色々なIF集   作:超人類DX

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一発ネタ。

相当初期のネタを引っ張りつつ混ぜ気味にした


初期ネタ弄り
※※※そんなパターン


 生きる者は全て、目を閉じて生まれてくる。

 そして大半は、そのまま生涯を閉じる。

 

 その出会いは偶然であったのか、それとも運命であったのか。

 その答えを知る者は誰も居ない。

 

 何故なら、その出会いが偶然にせよ必然にせよ互いを想う気持ちは同じであり、決して変わらない。

 

 その想いを守る為だけに、その精神(ココロ)をモヤシ続けるのだから……。

 

 

 心という名の()を開いて……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分が誰なのか。

 何の為に生まれたのか。

 どうして自分だけが。

 

 

 考えても答えの出ない暗闇を生きる運命と力を目覚めさせてしまった少年にとって、あの時の出会いはまさに転機であった。

 

 生まれて初めて見た『同じ』モノを持つ者。

 背に漆黒の翼を広げる、人ではない者。

 

 しかし人間であった少年には関係なかった。

 例え人々から化け物だと言われるような存在であったとしても、同類であるのなら種族の違いなんて関係なかった。

 

 そしてその者もまた、同族には持ち得ぬ自身の異質さと同じ異質を持つ少年との出会いは、無意味に死んでいくと悟っていた心に光を宿した。

 堕ちた天使と呼ばれる種族であろうとも、少年はまさに自身にとっての『希望』だったのだ。

 

 自分の為に人である事を辞める覚悟すら示したこの少年になら、自分の全てを差し出しても良いと思える程に……。

 

 そして出会い、共に知り、共に共存するようになって月日は経ち……。

 子供から大人へと変わろうとする年齢に成長した少年は、出会った時から姿の変わらぬ堕天使と共に今日を生きるのだ。

 

 『永久なる進化』と共に。

 

 そんな少年の現在はどうなっているのか……?

 

 

「俺の親友脱退記念の可愛いものしりとり~!せーの、小鳥!」

 

 かわいい

 

「リス!」

 

 かわいい

 

「すもも!」

 

 かわいい

 

「モモンガ!」

 

 かわいい

 

 

 どこかの町の外れにある廃教会の祭壇に行儀悪く腰掛け、手拍子を交えながら同じく隣に腰かける金髪碧眼の小柄な少女としりとりをする程度には元気に生きていた。

 

 一体何故こんな場所でしりとりなんてしているのか……。

 それは、モモンガと言った金髪碧眼のゴスロリファッションの少女の後に急に振られた黒髪のグラマスな女性が原因であった。

 

 

「な、何を……!?」

 

 

 困惑した様子でガの後を言わず、金髪碧眼の少女――つい先程まで『仲間』であった筈の彼女を見つめる女性――名をレイナーレに、ミッテルトと呼ばれる少女は『ブーッ!』っとレイナーレに言う。

 

 

「しゅーりょー!」

 

 

 それに続いて、行儀悪く祭壇に腰かけていた少年が冷たい眼差しで終了宣告をすると、無慈悲に言い放つ。

 

 

「ま、待って……! が……外交官!!」

 

「おせーっすよ! 可愛くないし、しかもん付いてますよレイナーレ様(・・・・・・)?」

 

「うっ……」

 

「トリプル罰ゲーム! 液体キャロライナ・リーパー100%3杯一気飲み~!」

 

「はいどーぞっす」

 

「………」

 

 

 その種族柄、人間を見下すレイナーレが仲間だと思っていたミッテルトに裏切られたあげく、そのミッテルトと行動をしていた人間の少年に見下されるように見られているのは途方もない屈辱だ。

 

 しかしそんな人間の彼に、レイナーレが野望の為に集めた同胞達を八つ裂きにされ、自分も手足をへし折られて戦闘不能にさせられた。

 つまり今レイナーレには従う他無く、裏切ったどころか最初からおたく等の仲間になった覚えなんて無いッスよと言いきったミッテルトに、あり得ない色をした液体の入ったグラスを渡され――そのまま飲まされた。

 

 

「がっ!? ぎぃっ!? おええっ!?」

 

 

 ハバネロの数十倍に加え、恐らく更にそこから手を加えたであろう激辛香辛料の100%液体がレイナーレの口と喉をまるで酸で溶かされているような錯覚を与える。

 とてもじゃないが飲める代物ではなく、レイナーレはその場に吐き出してしまう。

 

 

「「あっははははは!!」」

 

 

 そんなレイナーレの姿を祭壇から見下ろすミッテルトと少年は大笑いする。

 焼け付くような口と喉と痛みと、屈辱がレイナーレを果てしない怒りへと誘う。

 

 

「こ、こんな事をしてタダで済むと……! 思ってる……の!? み、ミッテルト! お、お前は我等堕天使を裏切り、下等な人間の肩を持つだなんて……!!」

 

「元々自分の種族に頓着なんてしてねーっすよウチは。

第一、アンタこそこんな悪魔が管理してる町で好き勝手やってる時点で、本部から切り捨てられるに決まってるっしょ?」

 

「そ、そんな事はないっ! あのアーシアの神器をアザゼル様に献上すれば、私はアザゼル様の寵愛を……!」

 

「どう吠えようが勝手ですけど、アンタはもう詰んでますよ? アンタに付いてきた能無しはご覧の通り死にかけだし、アンタ自身もそのザマ。

もう五分もしない内に、この町の管理をしているグレモリーの連中がやって来て、消されるか捕まるかのどっちかっす」

 

「み、ミッテルト……! お前、そんな事を私たちに……!?」

 

「アンタの話に乗ってやったのは、グリゴリから名前を抹消されるからと踏んだからッス。

はぐれになれば、ウチはこうして――――イッセーと一緒に居られる」

 

 

 見たこともない程に澄んでいて、尚且つとことん見下すようなミッテルトの眼差しと言葉に、レイナーレは知らん顔をしながら呻き声をあげたレイナーレの仲間の一人を、指先から放つ光線の様なもので貫く姿を睨む。

 

 

「き、貴様……! 何時からミッテルトと……!」

 

「12・3年くらい前からだが、そんな事を聞いた所で意味なんて無いだろう? ホント、ミッテルトからお前等の間抜けな話を聞いた時は、感謝したんだぜ?

これで漸くミッテルトを連れ出せるってな」

 

「まあ、ホントはイッセーと知り合った時点で抜けても良かったんすけど、金蔓が無くなるのは惜しかったんでね」

 

「き、貴様等ァ……!!」

 

 

 憎悪の形相でミッテルトと、イッセーと呼ばれる少年を睨むレイナーレ。

 しかしそんな殺意すらも二人は相手にもならないとばかりに流すと、祭壇から降りる。

 

 

「絶対に殺してやる! 貴様のような人間風情が――」

 

『Boost!』

 

 

 

 そしてゆっくりと左腕に赤き龍の帝王と呼ばれる力を纏った一誠の拳が、容赦なくレイナーレの顎を掬い上げるように砕いた。

 

 

「か……へ……」

 

「その人間風情に顔面くだかれたら世話ねーな? じゃあな、堕天使風情?」

 

 

 こうしてレイナーレは野望を果たさんとする直前に仲間と思っていた者に裏切られ、その仲間と思っていた者が連れてきた化け物によって粉々に砕かれてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 

「わかりやすくする為とはいえ、ちょっと目立ち過ぎだったかもねイッセー?」

 

「問題ねぇだろ……多分」

 

「本当にウチ等って行き当たりばったりッスよねー……。

それよりこの神器使いの女はどうするんスか?」

 

「ほっとけ、もうそこまで来てる悪魔達がどうにかすんだろ」

 

「あれ、そこそこ冷たいッスね? こういう女はタイプだと思ってたけど」

 

「さてな」

 

 

 ギリギリ生きているレイナーレ一派の屍を踏みながら教会の外へと出た一誠とミッテルトは、まるで何事も無かった様な顔で夜道を並んで歩く。

 

 

「あ、話してた通り、グレモリーの連中が到着したみたいッスね?」

 

「ギリギリ生かしてやった堕天使共が果たしてお前の事を言及してくれるか。

してくれた場合は、多分近い内に接触してくる筈だから……」

 

「説得(物理)ッスか? 思いきるッスねぇ?」

 

 

 赤髪の少女を先頭に、悪魔の団体が挙って教会内に入っていくのを見届けたイッセーとミッテルトは、再び夜道を歩く。

 

 

「要は奴等にミッテルトがここで生きるのを頷かせりゃあ良いだけだからな」

 

「まあ、場合によっては町から出ていけば良いッスもんねー? 最近巷で噂されてるテロ組織とかに入ったりとか」

 

「………」

 

 

 妙に下っぱっぽい口調で話すミッテルトだが、イッセーとの関係は対等である。

 その見た目もまたイッセーの方が年上に見えるが、実際は堕天使であるミッテルトの方が年上だったりもする。

 

 

「ウチが見上げるくらい大きくなったッスねイッセー?」

 

「逆にお前は変わらなさ過ぎだよ。まあ、それで良いけど」

 

 

 手を繋ぎ、兄妹のように寄り添いながらオンボロの借家に帰る。

 誰にも邪魔をされない二人だけの場所に……。

 

 そして家に戻れば。

 

 

「ミッテルト~!」

 

「わわっ!?」

 

 

 家に入る直前まで冷酷な雰囲気を醸し出していた一誠の態度が豹変し、嘘みたいに表情を緩ませながらミッテルトを抱き締め始めた。

 

 

「やっとだ、これでやっと毎日ミッテルトと一緒だ……!」

 

「だからって帰って早速ッスか? まったく、大きくなっても中身は変わってないんだから……」

 

「もう離さねーかんな! どこにも行かせないし、誰にも渡さねぇ!」

 

「言われなくてもわかってるっつーの……ふふっ♪」

 

 

 甘えるようにミッテルトの身体を抱きながら床に押し倒す一誠を受け止める様に抱き返すミッテルトのその表情は、決して他の誰にも見せない程に優しげだ。

 

 その異質さと、宿してしまった龍によって孤独だった人間の子供が今の一誠。

 同じ異質さを持ち、唯一同じである人間の子供を密かに拾ったのがミッテルト。

 

 親のように、姉のように。

 それでいて恋人のように……。

 

 日陰者として寄り添いながら今まで生きてきたその繋がりは誰にも壊せないほどに強すぎる。

 

 

「ぁ……♪ も、もうイッセーはスケベっすね……! まずはお風呂に――やんっ♪」

 

「嫌だ……今が良い。俺は今ミッテルトが欲しい……!」

 

「しょ、しょーがねーっすねー……? 良いよイッセー……ウチの事、好きにして……?」

 

 

 互いの異質さを融け合わせるように……。

 ただシンプルに互いが互いを求めるように。

 二人は生きるのだ。

 

 

 異端を超越せし堕天使・ミッテルト

 

 種族・堕天使

 

 備考・???

 

 

 終わり。

 

 

 

 これは異質な堕天使と異質な赤龍帝のお話。

 

 

「単刀直入だ。何も言わず、何も詮索せず、何も疑問に思わずミッテルトと俺をスルーし続けろ」

 

「……随分と勝手ね。

この町の管理を任されている身としては頷けない話だわ」

 

 

 案の定察してきた悪魔達を説得し……。

 

 

 

「ウチをそこら辺の堕天使と思ってたんなら、間違いだったッスね。

少なくともアンタ等には逆立ちしても勝てるッスよ」

 

「ぐっ……!」

 

「わ、私たちが一瞬で……」

 

 

 説得(物理)に切り替わったり。

 

 

「わ、わかったわ。

アナタの居住を認めるわ……けれど、アナタ達を見張らないという話だけは認められないわ……!」

 

「だ、そうっすよ。どうしますイッセー?」

 

「妥協点だな」

 

 

 取り敢えず居住を認めさせることに成功し……。

 

 

「一誠……と言ったかしら? 見たところ人間の――それも私たちとそう変わらない年みたいだけど、学校には通っていないの?」

 

「小・中共々ろくに通ってませんがそれが?」

 

「いえ……」

 

 

 ただ自由にミッテルトと生きる。

 

 

「………。人の部屋を訪ねる時はノックをしろと主さんに教わらなかったんスか?」

 

「ぃ……ぃ、え……た、ただ私は近くに美味しいお店があることを一誠さんに教えようと……」

 

「あっそ。見ての通り、イッセーは今寝てるんで、そういう話とかは今度にして欲しいッスね」

 

「へへへ……ミッテルト~」

 

「あ、こ、こら! 白髪に見られてるっつーのに、ちゅーちゅーは駄目……ぁ……!」

 

「う、うぅっ……!」

 

 

 時には見られたりもするが、二人は変わらない。

 

 

「ほーぅ? 俺と同じ種族でありながら、俺と同じ素質を持ったのが居たとはな。

しかも共に居る小僧も……クックックッ! 上を見すぎて足下を疎かにしていたとはまさにこの事だな」

 

「も、元グリゴリのコカビエル……様……?」

 

「ふっ、様等要らん、あんなつまらん組織等とっくに抜けたからな。

今はただのコカビエルだ」

 

「………そのただのコカビエルさんが何で天使と一緒なんですかね?」

 

「ああ、コイツは戦争時代に出会ってからの修行仲間――」

 

「初めまして。私はガブリエルと申します。

ふふ、コカビエルとは修行仲間であると同時に夫婦ですよ?」

 

「「…………………………えぇ?」」

 

「おいガブリエルよ、餓鬼相手にしょうもない冗談なんて言うような性格ではないだろう? なにを言って――」

 

「共に生活して、共に就寝も共にしたのにアナタはまだそんな事を言うのですかっ!? そろそろ本気で泣きますよ!?」

 

「―――お、おう……すまん」

 

 

 上には上が居たコンビと出くわしたりもする。

 

 

「お前は何だ? 我と同じ気配がする……」

 

「誰だって良いだろ。

つーかうぜーから背中に張り付くな。俺の背中に乗って良いのはミッテルトだけだ」

 

「……む」

 

「無限の龍神ってこんなんだったんスね……」

 

 

 無限の気質に吸い寄せられるミッテルト並のロリ姿の龍に追いかけられたりするかもしれない。

 

 

「ふ、ふふっ……! 見つけた……! 私と同じ……!」

 

「……。今度は誰だよ?」

 

「確かシトリーって悪魔ッスね。

なんだろ、意外と似た者って居たりするんスね……」

 

「あ、大丈夫よ。さっき実家で全部さらけ出して勘当させたから、今はただのソーナよ? つまり、何の問題もないわ!」

 

「あるわ、帰れッス貧乳」

 

「アナタに言われたくは無いわね……ふふっ」

 

 

 異質とは正反対の負の気質を持つ悪魔にまで追いかけ回されるのかもしれない。

 

 

「ねぇ、見てください。先輩の邪魔をする馬鹿は皆シャクシャクしてやりました♪

ほら、これで私も先輩と同じですよね?」

 

「…………………嘘だろ」

 

「ウチ等の領域に入る為に仲間を食ったんすか……」

 

 

 白い猫が危険生物化するかもしれない。

 

 ものの見事にちっぱい達に追いかけられる気がしないでもないかもしれない。

 

 しかしそれでもイッセーはミッテルトであった。

 

 ………そいつ等が果たして話を聞くか聞かないかは別にしても。

 

 

 

 

 

………永久封印終了




補足

ホント最初期のネタですねこれ。

ただし、クレイジーな者達に包囲されるけど。



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