色々なIF集   作:超人類DX

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取り敢えず警告だけします。一応


つーか……ガチガチの風邪で色々しんどい……。


それからの三人の生き方 ※閲覧注意

 俺という『人間』は、存外単純な生き物である。

 自分という存在を知り、そして傍らに居てくれる人が居ればやる気をそのまま生きる気力へと変換出来るのだからな。

 

 レイヴェルとなじみの事を思い出せば死にたくなると思うけど、それでも俺にはまだ白音と黒歌が居てくれる。

 それだけでも今の俺には十二分で最良の精神を保てるだけ……やっぱり俺は馬鹿なのかもしれない。

 

 ………………。いや正直に言おう。

 俺は単純に『俺を好いてくれる』人しか要らない。

 そして俺を好いてくれる二人に色目だ洗脳だをして無理矢理奪いに来るのであれば、俺は例外無く神だろうが大魔王だろうがぶっ殺す。

 

 その為だけに今の俺は自分を鍛え、自分のスタイルを確立し、進化という道を歩み続ける。

 他人から化け物と罵られようが……。

 

 

「……。奪われたなじみから教えられた話の中に、かつて英雄と呼ばれた男が居た。

安心院なじみを1億回以上も打ち負かした規格外であり英雄……。その男の特性を参考にし、只目の前の存在を破壊する戦闘スタイル――さしずめ無神臓(インフィニットヒーロー)モデル獅子目言彦・壊神モードと言った所か? ふふふ、英雄でも主人公でも勝者でも無い俺にしてみれば物凄い皮肉な状態(スタイル)と言えるな」

 

 

 俺は喜んで畜生にだってなってやる。

 

 

 

 

 大人へと近付く高校生……年齢にして約17・8歳になった俺は前の人生とは違う道を歩むつもりで学校には行ってない。

 前の時は生徒会長になってアレコレしてた訳だが、今の俺は美味いもんを食ってやりたいことをして好きな時に寝る――まぁ所謂ニートの道を進んでいる。

 理由は単純明快に、レイヴェルやなじみが俺――いや俺と白音と黒歌の知る二人じゃない時点でやる気が出ないのが答えであり、今更学校なんて行ってらんないというのが本音である。

 

 まあ……ある程度割りきってるとはいえ、駒王学園を見たら嫌でもイヤな思い出が甦るだろうし、そもそもこの時代での俺達は既にクソ転生者――兵藤誠八をぶっ殺してやったのだ。

 あの学園に蔓延る騙され連中と関わる理由すらこの時代には無いし、多分姿を目にしたら思わず脛椎を逆に捻ってぶっ殺してしまいそうだからな。

 

 だから行かない。

 白音もあの紅髪の悪魔の下僕じゃこの時代じゃなってないし、記憶が甦る前に転生悪魔になってしまってた黒歌の主のカス悪魔は再会後に俺が一族ごと『心中したと見せ掛けて』ぶっ殺したからな。

 黒歌は悪魔共に指名手配はされてるだろうが……記憶が甦ったと同時に復活した安察願望(キラーサイン)を持ち、更に暇さえあれば三人で鍛えまくった事で昔の俺をも越えてる今の黒歌を捕まえる事なぞ魔王共が徒党でも組んで来ない限り軽く返り討ち可能だぜ。

 

 

「おっと、コイツはグラビアの袋綴じか

フッフッフッ……これは念入りな手術(オペ)が必用――」

 

「あーっと手が滑ったにゃー(棒)」

 

「あーっと間違って姉様が先輩から叩き落とした如何わしい雑誌の上に麦茶を落としてしまったー(棒)」

 

「ジーザス!? Gカップボインがふにゃふにゃにー!?」

 

 

 以上の事を踏まえて、この世界での主な俺の活動は『黒歌と白音を知り且つ俺から奪おうとする為に現れた転生者を即殺し』し『この世界の全生物の力を遥かに越え、誰も自分達を脅かせない程の実力を維持し続ける』のを目的に、普段は……まぁ適当にその日暮らしを普通の人間(ノーマル)達に混じってするのである。

 金品をこの世界に蔓延る悪い人間から失敬して集め、幽霊だか自殺者だかが理由で凄い安値で叩き売りされていた家を購入して住むだけでも意外に楽しくやれているのだ。

 

 まあ……そのせいか知らないが最近の俺は前の世界ではまるで出てこなかった『年頃の餓鬼』っぽくなってる様な気がしないでもないがな。

 

 

「お、おいおい……。

まだ特集ページも読んでないのに酷いことするなよな……もう」

 

「当て付けですか? 全然成長しない私の胸への当て付けで言ったんですか?」

 

「というより前と比べるまでもなく明らかにイッセーってスケベになってるにゃん。

いや、別に嫌いになるとかじゃなくて」

 

「仕方ないだろ、考えてみれば以前の俺が変だったんだ。

精神的には換算しておっさんかもしれんが、身体はあの日死んだ時の歳になったんだぞ? 寧ろ年相応だと思って然るべきだ。それにそんな理屈を抜きにしてもGカップとか気になるだろ」

 

 

 以前以上に己を鍛え続け、気づけば以前の世界で死んだ時と同じ年齢になっており、以前の俺を遥かに超越した――完全な全盛期となってなじみを越えた気がする領域へと進入した俺は、同じく異常な速度で力を増し続ける同志・白音と黒歌と一緒にのほほんと生きており、今日もまた週刊誌の袋綴じページをオペしようとしたらグチャグチャにされてしまった。

 そして何か責めるような目を向けられてしまった。

 

 

「そうですか。やっぱり胸の成長が前と変わってない私に対する当て付けなんですね」

 

「大きさならこの写真の雌より自信あるんだけどな? というか言えば毎日生で見せるし触らせるのに……」

 

「…………。あ、うん……なんかごめん」

 

 

 そっくりな猫目のジト目を向けられて俺は思わず目を逸らしながら謝ってしまった。

 遅れすぎな思春期というか、自分を偽るのを止めたせいだというべきか……今なら確実に前の世界のレイヴェルから受けてたスキンシップをされたら即座に押し倒してしまうだろうレベルにアレな心境というか……。

 

 

「その癖私と姉様には手を出しませんよね……ふざけてるんですか? それとも嫌いなんですか?」

 

「嫌いは無い。

無いんだがなんかこう……イマイチそこまで行く自信が無いというか、今はまだ見てるだけで良いというか」

 

「此方は毎晩意味深に抱き枕にされてるのに? 酷い男だにゃん……」

 

「いやー……あははは」

 

 

 そうなんだよな……勿体無い話、この二人は俺を以前を含めて全部知ってる処か好いてまでくれてるんだよなぁ。

 よくレイヴェルと小競り合いまでしてさ……何か俺が言うのも何だし今更だけど、レイヴェルも白音も黒歌も男の趣味が悪いんじゃねーか? ただの脳筋馬鹿な俺をって……。

 

 

「抱き付くのはアレだぞ……。それだけお前等に依存してるって意識の現れだと思うぜ。

基本俺って好きだと思う相手の人肌を欲しがる性質があるって言われてたし……なじみに」

 

「甘え癖って奴ですね。

考えてみれば、一誠先輩は頼られるより頼りにしたいって感じですもんね」

 

「態度で誤解されがちだけどイッセーはそうだにゃん。

大体一昨日の夜のイッセーが何をしたか知ってる? いきなり寝ぼけて私の服の胸元開いて思いっきりちゅーちゅーと……」

 

「あー……いやうん。

起きたときにお前が半裸で悶えてたから何事かと思ってたけど……ありゃすまんかった。

我ながら最低だと反省するよ」

 

「一応言っておくと昨日は私にしましたからね……ちゅーちゅーと」

 

「えぇー?

それってやっべーだろ……俺って無意識に精神退行でもしてんのか?」

 

 

 でも言ったところで返ってくるのは何時だって『それが変だというのであれば、喜んで変人になる』だもんな。

 ホント……殆ど失って気付くのは実に皮肉だけど大事な人ってやっぱり大事なんだな。

 それにどっぷり甘えるスタイル取ってる自分が結構情けないが。

 

 

 

 

 一誠先輩……。

 意識がある時は『自分は平気だ』って態度を見せているが、実際はまだレイヴェルさん達の事を引きずっているのが分かります。

 それが如実に出るのが、夜寝る時であり自然と決まっていた三人一緒になって寝る……その時です。

 

 

「イッセーは今お風呂入ってるから白音にだけ言うけど、実は私の首のこの部分……赤い痣みたいなのがあるでしょ?」

 

「あー……ありますね、虫刺されみたいな痕が」

 

「実は胸の後に思いきりイッセーに吸われたんだにゃん……。

ねぇ、此処までされてそれ以上は絶対にしてこないってさ……普通に罪だと思わない?」

 

 

 確かに。

 以前のレイヴェルさん並みに先輩とはこの世界で一緒に生きてきましたが、寝惚けて際どい所までしてくる癖にそれ以降までは絶対にしては来ない。

 

 袖がよれよれの黒いスエットの上だけを着てる姉様がかなり不満そうに愚痴るのを、私は同意するように頷き浴室から聞こえる一誠先輩の音程が大きく外れた変な歌を耳に入れながら、自分の前と変わらない胸元に手を置いて姉様に話す。

 

 

「私も此処に痕を付けられましたよ。いえ、別に良いのですが、無意識にやってるのが逆に腹が立つというか……」

 

「この痣みたいなのって、『自分の所有物』だって解るように付けるマーキングみたいなものだって説が人間の中であるらしいにゃん。

となれば、イッセーは深層意識じゃ私と白音を『自分のモノ』と思ってくれてるってことで喜んで然るべきなんだけどね」

 

「ええ……。

ですが意識のある先輩は変に意固地というか、やはりレイヴェルさんの事を引きずっているいるのでしょうか……」

 

「だろうね。いや……そうだからこそ私も白音も強く言えないにゃ。

目の前で一番大切な子をあんな変態に奪われたんだもん……寧ろ綺麗サッパリ忘れるなんて無理だよ私なら」

 

 

 今でも昨日の事のように覚えてます。

 アレだけ『一誠様!』と煩かったレイヴェルさんが、一誠先輩が転生者に負けたショックにより生じた心隙を突かれ、私と姉様共々あっという間塗り替えられたあの気持ちの悪い感覚。

 

 私と姉様はあの男のほざいた『初夜』とやが実行される前に正気に戻り、その場で自分を消滅させる程の力で自害をしたけど、レイヴェルさんは……。

 

 

「白音……イッセーの手前言わないで置こうと思ったけど、レイヴェルはあの時……」

 

「はい……私も見てしまいました」

 

 

 既に……あの男に『された』後だった。

 

 

「多分一誠先輩も悟ってます。それが余計、運良く再会できた私と姉様に対して無意識にやってしまうんでしょう」

 

「『誰にも渡したくないからマーキングする』のも『俺から二人を奪う輩は例外無しに殺す』って意味合いって事?」

 

「はい……先輩は決して顔には出してませんが、やっぱり辛いんですよ」

 

 

 服は脱がされ、あの男にレイヴェルさんが犯された現実は先輩悟っている筈。

 だからこそ異常なまでに転生者に対して遠慮なく殺しに掛かるし、前に一度だけこんな事が……。

 

 

『おいおいおい、何でコイツ(一誠)が既に白音と黒歌と一緒なんだよ? 原作と明らかに違うじゃねーか』

 

『…………』

 

『ったく、こっちははぐれ悪魔になって追われてるだろう黒歌と白音を救ってフラグを立てたあと、あの無能我が儘悪魔の下僕にさせないように先回りしようとしたのによ。

何の間違いがあってまだ赤龍帝の籠手を覚醒させてない変態と一緒なんだ? まさかテメーも転生者か憑依系の』

 

『『……………』』

 

 

 日本名なのに銀髪で左右の目が違い、私と姉様にイヤな目を向ける変な男が現れた事が数年前にありました。

 その男は一誠先輩を邪魔者を見るような目を終始向け、見下して、何より名乗っても無いのに私達の名前を当たり前の様に口に出しており、それが前の世界では見てなかった転生者であることが一発で分かりました。

 

 まあ、それだけならさっさと始末してしまえば良いのですが……。

 

 

『まぁ良いや……お前殺して二人の記憶を消せばいくらだってフラグは立てられるしな』

 

『………………………………………………』

 

 

 転生者は一誠先輩にとって一番に触れてはならない部分を――言葉を口にしてしまった。

 それが引き金となった事は後ろから先輩の背中を見ていた私と姉様に悟らせるには十二分であり――

 

 

『おぇぇぇぇっ!?』

 

『今……貴様は何と言った? 記憶消して塗り替えるだと? ほう……あのクソ野郎と同じ系統が再びってか? あ?』

 

『そ、そんなばか……な。

一方◯行のベクトル反射をすり抜け……げぼぉっ!?』

 

 

 ア、ア……? アクセなんとか何とか……多分その男の自信の源だと思われる力をあっさり先輩に『破壊』された転生者は、完全にキレてチンピラみたいな口調になった一誠先輩に元の顔の面影が全く無くなる程に殴り付けられ続けるという末路を辿った。

 

 

『どいつもこいつも……転生者(キサマ)みたいな輩は何故そうなんだ?

テメーが俺の何を知ってるかは知らんがな……残念ながら俺はテメー等の自称する転生者のせいで同じ人生をまた歩んでんだよ……あーゴラ!?』

 

『げほっ!? ぐぎ!? や、やめ……びぃ!?』

 

『気に入った女を片っ端にモノに出来ると平然と考えやがって……ヘドが出るんだよ! とっとと死ね!! 直ぐにでも死ね!! 死にやがれぇぇぇっ!!!』

 

 

 先輩は私達をあらゆる概念から守るために、以前の世界で残った無限に進化し続けるスキルと経験値をフル活用し、以前の先輩を遥かに超越した領域へと登り詰めていた。

 その力はあらゆる力を……概念を破壊し、先輩に壊されたモノや者や物は絶対に『直らない』。

 

 

『黒歌と白音には誰だろうと手は出させねぇ……。

テメー等を殺してまでも守ってやる。それが今の俺が生きる理由だ……クソッタレ野郎が!』

 

 

 無神臓(インフィニットヒーロー)・壊神モード。

 つまり転生者が神とやらから得た力が何であろうが、例外無く壊される訳であり、例え生き残ったとしてもこれから先の転生者の人生は死ぬまで『愉快なオブジェ』みたいな容姿と姿で生きなくてはならないのだ。

 

 そう考えれば、此処で呆気なく激昂した先輩に殺されただけ彼はマシだったのかもしれない。

 

 

『イッセー……もうそいつ死んでるにゃん』

 

『それ以上殴っても意味はありませんし、何より先輩自ら手を下すまでもありませんよ……』

 

 

 絶命していても尚殴り続ける先輩を止めた私と姉様は一誠先輩を止める。

 私達も守られるだけでは駄目だと思い、先輩と一緒に死ぬ気で力を付けてきたおかけで強くなれた。

 特に姉様の場合はスキルの『えげつなさ』が増しており、暗殺に関しては一誠先輩を越えているまでに胸共々成長してます。悔しいことに。

 

 

『大丈夫か? あの時みたいに薄ら寒い笑みでコロッと堕ちたとかは――』

 

『だから無いって。精神的な意味でもあの時からイッセーと一緒に頑張って強くしたんだよ?」

 

「そうです。現に私は今先輩から所謂べろちゅーをして欲しいと本気で思ってます』

 

『………。そ、そうか……』

 

 

 洗脳の恐ろしさは私と姉様が一番に良く知ってる。

 ですが何度も言うとおり心の隙さえ無くしてしまえば……一誠先輩に対する信頼と妄質的なまでの想いさえ崩さなければ何のブレもありません。

 それが前はレイヴェルさん共々足りなかったから洗脳なんてふざけたものに堕ちてしまったのだ。

 対策は何時だって優先して立てるのは当たり前だし現に一ミリたりとも心は揺れなかった。

 

 

『それにしても何で私と白音なんだろう?』

 

『どうも転生者達にとって私と姉様とある意味一誠先輩は有名みたいですね』

 

『白音と黒歌はアレだろ……。

女の子してのスペックが凄いからとかそんな理由だろうよ。

言い方はアレだが、奴等クソゲス共の性欲の捌け口としてもな………………クソ』

 

『………。どうしよ、あの時の事を思い出して鳥肌がやばいにゃん』

 

『………………。いっそそうなる前に先輩のモノにして欲しいものですね』

 

『…………………………』

 

 

 以上の事があり、ますます先輩は強くなる理由と容赦の無さを持つようになった訳です。

 まあ確かに以前の先輩から大部変わってしまってますが、普段の先輩は前と変わらない所がちゃんとあります。

 なので嫌いにはなれません……というか何かある度に自分の命を平然と後回しにして私と姉様の盾になってくれる先輩を嫌う理由が見当たりませんね。

 

 

「でも……不謹慎だけど前よりイッセーに大切にして貰ってると思っちゃうんだにゃん……。何かイヤな女だよね……」

 

「いいえ姉様、それは私も同じですよ。

皮肉にもレイヴェルさんが居ない今、残った私と姉様が一誠先輩にとっての生きる動機なんです」

 

 

 かつての世界で追われて絶体絶命だった私達姉妹に手を差し伸べてくれた先輩。

 全てを失い、残った私達を守り通すためにがむしゃらになる先輩。

 

 性格は少し変わったかもしれないけど、どちらも私達の知りスキルの名前と同じヒーローです。

 だから私も姉様も一誠先輩から離れません。離れたがりません……離しません。

 

 

「炭酸ガスのバ◯が無くなってたぞー…………っと? どした、二人して上着だけの生足見せ状態で……?」

 

「えっとね、この格好をしたらイッセーがムラムラするかなーって白音と相談してたんだにゃん」

 

「タオルで今隠してる先輩の分身さんの無反応さを見るに残念な結果の様ですが……」

 

「…………。白音って前よりかなりぶっ込んで来るようになったよな……」

 

 

 誰よりも大好きな人……ですからね。

 

 

 

 安心院なじみとレイヴェル・フェニックス。

 この二人は今のイッセーがイッセーである理由の土台を担った存在であり、イッセーにとって一番大切だった人達。

 けどこの世界には安心院なじみは存在しないし、レイヴェル・フェニックスも存在はすれど『悪平等でも能力保持者でもない只の純血悪魔』だにゃん。

 

 その現実がイッセーを苦しめているのは見てて解ってしまうし、それに対して私も白音も有効な癒し方を知らないのが何よりも悔しい。

 

 

「そういえば前の世界での今頃は生徒会選挙をやってた頃になるな」

 

「あー……確か最有力候補だったソーナ・シトリーさんを途中参加で圧倒的にぶち抜き、支持率97%で当選しましたよね」

 

「97%!? そ、それは知らなかったにゃん」

 

「ふっ、まぁ昔の話だがな」

 

 

 晩御飯を食べ、眠りに入る前はTVのある部屋で寛ぎながらお話をするのが、私達三人の自然な過ごし方で、思い出したかの様に語るイッセーは自嘲めいた笑みを見せていて、それを見た私と白音は掛ける言葉が見つからずに黙りこくってしまう。

 

 けれどイッセーは何時もの『別に平気ですけど?』みたいなヘラヘラした顔で笑いながらパンパンと手を叩き、黙りこくってしまった私と白音に空元気なテンションで捲し立てる。

 

 

「へいへい、辛気臭い話しは止めにしてそろそろ寝るか? たまには別々に寝たりとかよ?」

 

 

 分かってるからこそ辛い。

 いくら強くなっても、イッセーの心を癒せない無力な自分に腹が立つ。

 だからこそせめて……せめて私達に出来ることは、一人で眠ると決まって『魘される』イッセーの傍で悪夢を見せないようにしてあげること。

 痣みたいなの……いやキスマークだろうが何だろうが好きな所に好きなだけ付けてくれれば良い……というかして欲しいしね。

 

 

「え、それは嫌ですよ。

正直な話三人でくっついて寝ないと熟睡できない自信がありますので」

 

「そんなマジで自信に満ち溢れた顔で言わんでも……」

 

「再会してからずっと一緒だったもんねー? そもそもイッセーは一人でちゃんの寝られるの? 人肌が無いと寝られないと明言してたじゃん」

 

「…………。あ、確かに無理だ」

 

「でしょ?」

 

 

 でも最後の一線だけは越えてきて来れないのは寂しいんだよイッセー……。

 いくら三人で一緒だろうと、当たり前の様に敷いた布団で密着していようが、寝惚けて色んな事をしちゃつて来ても……。

 

 

「Zzzz……」

 

「ホント固まってる時の先輩は信じられないくらいに寝付きが良いです………っと、今日はどうやら私みたいですね」

 

「……。そうみたいだね」

 

 

 レイヴェルの代わりは私達にはできないのかな……。

 

 

「? 姉様……?」

 

「ん……その内こんな生殺しばっかりを続けるつもりなら、こっちから襲っちゃうよイッセー?」

 

「んー……Zzzz」

 

「んぅ……先輩の寝息が……っぅ……! そ、そんな所をまさぐらないでくだ――あっ……!?」

 

「ホントに寝てるのかにゃ? って思うんだけどこれって全部マジなんだよね……あぁ……お腹の下が熱くて何時も切ないにゃん……」

 

「い、今に始まった話で無いにしろ、体格が大人になって来た今、そろそろ本気で何とかして欲し……ひぅ!? せ、せんぱい……そ、そこは駄目、です……ぅ……!」

 

「にゃぁ……」

 

 

 代わり……いや、レイヴェル以上になりたいなぁ……。

 

 

 

終わり。

 

 

 

 

 無限に蓄積され続ける進化の道を進む一誠と白音と黒歌は前とは違う生き方をしていた。

 

 しかし運命はそれを許さず、彼等の元に現れたとある人物による懇願により、三人の運命は再び加速する。

 

 予告……『転校』

 

 

『貴方が黒神一誠ね? 話は兄から聞いたわ。

人間である貴方と組む理由を兄は教えてくれなかったけど、取り敢えずはよろし――』

 

『…………………。まさかの『奴だった』から乗ってみたが、マズイな――――――――予想を越えた意味で貴様の顔を見てると殺戮衝動に駆られる』

 

『へ? な、なによそれ……』

 

『それにそこの黒髪の悪魔もそうだ……その顔面を眼鏡ごとぶち割ってみてぇ……』

 

『は、はぁ?』

 

『あ、どうしよ。私も実はひっぱたいてやりたいにゃん』

 

『それを言ったら私は全員の手足の骨をへし折ってから畜生の餌にしてやりたいですよ』

 

 

『『『……………………』』』

 

 

  相見えるは、かつて転生者に落とされ死ぬ直前まで自分達を嘲笑っていた者達の別の道を歩んだ少女達。




補足

他の二度負けとは違ってある程度は割りきってます。
理由はこの世界には師匠と悪平等が最初から存在せず、加えて自分を理解してる人が二人とはいえ居てくれてるどころか自分と並んで進化し続けてくれているからですかね。

よって本編でもある通り、二人に害となる存在は……そうでなくても色目を使う輩は例外無く殺戮されます。
 輩の喧嘩みたいにエグいやり方で。


その2
上記の通り、それが転生者っぽいと断定したらもっとエグく潰します。
 特典能力をぶっ壊した挙げ句顔面ごとぶっ壊します。
 ベクトルだろうか反射膜だろうがその概念をぶっ壊してしまう今の一誠は文字通り『ヤバイ』です。
 マジでその気になれば地球ごと壊しかねませんから……。


その3
そんな事があるとの基本口だけ番長があって二人とは際どい真似を寝惚けてするくせにそれ以上の事はしてません。

いや、見方によってはほぼアウトなんでしょうが。

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