色々なIF集   作:超人類DX

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436話の凄くどうでも良い話シリーズの続きです。
……つまり、凄くどうでも良い内容


ネタの続き系
ちゃらんぽらんな彼と陸上部の女の子の日常


 他と違う異質さがアイツにはある。

 

 でもアイツはそれをひけらかす事はしないし、かといって隠そうともしない。

 

 俺と出会う少し前にめだかちゃんが、自分と他人との『違い』に心を閉ざしかけていた時にアイツと出会えた事は、きっとめだかちゃんにとっての幸福なのかもしれない。

 

 そのちゃらんぽらんさというか、お気楽というか、全てにおいて楽観的な生き方を間近で見てきたからこそ、今のめだかちゃん――そして俺が居る。

 

 だからこそ、中学時代に見た人間の負の到達点みたいな奴にちょっかいをかけられても、俺もめだかちゃんも軸がぶれなかった訳だしな。

 

 ……まあ、その負の到達点みたいな奴の行動は、今にして思うと、その対極に居るめだかちゃんが気になって仕方ない思春期男みたいなそれに近いような気がするんだが……。

 

 悲しいかな、等の本人たるめだかちゃんは毎日俺と一緒になってちゃらんぽらんなアイツを追っ掛けることに忙しくて相手にしなかったんだけど……。

 

 

 寧ろ中学時代は、生徒会長をやってたその負の到達点みたいな奴と同じ生徒会をやってた――あー、誰だっけ? 確か副会長の女子で、しょっちゅうアイツに絡むものだから、めだかちゃんがその副会長の女子に敵愾心を燃やしまくってた思い出の方が多い。

 

 ああ、勿論俺もその副会長の女子には警戒しまくったぜ? ………もっとも、アイツ自身はその副会長の女子を全く相手にせず、年上ばっかナンパしては玉砕しまくってたけど。

 

 それは今も変わらないのだけど――最近アイツはクラスメートのとある女子――つまり、俺達にとっては先輩にあたる女子と頗る仲良くなってしまってる。

 

 しかもかつてない程にアイツはその人にかなり優しい。

 

 それがかなり――俺とめだかちゃんは納得できない。

 

 

 

 

 

 

 金髪でイケメンという、霧島一誠にとってはまさに不倶戴天の敵と呼べる柔道部男子の阿久根高貴が、紆余曲折の果てに黒神めだか率いる生徒会の書記として加入した。

 

 つまり、これにて会長と庶務と書記が揃い、残す所は会計と副会長となる中、加入はしてないし加入する気もあまりないし、意欲があっても間違いなく支持率の関係で不可能とされている霧島一誠は、今日も元気に箱庭学園の二年九組の生徒として授業を受けていた。

 

 行動や言動がエキセントリックではあるものの、学校の授業や行事に関しては意外な程真面目に取り組む一誠は、この学園に入学して最初に友人となった有明ありあと昼食を食べていた。

 

 

「へー? それで阿久根君が生徒会に入ったんだ?」

 

「なんでも柔道部の部長さん――えーっと、反則王さんに入った方が良いみたいな事を言われんだとさ」

 

 

 何時もの学食ではなく、本日は一誠が先日の夕飯の余り物で作成した自作弁当による昼食であり、当たり前のように机を向かい合うように引っ付けてありあと共に食べながら、阿久根高貴が生徒会に入った件について話している。

 

 

「じゃあ今度から毎日阿久根君と顔を合わす事になるんじゃない?」

 

「冗談じゃねぇや。

あの金髪イケメン野郎が加入した時点で、俺のお役目は御免だぜ」

 

「でも人吉君と黒神さんにとってはそうじゃないと思うけど……」

 

「いい加減子供じゃねーんだから、部外者無しでもなんとか出来んだろ。

ふふん、これでやっと放課後の人妻ナンパ活動に勤しめるってもんよ」

 

「そっちが重要なんだね……」

 

 

 ニヤニヤとしながら語る一誠に、ありあは苦笑いだ。

 どこで間違えたのかは知らないが、一誠は同年代か少し上の世代の異性に対する興味がかなり薄く、代わりに一回りは年上の異性に対するこだわりが凄まじい。

 

 この性癖が絡まなければ、基本的に言動と行動がエキセントリックなだけの気の良い青年だし、親しくなった者への面倒見も良い。

 当初は席が隣だったこもあり、一誠に振り回され気味でもあったありあも、気付けばこうして食事しながら談笑するような仲になり、周辺からは『デキてる』なんぞと言われるようになった。

 

 

(どうせ失敗するんだろうけど、なんだかなぁ……)

 

 

 正直ありあは一誠に対してかなりの好意を持っているし、一誠とは幼少期からの仲である善吉とめだかがあれほどまでに一誠に懐いている理由も理解できる。

 

 だからこそ、ありあはちょっとだけ思うのだ……。

 

 

(一誠君より10歳年上だったらなー……)

 

 

 もう少しだけ、もっと一誠と親しくなれたらな……と。

 

 笑いながら話をする一誠に対して密かに想いながら、ありあは一誠から貰ったお弁当のおかずを食べるのだった。

 

 

 

 

 

 当たり前の日常も後半に差し掛かり、時刻は放課後。

 昼休みに言っていた通り、阿久根高貴の顔は見たくないし、そもそも生徒会ではないので張り切って久しぶりのナンパ活動を始めようと鞄を手に持った一誠だったが……。

 

 

「あれ? 今日部活休みなの?」

 

「うん」

 

「ほーん?」

 

 

 実はありあの所属する陸上部が本日活動休止日だったらしく、それを聞いてしまった一誠は――

 

 

「……うし! じゃあ遊ぶかっ!」

 

 

 ナンパ活動を返上し、ありあに対して軽く遊びに行かないかと誘った。

 これには少しだけありあも驚いて目を丸くする。

 

 

「え、でもナンパしに行くんじゃ……」

 

「それも大事だけど、ぶっちゃけ何時でもできるしな。

それより友達と放課後遊んだ方が、学生やってる感をもっと感じられそうだし、何より楽しそうだぜ」

 

 

 本人はどうやら単純にありあと放課後どこかに遊びに行きたいという――子供みたいな考えらしい。

 呆気なく予定を変更してしまう程度には一誠はありあに対してかなり親しみを感じているのがよくわかるし、思わぬ誘いにありあ本人はちょっと驚いてしまうし、冷静に考えてみたらこれは所謂アレではなかろうかと、ちょっと恥ずかしくなってきた。

 

 

「あれ? どうしたん?」

 

「え、えっと……い、良いんだけど……そのぉ……」

 

「???」

 

 

 別に一誠とどこかに遊びに行くのがこれが初めてではないし、寧ろ結構な頻度ではある。

 しかしここ最近になって、単なる友人とは違う感情を一誠に対して大きくしていたのもあってか、ありあは緊張してしまったらしいのだ。

 

 しかも、そんな二人のやり取りをなん抜きなしに聞いていた周囲のクラスメートの視線が『あれで付き合ってないって霧島は言うけど、絶対嘘だろ?』みたいな――そんなからかい半分の視線もあるせいで余計恥ずかしい。

 

 しかし、そんな時だったか……。

 

 

「失礼しまーす」

 

「一誠を迎えに来た」

 

 

 犬よろしくに一誠に懐きまくってる後輩二人が、空気を読まずに突撃し、嫌がる一誠を生徒会室に連れていこうとしたせいで、色々と有耶無耶にされてしまった。

 

 しかもよせば良いのに、一誠が善吉とめだかに『今からありあと遊びに行くからダメだ』なんて言うせいで、ますますありあは二人から敵意を持たれる始末だし……。

 

 

「な、何で私も生徒会室に……?」

 

「旅は道連れ――的な意味でつい。

今度埋め合わせするから頼むよ?」

 

「人吉君と黒神さんが良いなら別に良いけど……」

 

「ぐ、ぐぬぬ……!一誠が生徒会ではない以上、有明二年生だけを追い出すのは可哀想だし、仕方なくだ……」

 

「な、何気に一誠と現在進行形で手を繋いで貰っているのが羨ましいとかありませんからね……ぐぬぬ……!」

 

「い、いやこれは繋いでいるというよりは、一誠君に引っ張られてるだけなんだけど……」

 

 

 一誠に巻き込まれる形でありあまで生徒会室に連れていかれてしまうのだった。

 

 

 

 

 こんな形で生徒会室に連れていかれた一誠と巻き込まれたありあは、何故か花だらけの生徒会室に、既に阿久根高貴と――多分依頼人であろう目付きが悪めの三学年の女子生徒が居たので、ありあは取り合えず二人に軽く会釈をし……一誠は高貴を見るなり舌打ちを噛ましていた。

 

 もっとも、高貴も高貴で一誠を見るなり露骨に嫌そうな顔をしたのでお互い様という奴だった。

 

 そしてその時、依頼人である三学年の女子生徒こと八代が一誠とありあを見て大声をあげた。

 

 

「き、霧島と有明だ!」

 

「へ?」

 

「はい?」

 

「「「?」」」

 

 

 一誠とありあを指差しながら声をあげる八代の意図がさっぱりで、仲良く首を傾げる一誠達。

 当然ながら一誠もありあも八代とはこれが初対面だし、大声を出されるような覚えも無いし……何故だか知らないが、目付きが悪くてガサツそうな八代から、段々と少女漫画を読んでキュンキュンしてる少女みたいな顔をされる覚えも全くない。

 

 

「さ、参考までに聞きたいんだけど、どっちがラブレターを出したんだ?」

 

「ラブ……」

 

「レター……?」

 

 

 突然何を言い出すんだこの先輩は? と、本気で困惑する一誠とありあに、別に説明しろとも言ってないのに八代が説明をする。

 

 何でも恋をしたらしくて、その想いをどうにかして伝えたいからとラブレター作戦を思い付いたらしい。

 しかしながら、八代は自覚するレベルで字が上手い訳ではなく、考えた結果、その道の師匠が即刻引退を決意させた程の達筆なめだかにラブレターの代筆を依頼しにここに来た――らしい。

 

 

「そ、それでさ! どっちが出したんだよ?」

 

「だ、出してないですってば!」

 

「そもそもそういう関係じゃないですしね……」

 

「嘘言え! アタシ等の学年にすらアンタ等の噂が出てるし、この前運動場のど真ん中で抱き合ってたじゃねーか!」

 

「いや、あれには理由が……」

 

「………」

 

 

 そんな八代の目の前に、エキセントリックさである意味めだか並に有名な霧島一誠と、そんな一誠と学園内ではほぼ一緒に居る有明ありあペアが居るとなれば、代筆云々は一先ず置いておいて、どうやって恋人になったのかと聞きたい訳で……。

 

 

「だが、あれだけ中学時代は年上だなんだと大騒ぎしていたんだから、有明さんを何とも思っていないというのは流石に無理がないか?」

 

「だよな!?」

 

「だって一番気軽に話せるし、俺のバカさに付き合ってくれるし……」

 

「有明さんはどうなんだい?」

 

「わ、私はその……! うぅ……!」

 

 

 いくら一誠とありあが否定しても、そう思われても仕方ないサンプルがこれまで多くありすぎたせいで、全く信じて貰えそうもないし、そういった話をすればするほど、善吉とめだかの機嫌が斜め下に下降してしまう。

 

 

「二人の事より八代三年生、貴様の依頼が重要ではないのか!?」

 

「そうだそうだ! そして二人は絶対に付き合ってない!」

 

「お、おう……?」

 

 

 結果、ぐぬぬモードになってためだかと善吉が無理矢理話を軌道修正したおかげで、ひとまずこの話はここで終わったのだが、暫くありあはまともに一誠の顔を見られなくなってしまった。

 

 そして軌道修正した事で再び代筆についての件については、今回加わった阿久根高貴に任せるという方向になった。

 

 

「ありあ、何かごめん……」

 

「な、何が?」

 

「いやその……変な誤解ばっかりに巻き込んじゃってさ」

 

 

 その依頼を阿久根が執行中の際、かなりの存在達から誤解されていると改めて知った一誠が、もじもじしていたありあに割りと本気で謝っていた。

 

 正直言うと、一誠はありあを異性という意味ではなく大好きな友達と思っている。

 だからこそ、この誤解のせいでありあから拒否られてしまうと考えるだけで……かなり泣きそうになる。

 

 だからこそ一誠は真面目にありあへ謝るが、ありあからしてみればそういう誤解には慣れているし、逆に謝られると傷つく。

 そう、二人は仲は良いが、肝心な所ですれ違っているのだ。

 

 

「この際だから聞くけど、一誠君は私とそういう誤解をされているのって……嫌?」

 

 

 だからありあは、思いきって踏み込んでみた。

 少々身勝手で、一々距離感が近くて……でも一緒に居ると楽しくて。

 

 何時からそんな気持ちに気付いたとかは自分でも明確にはわからないけど、気まずくなってこの関係が壊れるくらいならと今まで聞くことのなかったありあの言葉に、一誠は即座に首を横に振る。

 

 

「嫌なもんかよ」

 

 

 当たり前のように即答してくれる一誠に、ありあはそれまでの気恥ずかしさが消し飛んだ。

 

 

「そっか……うん、私も嫌じゃない」

 

「! そ、そうか……! よ、よかった……」

 

「ふふ、もう慣っこだしね!

でもこれ以上は言わないよ? じゃないと、今もこっちを見てる人吉君と黒神さんに噛みつかれちゃいそうだし」

 

「「ぐぬぬ……!」」

 

「ったく、あの二人は何でそこまでありあに対抗心を燃やすんだか……」

 

 

 猟犬に襲われた時、一誠に助けられた。

 その時の本気の表情は多分これからも忘れない。

 

 

「こ、これで勝ったと思うなよ有明二年生!」

 

「い、一誠との付き合いは俺達の方が長いんですからねっ!!」

 

「あ、あはは……お手柔らかにね?」

 

 

 それが有明ありあの想いだ。

 

 

 

 

 そして本当の意味で一誠を知る時は近い。

 

 

「やってくれたなクソガキ……。

こっちか下手に出てりゃあ調子くれやがって……!

本当に――やってくれたよなァ……!」

 

 

 風紀委員会に襲われた時、見たこともない怖い顔でその風紀委員をズタズタにする姿を。

 

 

「い、一誠君が異常者(アブノーマル)?」

 

「ええ、我々は霧島君や黒神さんの様な生徒を暫定的にそう呼んでいます。

ですが、普通(ノーマル)とされる人吉君と有明さんも私からみたら不可思議ですよ? 異常者とそこまで普通に付き合えるのですからね?」

 

 

 学園の裏を知ることになり……。

 

 

「悪いが、貴様等が知りたがっている異常とやらは、とっくの昔に自覚していたさ。

……一誠の生き方を間近で見て追っていく内にな」

 

 

 十三組との小競り合いに、一誠とめだかを引っ張り出す為に巻き込まれてしまったり……。

 

 

「アンタ等の言う異常ってので計るとするなら、一誠とめだかちゃんは殆ど同じタイプだ。

けど、アンタ等言うとおり、めだかちゃんが相手の異常を完成させるとするなら――一誠は自分を無限に進化させる異常だ。

一誠の口癖である『もう慣れた』ってのはつまりそういう事だ」

 

「善吉の母が昔言っていた。

一誠はあらゆる環境や状況に即時適応し、糧として進化をする。

その進化には限界が無い――だからお前達の異常とやらが一切通用しなくなったのだ。

そして名付けるとするなら―――」

 

「「――――無神臓(インフィニットヒーロー)」」

 

「ヒーロー……」

 

 

 一誠の本質を知ったり……。

 

 

「『久しぶりめだかちゃん!』『僕だ――』」

 

「一誠!! 有明二年生はどこも怪我をしていないのだぞ! それなのに何故有明二年生に所謂お姫様抱っこをしている!?」

 

「そーだそーだ!! 不公平だぜ!!」

 

「俺のせいでありあまで巻き込まれたんだぞ! これくらいしか今の俺にはできねーんだよ!」

 

「さ、流石に恥ずかしいよ一誠君……。十三組の人たちもすっごい見てくるし……」

 

 

 

「ん? 誰かと思えば球磨川か?」

 

「あれ、本当だ? こんな所でなにしてんだアンタ?」

 

「『………』『いや』『箱庭学園に転校したからめだかちゃんを驚かせてやろうかなって思っただけ』」

 

「そうか、しかし見ての通り今私は一誠に抱っこをして貰わんとならぬので非常に忙しくてな。転校の手続きが済んだのならさっさと下校するんだな」

 

「『………』」

 

「相変わらずめだかちゃんのストーカーしてんすか? 暇だなアンタも」

 

 

 ある意味人気者の彼は悉くスルーされて、軽くマジ泣きしながら撤退しちゃったり。

 

 

「あら一誠君!? 暫く見ない内に大きくなっちゃってー!」

 

「暫くもなにも、一昨日近所のスーパーで普通に会ったでしょうが?」

 

「むぅ、こういうのはノリを楽しむものよ? それで? 最近ウチの子が言ってる有明さんってのはその子? 年上好きの一誠君にしてはずいぶんと可愛らしいお嬢さんじゃない?」

 

 

 合法ロリ(42)と三日ぶりに再会したり。

 

 

「アンタとアタシじゃあキャラが被るんだけど!?」

 

「そ、そんな事は無いと思うけど……」

 

「そうだそうだ、お前みたいなゴリラ女より、千倍はありあの方が可愛らしい――っぶねぇ!?」

 

「ドスケベの霧島なんかに言われたくないよ!」

 

「マウンテンゴリラ女と包帯女に変態呼ばわりされたかねーよ!!」

 

 

 同学年の――かなり個性的な知り合いが増えたり。

 

 気付いたら-十三組なる連中が転校してきたけど、軽くスルー気味だったり……。

 

 

「霧島一誠の真骨頂その1が『慣れる』だとするならその2は……『他人を進化させる』だ。

有明先輩がめだかちゃんに走力で勝ったのは、多分一誠が引き上げてくれたからだと思います」

 

「そ、そうなんだ……? でもちょっとだけ嬉しいかも。

ほんの少しだけだけど、一誠君をもっと知ることができた気がする」

 

 

 そんな環境により、有明ありあもまた『決して開く事など無かった扉』を少しずつ開け始め……。

 

 

「zzz……」

 

「ど、どうしよ……一誠くんが離してくれない」

 

「こ、この……! さ、さも困ってますな言い方なのが腹立つぞ有明二年生!」

 

「い、言いたかありまけんけど、一誠がこうするってことは、少なくとも無防備な姿を見せられる相手って有明先輩に対して思ってるんですよ……!」

 

「そ、そうなんだ? ………そっか、じゃあ仕方ないかな?」

 

「「ぐぬぬー!!」」

 

 

 ぐぬぬコンビのぐぬぬ度は増すばかりだった。

 

 

嘘です。

 

 

 

「僕は安心院なじみ、平等なだけの人――」

 

「『生まれて初めて王さまゲームで王さまになれた記念として』『5番の人が8番の人にキスだ!』」

 

「あ、8番だ……」

 

「………。俺5番なんだけど」

 

「球磨川ァァァッ!!!」

 

「テメー球磨川ゴラァ!! よりにもよって何であの二人の番号を指定してんだァァァっ!!」

 

「『ぼ』『僕に言われても困るよ!?』『本当に適当に言っただけだし!』」

 

 

 

 

 

 

 

「……………………」

 

 

 

 人外の人が見事なまでに霧島一誠のちゃらんぽらんメンタルを会得した者達から総スルーされるのも嘘です。

 




補足

このシリーズはお察しの通り、有明さんがヒロインです。

だから日常編からの風紀委員会編にも絡むし、十三組編にも巻き込まれるし、マイナス編にも巻き込まれてしまう。

結果、めだかちゃんと善吉くんのぐぬぬ度も凄まじい。


その2
嘘なんでなんとも言えませんが、こんなちゃらんぽらんな彼にひっついてたせいで、メンタルが既に突き破ってるめだかちゃんと善吉くん。

お陰でクマー先輩の事は『構ってちゃんな変な先輩』としか思ってないし、十三組達の異常についても『いや、すぐ隣にもっと変な奴居るから今更じゃね?』と思ってるし、人外さんに至っては『そういや中学時代に一誠を逆ナンしてはスルーされてた球磨川と同じストーカータイプ』と………とにかく認識力が斜め向こうに飛んでます。


ちなみに善吉君は今の時点で宗像先輩とタイマンやっても平気でぶちのめせてる程度には――進化してます。


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