色々なIF集   作:超人類DX

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一発ネタみてーなもんです。


新・チームD×G

 ただ一人の強大な力を持った男によって変わり果ててしまった世界に対して反旗を翻した者達が居た。

 

 勝ち目は始めからなかった。

 

 けれど、例え勝ち目が無かろうとも、無意味な死になろうとも彼等は最後まで戦い続けた。

 

 ただ、己の誇りの為に……。

 

 

 そして、己の誇りを守る為の戦いは、世界そのものを道連れにするという形の痛み分けに終わった。

 

 正しいとか正しく無いとかではなく、気に食うか気に食わないだけで戦い続けたそのチームは――伝説となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 世界最悪のテロチームと呼ばれ、掃き溜めたゴミの集まりとも揶揄されたチームは、その世界にとっては最悪すぎる所業を行い、そしてやりきった。

 

 後は己の命が消えてなくなるだけとなる運命だった訳だが、彼等はどういう訳か『生きていた』。

 

 理由は本人達にもさっぱりわからなかったのだけど、とにもかくにも彼等は生きていたのだ。

 

 神滅という大業を成し遂げてしまった、神をも超越せし超越者チーム。

 

 たったひとつの報復心によって集った、様々な種族で構成された掃き溜め呼ばわりされたこのチームは謂わばどこへ行っても掃き溜めだった。

 

 しかし本人達は掃き溜めを自覚した上で生きている。

 それがどうしたんだとばかりに生き続けている。

 

 神という存在、その神によって力を与えられた存在に対する一種のアレルギーを持つ彼等はどこまでも身勝手で自由なのだ。

 

 だから、多分きっと、そんな神アレルギーを持つ者達と知り合ってしまったばかりか、普通に付き合いを持つようになったとある女神は――真面目に奇跡なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 とある女神が居た。

 微妙に怠惰で、微妙に要領が悪くて、微妙に間が抜けているというそんな女神は、下界に下天する前にとある集団と出逢ってしまった。

 

 神々が震える程の凶悪なパワーを一人一人が保持し、神と知った途端、世紀末のモヒカンみたいに神の領域で暴れ倒した最悪の集団。

 

 それこそ、邪神も例外なくボコボコにする彼等は、どうにも神がお嫌いらしい。

 更に詳しく聞けば、自分達とは違った世界の神に人生をメチャクチャにされたから、とにかく神やらそれに与する連中を見ていると脊髄反射的に八つ裂きにしてしまいたくなる―――と、メチャクチャ過ぎる理由で暴れ倒した彼等とよくもまあここまで普通にやり取りできるようになれたものだと……女神は過去を思い返しながら、今を生きている。

 

 もっとも、あまりにも他の神々が総力で押さえ込もうとしても、簡単にはね除けてくるその連中が手に負えなくて、偶々自分が貧乏くじを押し付けられただけだったりするのだが、ちゃんと話してみれば彼等はきちんと対話をしてくれる訳で……。

 

 結果的に、貧乏くじを押し付けられてしまったと当初は思った女神は現在、名こそ全く広まっていないものの、下天したこの世界では間違いなく最強のチームの一応の長という事になってしまっている。

 

 それが幸なのか不幸なのかはさておき、少なくとも今女神は割りと充実した人間界生活を送れていると思っている。

 

 ………途端に掌を返すかの如く、他の神々がおとなしくなった彼等を自身の傍に引き入れようする勧誘さえなければの話だが。

 

 これは、世界そのものを破滅させた掃き溜めチームと奇跡的にも心を通わせる事が出来た、とある女神の苦労話……かもしれない。

 

 

 

 

 

 とある都市の外れに鎮座し、住民にすら半分は存在を忘れ去られている廃墟同然の教会がある。

 その廃墟同然の教会には、下天したとある女神が悪い意味で伝説的な連中と共に住み着いている訳だが、その見た目のボロさとは裏腹に、内装はかなりハイテク化されていたりする。

 

 これは、掃き溜めチームに居たとある堕天使が、その手先の器用さを使って、このボロ教会を外観こそそのままに内装を文字通りに魔改造を施したからであり、冷暖房完備の快適空間となっているのだ。

 

 そんな実は快適空間の見た目ボロ教会内では、朝っぱらから怒声が響いていた。

 

 

「またやったな!? あれだけしないってボクに言ったのに、またやったんだな!?」

 

 

 その怒声の主は、黒髪の少女だった。

 実は彼女こそがとある女神だったりするのだが、そんな彼女が何故怒っているのか? それは、彼女の目の前で平気な顔をしながらモシャモシャと朝飯を他の者達と食べている青年が原因だった。

 

 

「もう他の女をナンパしないって言ってたのに!」

 

「しないとは言ったが、辞めるとは言ってないしな」

 

「へ、屁理屈を言うなー!」

 

 

 見た目のせいもあるのか、とんでもなく威厳を感じない女神の怒声を右から左に流しながら、茶髪の青年はモシャモシャとパンを噛っている。

 このあまりにも嘗めきった態度は今に始まった事ではないが、女神にとっては嘗めきった態度よりも、青年の悪癖の方が大問題だった。

 

 

「朝っぱらからなにキレてんだよ?」

 

「コイツの女へのだらしなさなんて、今に始まった事ではないだろうに?」

 

「一々気にしててもキリなんてないぞ」

 

 

 そんな青年に怒鳴り散らす女神に、同じように朝食を食べていた銀髪の青年と黒髪の青年、金の前髪と黒の後髪の男性が怠そうに女神をなだめる。

 

 

「そ、そうやってキミ達は放任する気だろうけど、ここではそうは行かないんだよっ! 色々とルールやややこしい制約があるんだから!」

 

「街の人妻だけナンパしてんだから、そのルールってのには抵触しないはずだぜ?」

 

「ひ、人妻だけってのが不潔なんだよ!!」

 

 

 反省の欠片もない顔で宣う茶髪の青年に、女神の怒りのボルテージは更に上がっていく。

 ちなみに、そんな青年の向かい側では、ウェーブの掛かった黒髪の悪人顔の男性と、ウェーブの掛かった金髪の美女が静かにお茶を飲んでいる。

 

 

「た、ただでさえ最近になって他の女神が掌返すかの様にキミ達を誘惑しようとするんだから、変なトラップに引っ掛かっちゃうかもしれないから、それが心配なんだよボクは!」

 

「そこまで俺は馬鹿じゃねーぞ」

 

「そこまでキミが特にお馬鹿だから言ってるんだよっ!!」

 

 

 やれやれと他の面々が二人のやり取りを放置する中、ヒートアップしていく黒髪でツインテールの女神は、グビグビと食後の一服中の茶髪の青年の慣れはしたが腹は立つ『女性へのだらしなさ』を注意し続ける。

 

 ひと度やる気になれば、瞬く間に世界のパワーバランスを崩壊させてしまうレベルの者達で構成されたこのチームは、当たり前だが他の女神が抱える所謂眷属のような行動はできない。

 

 だからこそ彼等は基本的に自由気ままにやってしまっているのだけど、輪にかけて自由過ぎるこの茶髪の青年は女神が一番手を焼かされている。

 

 ましてや、自分に貧乏くじを押し付けてきた他の神の眷属をナンパするなんて、彼女にしてみれば面白くないのだ。

 

 

「罰として今日はボクのアルバイトを手伝ってよね! 1日中!」

 

「えー? そりゃあ別に良いけど……」

 

 

 この青年だけではなく、他の者達も目を離すとすぐに勝手ばかりやるせいで、この女神の気苦労はかなり多い。

 

 よその眷属の女性にありえない事故を発生させてやらかしてしまう黒髪の前向きお馬鹿しかり。

 

 戦闘とラーメンなる食べ物が好き過ぎて周りが見えなくなると思いきや、傷心中の女性に対して天然でやらかしてしまう銀髪お馬鹿しかり

 

 研究気質で自覚した上で女性相手にやらかす堕天使お馬鹿しかり。

 

 とにかく戦う事しか頭に無さすぎる、凶悪面の堕天使お馬鹿しかり……。

 

 一番まともで同性という点でも色々と助かってるが、目が覚める程の美女なのに何故か凶悪面の堕天使お馬鹿の事になると、途端に突っ走りだしてしまう天使さんしかり……。

 

 

「つーか、まだあのバイトやってたのかよ?」

 

「仕方ないだろ……キミ達が意外な程普通にお金を稼げるせいで、ボクが寄生虫みたいになるのは嫌だったんだから……」

 

「別に気にしちゃいねーけどなぁ……」

 

 

 女神は毎日苦労ばかりだけど、皮肉にも退屈とは程遠い日々を過ごしているのだ。

 

 

 

 神滅チーム・D×G

 

 

 アザゼル

 種族・堕天使

 

 level・無始無終

 

力・無

 

耐久・無

 

器用・無

 

敏捷・無

 

魔力・無

 

 

 

【神滅】【対転生】【創帝】【超越】

 

スキル

 

芯気楼(ミラージュオブデス)

 

 無意識を操作する程度のスキル

 

 

コカビエル

種族・堕天使

 

 

level・無始無終

 

 

力・無

 

耐久・無

 

器用・無

 

敏捷・無

 

魔力・無

 

 

【神滅】【対転生】【超戦】【超越】

 

 

スキル

 

超戦者(ライズオブダークヒーロー)

 

 

 

ガブリエル

種族・天使

 

level・無始無終

 

 

力・無

 

耐久・無

 

器用・無

 

敏捷・無

 

魔力・無

 

 

【神滅】【対転生】【進化】【超越】

 

スキル

縦桜無神(エンゼル)

 

 

曹操(神牙)

 

種族・人間

 

 

level・無始無終

 

 

力・無

 

耐久・無

 

器用・無

 

敏捷・無

 

魔力・無

 

 

【神滅】【対転生】【報復】【超越】 【影煌騎士】

 

スキル

復讐神(リベンジェンスヒーロー)

 

神滅具・黄昏の聖槍

 

 

 

ヴァーリ

 

level・無始無終

 

 

力・無

 

耐久・無

 

器用・無

 

敏捷・無

 

魔力・無

 

 

【神滅】【対転生】【白龍皇】【超越】【飛翔】

 

 

スキル

無完神(ジ・エンドゼロ)

 

神滅具・白龍皇の光翼

 

 

 

一誠

level・無始無終

 

 

力・無

 

耐久・無

 

器用・無

 

敏捷・無

 

魔力・無

 

 

【神滅】【対転生】【赤龍帝】【超越】【全適応】

 

 

スキル

無神臓(インフィニットヒーロー)

 

神滅具・赤龍帝の籠手

 

 

「あーあ、ダンジョンに入れる眷属とか入ってくれないかなー……。

長らしいこととかしてみたいよ……」

 

「じゃあそこら辺の人妻なんかはどうよ? 秒でナンパしてきてやるぜ?」

 

「駄目。それだけは絶対に許さないから」

 

「なんだよ、我が儘なやつ……」

 

「いい加減イッセー君が馬鹿みたいに鼻の下伸ばすのは見たくないんだよボクは」

 

 

現チーム名……ヘスティア・ファミリア

 

 

ヘスティア

種族・神

 

ステイタス・無し

 

 

備考

下天する前に出会ってしまったチームD×Gの面々があまりにも手に負えなかったので、他の神々に面倒を押し付けられてしまった悲運すぎる、女神らしくない女神。

 

 当初こそ神を馬乗りにしてボコボコにするほどの暴れん坊将軍な彼等にビクビクしてきたが、チームの一人で一番馬鹿なイッセーと意外な程早く打ち解けられたお陰で克服。

 

その後神々の遊びに参加する形で彼等と共に下天して今に至るのだが……ここに来て大人しくなった彼等を『戦力』の意味で勧誘し始める他の神々の掌返しっぷりにキレ気味となり、下天した途端、水を得た魚みたいに人間界の女性(大概妙齢)にナンパばかりしはじめるイッセーにイライラさせられる。

 

 しかし、なんだかんだと彼等が自分を『友達』として見てくれてるので、怒りこそすれど許してしまう。

 

 

 現在、見た目はボロ教会だが中身はアザえもんことアザゼルが魔改造した冷暖房完備の快適なんちゃって教会で生活中。

 

 別に金欠ではないが、なんとなく寄生虫は嫌だったので、意外な程真面目にバイトしている模様。

 

 

 ちなみに、下天前から犬猿の仲となるとある糸目貧乳の女神とは、以前喧嘩を吹っ掛けられた際、その場に居たイッセーがトラウマを残すレベルで当時の眷属もろとも八つ裂きにして以降、ちょっかいはかけられなくなった。

 

とある美の女神に関しては、見たこともない程に鬼の形相と化したイッセーがドラゴン波で吹き飛ばしたあげく、チンピラみたいに唾まで吐きつけて『次喋ったら、そのムカつく声帯ごと引きちぎる』と言われたせいで、軽い引きこもりになったらしいが、ヘスティアにはどうでも良い。

 

 つまり、軽く神々としては絶賛孤立中のヘスティアだが、彼等を勝手に押し付けてきたのと、その後の掌返しの時点で他の神々はそこそこ嫌いになってるので関係ないらしい。

 

 だから彼女はチームD×Gの面々を大事に思うし、女にだらしない事を抜かせば、割りと一番気の合うイッセーとは仲も良い。

 

 アザゼルにはそういう所を見抜かれてるのか、結構からかわれる。

 

 神牙は糸目の女神の眷属と出会した際、そこの女性眷属に『やらかして』しまったのに何故か懐かれたので、割りと困ったと相談される。

 

 ヴァーリはラーメンなる食べ物にうるさいし、天然でやらかすせいで割りとファンが多くて困っている。

 

 コカビエルは悪人顔に恥じぬ戦闘狂なので暴走しないようにとガブリエルと一緒に止める。

 

 ガブリエルとは同性なので、そういうお話はよくするが、大概ガブリエルがコカビエルに対する不満による愚痴ばかり聞かされるが、ヘスティアも大概愚痴なので割りとお互い様。

 

 

「そこのお姉さん、せっかくだから晩御飯のおかずにこのじゃが丸くんはどうですか? そして食後の運動を俺とベッドの上で――べぼっ!?」

 

「言った側からか!? イッセーは鳥か!? 鶏なのか!?」

 

「何しやがる胸以外はお子さま面女神めが! 俺の邪魔をするんじゃねー!!」

 

「するね! 人の気も知らないで!!」

 

 

 今ではすっかり、イッセーと取っ組み合いになっても食らい付ける程度のハングリー精神を持つ様になってしまったヘスティアはこの先どうなるのか。

それは誰にもわからない。

 

 

「くっ……!? そ、そこそこやるようになったじゃねーかヘスティア――っ!? ま、待てヘスティア!」

 

「な、なにさ……? て、てかどさくさに紛れてボクの胸――ちょっ!?」

 

「静かにしろ……! そして向こう見てみろ……神牙が居る」

 

「神牙君? む、本当だ……。凄い必死の顔で走ってるけどいったい―――って、あの子は確か……」

 

「多分、前に神牙のやつがやらかしちまった相手だろうな。

てっきり切り刻まれるのかとニヤニヤして見てたら、まさかの懐かれただからな。

この前もたまたま追っかけられてるのを見たけど、捕まりかけた時にスッ転んで、またやらかしてたんだぜ?」

 

「ま、またあんなありえない体勢になったとか?」

 

「いや、確かあの子の胸を直で掴んでた程度だったな」

 

「……。それは程度じゃないと思うんだけど」

 

「酷いときは股に顔突っ込むとかあるからな、アイツの場合。

それが嘘みたいに思えるが、わざとじゃねーんだから驚きだぜ……」

 

「ボクやガブリエルちゃんには無いのは何でさ?」

 

「さぁ? それも不思議な話ではあるが、俺にもわかんねーな」

 

「……。さっきから後ろから抱える様にボクの胸触ってるイッセー君はなんなのさ?」

 

「え……あ……わ、悪い」

 

「い、良いけどさ別に……」

 

 

 皮肉にもそれなりに充実した毎日だったりするのは皮肉なのかもしれない。

 

 

終わり




補足

アザえもんの魔改造改装のお陰で、なんちゃって廃教会になっちまっただ。

アザえもんが開発したアイテムがそこそこ売れるので金にも困らないのだ。


ただし、それ以上に全員が自由人だから、ヘスティア様は貧乏ではないが苦労するのだ。

主に目を離すと、嵐を呼ぶ五歳児みたいなナンパをしようとする年上オンリー乳龍帝辺りに。


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