 

「う、嘘だろおい!? せ、折角手に入れた家に帰れ無いってか!?」

 

「アナタ達二人の話と私の話を照らし合わせたらそうなってしまうわ。

つまりアナタ達は似て非なる世界からなにかが原因でこちらに来てしまったのだと……」

 

「………。よくそんな話を信じるな?」

 

「こんな事をしている身だし、あり得ない話ではないと思ったまでよ」

 

 

 数ある少女の経験の中でただの一度も無かった二人の少年の存在から、二人が全くの別世界から来てしまったのだと結論付けたり。

 

 

「く、くそ、ホームレス生活に逆戻りか。

戸籍すらないからバイトもできねぇぞ」

 

「ある意味一番ハードな状況だな……」

 

「……………」

 

 

 頭を抱える少年二人を見て、今までの会話から二人が異様な力を持ちながらも、どことなくアホっぽいと判断しつつ、このまま野放しにしたら折角の『チャンス』を棒に振ると思った少女は提案する。

 

 

「お、おいおい、気持ちはありがたいが、これ以上年下の女の子のお世話になるわけにはいないぜ」

 

「それにキミが得体の知れない男二人を連れ込んだなんてキミのご両親が知ったら大変じゃないか」

 

「おあいにく様、両親は居ないし独り暮らしよ。

それになにもタダでアナタ達に住まいを提供しようとなんて思っていないもの」

 

 

 この二人を上手く使えばこのどうしようもない現実を変えられるかもしれない。

 そんな打算的な考えを隠しながら二人を招いた少女。

 

 これにより、少女は永く続いた『繰り返し』を打破できる一歩を踏み出したのだが……。

 

 少女が思っていた以上に、この二人の少年は自由過ぎた。

 

 

「うっしゃあ!! 龍拳・爆撃ィィッ!!」

 

 

 ある時はお留守番が退屈すぎて、人妻でもナンパしようかと出歩いた際にまたしても巻き込まれた赤き龍を宿した少年が、同じく巻き込まれた一般人少女二人の目の前で魔女らしい生物をぶちのめしてギョッとさせていたり。

 

 

「ん? なんだねチミ達は――って、ほむらが新しく通う学校の制服と同じじゃんか」

 

「ほむら……? え、も、もしかしてあの転校生の知り合い!?」

 

「知り合いっつーか……ひもっつーか」

 

「ヒモ!?」

 

 

 ほむらに要らん誤解を無自覚に植え付けてしまったり。

 

 

「なぬ? クラスメートとな? そうなのかぁ」

 

「あ、あの……さっきの事ですけど」

 

「え? ああ、ありゃあ俺にもよーわからん。

なんか魔女の空間がどうとかなんとか」

 

「「………」」

 

 

 実は世話になってる少女にとってのキーマンだったと知らずに、べらべらと要らん事を喋り倒してしまったり。

 

 

「あ、アナタ……ま、まどか達に何を喋ったの?」

 

「? いや、あの空間に巻き込まれてて、色々と知りたがってたから、キミから教えてもらった事を軽く……」

 

「な、なんてことをしてくれたのよ!? 私はまどかがインキュベータと契約させないようにと思ってたのに!?」

 

「え、そうなの? でも大丈夫だろ。

そうなる前に俺達でぶちのめせば――」

 

「そういう問題じゃないっ!!! ヴァーリ!!!!アナタはさっきから他人事みたいにラーメンを食べないで、なんとか言いなさい!!」

 

「なんとかと言われてもな。

ああ、それより俺も俺でキミの同業者と出会したぞ?」

 

「はぁ!?」

 

 

 戦力としては申し分ないが、放置すると何を勝手にしでかすかわからない爆弾に苦労するほむら。

 

 

「お、キミがヴァーリの言ってた子か――おわぉ」

 

「え? な、なんですか?」

 

「いや、キミ本当に中学生? 噂には聞いていたが、中学生とは思えない発育をしてらして……」

 

「「………………」」

 

「お、おぉぅ……? そんな冷たい目で見ないでくれよお二人さん?」

 

 

 ある時は、魔法少女について知ってしまった二人の少女と、色々と教えようとする新たな少女と出くわしたり。

 

 

 

「はぁぁっ……!! だだだだだだだだだだっ!!!」

 

「す、すご……まるで光るシャワーみたい……」

 

「魔女が跡形もなく消え去っちゃいました」

 

「何故かしら、釈然としないのに色々と助かった気がするのは……」

 

 

 

 合流したヴァーリが本来なら首から上が食われて死んでしまうとある少女の運命を知らずに変えたり。

 

 

「あの、暁美さんの事なのだけど……」

 

「心配なさるなお嬢ちゃん。

あの子はクールぶってるけどお友だちが欲しいって願うちょっと不器用な子だから、少しばかり勘弁してやってくれないか?」

 

「どうやらキミ達の為を思っての行動らしいしな」

 

「むー……私はまだ信用できないんですけど」

 

「今もキュウべぇの事睨んでるし……」

 

 

 なんだかんだ運命が変わっていったり。

 

 

「ぐぬぬ……ガードが固いぜ」

 

「あ、あのぅ……」

 

「ぬ!? ……って、キミは鹿目さんだっけ? こんな所でどうしたん?」

 

「偶々通り掛かったらあなたが項垂れていたので……。なにをしているんですか?」

 

「おう、それが今さっきまでナイスなOLお姉さんナンパしてたんだけど、見事なまでに玉砕しちまってよ」

 

「な、ナンパって……」

 

 

 暇な日はナンパばっかする一応年的には先輩になる少年に軽く引いたり。

 

 

「げげっ!? あのお姉さんってキミの母ちゃんだったの!?」

 

「そうです。昨日の夕飯の時に話してましたから間違いないです」

 

「わ、悪い悪い。

結構好みだったもんでよ……あ、あははは!」

 

「母はほぼ相手にしなかったみたいだし、そういえばこの前は私の学校の担任の先生をナンパしてましたよね?」

 

「そ、そんな事もあったっけかなぁ!? あはははは!」

 

「もう……。最初は怖い人だと思ってたけど、段々変な意味で怖くなくなりましたよ」

 

「わ、わははは!」

 

 

 その少女の母親を知らないでナンパしてたと知られて変な目をされたり。

 

 

「呼ばれて飛び出てドカン! ……てな訳でここは任せろ鹿目ちゃま!」

 

「か、鹿目ちゃまって……」

 

「全てが軽すぎる……」

 

「10倍ドラゴン波!!」

 

 

 しかし異性としての好みから外れている異性に対してはそこら辺の気の良い兄ちゃん的な快活さのお陰か、日を追うごとに仲良くなってしまったり。

 

 

「なぁなぁ、ほむらとヴァーリ、今日の夕方空いてるか?」

 

「? 魔女の気配もないし、特にやることはないわ」

 

「俺は巴がラーメン奢ってくれると言うから空いてないぞ」

 

「え、そーなん? じゃあヴァーリは仕方ないにしても、ほむらは空けとけよ? まどっちン家で飯食うから」

 

「なるほど、わかったわ――――――――あ?」

 

「ん?」

 

「…………今のは聞き間違いかしら? アナタの口から変態的な言葉が聞こえたのだけど?」

 

「変態って……否定はできねぇが、何もおかしな事なんて言ってないべ?」

 

「じゃあ『まどっち』ってなに?」

 

「へ? だからまどかちゃんの事だろ? 最初は鹿目さんって呼んでたけど、嫌がられたからまどっちって呼ぶことに――どべがっ!?」

 

「こ、この変態男!!! い、いい、いつのまにまどかに手を出したの!?」

 

「だ、出してねーよ!? 寧ろまどっちの母ちゃんの方を知らずに手を出しかけたくらいだよ!!」

 

「寧ろ最低じゃない!!」

 

 

 距離感の詰め方がエグいせいで、ほむらに思いきり嫉妬されたり……。

 

 

「うめーうめー!! あれもこれも全部うめぇ!!」

 

「き、気持ちの良い食べっぷりだね……」

 

「変なナンパ男がまさかまどかの知り合いだったとは思わなかったにしてもだわ」

 

「こ、こら! 図々しいわよ……! す、すいません! うちのバカが……」

 

「良いよ良いよ。

最初は警戒していたけど、娘も生まれたばかりの息子も彼に懐いちゃったし、ちょっと色々な意味でユニークだけど、悪い子ではないとわかったしね」

 

 

 気付けばまどかの両親にすら認められていると知り、ニコニコしながらガバガバと食べまくる一誠を見ているまどかの視線に気付いて、凄まじく負けた気分になるほむらだったり。

 

 

「あ、イッセー君だ、おーいイッセーく――」

 

「早乙女先生、俺は学がまるで無いんです。

だから俺に保健体育の個人授業を!! 何卒!!」

 

「ひぃ!? や、やめてください! 警察呼びますよ!?」

 

 

 

 

「ま、また……あの馬鹿イッセー……!」

 

「早乙女先生が全力で逃げてるわ……」

 

「むー……」

 

 

 

 

 

「ぐ、ぐぬぬ……! な、なにがいけないんだ!? おい、そこの少年A! 俺のなにがいけないと思う!?」

 

「変態過ぎるというか、欲望丸出しの言動がいけないと思います」

 

「丸出し!? そんな馬鹿な! 俺ほど紳士的な男なんていない――」

 

「ほら、迷惑だから早く行こう?」

 

「ぬ? ちょっと待てまどっち! 俺は紳士だよな!?」

 

「イッセーくんが紳士なら、世の中の男の人は全員紳士だと思うよ? ほら、早く」

 

 

 気付けばたまに出没しては女性教師をナンパする変質者扱いされてしまったりと。

 自由人達はどこまでも自由人だった。

 

 

「ね、ねぇまどか、そろそろ僕と契約して魔法少女に――」

 

「黙っててキュウべぇ! またイッセーくんが懲りずにナンパしちゃってるから止めないと! まったくもう! そんなに年上が良いのかな!?」

 

「お、落ち着きなさいよまどか……。(二人の身勝手さのお陰で結果的にインキュベーターの企みが阻止されてる辺りが複雑だわ……)」

 

 

 

 

 

 

 

「またラーメンばっかり食べて! 栄養が片寄るって言ったじゃない!」

 

「ちゃんと野菜ラーメンも食べてるぞ……なぁ杏子?」

 

「マミは何時から母親気取りになったんだよ? ちゃんとリンゴも食ってるのになヴァーリ?」

 

「こ、この偏食家コンビは……! 今日のお夕飯は家で取りなさい!」

 

「「え~?」」

 

「え~? じゃないの! ほら!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちくしょー!! こ、これで125敗目……! けど今回に限ってはまどっちとほむらが邪魔しなければ成功してたぞ!? それなのに話しかけてくるし、まどっちがいきなりひっついてくるせいでロリコン扱いされるし!」

 

「もういい加減やめたら? イッセー君には無理だと思うよ?」

 

「見てて情けないわ」

 

「う、うぉ……! と、年下の女の子にそんな可哀想な目をされると割りと凹むぜ……」

 

「そもそもロリコン呼ばわりされる程私達と年なんて変わらないし……」

 

「そりゃそうだがよ……やっぱり俺は年上のお姉さんに色々されたい派なんだよ」

 

 

 龍の帝皇コンビと魔法少女…………永遠に始まらない。

 

 

 

 

 

 

 

『俺はイッセーでもヴァーリでもない。俺は、貴様等を滅ぼす者だ!』

 

 

『時間が勿体ない、一発で終わらせてやるよ。

先に地獄で待ってな――

 

 

 

 

 

――――ウルトラビッグバン・ドラゴン波ァァァァッ!!!』

 

 




補足

三馬鹿ではなく、馬鹿コンビです。
そしてクロス先がそれです。


大体知らん間に色々なフラグばブチ折られ、契約もクソも不可能なインキュベータがぐぬぬし続けるだけの話。


で、やはり年下とはすーぐ仲良くなれる癖に年上相手には大体スカしてしまうというね。

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