色々なIF集   作:超人類DX

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ベリーハードモードに乗せたネタをこっちに……


変態=平和シリーズ
ネタ・堕とされた堕天使が幻想入り


 

 俺は何時だって挑戦者で追い掛ける側。

 勝つために追い付く、追い付く為に己を鍛え抜け。  鍛えぬく為に小さな事でも吸収し、決して驕ること無く相手を見定めよ。

 

 それが俺の生きる道であり戒めだった。

 戦う事でしか己を確立出来ない、それ以外の生き方を知らない俺の生きる意味だった。

 

 そんな俺を戦争が終わった今の時代を生きることに疎ましく思う輩は同族を含めて少なくなったが、それでも俺を認めてくれた友や小生意気な小僧……そして本来なら敵対していた筈の女がいた。

 

 だから俺は腐らず、己を最期まで貫き通せた。

 だから俺は胸を張って幸せだと言える。

 例え神羅の器を持つ餓鬼に訳の分からない因縁を吹っ掛けられた挙げ句、強大な力で殺されてしまったとしてもシアワセだった。

 

 …………。心残りは女――いやガブリエルとの約束を果たせなかった事だけだが、奴は強い女だ……必ず俺を越えて『いい女』になる筈だと確信しているから心配はしていない。

 

 だから俺の生はこれで終わりだ。

 『超戦者』としての満ち足りた一生はこれで終幕――

 

 

 

 

 

「もしもーし?」

 

 

 筈だった。

 少なくとも死んだ俺にはアイツ等を守る資格は失った――そう思っていた筈だった。

 

 

「また寝てたわよ? 修行のし過ぎね」

 

「む……」

 

 

  神羅万象の器などという、お伽噺だった力により殺された俺はどうなるのだろうか? 友の泣きそうな顔を最後に目の前が真っ暗となって自分という意識をも失った俺には考える暇すらも無かった。

 地獄に堕ちるのか、それとも何も無い『無』へと帰すのか……死んだことの無い俺には皆目検討も付かない未知なる話だった訳だが、殺されて死んだ俺がありえる筈も無い意識が戻った先にあったのは……全然知らん只の原っぱだったというか、此処だった。

 

 

「まだだ……あの餓鬼を殺すにはまだ足りない」

 

「まーたその話? あのね、何度も言うようだけどアナタが『例外』である以上、アナタの世界に戻る方々も手段も無いのよ?」

 

 

 まさか此処が黄泉か? と黄泉とは思えない陽の光と風……草の匂いを五感で感じながら困惑しつつ、己の身に刻まれた致命傷の傷が無いこと……そして自分の身体が生身である事に驚愕した。

 試しに適当に力を振るえば殺される前と変わらない感覚で行使出来るし、もがれた種族としての証である6対12の翼も無傷で広げられる。

 

 訳が分からない……死ねば黄泉、もしくは地獄に魂の状態で堕ちるものだと思っていたのに何故俺は……と考えたが、それと同時にこれはチャンスだとも感じた。

 

 

『どうでも良い……これならもしかしたら生還出来るかもしれん。ガブリエルとの約束を果たせる……!』

 

 

 約束を果たすチャンスを得られたのだと好意的に解釈した俺は、何故こんな状況なんだという考えも捨て、取り敢えず今居る場所が何処なのかを調べようとその場から飛び立とうとしたのだが、それに待ったを掛けたのがこの――

 

 

「例外ならまた別の例外を作るまでだ。

俺が例外である以上、戻れる例外もまたある筈だからな」

 

「頑固ねぇ?」

 

 

 この女だった。

 長い金髪を見た時は思わずガブリエルを思い出したものだが、よーく見なくても金髪ってだけで容姿は似ても似つかん餓鬼の様な見た目だったし、今もそうだが紫色のドレスもガブリエルは着ないからな。

 とにもかくにも、音も気配もなくいきなり現れた謎の女に最初は警戒したものだが、どうやらこの女は色々と知っているようで、この場所の事を……そして俺が何者であるのかも全てを教えてくれた。

 

 まあ、結果……結構絶望する現実を叩きつけられた訳だがな。

 

 

「で、今度は何の用だ?

貴様等の邪魔にならんようにこうして外れの地域で密かに鍛練を積ませてもらっているだけの筈だが……」

 

「用が無ければ会いに来てはいけないのかしら? 神を超越する直前まで己を高めた堕ちた天使さん?」

 

「ふん」

 

 

 忘れられた者が集う世界。

 それは俺が生きていた世界とはまるで違う未知なる世界であり、聞いたことも無かった世界。

 胡散臭い事を平然と宣ってきたこの女はそんな世界の管理者の一人らしく、故に俺が元の世界に帰還現状不可能だということも把握していた。

 そして……。

 

 

「なら丁度良い、俺と戦えスキマ妖怪。

貴様の力を攻略すれば俺はまた一つ強くなれる……!」

 

 

 強い存在であった事を。

 

 

「またその台詞? 女性相手にはもう少し気の利いた台詞を送るべきじゃなくって?」

 

「ふん、生憎そういう台詞を送る相手は既に決まっているんでな。言って欲しくば他を当たれ」

 

 

 何故俺は此処に飛ばされたのか……それは知らん。

 どうであれ血肉があるなら、俺は約束を果たす為に必ず帰って見せる。

 

 

「カハハハハ!! 血沸き、肉踊ってこその……戦いダァ!!」

 

「いや、そんな一人で盛り上がられても困るのだけど……」

 

 

 約束を破った贖罪を直接果たすために……俺は、此処で進化してみせる!

 

 

 これは強く在りたいという純粋さを持つだけの、己の欲望と身勝手さに殺された堕天使が行き着いたとある世界での再起の物語。

 

 

「ほう? 吸血鬼(ヴァンパイア)か。くくく、餓鬼とは思えんパワーだなぁ!!」

 

「いやだからアナタのお披露目なのに戦いを挑もうとしないで頂戴? 私の面子を潰すつもり?」

 

 

 ある時は異なる世界の吸血鬼の力に戦闘狂の血が騒ぎまくり。

 

 

「地底の鬼か……フッハハハハ!!

面白い、力比べといこうじゃないか!!」

 

「だからやめて!!」

 

 

 ある時は地底に住まう妖怪達と熱烈バトルを。

 

 

「人間……神羅のクソ餓鬼と同じくこの世界の一部の人間は侮れんな。おいそこの変な服装の餓鬼! 俺と戦――」

 

「いい加減にしないとスキマに落とすわよ?」

 

 

 ある時は人の可能性に目を輝かせ……。

 

 

「月に住まう者か……確かに強いな。

だがそれでも貴様等に挑む! 決して折れんぞ!!」

 

「…………。ホントに単純な男ね。

ガブリエルって天使は何処がよかったのかしら……」

 

 

 ある時は月に存在する強き者にボロボロになっても不死身の如く復活しては挑んで勝って。

 

 

幽霊(ゴースト)か成る程な……。貴様の友人もまた強いという事か。よし幽霊とその従者の半霊の餓鬼よヤるぞ……来い!」

 

「女性にその言い方は卑猥だわ」

 

「あ? 戦うのを求めて何が悪い。貴様等の力は俺にとっては未知なのだ、求めるのは寧ろ俺の本能よ」

 

 

 ある時は幽霊の姫君に対して誤解される誘い文句を吐き、何故か相棒ポジになりつつあるスキマ妖怪に怒られて。

 

 

 

「っ!? 幻想郷に存在する全ての力が使えないですって!?」

 

「……。貴様は見た事があるぞ。

なるほど別の意味での例外という訳か、リゼヴィム・リヴァン・ルシファー!!」

 

「おいおいおい、引退して余生を過ごしているおじさん捕まえて殺気立つなよ? 俺はなーんもしてねーよ?」

 

 

 同じ神羅によって堕ちた……己と同じ世界の魔王との決戦を経て……。

 

 

「到達した……これが俺だ!

待っていろアザゼル、ヴァーリ――そしてガブリエル! 約束を果たしに行くぞ!!」

 

「私も見物に行くわよ? そのままバイバイするのはちょっと嫌だし」

 

 

 堕とされた堕天使は帰還する……。

 

 

「帰ってきた……帰ってきたぞ!」

 

「コ、コカビエル……!? ど、どうし――っ!? だ、誰ですかその女!?」

 

「ふーん、アナタがガブリエルさんねー? ふむふむ……よし、私の方が可愛いわ」

 

「はぁ!? ちょっと何ですかこの女は!?」

 

「うむ、帰還するのに世話になった変な女……だよな?」

 

「勿論アッチの意味でもちゃんとお世話したわ……ふふん」

 

「なっ!?」

 

「いや嘘だからな? 基本この妖怪はこんな奴だから真に受けるなよ……頼むから」

 

 

 堕ちた堕天使の幻想入り……かみんぐすーん

 

 

 

 

 

 

 

 

 以上、ただのネタ。




補足

これマジでベリーハード本編とは関係ないです。

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