色々なIF集   作:超人類DX

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なんてこった! そしてようこそ『こちら側』へ。


限界突破

 結局オルクスの迷宮には元の世界へ戻る手掛かりは無く、約束通りヴァーリ達と合流するイッセー。

 

 近しい者であるヴァーリの気配は相棒のドライグを介して察知可能な為、どこに居るかはわかる。

 

 後は一気にそこまで走るか跳んで行くかなのだが、問題がひとつある。

 

 

「良いから帰れ。

流石にここからはキミ一人で帰れる筈だろう?」

 

「そうだけど、香織と南雲君が本当に無事か心配で……」

 

「向こうにはヴァーリとアリスが付いているし、何度も言っているけど、あの二人はそう簡単に殺られたりはしないんだよ」

 

「でも……」

 

 

 オルクスの迷宮を調査中に出会した、ハジメと香織のクラスメートにて、香織の幼馴染みの一人である少女――八重樫雫である。

 

 この雫とは迷宮を一気に降りた際、誤って転落をしてしまい、イッセーの降りた階層まで落ちてきたのだ。

 一々また上まで送るのが面倒だったのと、携帯――というかリアス関連のデータを壊された事で不機嫌の極になっていた事もあり、仕方なく彼女のお守りをしながら最下層の更に下――迷宮の創始者であるオルクスの隠し部屋兼墓場を発見し、妙な石ころを手に入れただけで、最大の目的に関する情報はカスリもしなかった。

 

 それに関して流石に雫に八つ当たりするという事も無いし、その道中の割りと雫相手に手持ち無沙汰だったので携帯をぶち壊された事に対する愚痴を聞いて貰ったりしていたので、安全な地上まで完璧に送り届けるくらいの事まではしてあげた。

 

 後は冒頭の通り、ハイさようなら――となる筈だったのだが、香織とハジメが無事なのことをこの目で確認したいと言い出し、イッセーについてくるのだ。

 

 

「居た……合ってるかドライグ?」

 

『白いのの気配もちゃんとあるし、小僧達の気配もあるから間違いない』

 

「その左腕は……? それに声が……」

 

「遠くは無いからすぐに追い付けるな」

 

『跳べばな。だが――』

 

「わ、少し光ってる……?」

 

『問題はこの小娘だ。

さっきからイッセーの左腕に出ている俺を突いてくる……』

 

「…………」

 

 

 文字通り跳ぶか、走るかすればすぐにでも追い付ける距離ではある。

 しかし帰れと言っても帰る気配も無く、先ほどから左腕に現れた赤龍帝の籠手を不思議そうに指で突いてくる雫が居るとなるとそうは行かない。

 身体能力こそ雫は普通の人間より少しは優れているのだが、人間の範疇である以上は、イッセーの移動速度についていけるわけもない。

 

 

「消えた……?」

 

「………」

 

『どうするんだ? 割りと人の言うことを聞かないタイプのようだが……』

 

 

 このまま彼女を完全に無視し、そして放置して自分だけでさっさと合流すれば良い。

 妙に図々しくなっていっている気がしてならないという印象を雫に抱いているイッセーは、最終通告をした。

 

 

「もう一度だけ言うぞ。

さっさとキミはクラスメート達の所に戻れ。

今頃彼等はキミが落ちたと報告して、大騒ぎになっているんだ。生きている姿を見せて安心させてやれ」

 

「それは……わかってはいるけど」

 

「キミが香織さんの親友で、他の連中とは違ってハジメ対しても普通に接しているっていうのはなんとなくわかった。

だから――」

 

「わかったわ。えっと、皆に生きているってちゃんと報告するわ。

だから一緒についてきてほしいのだけど……」

 

「俺達がちゃんと二人を―――――――あ゛?」

 

 

 反射的に雫の意味不明さに変な声が出てしまうイッセー

 

 

「アナタが助けてくれて、送り届けてくれたと言いたいし……」

 

「そんなん要らねぇわ。

キミ一人で無事に戻ればそれでおしまいだろうが?」

 

「そうだけど、何となくこのままお別れというのは惜しいという気がして……」

 

「そんなの知るか! 良いから帰れ!!!」

 

 

 実は迷宮制覇の道中、ブツクサと雫のお守りをしなければならないとはと文句ばっかり言っていてあまり自覚はしていなかったのだが、ちょくちょく雫に香織やハジメに叩き込んだ戦い方の一部をレクチャーしていた。

 

 剣士が職業である雫に、剣とそこら辺の鉄パイプは同じ物と、剣士キャラに殴られそうな事を考えているイッセーが剣の使い方を教えた訳ではない。

 

 ただ、体術や目では追えなかったり見えない相手を察知する方法を迷宮の魔物と戦いながら教えた結果、まだ雫も自身のステータスプレートを確認していないので気付いていないものの、速度と筋力の数値が初期値の5倍に跳ね上がっていたりする。

 

 

「二人が強くなれたのはアナタのおかげなのでしょう?」

 

「ヴァーリとアリスがだ。

俺はただ近づいてぶん殴れって言ってただけだ」

 

「嘘よ。だって迷宮に居た時は相手の気配の感じ方や身体の使い方を教えてくれたじゃない」

 

「だからどうだってんだ? 俺が教えたからどうだというんだよ? 俺は急いでるんだ、どうでも良い女一匹なた構っていられるほど暇じゃねーんだよ」

 

「……」

 

「クソが、リアスちゃんのデータも壊れるし、どうでも良い女一匹も聞き分けがまるでねぇ。

とんだ厄日だぜ」

 

 

 そう吐き捨てるように雫に言うと、ムスっとした顔のまま雫に背を向ける。

 

 

「このまま大人しく消えてろ……じゃあな」

 

 

 そして雫では到底不可能な跳躍をすると、そのまま大気を足場にしながら空を走り、去っていくのであった。

 

 

「クソ、とんだ足止めだ。

もたもたしていたせいでヴァーリ達が移動しちまったじゃねーか」

 

『このまま行けば追い付ける。

だが良いのかイッセー?』

 

「何が?」

 

『あの小娘だ。

あの様子じゃあ大人しく帰るつもりなんて無さそうだぞ?』

 

「地上まで送ってやったんだ。後はもう知らねーよ。

大人しく帰らなかったせいで獣に食い殺されても俺は悪くねぇ……!」

 

 

 ハジメと香織が気になるのはわかるが、さっさと彼女の仲間達と合流した方が安全なのだし、これ以上のお守りはゴメンだと、これまた吐き捨てるように言うイッセーだが、ドライグは『いや、そうではなくて下を見ろ……』と言う。

 

 下? とイッセーは言われた通り下を空を走りながら見てみると……。

 

 

「っ……!! ううぅっ!!!」

 

「なっ!?」

 

 

 必死に、見失ってたまるかという意地張りの極地のような表情で空を走るイッセーを見上げながら追いかけてくる雫が居るではないか。

 これには人間の範疇からまだ進化していないし、可能性に気付くこと無く一生を終えるタイプだと思っていたイッセーも流石に驚いてしまった。

 

 

『多分、ハジメやカオリとは違って短い期間だったとはいえ、魔物に苦戦していた小娘に口を挟んでお前がアドバイスをしていただろう? 思えばあの小娘は中々に『物覚えが良かった』からな。

粗削りも良いところではあるが、己の中の可能性の殻に皹を入れたのだろう』

 

「………チッ!」

 

 

 そう推察するドライグに、イッセーは舌打ちをしながら一段階ギアを上げ、一気に雫を引き離してやろうと試みる。

 

 

「!! うぐぅぅぅ……ぁああああっ!!!!」

 

「嘘だろ……?」

 

『ほう? お前が先を示せば示すほど、あの小娘は即座に殻を破ろうとするか』

 

「感心している場合かよ!?

クソが!! 調子に乗るんじゃねぇぞ!!!」

 

 

 更にギアを上げるイッセーも半分意地になっている。

 しかしそれでも雫は全身の筋肉や骨が限界だと悲鳴を上げている己の身体からの信号を無視し、鼻から血を流しながらも必死に追い縋ってくる。

 

 

「マジか!? じ、自分の限界を越えやがった!」

 

『コカビエルとヴァーリ同じタイプ……いや、よりお前に近いタイプだな。

やるじゃないか、クククク!』

 

「笑ってる場合か! ええいちくしょうが! こうなりゃ全力でやってやるよ! 年季がちげーんだよ年季が!!」

 

『そう言うお前も割りと楽しそうに感じるがなぁ?』

 

 

 ドライグの指摘通り、土壇場で自分の限界を越えてくるばかりか、この競争のようなやり取りだけで際限無く壁を凄まじい速度で越えみせる雫に対して無意識に笑みを溢し―――イッセーとしての全力を解放する。

 

 

「ドライグ! 俺に手は貸すなよ!? この女をここで完全に振り切ってやるからよォ!!」

 

『承知、楽しませて貰うぞ?』

 

「来いや八重樫ィ!! そしてこれで本当にバイナラじゃあ!!!」

 

 

 縦長に開いたその目は龍の瞳を思わせ、全身から迸るオーラは淡く赤く輝く。

 そしてその宣言通り、全快となったその速度は赤き閃光そのものとなり、雫を完全に振り切り―――

 

 

『! 止まれイッセー! あの小娘がお前を見上げたままのせいで自分の身体がズタズタになっていることに気づいていないばかりか川に落ちたぞ!!』

 

「はぁっ!? なんだそりゃあ!?」

 

『急げ! 落ちた時点で意識が飛んでいる! あれでは自力で陸に上がれんぞ!』

 

 

  ――――切れず、雫が流れが急気味な大きな川に落ちて気を失った事で唐突の終わりを迎え、意識を失って流されていく雫を急いで引き上げる為に地上に降りるのであった。

 

 

 

 

 

 

 会う事もなければ、交わる事も無かった出会いが、八重樫雫にとっての、決して開く事はなかった筈の、可能性という名の扉を開け放ってしまった。

 

 それが果たして幸なのか不幸なのか。

 しかし確かに雫は香織とハジメと同様に、その扉を……殻を破った。

 

 

「う……」

 

『イッセー、小娘の意識が戻ったぞ』

 

「わかってるよ、おい、大丈夫か?」

 

「あ、アナタは……それに私はなにを――いっ!?」

 

「無理に動こうとするな。

急激に……しかも限界を越えて何度も肉体のリミッターを外していたんだ。

まともに動けねぇよ」

 

「ぅ……あ、アナタが凄い速度で行こうとしたからつい……」

 

「……。キミが普段どんな子なのか知らんし、あんまり興味もねーけど、大まかに言っても馬鹿だぜ? 下手すりゃ死んでたっつーのに」

 

「ひ、必死だったから……」

 

「だろうな……。ったく、その意味不明な執念はなんなんだ?」

 

 

 しかしあまりにも急だった為に雫の身体はボロボロであり、山脈を越えた巨大な森の入り口でキャンプを張るイッセーに馬鹿と言われても何も言い返せない程に弱っていた。

 

 

「でも、どうして助けたの? あのまま私を無視して行ってしまえたのに」

 

「そうしてやりたかったがな、それをやったらキミの友達にブチ殺されても文句が言えなくなるだろう? そもそもキミは香織さんのダチなんだし」

 

 

 火を起こし、狩ってきた魔物の肉を焼いているイッセーのぶっきらぼうな言い方に雫は『そう……』と言いながら脱力する。

 

 

「……。アナタを必死に追いかけていた時、私ってこんなに走れたのかと自分でも驚いたわ……。

それ以上にアナタに追い付かないとって必死だったけど」

 

「確かに女の子がしちゃいけない顔しながら追い掛けられた俺からしたらホラーそのものだったけど」

 

「そ、その時の顔は忘れてちょうだい」

 

 

 ホラーと揶揄されるほどの形相だったと言われ、恥ずかしそうに頬を染める雫。

 

 

「チッ、ヴァーリ達は更に移動したか……」

 

「あの、ごめんなさい……」

 

「今更謝られても遅いんだよ。

大人しく帰ってりゃあ良かったものを……ほら食えよ?」

 

 

 フンと鼻を鳴らしながら、串サイズに加工した木の棒に刺さった肉を渡すイッセー

 

 

「ありがと――うっ!?」

 

 

 それを受け取ろうとする雫だが、少し動いただけでも全身に激痛が走り、苦悶の表情を浮かべている。

 

 

「て、手が……」

 

「そりゃああんな立て続けに壁を越えまくりゃあ、基礎の身体が出来上がってもないんだからそうなるわな……。ま、自業自得だ」

 

 

 そんな雫に同情したようすは無く、ムシャムシャと自分の分を食べるイッセー。

 その食べる姿を見せられたせいなのと、限界突破し続けた反動で空腹だった雫は、痛む全身に鞭を打って自分も食べようと手を伸ばすが痛すぎて断念してしまう。

 

 

「ぐ……」

 

「うーん……味は普通だな。じゃあ次は鶏肉の方を――ん、これも普通」

 

「……」

 

「はぁ、こんな時携帯がありゃあリアスちゃんの動画見てほんわかできるっつーのに、あの兎め……」

 

「ねぇ……」

 

「あ、なんだよ?」

 

「…………食べさせて貰っても良いかしら? 腕も手も動かせなくて……」

 

 

 空腹には耐えられず、リアスがどうたらとブツブツ言っているイッセーに思いきって頼んでみる雫。

 

「…………………………」

 

(す、凄い嫌そう)

 

 

 その瞬間、イッセーの顔がこれでもかと―――例えるなら若き日の某白い髭の大海賊団の船長さんがする『嫌そうな顔』だった。

 

 

「手足使えないなら犬みたいに食えよ?」

 

「……………。アナタ、女子にそんな事をさせる趣味でもあるの?」

 

「ねーよ! あーもう! 口開けろ馬鹿!」

 

 

 しかし結局は折れたイッセーが嫌々親鳥のように雫に食べさせてあげた。

 

 

「クソ、これがリアスちゃんなら喜んでやってるっつーのに、なんでこんなどうでも良いような女なんぞに……」

 

「そんなに好きなの? そのリアスさんが……」

 

「当たり前だ。あの子――まあ俺よりひとつ年上だけど、あの子の為なら死んでも良いぜ」

 

「そう……」

 

 

 一度だけ携帯の写真を見せて貰った事がある雫は、リアスがどんな姿をしているのかを一応は知っている。

 なので、自分の命すら彼女の為なら捨てられると言い切り、また短い間ながらも彼なら本当にそのつもりだと感じ取れた雫は、きっと香織とハジメもお互いにそう思っているのだろうと思うと、少し寂しい気持ちだった。

 

 

「ねぇ、リアスさんってどんな人なの?」

 

「ふっ、聞きたいのか?

そりゃあそうだよな? リアスちゃんの前ではキミ程度の女なんて畑に突っ立ってるカカシも同然だからな」

 

「か、カカシ……」

 

「まずリアスちゃんは――」

 

 

 

 こうして一夜を過ごす事になった雫は、カカシ呼ばわりされた事にイラッとしたものの、 自分が寝ている間も一切寝る事無く周囲を警戒していたイッセーに感謝するのであった。

 

 

 そして出発の時間。

 一夜では回復できなかった雫はまだ動けなかった。

 

 

「キミを仲間達のもとへと送り届けてからここに戻るのも面倒だし、仕方ないからお望み通りハジメと香織さんに会わせてやるよ」

 

「え、良いの……?」

 

「ここまで意地を張られちゃあな……。

ただし、会った後は何がなんでもハイリヒだったかに戻すぞ。

……じゃねぇと俺のせいでキミが死んだとかってなりそうだし、誘拐犯扱いされたらたまんねーぜ」

 

「光輝と龍太郎が変な事を言わなければ良いけど……」

 

「別に犯罪者扱いされたところで痛くも痒くもねーけど、しょうもないゴタゴタは避けて然るべきだぜ」

 

 

 そう言いながら動けない雫を背負い、雫の負担にならない程度に走り始める。

 

 

「えーっと、ヴァーリ達はもっと奥か。

確かあの兎が故郷を救えとかほざいていたが……」

 

「………」

 

 

 振動すら極限まで押さえ込まれた移動に雫はイッセーなりに気を使っているのだろうと察する。

 

 

「よし、段々近づいてきてる」

 

「わかるの?」

 

「まあね、というかキミもある程度できるんだから、集中してみろよ? 方角は俺達が歩いている方向だ」

 

「やってみるわ」

 

 

 頻繁に気配を察したような物言いをするイッセーに質問をしてみれば、雫だって今なら少しはできる筈だと言われ、迷宮に居た時の事を思い出して意識を集中する。

 

 

「…………アナタと同等の強い気配がひとつ。

それと3人程強い気配も感じるわ。もうひとつ感じるけど、あまり強くはないわ」

 

「な、できるだろ?」

 

「ええ、自分でも驚いたわ」

 

 

 なんだかどんどん人を辞めている気がするが、そうでもしないと生き残れないと割りきる雫は、せっせと走るイッセーに話しかける。

 

 

「変な事を聞くようで悪いけど……重くない?」

 

「は? 別に。ただ、リアスちゃんじゃねーよと思うと残念な気分にしかならねぇや」

 

「それは悪かったわね……」

 

「まあただ言えることは、キミはリアスちゃんよりはちょっと軽いよ」

 

「え……」

 

「理由は多分………あ、ごめん、なんでもない」

 

「何よ、気になるじゃない?」

 

「だって言えばキレるだろうし……」

 

「怒らないわよ、ここまでお世話になっている相手なのよ?」

 

「じゃあ言うけど、軽い理由は間違いなくリアスちゃんより胸が無いからその分軽い―――いだ!?」

 

「……………」

 

「ちょっ!? やめろ! 怒らないって言ったじゃねーか!?」

 

「そんな理由で軽いなんて言われても嬉しくないのよ!」

 

「だから言いたくないって言ったのに! 聞いたのはお前だろうが! 頭突きをやめろ!!」

 

 

 こうして八重樫雫は、イッセーと喧嘩をしながらハジメや香織達と無事に合流することになるのだった。

 

 

「雫!? ど、どうしてイッセーさんと……!? それになんでおんぶ……?」

 

「ちょっと色々とあってね……それより元気そうで安心したわ、南雲君も……」

 

「う、うん……どうして八重樫さんの額が赤くなってるのかが気になるんだけど……」

 

「…………デリカシーの欠片も彼に無いのがいけないのよ」

 

「「え?」」

 

 

 

 

「結局は何にもなかったよ。

代わりに変な遺体とその遺体が持っていた石ころと、クソムカつく事実くらいだ」

 

「事実……?」

 

「後で話す。

んで? そっちはどうなんだよ? びくびくとお前とアリスの背中に隠れてる兎の望みってのは?」

 

「う……」

 

 

終了

 

 

 

 

 

 

南雲ハジメ 男 16歳 

 

 天職・錬成師

 

筋力・680

 

体力・620

 

耐性・320

 

敏捷・700

 

魔力・220 

 

魔耐・430

 

 

技能【錬成】【言語理解】【生成】【不明】 【進化】

 

 

 

 白崎香織 女 16歳

 

 天職・治癒師

 

 

筋力・560

 

体力・750

 

耐性・880

 

敏捷・510

 

魔力・900

 

魔耐・830

 

 

技能【再生】【言語理解】【一途】【不明】【進化】

 

 

 

「こ、これが今の二人のステータス……なの?」

 

「まともに暫く見ていなかったけど、こうなっていたのね」

 

「でもまだまだだよ。それに八重樫さんのステータスも更新されているし」

 

「正直自分でも驚いているわ……。身に覚えがあるだけにね」

 

 

 

八重樫雫 女 16歳

 

 天職・剣士

 

筋力・480

 

体力・150

 

耐性・130

 

敏捷・960

 

魔力・80 

 

魔耐・140

 

 

技能【神速】【言語理解】【閃光】【不明】【限界突破】【永続】

 

 

 

「………これでもアナタ達の足元にも及ばないし、彼、イッセーのプレートを見て引いたわ」

 

 

 兵藤一誠 男 18歳

 

天職・赤龍帝

 

筋力・オジゾウバッヂ

 

体力・けつばん

 

耐性・ブロリー

 

敏捷・ィ゛ゃゾ┘A

 

魔力・アネ゛デパミ゛

 

魔耐・ベアビヲ9

 

 

 

技能【神滅】【神殺】【神殴】【耐転生】【消滅】【永続進化】【言語無視】【全適応】【全武装】【執念】【耐神】【無神臓】

 

 

「基本ステータスの数値がめちゃくちゃだし……」

 

「ヴァーリ君のプレートもそうなのよねぇ」

 

「これなら誰が見ても訳がわからなくて助かるって言ってたよ、本人達は」

 

「色々とめちゃくちゃな理由がわかったわ」

 

 

 兎関連のゴタゴタに香織のお陰で復帰した雫が参加したり……。

 

 

「なにをしてるのよ!?」

 

「え、だって寒い時はこうしてくっついて寝るのが良いってイッセーさんが……」

 

「慣れると癖になるんだよね」

 

「私はヴァーリとするけど、これがよく眠れる」

 

「なんてことを教えるのよ!?」

 

「俺がリアスちゃんとよくやる快眠方法だ。

なにがいけないんだ?」

 

「な、なにがって……年頃の男女がこんな事して……!」

 

「別に良いだろ合意なんだし」

 

「うっ……じゃ、じゃあこの四人がこうしてるということは、私とシアさんは」

 

「わ、私は大丈夫ですよ!? ヴァーリさんにお願いしますので!」

 

「じゃ、じゃあ消去法で私がアナタとああして……?」

 

「は? 合意って言ったよな? 頼まれてもキミだのそこの兎なんぞとああして寝たくねーよ。

俺はリアスちゃんとしかああしない!」

 

「……」

 

 

 チームの睡眠方法が特殊であわあわさせられたり。

 

 

「うう、アリスさんに追い出されてしまいましたぁ……」

 

「……。てかキミもさっさと寝ろや?」

 

(む、無視された……)

 

「よ、横であんなイチャイチャされてるのを聞きながら眠れる訳ないでしょう!? アナタが変な事を教えたばかりに!」

 

「うるせーな、だったら帰れよ。

つか、クラスメートの中に彼氏とかいねーのかよ?」

 

「居ないわよ!」

 

 

 眠れなくなったりと、新参者には色々と辛いものがあったという。

 ちなみにヴァーリは半ば無理矢理アリスにさせられている模様。

 

 

「シズクさんはまだ良いじゃないですか……。

私なんか、あの人が合流してからというものの、目も合わせてくれませんし、近寄るだけで嫌そうな顔をされるし……。

私が悪いのですけど……」

 

「リアスさんのデータを壊された事なら、自分の不注意もあるって言っていたから、多分それが理由ではないと思うわ。

…………本能的に拒否反応が出ると言ってはいたけど」

 

「も、もっと酷い!?」

 

 

 そして兎さんは露骨に距離を置かれていたのであった。

 

 

終わり




補足

異常な速度で成長する香織さんとハジメ君が羨ましく、そしてその鍵が彼にあると見抜いていたから妙にしつこかった模様。

それと、意外なまでに面倒見のいい人だったのもあって、つい追い掛けて意地になったら限界突破してしまった模様。

 結果そのまま一旦(ここ重要)連れていく事になり、おんぶして貰ったけど、余計な一言言われて頭突き魔になった。



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