色々なIF集   作:超人類DX

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本能的に生きてる三馬鹿。

自由に生きる三馬鹿。

しかし何時までも子供のままではいられずに……。


やっちまった三馬鹿

 物凄く簡略化した表現をするとするなら、早い話が独立戦争となってしまった今日この頃。

 後に孫策の江東平定等と呼ばれるこの戦いは、史実とはかなり違って、軽い痴情の縺れが理由となったのはご愛敬。

 

 とはいえ、そのほぼほぼ元凶となっている三馬鹿の一人こと一誠は、自分が殆どの元凶になっている事にかなり納得ができない様子。

 

 だが、孫策達がヤル気満々になってしまっている以上は、お世話になっているのもあるので手伝うつもりではあるし、戦いに関して油断する気も無い。

 

 ましてや現状全盛期の10%程度の出力と体力となっているのだ。

 下手をすれば死にかねないと、この期に及んでまだ元の世界に帰る気でいる一誠は少しでも全盛期を取り戻そうとそこそこ真剣だ。

 

 ヴァーリと神牙がそれぞれクーデターの準備を手伝っている間も、一誠は体力作りに専念するのだ。

 

 

「くくっ、ふふふ……フッハハハハハ!! どうした!? 来ないのか腰抜けがァ!」

 

「……………」

 

「怖がってるって? この俺がお前等みたいな女をか? 笑わせるな! 何故ふざけるのかって? 戦いまで待ってられねぇんだよ、今すぐにでもぶっ殺してぇ!!」

 

「…………………」

 

「ヴァーリの馬鹿のせいで、戦いが始まるとよぉ血が滾っちまうんだよ! 公然と相手を殴り殺しても良いんだぜ!? 興奮して勃っちまうもんが収まらねぇんだよ! だから人妻系の女を抱きたくなる! 固いままじゃ眠れねぇんだ!!」

 

「………………………………」

 

「大体貧弱な色気無しお子様共が俺に勝てるわけねーだろ? どう足掻いたって無理だっつーの!

それでも俺に勝ちてぇのか! ア゛ー!? ならばこの地の人妻か俺より年上の女を差し出せや! 俺の遺伝子をくれてやる! この地に俺の種を撒いてやるよ! 20年後は最強兵士だらけだぜ嬉しいだろ!? カーカッカッカッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな朝から一誠は蓮華達に向かって何を叫んでるのよ?」

 

「やることなすこと裏目に出すぎた結果、迷走したらしい」

 

「裏目というと、嫌われようとしているという例の話のことか?」

 

「そうだ。

……見ての通り、アイツは基本的なああだからな。

悪役になろうとしてもボロがすぐ出てしまうし、ある意味で純粋な奴だ……」

 

「だからって何であんな口汚く罵るような事を……?」

 

「大方、女好きの面を全面的に向けて嫌われてやろうとヤケクソになっているのだろうな……アホだから」

 

「そして見ての通り、突然過ぎてポカンとされているだけというね」

 

 

 往生際の悪い行動も忘れずに……。

 

 

 

 

 

 

 

 この期に及んでまだ逃げようとする阿呆――つまり一誠が急に私達に向かってアホ丸出しな事を宣った時はただただ何事かと思ったし、言い終わった後の『ほら、俺はこんな奴だから追放しろよ?』みたいな考えが丸出しな顔をしてたせいで、何を思うこともなかった。

 

 

「いやあの……俺凄い事言ったんだぜ? 追放もんだろこれなら?」

 

「お前を知ったばかりの頃ならそうだっかもしれないが、今更にも程がある」

 

「な、なん……だと……。

女の子に言えば間違いなく嫌われそうな台詞を厳選してみたのに……」

 

「証拠に小蓮様と蓮華様は寧ろ具合でも悪いのかと心配されていただろう?」

 

「ぅ……た、確かに」

 

 

 三人の中で一番に女にだらしない――ように見えて意外とそうでもなく、寧ろそういう面は張りぼてのそれにしかなっていないのが一誠という男であるというのは、この年月の間にわかっていた。

 ふざけた言動や行動をする癖に、人を心からは信用しようとせず、踏み込ませる事を許そうとはしない。

 

 その癖寂しがりやと――簡単言えばかなり面倒な性格なのが一誠という男。

 過去の出来事がそうさせたのは一応知ってはいるし、知った今となれば腹もそんなに立たない。

 何よりコイツが居たから私は更なる強さを手に入れられたのは事実なのだ。

 

 力の使い方を教える時だけは真面目なコイツのお陰でな。

 

 

「蓮華ちゃまとか最初の方なんかしょっちゅう蹴り入れて来たのに、めっきりなくなったし……」

 

「そうだったな」

 

「小蓮ちゃまは―――そんな事なかったけど」

 

「ああ……」

 

「その点思春さんはあんまり変わってないからちょっと安心というか………」

 

「…………」

 

 

 ヴァーリと神牙も其々似たような葛藤を持っている様だが、一誠の場合はそれが一番強い。

 未だに未来という場所に帰る事を諦めず、隙あらば私達が見放すように仕向けてくる。

 

 今ある現実を見ること無く、常に未来とやらの場所における過去ばかりを見ているコイツに不満が無いといえば嘘になるし、私だけではなく蓮華様や小蓮様も同じだ。

 

 

「ドライグの声もまだ聞こえないしなぁ……」

 

「ドライグ……確かその腕に宿っている龍だったか?」

 

「うん。せめてドライグとの意思疏通が復活できりゃあ、禁手化のコントロールも簡単になるんだけど……」

 

「前の戦の時に一瞬だけ見せたあの全身を覆った赤い鎧姿か……」

 

 

 住む世界が違うと言えばそうなのかもしれない。

 三人とも別次元の力を保持しているという意味では交わるべきではなかったのかもしれない。

 しかし結局はこうして交流し、言葉を交わし、共に戦ってきた。

 

 そう……雪蓮様が言っていた通り、今更全てが遅いのだ。

 

 どんな形であれ、私達は三人の在り方を知ってしまったのだ。

 そして私達は特にこの目の前のいい加減男の事を……。

 

「無い物ねだりをしている暇があるのなら、少しでも取り戻そうとする努力を続けるべきだろ」

 

「うーん、正論過ぎて言葉がでねぇや」

 

「という訳でさっさとやるぞ」

 

「オーケー……イザ参る!」

 

 

 だから私達はこの面倒な男の立つ領域へと到達せんとする。

 裏切ることも裏切られることも恐れ、寂しがり屋な面倒な男の立つ場所へ……。

 

 

「フンッ!!」

 

「っと!? へへ……流石に強くなってるね思春さんよ」

 

「当然だ……! 何時までもお前に負け続けてはいられん!」

 

「上等……! なら此方もギアを上げるぜ……!」

 

「! 呂布と戦った時の奴か……。ふっ……そう来なくてはな!!」

 

 

 更に強く。もっと強く。

 

 コイツに借り続けているものを返す為に。

 

 

 

 

 

 

 

 とまぁ、徐々に色々な意味で追い込まれつつある一誠だが、ヴァーリと神牙も同じようなものであった。

 

 

「上手いこと袁術から軍の再編をこぎつける事には成功したが、今のままでは袁術の軍とまともに戦うだけの数が圧倒的に足りない。つまり――」

 

「俺と一誠と神牙を使っての短期決戦か」

 

「ああ、本当はお前達にばかり負担をかけたくはないのだけど……」

 

「そんな事は気にするな。

世話になっている以上、それを返すのが流儀だし、戦うことしか俺達に取り柄は無いしな」

 

 

 内臓系の病を見抜き、無理矢理の治療と免疫保持の為に白龍皇としての血を取り込ませて以降、その天然さもあってかしょっちゅう彼女――周瑜と行動を共にするようになった。

 真名を冥琳と呼ぶ彼女はこの勢力きっての筆頭軍師であり、文字の読み書きができなかったヴァーリに色々と教えたのも彼女であった。

 

 

「それより冥琳。

この場所にこの規模の兵を配置させるのなら、兵糧はこのくらいが良いんじゃないか?」

 

「ん? ……確かに、よしお前の案を採用しよう」

 

 

 結果、殺られる前に殺れを地でいき、攻撃こそ最大の防御思考であった三馬鹿の中で軍師的な成長を見せ始めている模様。

 

 

「最初の頃は雪蓮や亡くなられた炎蓮様以上に『前線出たがり』だったお前も成長したんだな……ふふふ」

 

「いや、今でも前線が好きなんだが―――毎度のことながら何故撫でるんだ一々……?」

 

 

 そんなヴァーリのプチ成長に、冥琳は母性をカンストさせながら撫で撫でとしている。

 

 

「ふふ……これも私と一緒に書を読んできたおかげですねぇ~?」

 

「む……」

 

 

 一誠がやることなすこと全部裏目に出るとするならば、ヴァーリはさしづめやること成すことド天然であるというべきか。

 例えば冥琳に元気が無かった時は、そこら辺の山から花を引っこ抜いて来て渡したり、雑務に追われている時は何を言うでもなくせっせと手伝ったり。

 

 そして一誠や神牙と鍛練をする時は誰よりも子供みたいにはしゃいで……。

 誰にも明かせなかった体調悪化の時も結局誰にも内緒にしてくれたまま完治させてくれたり。

 

 つまり冥琳はそんなヴァーリを結構どころでなく気に入っているのだが、彼を気に入っているのは決して少なくは無いようで……。

 例えば冥琳が柴犬かなにかのように頭に?を浮かべた表情をしていたヴァーリを撫でている最中にやって来た、のんびりとした口調の女性がそうだった。

 

 

「穏……自分の仕事はどうした?」

 

「勿論ちゃんと終わらせましたよ~? だから今からヴァーリさんと書を読もうと……ね?」

 

「だから何でお前まで撫でるんだ……俺は犬じゃないんだぞ」

 

 

 陸遜……真名を穏と呼ばれるこの地域では割りと珍しい白い肌をした女性もまたヴァーリの天然さと波長が一致したクチであり、彼女の出現と同時に然り気無くヴァーリへのボディタッチに冥琳がムッとした顔をする。

 

 恐らく一誠がこの現場を見ていたら、血涙でも流しそうな、実にのほほん(?)としてる光景だ。

 

 

「さ、ヴァーリさん? 今日も私の膝で横になりなが書を読んであげますよ?」

 

「駄目だ、ヴァーリは今から私と読み書きの練習をするんだ。

お前は次の仕事をしろ」

 

「………修行したいんだけど」

 

 

 くいっと穏に引き寄せられて、巨大なメロンに顔を突っ込めば、負けるかと冥琳が引き寄せ返してスイカに顔を突っ込む。

 本人はただただ呼吸しづらいと思うだけで、修行したいとぽつりと洩らすが、二人とも聞いてはいなかった。

 

 多分この光景を一誠が見たら血涙どころか絶望すらするであろう、そんなのほほん時間だった。

 

 

 

 

 

 

 やること為すこと裏目に出るのが一誠で、やること為すこと天然なのがヴァーリだとするのなら、神牙はきっと『やること為すことがトラブルの元』というべきだろう。

 それは元の時代で相手に余計な一言を言って激怒させてしまう事が多かったのが証拠だし、この世界では怒らせる事こそ少ないものの、振り回される相手へのトラブルがほぼ毎日一回は起こるのだ。

 

 

「ふーん? 曹操の子孫……」

 

「うーむ……全然子孫って感じはせんのぉ?」

 

「いや、この世界の曹操ではなくて、俺達の元の世界における曹操の子孫が俺だ。

そもそも俺達の世界では曹操は男だからな……」

 

 

 そんな神牙は、以前この世界の曹操が金髪少女だったことに泡吹いて気絶する程のショックを受けた事があった。

 そして未だ元の世界に戻れる気がしないのと、なんやかんや二年足らずの付き合いになってしまった事もあり、割りと仲良くなってしまった者限定ながら自分が何者であるかをつい告白してしまっていた。

 相手はそう……トラブルならぬToloveる相手の孫策こと雪蓮とか黄蓋こと祭だ。

 

 

「アナタが別の時代の曹操の子孫なのはわかったわ。

そして言うことはひとつ……これからもよろしくね?」

 

「うむ、別にお前さんが誰の子孫だろうと関係無い。

お前さんはお前さんじゃろ?」

 

「………………。はぁ、昔ヴァーリと一誠も全く同じことを言っていたけど……」

 

「そりゃあそうでしょうよ?」

 

「そうじゃそうじゃ、後ろめたく感じる事などひとつたりとも無いぞ?」

 

 

 けれど打ち明けた所で返ってきた答えは、かつての一誠やヴァーリと同じものであり、思わず苦笑いをしてしまう。

 

 

「不満があるとするなら、この期に及んでまだ帰る事を諦めてはいないって所かしら?」

 

「スケベな一誠ですら口ではあれこれと女にだらしない事を言っているが、誰にも手は出しとらんしの?」

 

「まぁ神牙は半分以上は出してるけどね?」

 

「あ、あれは事故だ……」

 

「事故だからって人前でしょっちゅう押し倒すのってどうなのかしらね?」

 

「まったくじゃ」

 

「……………」

 

 

 結局の所、誰の子孫であろうが変わらない。

 そんなおおらかな者達だからこそ、三馬鹿達は帰らなければならないと思いつつも、居心地の良さを覚えるのであろう。

 

 

「今日だって後ろから……」

 

「よ、余所見をしていただけで故意ではないぞ!」

 

「故意ではないにせよ、後ろから思い切り抱きつくのはどうなんじゃ?」

 

「ちょっとだけ受け身を取り損ねただけだ!」

 

 

 

 こうして来るべき時までの時間が過ぎていき、この期に及んで往生際が悪い三馬鹿達は知らないが、陽人の戦い以降、各勢力達から畏怖と警戒をされている事を知らない。

 それは元の世界に戻る為の情報源である北郷一刀達も三馬鹿の人を逸脱した力を恐れてしまっている始末である。

 

 そうとは知らない三馬鹿はと言えば……。

 

 

「負けた後の飯は美味いかい?」

 

「「NO」」

 

「気持ちよく食えるかい?」

 

「「NO!」」

 

「負けてぐっすり眠れるかい!?」

 

「「NO!!」」

 

「だったら何時も通り勝つしかないだろ!?」

 

「「Year!!!」」

 

「We Gotta win!」

 

「「Win!!」」

 

「Win!」

 

「「Win!!!」」

 

「Win!」

 

「「Win!!!!!」」

 

「Team fools―――」

 

「「「GO!!!!」」

 

 

 よく元の世界で喧嘩を売ってきた勢力に突撃する際の気合い入れの円陣を組んでいた。

 

 

「……何をしてるのあの三人は?」

 

「そういえばあの三人は酒を飲んでいるのを見たことが無かったので、試しに飲ませてみたら三人して弱かったらしい……」

 

 

 祭が勧めてきた酒をちょっと飲んで酔っぱらってしまったノリ全開で。

 

 

「揃って弱いとは思わなかった」

 

「上半身裸になって床に転がって大笑いしてるわ」

 

「多分元の世界の言葉だとは思うが、殆ど何を言っているのかわからなかったな……」

 

 

 一口飲んだだけで仲良くヘベレケになり、熱いと宣って上裸になり、円陣組んでばか騒ぎする三馬鹿に、戦い前の宴会中だった雪蓮達は、立とうとしてはひっくり返ってゲラゲラと笑っている三馬鹿に放置すべきか微妙に困った。

 

 

「ぬぉっ!? 空がひっくり返ったぞ!?」

 

「違うぞ、俺達がひっくり返ったらけだ」

 

「酒のせいだな」

 

「「「ガハハハハ!!!」」」

 

 

 

 

「暴れないだけ無害だし……放っておいても良いわよね?」

 

「そうはいかないだろ、全く……ヴァーリにまで酒を飲ますなんて、アイツに酒はまだ早いんだぞ」

 

「こうなるとは思わなかったし、冥琳と穏はちとヴァーリに過保護じゃないか?」

 

「そんな事はありませんよ~」

 

 

 

 

「一誠は酒は飲んだ事も無いし、美味いとも思わないから興味も無いって言っていたけど……」

 

「あんなに弱いとは……」

 

「大丈夫かな……?」

 

 

 初めて見る三馬鹿のヘベレケ姿に、其々がそんな感想を洩らしつつ、取り敢えず其々が三人を介抱する。

 

 

「ほら神牙、何時もは逆なのにしっかりしなさいよ?」

 

「なんらと……俺はしょーきだ! 飲んだくれのアンタ達と違ってな! ぬはははぁ!」

 

「飲んだくれは否定はできぬのぅ……って、それは酒じゃぞ!?」

 

「ウィック……鎖骨らびゅ!!」

 

「じ、神牙……?」

 

 

 

 

 

「大丈夫かヴァーリ?」

 

「お水ですよ~?」

 

「すまん……んぐんぐ」

 

「……!? 穏! 今のは酒じゃないか!?」

 

「あ、あれれ~? そ、そうみたいですねぇ?」

 

「ヒック……尻サイコー!!」

 

「ヴァ、ヴァーリが壊れた……」

 

 

 

「酒うめー! 意外とうんめー! ぐびくび……!」

 

「ちょ!? 飲み過ぎよ!?」

 

「この馬鹿が! 加減しろ!」

 

「ぬははぁ! おっぱいおっぱい!!」

 

「なんだろ、一誠はあんまり変わってない気がする……」

 

 

 だが其々が余計に酒を接種したせいで、其々が性癖をぶちまけながら笑う始末。

 こうして三馬鹿達の初めての酒盛りは大失敗に終わったのだが……。

 

 

「いや、あの……違うよな? 違うって言ってくれよ? なっ!?」

 

「この状況を前に察する事ぐらいできるだろ」

 

「よ、酔ってたから仕方ないというか……」

 

「えへへ~ 一誠にたくさん貰っちゃった……♪」

 

「………………………」

 

「!? この大馬鹿! 自分の首を斬ろうとするな!!」

 

「やめて一誠!」

 

「ダメー! 絶対に死なせないよ!!」

 

 

 

 こうなっちゃってたり。

 

 

「つまり、酔った俺を介抱してくれたというのに、俺はそんなキミ達にひどいことをしてしまったのか……そうか……」

 

「酷いなんて思ってないぞ? お前もちゃんと男なんだなってわかって嬉しかった」

 

「そうですよ? だから元気を出してください」

 

「ごめん……」

 

 

 こんなんなってたり。

 

 

「…………………」

 

「困ったわぁ? 大事な戦いの前に神牙に色々されちゃって、とっても困っちゃうわ♪」

 

「いやー、神牙よ……お前さんは実に男らしかったぞ? くふふふ♪」

 

「……………………………………何でこうなった!?」

 

 

 ますます帰りにくいことになったとさ。

 

 

「これでもお前は帰るとほざくのか? え? 蓮華様と小蓮様だけではなくこの私にすらやってくれたというのに……!?」

 

「だ、いや……あ、え!? き、キミにも!? ば、馬鹿な!? 蹴り潰すとかしなかったのかよ!?」

 

「してやろうと思ったさ! だが……だがな! あ、あんな子供みたいにすがられたら拒否なんてできるか!! 卑怯なんだよお前は!」

 

「お、落ち着きなさいよ思春。

でも一誠……この事を盾に脅すとかではないけど、やっぱり帰って欲しくないの」

 

「う……で、でも俺は――」

 

「シャオは別に止めないよ? ただし、帰るときはシャオもついていくけど」

 

「あ、その手が……」

 

「なるほど……私としたことが盲点でした。という訳で帰るにしても私達を連れていけ、良いな?」

 

「い、いやいやいやいや!? 悪いのは全面的に俺だけど、そんなの無理――むぷっ!?」

 

「うるさい黙れ」

 

「夜の時にわかったけど、一誠ってこうすると大人しくなるのよね」

 

「シャオだけの一誠じゃないのは不満だけどねー」

 

「だ、大中小が……! 大中小がぁ……!?」

 

 

終わり

 

 




補足

何故全盛期に戻れないのか? それは足りないものがあるから。

そう、某魔戒騎士的に表すなら――『守りし者』


その2
三馬鹿は揃ってアホみたいに弱かった。

弱すぎてつい其々の性癖が飛び出る模様。



その3

はい、もう逃げられません。
育ての親はきっと笑うけど割りと泣きながら祝福するでょうね(笑)

祝福する余りどこでもドア的な装置開発しちゃうくらいに。


そしてフリーダム悪人顔の堕天使は妙に優しい顔で『うん、わかるよ?』顔しながら三馬鹿の肩でも叩くでしょう。

すぐ後ろでニッコニコな天使さんを背に……



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