色々なIF集   作:超人類DX

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ほんのちょっとなにかが違うだけで基本同じ。




似非リメイク
ちょっと違うシリーズ


 

 これは単なる蛇足なもしも話。

 

 

 もし鳥猫さん一誠がベリーハード一誠っぽければ……。

 

 

 

 ゴミのように捨てられた人間である自分を、奇跡のような偶然と気紛れで助けれてくれた事への恩義がある。

 特に、どう生きて良いのかわからずに不貞腐れていた自分にビンタを噛ましたり尻を蹴っ飛ばしてでも前を歩かせてくれた妹分的な彼女の為に。

 

 歳が近い分、お互いに切磋琢磨したことで俺は俺に戻ることが出来た。

 だから俺はあの子に返しきれないこの恩を返す為に。

 

 もっと強くなって、何者からも守れるような男になるために。

 それが俺の生きる意味だ。

 

 

「人間界の学校の女子に告白されたぁ!?」

 

「されたっつーか、なんつーか……」

 

「それでなんて返事したんだよ!?」

 

「普通に断ったけど……」

 

「本当だろうな!? 本当に本当――」

 

「本当だっつーの! よくも知らん相手にそんなん言われた所で寧ろビビって即答で断ったわ!」

 

「それなら良い。

それで、レイヴェルはこの事を知ってるのか?」

 

「一応……」

 

 

 冥界悪魔領土の一部に君臨する貴族、フェニックスの本家。

 そこに悪魔領土という通り、そこにはフェニックスの名を持つ悪魔やそれに仕える悪魔達が存在するのだけど、その中に居る一応まだ人間の少年。

 

 そんな人間の少年はフェニックス家の三男であり、少年にとっては一番歳が近い兄貴分であるライザーと何やらラフな調子で話をしている。

 かいつまんで説明すると、現在一誠とフェニックス家の末っ子であるレイヴェルは人間界の学校に通っているのだけど、その学校にて一誠からしたら初対面にも等しき女子に告白されたらしい。

 

 いきなりの事で一誠はただただ驚いてしまった様で、女性の扱いにある意味で手慣れているライザーに相談しているようだ。

 

 

「レイヴェルも俺達もお前の性格はよくわかっているから、余計な心配はしないが……うーん、これが続くようなら少し考えなきゃいけないな」

 

「なぁライザー。俺が思うに、この件もただの冗談じゃないかと思うんだけど。

普通に考えてもよく知らん相手を好きになれるか?」

 

「この世の中には一目惚れってものがあるんだよ。

お前は良い意味でも悪い意味でもバカ正直に育ってくれたからな」

 

「はぁ……」

 

「どっちにしろお前にそんな気がないのはわかってるよ。

この前もグレモリーの所の眷属に似たような事を言われたんだろ?」

 

「あー……多分? でもよくわかんないからそんな事を言われても困るってちゃんと返したぜ? ……レイヴェルがその子を燃やし殺しちまいそうになってたけど」

 

「同じクラスらしくて初対面の時点で互いに気にくわなかったらしいぜ? とにかくあんまりレイヴェルに心配かけるなよ?」

 

「わかってるよ」

 

 

 色々とあってねじ曲げられていた人生だったが、奇跡的にもバカ正直な性格に育ってくれた一誠に、ライザーは兄貴分としてのアドバイスをし、それに頷いた一誠は部屋を後にする。

 

 

「はぁ……」

 

 

 軽く肩を落とす一誠。

 

 

「確かにレイヴェルに要らない心配かけちゃったよなー……」

 

 

 その理由は、共に人間界の学校に通う妹分であるレイヴェルに要らない心配をかけさせてしまった事への反省らしい。

 

 

「レイヴェルと居る所を邪魔する挙げ句ワケわかんない事言われても困るっつーか迷惑だってのに、他人の考えることはよくわかんねーよ」

 

 

 自分がこの家で生きる事になってから現在までをずっと一緒に切磋琢磨してきた妹分が大切なのは決まりきっているし、もっと言えば彼はレイヴェル以外に対する異性への関心が全くなかった。

 

 わかりやすく言うと、どこかの世界におけるリアスに対する一誠の思考回路に近いものだった。

 故に、突然変な手紙渡されながら『好きでした』みたいな事を言われても普通に迷惑だし、もっといえばレイヴェルとの時間を邪魔されたという敵意的な印象しか持てない。

 

 つまり彼はリアス馬鹿ならぬレイヴェル馬鹿なのだ。

 

 

「ただいまー」

 

 

 故に今回の半端な対応しかできなかった自分をぶっ飛ばしたい気分である一誠は、冥界から人間界への列車に乗って人間界へと戻ると、学校に通う為に借りた部屋に帰宅する。

 

 

「おかえりなさい」

 

 

 裏切るくらいなら死んだ方がマシだとすら常日頃から考えている彼の声に反応してそそくさと出迎えてくれるのは、金髪碧眼の美少女――つまりレイヴェルだった。

 

 

「お兄様達とお話をされに行ってらしたのでしょう? どうでした?」

 

「いや特にこれだって話は聞けなかったよ。

……てか、この件は自分自身でなんとかしなけりゃならんし、当たり前なんだけどね」

 

「そんなゆ深くオーバーに考え込まなくても大丈夫なのに……」

 

「だってあの時お前が傍に居たのに俺は戸惑って碌な事言えなかったしよ……」

 

「本当に突然でしたし、仕方ないですわ。

それに、私はアナタを信じてますから……ふふふ♪」

 

「………ホント良い子だよなレイヴェルって」

 

 

 ひとつ年下の妹分の、全面的に一誠を信頼してます宣言と微笑みに一誠はただただ頭が下がる思いだ。

 

 これでも五年くらい前までは互いの負けず嫌いをぶつけ合って毎日取っ組み合いの喧嘩ばかりしていた関係だったというのに、互いに成長していく内につれて、互いにとってなくてはならない関係になっていた。

 

 

「さ、早く中に入ってくださいな?」

 

「おう」

 

 

 気づいたら喧嘩する相手から互いに必要と感じ合う関係になって……。

 一誠にとっての異性はレイヴェルしか居なかった。

 

 

「アナタがお兄様達とお会いになっている間に、私はあの泥棒雌猫と『お話』していましたの」

 

「へ? 泥棒雌猫って……………あ、あー、グレモリーさんの所のあの子か。そりゃまた何で……?」

 

「勿論、アナタに色目を使い、アナタに拒否された癖にしつこく言い寄ろうとした事についてです」

 

「なんかごめん……」

 

「アナタのせいではありませんし、アナタがあんな小賢しい雌猫なんか釣られる訳がないとは思ってますよ。

物には限度があるということをわからせただけです」

 

 

 という訳で、学園の男子の殆どから妬みを理由にハブられてしまっているのだけど、本人は特に気にしてもない。

 

 

「それにお互い様でしょう? 私が同じような事をもし殿方にされたら――」

 

「うんまあ……間違いなく原型がなくなるまでぐちゃぐちゃにしてるかなぁ」

 

「でしょう? ふふ……だからアナタが決して他の異性に靡かないのはわかっています」

 

 

 以前、レイヴェルに『悪戯』を仕掛けた、とある男子生徒複数人が行方不明になってしまったとか、とある冥界のボンボン悪魔がレイヴェルを口説いた瞬間、そのボンボン悪魔が明日の朝日を拝めなくなってしまったなんてエピソードがある程度には一誠はレイヴェルが大好きだし、レイヴェルも一誠が大好きだ。

 

 

 

「というより、あの雌猫さんはアナタの事を恩人と宣ってましたわ」

 

「はぁ? なんだそりゃ?」

 

「恐らくはアナタと、アナタに顔だけしか似てないどこぞの誰かさんと勘違いしているのではないかなって……」

 

「……………チッ、そういう事か。

もう『消した』とはいえ、随分と余計な真似をしてくれてたようだぜ」

 

 

 忌々しそうな表情で誰かの事を思い浮かべる一誠はレイヴェルを後ろから抱きながらソファに座る。

 

 

「確か姉も居てアナタに助けられたとか……」

 

「もう確定じゃんか。

なるほどねー……そういう事だったか。マジうぜーな」

 

「その当事者が三年前にはこの世から消えているとは思っていないでしょうからね……」

 

「てことは似た話がこれからも何度が来るかもってのかよ? ほぼ間違いなく女から……」

 

「多分」

 

「やっぱ人間界なんて戻るんじゃなかったよ……。

この前だって堕天使の女に身に覚えの無いワケわからん事言われて絡まれたしよー……」

 

 

 そしてただただイチャイチャする。

 それが二人の日常なのである。

 

 

 

 

蛇足2

 

 

 

 

 

 

 

 幼き頃のトラウマはそう簡単に拭えるものではない。

 

 同じ失敗を繰り返さない為にも、青年は比類なき力を求め続ける。

 

 どんな事があっても……何があろうとも。

 

 『イレギュラー』によって道筋を外されたからこそ獲られた繋がりを何よりも大切にする為に……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 数多の世界では憎悪と嫌悪を互いに抱き合い、殺し合う事になっていたのだが、このもしもの世界の彼の場合は少し違う。

 それは、イレギュラーの出現によって本来歩むべき人生から外れた事への皮肉でもなんでもない感謝の念を持っているということ。

 

 そしてイレギュラーに対して感謝はしてもそれ以上に抱くものがなにひとつとて無いということ。

 

 イレギュラーによって肉親との繋がりが切れたのかもしれない。

 その現実から一時は自分がこの世のカスと卑下し、人生を終わらせようとすら考えていた。

 

 けれど、そんな彼を救ったのは、本来よりも10以上前に早く出会う事になったある家族。

 その家族によって命を繋ぎ止められた少年は、その日から失っていた生きる意味を取り戻した。

 

 そして、家族を襲ったある事件によって覚醒を果たした少年は、家族の一人娘であるひとつ年上の少女の為に、『鬼』となる覚悟を持った。

 

 

 表向きはヘラヘラと軽薄そうな、されど内に秘めた覚悟はどこまでも壮絶な……。

 

 

 

 

 

 イレギュラーによって本来の人生から外れた少年は、イレギュラーを恨むことはせず、寧ろある種の感謝の念を抱きつつ、そのイレギュラーの後の人生になんの関心も見せる事なく、とある家族の下ですくすくと成長した結果、その家族と娘を何をしてでも守るという覚悟を抱くに至った。

 

 そして何の因果か、高校生になり一つ年上の娘と同じ学校へと進学した少年は、どういう訳か当時の風紀委員長に目をつけられ、そのまま押しきられる形で風紀委員会へと加入。

 

 そこで先代と先々代の委員長から其々持つ『風紀』について学び、委員長を継承すると、先代達が卒業することで一人となった風紀委員会を切り盛りすることになる。

 

 自分なりに持った『風紀』の名の下に。

 

 

 そして何よりも、彼女を守り続ける為に。

 

 

「浮気って何の事だよ!?」

 

「今日の朝学園の女の子の脚を見てたでしょう!?」

 

「ありゃあただの服装検査だよ! スカートの丈が規定より短くないかって奴!」

 

 

 傷だらけになりながらも力を求め続ける少年の背中を見続けた結果、ちょっと思い込みが強めに成長してしまった少女の為に……。

 

 

 

 

 

 数奇な人生を歩んだ結果、普通に這い戻って持ち直した駒王学園史上初の男子風紀委員長である少年、一誠は恩人であり家族同然に面倒を見てくれた夫婦の一人娘かつ幼馴染みである少女に怒られてしまった。

 

 

「服装チェックだけであんな誤解されるとは思わなかったぜ」

 

 

 比率的に女子の人数が多く、必然的に女子のチェックばかりになってしまうのだけだ、曰く、チェック中の一誠の顔がスケベだったらしい。

 

 無論本人にそんなつもりは皆無だったのだが、そう取られてしまった以上は必死になって誤解だと説明するしかなく、何とか納得して貰ったのだが、やはり自分一人しかいない現状を何とかしないといけないと考える。

 

 

『思い込みが強すぎるだけだろ』

 

 

 そんな一誠一人しかいない筈の風紀委員室に聞こえる渋い男性の声。

 その声の正体は、実は一誠という器の中に宿っているドラゴンのものだったりする。

 一誠の幼い頃からの数奇な人生を文字通り間近で見てきたドラゴンからの声に、一誠はヘラヘラと笑う。

 

 

「そう思われたんなら俺が悪いんだよ。

修行が足りないだけだぜ」

 

『そういう問題か……?』

 

「そういう問題なんだぜ」

 

 

 あくまで自分に不備があると言い切る一誠に、ドラゴン――ドライグは微妙に納得できない声だ。

 

 

『お前がそう思うのなら仕方ないと思う事にするが、あまり甘やかし過ぎるのはよくないと思うぞ』

 

「好きでやってんだから良いの」

 

『……。あと例の小娘はどうする気だ? 最近になってリアス・グレモリーの眷属になったせいで必然的に接触しなければならん機会ができてしまったんだぞ? アイツがリアス・グレモリーの女王だからな』

 

「? 彼女に気になる所でもあるのか?」

 

『無いが……お前は何とも思わんのか? 言ってしまえばお前は奴のせいで――』

 

「そりゃ最初はそう思った事もあったけど、別に今はなんとも思ってないぜ? つーか、寧ろ感謝してるくらいだし」

 

『………』

 

 

 そう言いながら委員会としての書類仕事をのそのそとこなしていく一誠にドライグはそれ以上言うことはなかった。

 一誠自身の人生か変わった原因であるとある存在が居たのは事実だが、恨みやら妬みの感情は既に消え去っている。

 

 その代わり、一誠の中では彼女――一誠の姉なる存在は居ても居なくてもどうでも良いただの人という認識で完全に固まってしまった。

 

 憎悪が失せた結果到達した感情は『完全なる無関心』なのだ。

 

 

「それより今後の服装チェックは生徒会を脅して女子の役員を使わせて貰おう」

 

 

 それよりも守りたい者達の為に生きる事が彼の生きる意味なのだから。

 

 

「そうすりゃ朱乃ねーちゃんも納得だぜ」

 

『…………』

 

 

 

 

 

 学園の二大お姉様の一人……なんていつの間にか呼ばれ始めて久しいけど、姫島朱乃の実態はお姉様キャラとはあまり呼べないものがあった。

 

 その事実を知るのは、自身の主であるリアス。

 かつて少年によって『死という現実をねじ曲げられた事で生存』した母と、疎遠状態の父。

 

 ―――そして何があっても傍にいてくれる少年……一誠だった。

 

 

「………」

 

 

 姫島朱乃にとって幼馴染みである一誠は己の人生そのものであった。

 幼き頃、ボロボロの身形で死にかけていた所を偶々家族でお出掛け中だった時に発見し、保護し、帰りたくないと泣きわめいていた一誠に困っていた時に、 彼が宿す龍の話を聞き、そのまま引き取った。

 

 その後、父の同族に襲われた事で一度は母と共に死んでしまった朱乃は、その時覚醒させてしまった一誠の力によって運命をねじ曲げた。

 

 結果、今を生きている朱乃は、その日から覚悟を宿した一誠の後ろを歩きながら生きた。

 なにがあっても、ボロボロに傷ついても、疎遠となった父の代わりとばかりに自分と母を守ろうと力を求め続ける姿を。

 

 母と自分を守る為なら、己の命を軽視するそんな彼に当初は途方もない罪悪感を抱いたこともあった。

 自分達の為にそこまでしなくても良いと訴えたこともあった。

 

 けれど一誠はそんな訴えに対して笑いながら言うのだ。

 

 

「好きでやってる事だし、もう二度と目の前で好きな人達を失うのが嫌だし怖いんだ」

 

 

 守りたいから、失いたくないから。

 シンプルであり、途方もない強い覚悟を燃やす一誠に朱乃はそれ以上言うこともできなかったし、自分の為だけにしてくれるその姿に惹かれていった。

 

 だから成長していくにつれてほんのちょっぴりだけ嫉妬深くなってしまった朱乃は、先程ついヒステリックに喚いてしまった事を深く反省しながら、怒られてしょんぼりしてしまった犬みたいに風紀委員室へと帰っていた一誠に謝ろうと、彼の下へと向かう。

 

 

「あ、あの……一誠くん……」

 

「朱乃ねーちゃん? どしたん?」

 

 

 委員室を訪ねてみると、一誠は相棒の龍と話をしながら割りと真面目に委員の仕事をしており、先程への罪悪感もあって恐る恐る声をかけてみれば、そんなの全く気にしてませんな様子で朱乃の来訪を歓迎している。

 

 

「そ、そのー……めちゃくちゃな事を言ったって思って、怒ってるかなって……」

 

「? 別に怒ってないぜ?」

 

 

 ただのイチ委員会にしては高そうな黒革ソファーに座ってイジイジとした態度で謝ろうとする朱乃を表側の姫島朱乃しか知らない者達が見れば仰天すること間違いないのだが、生憎一誠にとってみればこの朱乃こそが素だ。

 

 

「最近ちょっとでも一誠くんが他の女の人と話をしてるだけでカッてなっちゃって……」

 

「大丈夫だって! 俺も朱乃ねーちゃんがよくしらん男に話しかけられてるのを見るだけで、そいつをバラバラにしてやりたくなるし!」

 

 

 そんな素のしょぼんとする朱乃に一誠は元気づけようとする。

 言ってる事は中々クレイジーという事にお互い全く気付かずに。

 

 

「一誠くん……!」

 

「へへ、朱乃ねーちゃん……!」

 

 

 結果、互いに割りと嫉妬深いのもあり、仲が拗れるという事も全く無く、ひしっと委員室のど真ん中で抱き合っていた。

 

 多分、現場を見られたら主に一誠が石でも投げつけられるだろうやり取りを。

 

 

「今度からは生徒会脅して、女子の役員にチェックとかやらせるよ。

そうすりゃ安心だろ?」

 

「う、うん……! えへへ……一誠くん……♪」

 

「よしよし……」

 

 

 素の朱乃は基本かなり子供っぽいのだ。

 

 

 

 風紀委員長・一誠(ベリーハードっぽい仕様)

 

 

 

 

 つまり、ベリーハード仕様なのでリアス馬鹿ならぬ朱乃馬鹿である彼は、正味他の異性に何を言われようが冷めた顔だ。

 

 

「あ、あの! 私、天野夕麻です! アナタが好きで今度デート――」

 

「ごめん、俺は君に興味ないわ」

 

「」

 

 

 こんな事になっても切り捨て御免するし。

 

 

「堕天使……ねー?」

 

(な、なんなのこの男? 堕天使って正体を明かした瞬間、寒気が……)

 

 

 朱乃の父以外の堕天使を見ていると脊髄反射的にスイッチが入ったり。

 

 

「ごぇ……が……!?」

 

「おーおーおー、前より美人じゃねーの? なぁ?」

 

 

 入りすぎて残虐ファイト上等だったり。

 

 

 

「気配を辿って来てみたのだけど……この辛うじて人の形を保っているモノは……」

 

「ええ、堕天使名のって俺が神器使いだから殺すとほざいたんで、取り敢えず呼吸するだけの生物にしときました」

 

「あ、あらそう……あ、相変わらず堕天使には容赦ないのね」

 

「そりゃあまあ、朱乃ねーちゃんとバラキエルのおっさん以外の堕天使なんて滅んでしまえと思ってますから」

 

 

 ドン引きされたり。

 

 

「それより凜はアナタの姉って聞いたのだけど……」

 

「あー……まあ、一応姉なのか? 姉だよな?」

 

「え!? あ、う、うん! そ、そうだよ!」

 

「――だ、そうです。

まあ色々あって家出してほぼほぼ勘当されてるんでほぼ他人みたいなものですけどねぇ。

それにねーちゃんと呼ぶなら朱乃ねーちゃんなんで」

 

「」

 

 

 嫌悪ではなく、本当に無関心な態度されて逆にどうしたら良いかわからなくなる転生姉だったり。

 

 

「あ、あのー……聞いても良いかしら?」

 

「なんすか?」

 

「先日、私の婚約を解消するためにはレーティングゲームで勝たなければならないって話をしたじゃない?」

 

「しましたね」

 

「それでその……もし負けたら朱乃にも――って言ったじゃない?」

 

「言いましたね」

 

「………………お、怒ってる?」

 

「別に怒りゃしませんよ? アンタがどこの誰のモノに貫通されようがどうでも良いですし。

まあ? 聞けばアンタのみならずアンタの女性眷属さんにも下手したら手を出してくる可能性があったっぽいですし? 別に朱乃ねーちゃん以外がなにされようがマジでどうでも良いんですけど……アンタの眷属になってる以上はねぇ?」

 

「…」

 

「でもよかったじゃないですか? 大事故勃発で婚約

話が消えたんでしょ?」

 

 

 軽い脅しのつもりが、マジになられた挙げ句、とある悪魔貴族が謎の事故で全治80年の大怪我を負ったと知り、それが目の前で朱乃に膝枕をされている風紀委員長ではないかとビクビクになるリアスさんだったり。

 

 

「あのさ、ここはアンタらの部室じゃないんだよね。

朱乃ねーちゃんは良いけど、アンタ等にホイホイ入って

良いなんて言ってねーよ」

 

「今旧校舎が補強工事中なもので……」

 

「む、このソファー高級品じゃないですか。それにお菓子もお高そうな……」

 

「! テメーこの白髪野良猫が! 勝手に食ってんじゃねーぞ!!」

 

「良いじゃないですか、風紀委員会だけこんなにお高いお菓子が備蓄されているなんて不公平です」

 

「凜さんはお茶飲むかい?」

 

「あ、いや……い、イッセーに迷惑だし……」

 

 

 本筋と違って毛嫌いし合う事はなかったが、厚かましさだけがパワーアップされてしまったり。

 

 

「…………」

 

「なに赤くなってんすか?」

 

「だ、だって! あ、朱乃があんな声出してるし……と、隣でそんな大人なことされたら眠れないわよ!」

 

「……? アンタ、遊んでそうなイメージあったけど、意外と初なんすね」

 

「リアスは未経験よ?」

 

「ぎゃ、逆に朱乃だけ大人になりすぎよ!」

 

「そうでしょうか……? そもそも初めては確か中学生になったばかりの時でしたし」

 

「はぁ!? き、聞いてないけど!?」

 

「だってわざわざ言うことじゃないというか……流石に二人で森で遊んでいたら、大人向けの本が捨ててあって、それを二人して読んでたらそんな事になってしまって――なんて言えないですわ」

 

「……子供だったなぁ、あの時の俺たち……」

 

「」

 

 

 右腕が自分より普通に大人になっててショックだったり。

 

 

「」

「」

 

「部長と凜先輩が部屋の隅で体育座りしてますけど……」

 

「知らぬ間に友達に先越されてたのがショックだったらしいぜ? よくわかんねーけど」

 

 

 そんな事があっても彼は揺れないのだった。

 

 

 

終わり




補足

ベリーハード仕様の一誠だったら、まず浮気しない。

その他異性に興味ゼロ。

その子になんかあったらスイッチオン。


そんな所でしょうか。


その2
……思うに、風紀委員シリーズのIFだと基本破局しちゃった設定しかないし、たまにゃゴールしてしまったら設定でなんかやろうかな……

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