色々なIF集   作:超人類DX

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603話と604話からの派生みたいなそれ。

てか、多分続き。
題材がこれだったのでついでにみたいな


執事と魔王少女の冒険

 明くる日、日之影一誠とセラフォルーは更に別の世界から呼び出された学生達に混ざって、この世界についての説明を改めて受けていた。

 

 

 先日のイシュタルなる老人を絶命寸前まで破壊した燕尾服姿の青年の存在のせいで、完全に空気が冷えきってしまってはいたものの、先日と違って一誠は一応大人しくセラフォルーと一緒に聞いていた。

 

 

「ふーん? 要するにその魔人族ってのとの戦争に勝ちたいからこの子達や私達を呼び出したんだ?」

 

「ま、まあ……言ってしまえばそんな所です」

 

 基本は軽い性格のセラフォルーですらも、笑みこそ浮かべてるものの目が全く笑っておらず、ただの呼吸するだけの存在となっているイシュタルの代理で説明する法衣の者は冷や汗を流しながら椅子に座るセラフォルーの後ろに控える様に佇む一誠の反応を伺う。

 

 

「…………」

 

(ま、まるで石像のようだ)

 

 

 昨日と打って変わって、今の一誠は全くの無表情かつ今の今まで一言も言葉を発していないせいで、却って恐怖を煽られてるらしいのだが、そんな事は本人もセラフォルーもどうでも良い。

 

 

「ふざけないで下さい!

今のお話が本当なら、結局はこの子達に戦争させようってことでしょう!? 

そんなの許しません! ええ、先生は絶対に許しませんよ! 私達を早く帰して下さい!

きっと、ご家族も心配しているはずです! あなた達のしていることはただの誘拐です!」

 

 

 色々とちんまい子供――では無かったらしい女性が憤慨している。

 しかしどれだけ訴えても、先日言われた通り、帰るにはエヒトなる神の力が必要だと知り、教師の女性は深く落ち込んでいた。

 

 

「わ、我々だけではどうする事もできないのです。

で、ですが! もしもこの戦いに勝利することができれば、エヒト様はきっと――」

 

 

 一誠やセラフォルーにしてみれば信じる価値が全く無い事を言う法衣の男性はそう訴えるものの、既に一誠とセラフォルーは代理戦争の駒みたいな真似事をする気もない。

 しかし一般人で間違いない学生達には選択肢というものが無く、元の世界で平和に暮らしていた戦争に参加なんてしたくはないが、帰る為なら――と先日一誠の殺意に充てられて吐き散らかした少年がクラスの者達をまとめている。

 

 

「ナチュラルに他の子達を巻き込んだねー……後で後悔するパターンじゃないかな?」

 

「……どうでも良いな」

 

「ま~ね~」

 

 

 それでも戦争に参加したくないと思っている者達までも巻き込んでいると呟くセラフォルーに、一誠はそうだなと思うものの、やはりどうでも良かった。

 

 

(アレ等がどうなろうがどうでも良い。

問題なのは例のエヒトとかいう存在だ)

 

 

 この視界に映る他人連中共がこの戦争とやらで死のうが、一誠には何の関係も無いのだから。

 あるのはこの世界から抜け出す為に必要な条件のひとつらしい神の存在。

 

 

(この世界の人間等は、所謂その神の駒。

駒の中に直接そいつと接触できる者が居れば話が早くて良いけど、コイツ等にはどうやらそれが出来ない。

チッ、さっさとぶっ殺してしまえば直ぐにでも戻れると思うのに……)

 

 

 神という存在そのものを嫌悪する一誠にとって、この世界に飛ばされたのは、その神に玩ばれている気がして気に入らない。

 

 

(いやそもそも、魔人族とやらとの戦争に他の世界から人間を無理矢理呼び寄せてる時点で胡散臭さしか感じやしねぇし、人間である俺はまだしも、セラフォルーまでここに飛ばした意味は無い筈だ。

そう考えると俺とセラフォルーに関しては神とやらにとっても想定外? ……チッ、どちらにしてもますます気に食わねぇ)

 

 

 確実に場所を突き止める。そして確実にブチ殺す。

 こんな事に付き合わせたツケは間違いなく払うと決めている一誠は、ふと自分とセラフォルーに何かを法衣を着ている男が訊ねる事で考える事を一旦やめる。

 

 

「で、ではそちらのお二人は……?」

 

 

 なんとか学生達は説得できたが、彼等にとって一番の問題は彼等とは初対面だったらしいこの青年と女性に法衣の男は昨日の事もあってかなり下手になって問い掛ける。

 

 本音を言うなら、イシュタルを止めなければ本当に殺そうとした殺害に対する一切の躊躇いの無さと、その戦闘力は確実に使える――と、彼等は一誠に対してそんな期待をしているのだ。

 そしてあわよくば共倒れになってくれれば――とも。

 

 

「その質問に対して、ここで今首を横に振ったらどうなるのかな?」

 

「それは………」

 

 

 普段はふざけているセラフォルーの言葉にこの場に居るこの世界の者達の目が泳いだ。

 その瞬間セラフォルーは察したように笑みを浮かべた。

 

 

「あーあ、そのお顔からして何かされるんだね?」

 

「そ、そのような事は――」

 

「投獄かな? 或いは秘密裏に消される?

どちらにせよ意に沿わない者は邪魔にしかならないもんね?」

 

『…………』

 

 

 セラフォルーの言葉に誰も返せずに居る。

 どちらにせよ、参加をしなければ碌な目には遇わないというのだけは理解できた。

 この時点で一誠とセラフォルーの答えは完全に決まった。

 

 

「話にならねーな」

 

『!』

 

 

 それまで沈黙を貫いていた一誠の言葉によって、全員の意識が一誠へと集中する。

 

 普段ならこれ程の他人の視線を浴びれば、具合が悪くなる筈なのだが、先日の怒りの限界突破が何かを変えたのか、一誠は不思議な程に冷静で―――それでいて心底見下している眼だった。

 

 

「俺とセラフォルーが仮にそのエヒトとやらにとっても『イレギュラー』だったとしたら、まず俺達にその戦争とやらに参加する理由はない。

逆にイレギュラーではなかったとしても、参加する気もない」

 

「な、何故だ!? キミ達はこの世界の人々が苦しんでいるのを見て見ぬフリをするのか!」

 

 

 一誠の冷たい言葉に、クラスを纏めていたリーダー格の光輝が口を挟む。

 

 

「自分の生まれた世界なら百歩譲って力を貸すのは納得するが、勝手に呼び出した挙げ句、返せません等とほざく世界やら連中共の為に何で手を貸さなければならない?」

 

「そ、それは、この世界の人達から必要にされているという事だから……」

 

「この世界の生物が絶滅しようがどうでも良い。

テメーで抗えもしねーなら大人しくしてろ。そして黙って死ね」

 

 

 どこまでも冷たい表情と冷酷な言葉は、全員の言葉を失わせた。

 年は自分達とそう変わらそうな青年は、格好の事もあるし、一体どんな人生を歩んだからそんな事を平気で言えるのだろうか……と。

 

 

「私も概ねいーちゃんと同意見だよ。

悪いけど、思い入れの欠片も無い様な人達に手を貸すほど優しくなんてないし」

 

 

 それはセラフォルーもまた同じだ。

 彼女は身内にだからこそ、普段はおちゃらけているものの、根底は正真正銘の悪魔なのだ。

 

 

「第一、そこのガキ共は貸してくれるらしいんだ。

良いじゃないか、精々都合の良い兵器にでもして、戦場に駆り出してやりなよ? それで死んでもテメー等には痛手にもならないしな?」

 

『………』

 

「そ、そんな言い方……」

 

 

 心底見下した眼をしながら言っている一誠の言葉は暴論だと光輝達は思った。

 しかし一部はそんな一誠の言葉に思うところがある様な表情だった―――一誠は知らないけど。

 

 

「では参加する気は無いと……?」

 

「そうだ。

その場合、テメー等は俺とセラフォルーに何かをして来るんだろうが――――今ここでテメー等を皆殺しにしてやれば、少なくともこの場から逃れられる」

 

『っ!?』

 

 

 そう嗤いながら昨日と同じ殺意を剥き出しにする一誠に、その場に居た者達は心底震えた。

 殺意と共に放たれる絶対的な差……。

 

 ただ力を求め続ける日々を生きた末に到達した領域。

 

 誰もが一誠とセラフォルーに仕掛ける事は出来なかった。

 

 誰もが、堂々と去っていく二人を見ているだけしかできなかった。

 

 王宮に報告しようが、誰も二人に手出しなんて出来やしないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 外に出てみれば、ここが間違いなく冥界でもなければ、自分達の生きた世界の人間界でもない事を知っていく。

 

 

「良かったの? いーちゃんの判断に任せるつもりで黙ってたけど、あのまま嫌々でも彼等の近くに居た方が少しは楽にそのエヒトってのと接触できたかもよ?」

 

「奴等の眼が気にくわなかった。それに、お前がもし悪魔だと知られたら何をしてくるかわかりゃしない」

 

「うーん、抵抗できると思うけどなぁ?」

 

「それでもだ。

それに、同じように呼び出されたあのガキ共の中に、お前に対してふざけた目で見てやがったからな……」

 

「?」

 

 

 階段でも降りるかの様に山を降り、たどり着いた城下町に辿り着く二人は、前時代めいた町並みの中を一通り歩く。

 

 

「そういえばお金無いけど……」

 

「ああ、それなら心配すんな。

あそこから出る際、売れそうな物を奪っといてやったからな」

 

「……。まるっきりやってる事が悪人だね。

いや、悪魔だし良いんだけどさ」

 

 

 盗品も扱ってもらえそうな裏店で奪った物品を換金し、資金を調達する一誠。

 生きる為にはなんでもやるそのハングリー精神には恐れ入る。

 

 

「さてと、まずやることはそのエヒトってのをどうやって引きずり出すかだ。

神と呼ばれているのだから、嘗めて掛かる気は無いし、当然鍛えるもやめない」

 

「拠点も欲しいね。

うーん、やっぱり参加するって体になっておけば良かったかな?」

 

「蝿も殺せないガキ共と一緒に居ろと? 冗談じゃない。邪魔になるだけだ」

 

「言うと思った……」

 

 

 露店で購入した変な色の果物を先に一誠が毒味をし、食べられると判断した後、きちんと切り分けてセラフォルーと一緒に食べながら、今後の行動を決める話し合いをする。

 こんな何の思い入れも無い世界なんぞからさっさと抜け出して元の世界に戻る事が二人の目的だが、どうにも別の場所から呼び出された学生達と行動したくはないらしい。

 

 

「余計な真似をして足を引っ張られても困る。

奴等が言う通り、仮にこの世界の作用だからでガキ共の力が元の何倍以上になっていたとしても、経験が足りてねぇ」

 

 

 むしゃむしゃと食べながら一誠の話す、彼等と行動する上でのデメリットはセラフォルーも納得できる。

 特に、本能的に無理と理解していたのに殺意MAX状態の一誠に割り込んできた青年は将来邪魔になる可能性が一番高い。

 

 

「第一、あのガキ共だって俺とお前が居たら困るだろ色々と……」

 

「ガキっていうけど、年はいーちゃんとあんまり変わらないと思うけどなぁ?」

 

 

 そもそも一誠は集団行動を一番の苦手としているのだ。

 

 

「あ! 良いこと思い付いたよいーちゃん!

いっそ私達が魔人族って側に付いてみたらどうかな?」

 

「は?」

 

「ほら、どっちかと言ったら元々私達は魔人族っぽいじゃない? 上手いこと入り込めたら便利そうだし?」

 

「……」

 

 

 その点、まだ見たことはないが、魔人族の側はある意味しっくり来る。

 適当に魔人族側として暴れまくっていれば、もしかしたら完全に消しにエヒトとやらが現れるかもしれない。

 

 

「だがその魔人族ってのはどこに居るんだよ?」

 

「さぁ? でも戦争してるんだし、探したら案外簡単に見つかるんじゃない?」

 

「ふむ……」

 

 

 人間側に付く気なんて更々無い一誠も、セラフォルーの意見に少し傾いた。

 何よりこの世界の魔族の力には一誠自身少しだけ興味があるのだ。

 

 

「対サーゼクスのヒントになれば良いけど……」

 

 

 あらゆる力、環境、能力、状況に適応し、糧として進化し続ける異常性。

 未だに勝てぬ相手――サーゼクスに勝つ為には新たな刺激がほしい。

 

 

「そうと決まれば探しに行こうよ! ついでに新しい衣装とかも欲しいし☆」

 

 

 サーゼクスの居る領域に到達するには何かが足りない。

 少し前から思い始めていた一誠は、その足りないものを埋める事も視野に入れてセラフォルーの提案に同意した。

 

 

「行こ? ふふん、デートも兼ねてねっ☆」

 

「わかったから引っ付くなっての……!」

 

「えー……? デートなんだし良いじゃない?」

 

「歩き辛いんだよ……! それに……」

 

「? それに?」

 

「な、なんでもねぇ……! さっさと探すぞ!」

 

 

 引っ付こうとしてくるセラフォルーから逃げるように早歩きで行こうとする一誠。

 この世界に飛ばされる直前にセラフォルーから言われた事のせいか、以前まで平然としていた筈のセラフォルーの行動に動揺してしまう。

 

 

「ち、ちくしょう。なんで一々セラフォルーの事でこんな――」

 

「いーちゃん♪ そんなに早く歩かないで、もっとゆっくりしようよ☆」

 

「ひょえっ!? て、テメッ! 引っ付くなって言ってんだろうが!!」

 

「嫌だよ。

もう、急にどうしたのよ? 何時もだったらもっとクールに言う癖に……?」

 

「なんだって良いだろうが! お前にそんな引っ付かれると……」

 

「え、なに?」

 

「な、なんでもねぇ!」

 

 

 セラフォルーが腕に引っ付く度に、決して小さくはない彼女の胸が当たる。

 少し前まではなんとも思ってなかった筈なのに、ここに来て意味不明な動揺をしてしまう一誠は、結局セラフォルーと腕を組ながら街の外へと出るのであった。

 

 

「んふふ~♪ おかしな状況になっちゃったけど、ソーたんやリアスちゃん達を気にせずにいーちゃんとイチャイチャ出きるのは良いかも? これぞ所謂新婚旅行ってやつだよね?」

 

「そんな訳あるか……!」

 

 

 ド正面から言われたせいなのか、それとも元から潜在的にセラフォルーに対して一定以上のものを抱いていたからなのか。

 幼き頃は、セラフォルーの衣装だけをわざと吹き飛ばして全裸に剥いてゲラゲラと笑いこけていた少年は、それでも変わらない悪魔の女性と歩くのだった。

 

 

 

終わり

 

 

 魔族側になろうという事で、探し回ってた一誠とセラフォルーはあらゆる場所に赴いた。

 

 そしてその最初の出会いは……。

 

 

「つまりキミの持つその『未来視』という力で私といーちゃんが見えたから探していたと……?」

 

「は、はい。

ただ、私自身もこの未来視を確実に使いこなせている訳では無くて、少し前までは『白髪に眼帯をした男の人と金髪女の子が私たちを助けてくれる』光景が見えていたのに、最近はお二人の姿が観えるようになりました。

そうしたらちょうどお二人の姿を発見したので……」

 

「ふーん? もしかしたら助けてくれるかもしれないからって訳だ?」

 

「………」

 

「は、はい! ですからその……どうか私達を助けて欲しいのです!」

 

 

 

 魔王と悪魔の執事という『イレギュラー』により見えていた未来の映像が変わった少女。

 

 

「うーん、良いと言えば良いんだけどねぇ」

 

「ほ、本当ですかっ!?」

 

「ただ、こっちにも色々とやらなければならないことがあって、それを今いーちゃんと二人で探している最中なんだ」

 

「探している……?」

 

 

 一切喋らない青年と、どこか軽そうな女性と出会う少女。

 

 そんな少女に拝み倒されてしまう形でその望みを叶えてあげる事になった執事と魔王少女。

 

 

「……………」

 

 

 その望みを叶える最中、出会した人間兵士がよりにもよってセラフォルーに対して下劣な事を言ったせいでスイッチがオンとなった執事が、助けを求めた少女や少女の同族達がドン引きしているのも無視して、その者達を八つ裂きにしてしまう。

 

 

「あ、あの……あの方は人間です、よね? 同族……殺してしまいましたけど」

 

「何時になく機嫌が悪かったみたい」

 

「…………」

 

「き、機嫌が悪かったからですか……?」

 

 

 

 一切全く喋らない青年にちょっとした恐怖を感じる少女はまだ知らない。

 日之影一誠とセラフォルー・シトリーという存在を……。

 

 

 

 日之影一誠 男 19歳 レベル 無始無終

 

 

天職・執事

 

筋力・無始無終

 

体力・無始無終

 

耐性・無始無終

 

俊敏・無始無終

 

魔力・無始無終

 

魔耐性・無始無終

 

 

技能 無限進化 消滅魔力 水流魔力 氷結魔力 並行進化

神滅 神殺 神殴 言語無視

 

 

 

 壁を乗り越え続ける執事 日之影一誠

 

必殺技12必殺技 アクセルダンス

自身のATK DFFが大幅上昇し、敵に極大ダメージを与える。

 

気力24必殺技 神滅・ソウル・ディストラクション

 

 自身のATK DFFが超大幅上昇し、敵に超極大ダメージを与える。

 

 

 

パッシブスキル・乗り越え続ける執事

 

 

自身のATK DFFを110%UP

 

攻撃する度に気力+1(最大5)

 

攻撃を受ける度にATK DFFを20%(最大100%)し、超絶大な威力で反撃。

 

二度追加攻撃をし、高確率で必殺技に変化する。

 

 

アクティブスキル 受け入れし情

 

バトル開始後三ターンで発動可能

 

 

セラフォルー・レヴィアタンが参戦する。

 

 

 

 到達せし魔王少女と執事 セラフォルー・レヴィアタン&日之影一誠

 

 

気力12必殺技 氷滅・ソウルブレード

 

ATKとDFFを上昇させ、敵に究極ダメージを与える

 

 

 

気力24必殺技 神滅 フリーズ・ザ・ワールド

 

 1ターンATK DFを超大幅上昇させ、敵に究極大ダメージを与える。

 

 

パッシブスキル 魔王少女からの愛

 

 

 自身のATKとDFF200%アップ

 

 3回追撃を行い、超高確率で必殺技に変化

 

 攻撃する度に気力+1(最大10)

 

攻撃を受ける度にATK DFF20%UP(無限)

 

 敵の必殺技を見切る。

 

 

 

「あ、あのー……?」

 

「………………………」

 

「き、聞こえてないのかな? あ、あのー!」

 

「…………………………………………………………………」

 

(うっ! ぜ、絶対に聞こえてるのに、一瞬だけこっちを見てから目を逸らされた)

 

 

 

 

「~♪ あれ、どうしたのシアちゃん?」

 

「何故あの人はセラフォルーさんとしかお話をしないのでしょうか?」

 

「え? ああ、いーちゃんは恥ずかしがり屋さんなだけだからね、気にしない方が良いよ?」

 

 

 

 執事と魔王少女と兎少女の冒険……始まらない。

 

 

「よっし完成! 新しい衣装だぜ☆」

 

「これが……?」

 

「そうそう、せっかくだからシアちゃんの分も用意したから、早速着ていーちゃんに見せてあげよう!」

 

「わ、私もですか? ……不思議な事にあまり抵抗感が無いですし、構わないのですが、あの方に鼻で笑われやしないでしょうか……?」

 

 

 巻き込まれ魔王&魔法兎少女……爆誕?

 

 

 

「いーちゃん、見て見て~ 新しい衣装!」

 

「またその手のかよ……。

てか……」

 

「い、いやその……セラフォルーさんが私の分だと言ったので。そして着てみると案外悪くないかなーって」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひ、酷いよいーちゃん! 折角作った衣装をまた……シアちゃんのまで吹き飛ばすなんて!」

 

「しかもあんなに楽しげに吹き飛ばして裸にするなんて! そういうのが趣味なんですか!?」

 

「……」

 

 

 

 ドレスブレイク(物理)被害者……一人追加。

 

 

 

終了




補足

えーっと、執事と魔王少女と未来視の内容がガラッと変わった事で変な運命になった兎さんの冒険みたいなそれ。

 兎さんはセラフォルーさん印の衣装を着させられるけど、元が元のせいかあまり抵抗感がないとかなんとか。

で、それを見ていた執事が条件反射でセラフォルーさんもろとも服だけ吹き飛ばしてケタケタと笑う。

 ………変態じゃねーか!



続きません。

気づいたら魔人族のトップになった魔王少女のせいで人間側の難易度がNIGHTMARE化するとか、討とうにも魔王少女自体の戦闘力やらその傍に居る執事の戦闘力が無理ゲー過ぎてどうにもならなくなったとか、魔王少女・レヴィアたんと魔法兎少女・シアっちというマスコットキャラが世を騒がせたりもしない。

 衣装チェンジの度に変なスイッチが入る執事に相変わらず服を吹き飛ばされて全裸にさせられたりもしない。

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