そして関係ないし、ふざけてるよ
そもそもこれがもし……。
ベリーハード仕様の場合。
自由の為の、所謂最終決戦に辛くも勝利したチームD×Gだが、その内のメンバー二人が行方不明となった。
その名は一誠とヴァーリ。
二天龍の宿命を越え、そしてある意味終わらせた若き青年。
そんな二人の青年は、不可思議極まりない世界に飛ばされてしまった。
そして帰還する為に傷ついた身体を癒す事になるのだが……。
「なあヴァーリ、俺達ってこんな事してる場合なのか?」
「それは俺も思うが、現状全く方法が見つからないのだし、仕方ないだろう……」
傷こそ殆ど癒えたものの、どうやって帰還すれば良いのかが一切わからず、足踏みをしている状態であった。
本来ならばその身に宿す二天龍の宿命により殺し合う定めである二人の少年は、ネジ曲がった世界に対して『自由』を勝ち取る為に肩を並べ、共に戦い抜いた親友同士となった。
なのでお互いがお互いに抱く気持ちはネガティブなものではない。
たまに全力の『喧嘩』をしたりはするが、二人は親友だった。
そんな二人が揃って困った事になっているこの現状。
現代利器に囲まれた世界で生きた二人にとってすれば微妙に不便な世界。
「あー、リアスちゃんのご飯が食いたいぞー!」
「言うなよ、それを言われたら俺だって食いたくなるだろ……」
「でもよー……」
「とにかく、元の世界に戻る方法を探すしか今の俺たちにはできないのだからな」
「せっかく自由になれたのに、こりゃ無いぜって気分だぜ……」
何より、あの終わった世界の中で共に抗った大切な者達と離れ離れになっているのが寂しい。
イッセーとヴァーリのオマケな冒険はまだ始まったばかりだ。
遠い場所、どこかの世界に迷い込んだ最後の白龍皇と赤龍帝。
それは偶然なのか、はたまた誰かの意思によるものなのか。
それはわからないが、本人達の目的はただひとつ。
何がなんでも自分達の世界へ――そして肉親よりも深く繋がることが出来た者達のもとへの帰還。
「おいヴァーリ、変な部屋があったから中を確認してみたら、女の子が壁に埋まってたぞ」
「なんだと? ……本当だ、というか妙な獣しかいないと思っていただけに、ちょっと新鮮な気分だな」
「ああ、それにしてもいったいここはどこなんだ?」
「やけに狂暴な生物が居る場所だというのはわかったが……」
「もういい加減獣焼いて食うだけの味気ない生活は嫌だぜ。
ガブリエルさんとリアスちゃんの作ったご飯が食べたくて仕方ない……」
「あ、あの……た、助けて?」
謎の地下世界にてサバイバルをしながら元の時代へと帰る為にさ迷い続ける二人の少年が出会う初めての普通に話せる存在。
「特殊な防壁が仕掛けられているのか」
「? そうなのか?」
「ああ、そのお陰でこの壁に埋まっている子供は自力で抜け出せなくなっているようだ」
「マジかよ? 大変だなキミも……」
「で、でもあなた達ならこれを外せる! だから――」
「落ち着け。誰も外さないとは言ってはいないだろう? 俺達もここが何なのかわからないし、やっとまともに会話ができそうな相手を見つけたのだ。
ちゃんと外すさ」
情報を仕入れたいので、取り敢えず壁に埋まっていた少女を助ける事に。
しかし困ったことに、壁から外れた少女は全裸だった。
「み、見ないで……」
「え? ああすまん」
「間に合わせだが俺の上着を貸してやろう。
それよりここが何なのかを知りたいのだが……」
「……」
しかし片方はリアス馬鹿で、片方は戦闘マニアだったので少女の反応に対して平気な顔で謝るだけだった。
「つまり、キミの見解だとここはやはり俺達の世界とは違う世界だと?」
「話を聞く限りだと……」
「マジかよ……? こりゃあ大変だぜ」
「でも私からしたらアナタ達の方が変……」
悪い意味で予想が当たってしまう事に気が滅入る二人。
「それで? これからどうするんだ? キミは吸血鬼らしいが……」
「わたしは……」
「かなりの時間閉じ込められてきたっぽいんだから、その質問は酷だぜヴァーリ?」
色々と仕入れた情報をもとに、これからの目標を立てていく中、助けた吸血鬼の少女の今後をどうするかの話になり、少女は言葉を詰まらせてしまう。
「その、迷惑でなければ私も手伝わせて欲しい……」
「それはありがたいが、俺達の手伝いなんてしても何のメリットもないぞ?」
「それでも良い、ここから助けてくれたのはアナタ達だから……そのお返しがしたい」
「うーむ、健気な子だなぁ……」
結果、協力者となってくれた吸血鬼の少女だが、名前が無いと言われてしまった。
「あの頃の名前は使いたくないから……」
「なるほどな……どうするよヴァーリ?」
「キミやお前呼ばわりし続けるのもなんだしな……。
暫定的に呼ぶ名前を考えるしかないだろう」
名前が無いと不便なので名前を考えてあげることになった結果。
「吸血鬼――DIOでディオってのはどうだ?」
「ヴァーリお前……。
それは安心院さんから読ませて貰った漫画の敵キャラじゃねーか。
しかもDIOって確かに吸血鬼だけどバリバリのマッチョガイだろうが……」
「流石に男の人の名前は……」
「じゃあ……ギャスパーはどうだ? かつてのリアスの眷属だっただろう? 見た目は一応女に近いし」
「一応ってどういうこと……?」
「嫌だよ。俺が呼び辛いわ」
「それならエヴァンジェリンとか?」
「長い」
「意外と我儘な奴等め……。ではリアスの名を並べかえてアリスでどうだ?」
「アリス……?」
「まあ、それならそれっぽい名前だな」
リアスの名前を並び替えたアリスとなった。
「………。なんだろう、もう少し待てば違う人に違う名前を付けられていた気がする」
アリスとなった吸血鬼の少女はそう呟いた。
だが、その予感はある意味で当たっていた。
「じゃあこれからよろしくなアリス?」
「うん、ところでリアスって誰?」
「元の世界における俺達の仲間の一人で、イッセーの嫁のようなものだ」
「え、イッセーって結婚してるの…?」
「いや正式にはしてない。
けど、へへへ、俺の大好きな子なのは間違いねーぜ?」
本当ならば彼女はこの場に墜ちて再起の覚悟をした少年によってユエと名付けられる筈だったのだから。
自由を勝ち取りし龍帝皇・イッセー&ヴァーリ
『チームD×G』カテゴリの気力+4,HP,ATK,DEF220%up
または『赤き龍帝の系譜』『白き龍皇の系譜』カテゴリの気力+4,HP,ATK,DEF170%up
パッシブスキル
『ブースト&ディバイン』
自身のATK,DEF200%UP,必ず3回攻撃を行い、二回目は必殺技に変化。
攻撃をするごとに気力+1(最大7)、ATK20%UP(最大100%)し、攻撃を受けるごとにDEF20%UP(最大100%)
必殺技『Wドラゴンラッシュ』
DEFが上昇し、敵に極大ダメージを与える。
超必殺技『Wフルパワーラッシュ』
ATKが大幅上昇し、敵に超極大ダメージを与える。
アクティブスキル『融合』
6ターン後HPが60%以下になったら発動可能。
もしくは、味方にチームD×Gカテゴリが居れば発動可能。
効果・『融合する』
再臨せし赤と白の融合戦士・龍帝皇
パッシブスキル『無神臓の超戦者』
全属性効果抜群で攻撃。
自身の気力+3,ATK,DEF250%UP
必殺技発動時に気力+5
攻撃をするごとにATK5%UP(無限)し、攻撃を受けるごとにDEF5%UP(無限)。
ダメージを30%カットし、必殺技を見極め、超高確率で反撃する。
必ず3回攻撃を行い、二度目は必殺技に変化する。
気力24で攻撃した場合必ず会心が発動し、1ターン自身のチームも会心が必ず発動する。
必殺技『We gotta power!』
1ターンATK,DEFが上昇し、敵に超極大ダメージを与える
超必殺技『スターダスト・ソウルストライク』
1ターンATK,DEFが大幅上昇し、敵に超絶極大ダメージを与える。
アクティブスキル『ファイナル・ビッグバンドラゴン波』
ATKが超大幅上昇し、敵に超究極ダメージを与える。
「取り敢えず上を目指せば外に出られるようだから、先ずは外に出てみよう」
「もういい加減まともな飯と風呂に入りたいもんな」
(この二人、ありえないくらい強い……)
こうして協力者の情報をもとに外へと出ることにした二人。
内心アリス(ユエ)が、二人の異常なまでのパワーなた対し、自分が果たして役に立つのかと微妙に不安になっていたりする中、外へ目指して上へと行くと……。
「マジかよ……! 普通に人が居るじゃん!」
「となると、俺達が居た場所は結構危険な場所だったんだな」
「でも多分あの人達……危険な事になってる」
デカい獣(二人が何度か狩って食っていた獣に似てる)に襲われている団体を発見したり。
「仕方ないな、もう少し情報も欲しいし、助太刀するしかない」
「おうよ。
という訳で行くぜアリス?」
「うん……!」
情報が欲しいので助太刀したり。
「な、なんだお前達は!?」
「通りすがりの者」
「大変そうだったからちょっと助太刀してみたんだぜ」
「……」
突然現れた少年二人と少女一人に驚く人達だったり。
「な、南雲くんが落ちちゃったの! 南雲くんが!」
「落ち着け香織!」
「離してよ! 南雲くんを助けに行くの!!」
その内が奈落の底に墜ちてしまって大騒ぎになったり。
「香織ィィィッ!!」
その挙げ句にパニックに陥った少女が自分から穴の底に飛び降りて助けに行ってしまったり。
「チッ、仕方ない戻るぞ」
「流石にあの場所まで落ちたら無事じゃないだろうしな」
「うん」
「ちょ、ちょっと待て! キミ達は――」
騒然とする中、三人はまた戻る事になったり。
「居たぞ!」
「やっぱりここまで落ちてたか!」
そして発見し、狂暴な生物に襲われかけていた少女と満身創痍状態だった少年を獣からお助けしたり。
「あ、アナタ達は……?」
「さっき上でアンタがそこの彼を助けるつもりで落ちた所を見ていてね」
「だから戻ってきたんだけど、そこの彼片腕が……」
「わ、私を守るために腕を……! お願い! 南雲くんを助けて……!」
「わかった。でも早く止血しないと危ない……」
自分の為に落ちてきたクラスメートの為に男になっていた少年の治療をしてあげたり。
「こ、ここは……?」
「な、南雲くん! よかった……よかったよぉ……!」
「し、白崎さん……? よ、よかった、白崎さんは無事なんだね?」
「この人達が助けてくれたの……! うぅ……!」
気がついた少年に涙する少女を見ていたり。
「あの、キミ達が助けてくれたって……」
「そこの子を助けたのはキミだけどな」
「それより、上で話を少しだけ聞いたのだが、キミ達はこの世界の人間ではないのか?」
「え……あ、まさかキミ達も……召喚されたの?」
「召喚……?」
助けた二人が自分達と同じく異世界から来た者で
自分達とは違って呼び出された事を知る。
「俺達の場合は召喚とやらではない」
「そ、そうなの?」
「まあ、ちょっと色々あってね。
最近までアリスに色々とこの世界について教えて貰ってた訳で……」
「そうなんだ……」
「ヴァーリ、イッセー、ご飯ができた」
「という訳でとにかく先ずは腹を満たそう。
キミのその腕こそ止血はしたが……」
「あ、うん……」
こうして再び原始的な飯に戻ってしまったのだが、片腕を失った少年は食べるのに苦労していそうだった。
「あ……」
「大丈夫南雲くん? 食べにくそうだけど……」
「う、うん。でも慣れないと……」
そんな彼を横で見ていた少女は、食べにくそうな少年に対して自分が食べさせると言い出した。
「はい、口開けて?」
「だ、大丈夫だよ白崎さん! は、恥ずかしいし……」
「でもその腕は私のせいで失った……だから私がアナタの腕になるわ……!」
「若いねぇ……」
「年もそう変わらないし、お前とリアスも大概だろ……」
「え、そうか?」
「……」
そんな二人を見てイッセーは微笑ましいものでも見るような顔になり、ヴァーリはそんなイッセーに突っ込み、アリス(ユエ)は自分の持っている食事とヴァーリをチラチラと見比べていた。
「ヴァーリ、はい」
「は?」
「あの二人みたいにしてみたいから……」
「いや、俺は普通に食える――んがっ!?」
「良いからっ……!」
「お、おお……謎にヴァーリが圧されてるぞ」
結果行動し、ヴァーリは喉に詰まらせてしまうのだった。
「……。妙な疎外感を感じるのは気のせいなのか?」
『帰ったら思う存分リアスとすれば良いだろ』
そんな訳で元はただの学生らしい少年と少女をお助けした二天龍だが、詳しく話を聞いてみると、どうやら少年の方はクラスでかなり疎んじられいたらしい。
「どうせ誰も僕の事なんて誰も心配していないよ。
多分死んでいた所で鼻で笑われて終わりさ……」
「そ、そんな事ないよ! 私は――」
「……。白崎さん……」
「となると、単にキミ達を送り届けても良い結果にはならんというわけだな」
「まったく……どこの世界でも同じ事はあるもんだぜ」
「でもどうするの? このままここに居ても変わらないし、ここは危険」
「………。僕は元の世界に戻りたい。この世界がどうなろうが関係ない。
そう思っている」
あくまでも元の世界に戻る事を目的としている点が共通していた。
だから二人は、片腕を失った少年を可能な限り鍛えてあげる事にした。
「言っておくがこの世界で教えられてきた事はすべて捨てて貰う」
「多分根本的に違うからな」
「わ、わかった……!」
「大丈夫かな南雲くん……」
「アナタは自分の心配をすべき」
「わ、わかってるけど……」
その裏でアリス(ユエ)の特訓をさせられる白崎香織だったり。
こうして最後の龍帝皇によりビシバシと鍛え込まれた南雲ハジメ少年は、片腕の戦士として再起をすることに。
そして白崎香織もまたそんな片腕の戦士を支える者へと進化していく。
そして再起を果たして地上へと帰還した時……。
「香織!! 生きていたか!」
「よかった……! 本当に無事でよかった……!」
クラスメート達は香織の帰還に喜ぶが、案の定片腕が無いハジメはスルーしていた。
「……。まあ、わかっていたけどね」
しかし今更特に思うこともなかったので然り気無く居るヴァーリ、イッセー、アリス(ユエ)と談笑していると、ヤンキー崩れのクラスメートがハジメに絡んできた。
しかし関わる気もなかったのでスルーしてやっていると、クラスのカースト上位陣がハジメ―――と、談笑している少年二人と少女に絡む。
「キミ達はたしか、あの時の……。
キミ達が香織を助けてくれ、ここに送ってくれたんだな?」
「カオリだけではなくハジメもだ」
「わざとだとしたら割りと笑えねーぞ?」
「あ、い、いやそんなつもりは……えと、南雲もよく無事で……」
「………」
総スルーか悪意のある絡みしかない事にイラッとする二人。
だが、クラスメート達にとって何よりもショックだったのは、この行方不明の間に香織とハジメの仲が良く――いや、良すぎてしまっている事だった。
「取り敢えず出てくるまでに手に入れた物を売り捌いて金にして、宿を取ろう」
「や、やっとまともな生活ができるぞー! ……リアスちゃんが居たらもっと最高なんだけど」
「カオリとハジメはどうする?」
「僕は三人についていくつもりだけど、香織ちゃんは……?」
「ハジメくんが行くところならどこへでも付いていくわ」
『…………』
ナチュラルに名前で呼びあっているし。
「ま、待て待て! どこに行く気だ香織!?」
「? 宿だけど……? ハジメくんが宿にするって言うし」
そう言いながら自然とハジメに寄り添っていく香織だったりと……。
教える側が戦闘マニアとリアス馬鹿なせいで二人の仲が一気に完成形になってしまったのだ。
特に、リアス馬鹿であるイッセーが過去にリアスとやった様々な事を教えてしまったせいで、ハジメと香織の二人はほぼ同じような事をするように……。
「き、キミ達! 二人になにをした!?」
「何を? 生き残る為の技術とかを教えただけだ」
「それだけではないだろう!?」
「寝る時はひとつの毛布にくるまって、寒かったら抱き合って寝るとか……くらいか?」
『』
「き、キミのせいだな!? 香織に変な事を……!」
「変な事とは心外だな。
そもそもあの子はハジメを好いてたからこそ、あんな無茶をしてまで助けようとしたんだぜ? それに互いに好きなら文句を言われる筋合いもねーしよ?」
「ああ、お前らがそこまで言うには何かあるのだろうが、少なくともあの二人は互いにそういう感情がある」
「違う二人とも。
この連中は単にハジメに嫉妬しているだけ」
「ガブリエルさんやリアスさんの様な女にならないと。
ちゃんとハジメくんを支えられるように……」
「無理はしないでね? 僕はキミが居てくれればそれで良いし、キミを守れる男に絶対になるから……」
「ハジメくん……」
「香織ちゃん……」
「あ、また始まった。
本当にお前とリアスだなあの二人は……」
「えー? あそこまで露骨じゃないだろ?」
「多分一緒だと思う……」
彼らの冒険はこうして続いていく。
終了
補足
ベリーハード仕様な為、人当たりは普通に良いし、リアス馬鹿なのでとことん揺れません。
ヴァーリも天然入ってますけど三馬鹿程アホの子じゃありません。
……コカビー師匠の影響は大に受け継いでますけど(女性絡み)
その2
ユエさんの名前が変わりました。
アリスになりました。でも基本変わりません。
強いて言うなら、先んじて二人に助けられてるので二人に懐いてしまっています。(年上だけど)
その3
ハジメくんが穴に落下した時、覚悟入ってた香織さんも落下しました。
そして三人と出会い、戦闘マニアとリアス馬鹿と吸血鬼に色々と仕込まれた結果、ああなりました。
特にイチャコラ感がまんまイッセーとリアスのそれになりました。
そしてそれを見てユエ(アリス)さんがヴァーリ相手に真似したがるようにもなりました。
続きません