色々なIF集   作:超人類DX

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徹底モード風紀委員に戻る。

てかマジで今忙しくて死にそう


平和な日

 『執行』ではなく『報復』により、生徒会は解体された。

 表向きは『家庭の事情による転校』という事にされているのだが、その事実を知る者は少ない。

 

 ハッキリしている事は、次の代の生徒会を早急に決めなければならないのだけど、誰も立候補しようとする者が居ない。

 

 何故なら、生徒会になれば風紀委員会と鎬を削り合わなければならないから。

 先々代や先代に匹敵する徹底した風紀を執行する現在の風紀委員長とまともにやり合おうと思う生徒は誰一人として居なかったのだ。

 

 

「まー……何時かそうなるんじゃあないかなって思ってはいたわ」

 

「ああ、今代の生徒会はあまりにも機能しなさ過ぎたからね。

ただ……思いの外早く消えたなとは思ったよ」

 

「どうも他に立候補者はいないみたいだし、来年になるまで生徒会無しで委員会を運営しないといけないわね」

 

「何とかなるんじゃないか? 今年になってからは殆どそんな感じでやれてたし」

 

「いっそ霧島君が生徒会と風紀委員を兼任してくれたら丸く収まりそうだけど、霧島君的にはどう?」

 

「俺はそこまで器用じゃありませんよ。

これまで通り、各委員長同士で手を貸し合う形でやっていけば良いでしょう」

 

「やっぱり? それにしてもどうして支取さん達が生徒会だったのは今でも不思議だったわ。

確か選挙の時は支持率が途中まで20%以下だったのに、突然90%以上にまで跳ね上がってて驚いた記憶があるわ」

 

「………」

 

 

 結果、生徒会は来年度まで封印するという意見が各委員長達の間での話し合いで可決される。

 元々各委員長達は先日解体された生徒会のあり方に少なからず疑問を抱いていた者であるので、誰も反対などはしなかった。

 

 

「結局、霧島君が毒づいていた通りにお飾りだったわね」

 

 

 美化委員長の言葉を誰も否定せず他の委員長達も無言で頷いてしまっている時点で、ソーナ達生徒会の求心力はとっくの昔に崩壊していたのだ。

 

 

 

 

 

 

「てな訳で、来年度まで生徒会は存在しないという事になった」

 

 

 委員長会議を終え、風紀委員室へと戻った一誠は早速風紀委員候補者であるギャスパーと藍華に説明をした。

 

 

「やっぱり? だろうとは思ってたわ」

 

「誰もイッセー先輩に対抗しようとは思わなかったですしね」

 

 

 説明を受けた二人は特に驚くこともなく、当然だろうといった顔をしている。

 聞けばソーナ達はあれ以降、実家に戻されて治療を受けているようだが、二度と学園には戻れないらしい―――という話を既にリアスから聞いている。

 

 

「奴等のことはそれで終わりだ。

それより、お前達を『風紀委員らしく』するために、今日から直で指導する」

 

「へー? 指導してくれるってことは、少なくとも私達のやる気はあるって見なしてくれたわけ?」

 

「まぁね」

 

「が、頑張ります……!」

 

 

 それよりも今は、風紀委員会を本格的に復活させる。

 その足掛かりとして、少なくともやる気がある二人を鍛え上げる事だ。

 

 

 

 

 

 

 妹が壊された。

 その知らせを受けた姉は、人間界の学校に通っていた妹やその仲間達の変わり果てた姿に絶句した。

 

 

「霧島一誠……!」

 

 

 誰が妹をこんな目に遇わせたのか。

 直ぐ様知った姉は当然の如く報復を行おうと人間界へ乗り込もうとした。

 しかしそれを止めたのは周りの悪魔たちだった。

 

 

「霧島一誠をこれ以上刺激することは許されない」

 

「ど、どうしてよ!? 理由もなくソーナちゃんが……! 私のソーナちゃんが傷つけられたのよ!?」

 

「理由ならある。

キミの妹は霧島一誠の名前を許可なく『利用』しようとしたと妹のリアスから聞いた。

確かに理由としては小さいのかもしれないが、リアスの話によれば、少なくとも彼は彼女の行為によって『侮辱』されたと思ったようだ」

 

「だからって……!」

 

 

 悪夢のような人間。

 悪魔達の間でそう揶揄されるイッセーと事を構えればタダでは済まされないという事を

 だからこそ身内を傷つけられて激怒する彼女の気持ちはわかるが、今は刺激してはならないと諭す。

 

 

「幸い、フェニックス家が提供してくれたフェニックスの涙で彼女達の傷は癒える。

だから今は耐えるんだセラフォルー」

 

「………っ!」

 

 

 リアスの兄にて、魔王の一人である美男子の説得もあり、同じく魔王の一人であるセラフォルー・シトリーは内に秘める一誠への憎悪を抱えながらもこの場は矛を納めた。

 

 

「我々が聞いた話によれば、ソーナ嬢は自身の婚約を破棄させる為に霧島一誠の名を使って相手を騙そうとしたようだが?」

 

「手としてはアリなのかもしれないが、霧島一誠に関する忠告を無視して暴走したソーナ嬢にはなんの責任もないというのはいかがなものかな?」

 

『………』

 

 

 そんな彼等の話を聞いていた他の悪魔達は、ソーナ自身の軽率な行動に対して苦言を呈していた。

 

 

「彼だけではない。もし彼が一度牙を向ければ、堕天使・バラキエルも敵に回す事になるのだ」

 

「頼むからソーナ嬢にはよく言って聞かせて貰いたいものですな」

 

(か、勝手なことばかり……!)

 

 

 そんな彼等の言葉にセラフォルーは内心毒づく。

 ただ一人の人間に対してこうまで慎重になる他ない現実に苛立ちが募る。

 

 8年前に堕天使のバラキエルと共に現れたとされる人間の少年。

 セラフォルー自身は直接見たわけではなかったが、見たと言う同族達は口々にその少年に対する恐怖を口にしたのだけは覚えている。

 だがセラフォルーには信じられない。

 いくら強いといえども所詮は人間でしかも子供。

 

 だからこそ、ソーナが彼に潰された事を知れば、その報復心は目覚める。

 

 

 

(ソーナちゃんの親友なのに、リアスちゃんは助けもしないし……!)

 

 

 そしてその報復心はやがて周囲へと……。

 

 

 

 

 

『セラフォルーは説得したから、安心しなさい』

 

 

 その連絡を兄から直接受けたリアスは早速一誠に話をした。

 

 

「やっぱりセラフォルー様がアナタへ報復しようとした様だけど、兄達がなだめてくれたみたい」

 

「へー……?」

 

「じゃ、じゃあ一誠は大丈夫なんですね? よ、よかった……」

 

 

 その報告に凛は安堵の表情を浮かべるが、反対に一誠は一切信じてはない様子。

 

 

「俺は周りの制止も振り切って単独で来ると思うんですがね」

 

「勿論そうならないように暫くセラフォルー様を監視するようだわ」

 

「………ま、そういう事にしておきますよ」

 

 

 どちらにせよ、来た時点で『全力の抵抗』をする気である一誠は、引き続き警戒を緩めないつもりだ。

 本当ならばこちらから乗り込んでもいいのだが、朱乃がリアスの女王である以上は自重はしなければらない。

 

 

「きっと私は恨まれるでしょうね……」

 

「は?」

 

 

 そんな事を考えながら、指を咥えて見ている凛を尻目に、文た字通り犬みたいに一誠にスリスリとする朱乃の頭を優しく撫でている一誠に、リアスが力なく笑う。

 

 

「恨まれるって誰にですか?」

 

「ソーナとセラフォルー様から」

 

「何故?」

 

「ソーナがアナタに半殺しにされても何も出来なかったし、私はアナタになにもされてはいないでしょう?」

 

「まあ、理由がありませんからね」

 

「だからよ。

多分ソーナからしたら何故自分はこんな事をされてるのにリアスには……とか。

ソーナを助けもせずのうのうと霧島一誠と関係を持っている……とか。

二人はきっと私にそう思っているはずだわ」

 

 

 

 そう肩を落としながら言うリアス自身は、もうソーナとはこれまでの関係ではいられないことを悟っている様子だった。

 

 

「悪いですが、俺はそんな事に罪悪感は持ちませんよ」

 

 

 しかし一誠はそんなリアスの言葉を跳ね返した。

 結局の所、彼はどこまで行こうとも朱乃やその家族以外の為にしか動きはしないのだから。

 

 

「知ってるわ。

信じられないくらいアナタにベタベタしている朱乃を見ていれば嫌というほどね……」

 

 

 苦笑いするリアスの視線の先は、凛と同じく幸せそうに一誠に密着する朱乃だった。

 

 

「うふふふ……♪」

 

「よしよし、朱乃ねーちゃんは可愛いなぁ」

 

『………』

 

 

終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 嘘なオマケ

 

 先々代風紀委員長に拉致られた。

 

 

 

 霧島一誠がこの世で数少ない朱乃と朱乃の家族以外で『尊敬』する者は先代と先々代の風紀委員会の者達。

 

 一誠に負けず劣らずの我の強さを持つ彼女達は唯一一誠を『パシり』にすら使えるのだ。

 だからこそその強引さにたまに巻き込まれる訳で……。

 

 

「むにゃむにゃ……」

 

「………」

 

 

 この日、霧島一誠は休日ということもあって前日の夜から思いきり朱乃とイチャついた。

 一誠と一緒の場合は基本的に精神年齢が幼くなる朱乃と子供には見せられない色々な事をした後もあってか、珍しくまだ眠っている。

 

 故に彼は今自分がどうなっているのかも知らない。

 

 

「うへへ、ねーちゃん……」

 

「……………」

 

「物凄く勘違いしてますが、そろそろ起こした方が宜しいのでは?」

 

 

 現在一誠は夢の中。

 しかしその身体は謎の学ラン集団によって拉致されていて、車の中だ。

 そうとは知らずに一誠は朱乃と勘違いしたまま、後部座席に腰掛ける目付きの鋭い女性に抱きついて寝ていた。

 

 

「んぇ?」

 

 

 この女性を知る者にしてみれば、一誠の行為自体が自殺願望者そのものだったりするのだが、女性は特に気分を害したといった様子もなく好きにさせ続けていた。

 やがた車が少し大きめに揺れた辺りで眠りから覚めた一誠は、ここが姫島家の自分のお部屋じゃないことに気づく。

 

 

「な、なんだここ?」

 

 

 何故自分はこんな狭苦しい場所に? と寝ぼけた思考回路のまま……ふと気づく。

 あれ? 朱乃ねーちゃんの匂いじゃないし、なんかひょろい?

 

 自分が抱きついていたものが朱乃と違うと即座に察知した一誠はボケーッとした眼差しで視線を上げていくと、そこに居たのは……。

 

 

「……………」

 

「きょ、恭ちゃん先輩!?」

 

 

 中学時代に出会い、そのまま強引に風紀委員の仕事をやらせてきた先々代の風紀委員長だった。

 

 

「うのわっ!? す、すんません、間違え――いでっ!?」

 

 

 朱乃と間違えて抱きついていた事実に思わず飛び退いた一誠は車の天井に思いきり頭を強打する。

 

 

「ちょ、なんで恭ちゃん先輩が? てかどこなんですか?」

 

「落ち着け一誠」

 

「あ、哲ちゃん先輩も……」

 

「恭さんがお前をある場所に連れていくと言い出してな。

心配しなくても家の人たちにはちゃんと了承して貰っている」

 

「は、はぁ? そうなんすか?」

 

「まぁね」

 

 

 どうやらどこかに連れていくつもりらしい。

 簡潔ながらも先々代の副委員長から聞いた一誠は大人しく座席に座り直す。

 

 

「…………」

 

「? なんすか?」

 

 

 大人しく座る一誠を、横からジーっと見てくる恭ちゃん先輩に一誠は首を傾げる。

 

 

「………。腕は落ちていないようだねイッセー?」

 

 

 どうやら委員長を継いでから実力が落ちていないかの確認だったらしい。

 口数は先代に比べてあまり多くない彼女は妙に満足気に笑っていた。

 

 

「は、はぁ……恭ちゃん先輩こそ――――あれ、強くなってます?」

 

「色々あってね。

今日お前を連れ出したのは、ある連中にお前の事を押してえやろうと思ったからだ」

 

「ある連中……?」

 

「そう、妙な草食動物共さ」

 

「はぁ……」

 

 

 意味深に笑みを溢す先々代に一誠はちょっとだけ嫌な予感がした。

 とはいえ、この先々代の突拍子の無さと強引さは今に始まった話ではないので、大人しくすることに。

 

 こうして霧島一誠は知るのだ。

 

 大でも小でもない並な町に連れていかれ……。

 

 

「赤ん坊、彼が前に言った一誠だ」

 

「ちゃおっす、お前が雲雀の後継者だな?」

 

「………………………ねぇ恭ちゃん先輩?

赤ん坊がめっさネイティブにお喋りしてるんですけど」

 

 

 変なおしゃぶりをした子供と出くわし……。

 

 

「ひぃぃぃっ!? ひ、雲雀さんの後継者か来たー!?」

 

「…………………え、何でこんな怯えられてるの?」

 

「うるせーぞダメツナ」

 

「げべば!?」

 

「しかも赤ん坊に蹴り飛ばされとるし……」

 

 

 微妙に情けない少年と出会したり……。

 

 

「ま、マフィアの10代目?」

 

「そーだぞ、ツナはボンゴレ10代目だぞ。

……俺からしたらまだまだダメツナだがな」

 

「ち、違うからね!? 俺は別にマフィアじゃ――ぎゃん!?」

 

 

 その少年が実は数々の修羅場を潜り抜けたマフィアの頭領だったと知ったり。

 

 

「確かにオメーはあの雲雀が後継者と言っているだけある。

…………俺と同等かそれ以上に『死』を見てきたな?」

 

「……」

 

「まだまだ荒い所もあるが、強さもある。

どうだ? 将来雲の守護者である雲雀の部下としてボンゴレに入らねーか?」

 

「いやマフィアはちょっと……」

 

 

 なんか勧誘されたり。

 

 

「という訳で赤ん坊、約束通り彼とイッセーを戦わせて貰うからね」

 

「わかってる。

という訳でツナ、今からイッセーと戦え」

 

「はぁっ!? そ、そんなの無理に決まってるだろ!? 第一霧島君だって――」

 

 

 

 

 

 

 

「起きろドライグ」

 

『不思議な力を持つ者と戦うか……。

ふっ、少しは良い退屈凌ぎになるといいな』

 

 

 

 

 

「アイツはやる気満々だぞ?」

 

「なっ!? あ、あれは匣兵器――じゃない!?」

 

「そうだ、俺も直接目にするのは初めてだが、あれは匣ではなく神器というものらしい。

炎を使わない力だ」

 

 

 

 なんかバトルすることになったり。

 

 

「………来い」

 

「!」

 

『喚いていた小僧の雰囲気が変わった……。

イッセー、どうやらあまり嘗めてかからん方が良いみたいだぞ?』

 

「……おう」

 

 

 

 情けないと思っていた少年の雰囲気ががらりと変化したり。

 

 

「オペレーション・XX……!!」

 

「ビッグバン……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「Xバーナー・超爆発(ハイパーエクスプロージョン)!!」

 

「ドラゴン波ァァァッ!!!」

 

 

 なんかマジバトルしたりと……大変だった。

 

 

嘘だよ

 

 

「ったく、後で恭ちゃん先輩にお小遣いたからないとやってらんねーぜ」

 

「きょ、恭ちゃん先輩って……」

 

「? ああ、君って妙にあの人怖がってたね」

 

「そ、そりゃもう! 中学時代からずっとおっかないし……」

 

「確かにおっかないっちゃあおっかないわな……。

それより聞いて良いか? 向こうでじーっと見てくる女の子はなんなん?」

 

「あ、あれ、なんでユニが……? それにイーピンも……?」

 

「なんか見透かされてるようで嫌なんだけど……」

 

「た、多分珍しいんだよ。

霧島君の力とかさ……!」

 

「はぁ……」

 

 

だから嘘だよ

 




補足

流石に止められる。

しかし報復心は増幅。


その2
ソーナさんは……もう無理だね、メンタル的に



その3
最後は全部嘘。

てか先々代はあの人がTSしてる状態の方だった模様。


もし三馬鹿一誠だったら、ロリっ子ホイホイが発動して大変な事になってたかも。

爆発するチャイナ娘さんとか
大空のあの子とか。



しかし、彼は風紀委員長なので意味がないのだ。

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