色々なIF集   作:超人類DX

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多分だけど、ドラゴン波で解決しちゃうからさ……


そんな日常その2

 セレナ・カデンツァヴナ・イヴにとって慕う存在は無論姉である。

 

 そして自身の生きるべき故郷(セカイ)を失っても尚生き残ってしまった青年もまたセレナにとっては唯一の肉親である姉と同じくらいに慕う者である。

 そんな青年との奇跡の出会いが、短い生涯となるセレナの運命を変えた事を、セレナ自身や青年は知らない。

 

 出会ったその時から全く姿が変わらない青年が普通の人間ではない事も知っている。

 過去を未だに引き摺って居るのも……。

 友や恋人を失ってしまった事も……。

 

 しかしそれでもセレナにとって青年はヒーローだ。

 

 どんな時でも、ちょっとめんどくさそうな顔をしながらも自分や姉に手を差し伸べてくれた。

 悲惨な戦場でこれまでの人生の大半を過ごした時も、青年が守ってくれた。

 

 とある組織に連れていかれた時も、青年は組織の大人達に向かって啖呵を切って自分達の安全を必ず保証させた。

 あくまでも本人は『つまらない良心から来る自己満足な行為』と自虐しているけど、そんな自己満足に救われているのもまた事実であるとセレナは解っている。

 

 例えずっと過去の事しか見ていなくても、青年は自分達との今を蔑ろにしている訳ではないのだから。

 

 

 

「ライブ会場で言ってたアレは、何のつもり?」

 

「そのまんまの意味だけど、何か問題でもあったか?」

 

「あるに決まってるでしょう!? あんな自殺したがってる人みたいに……!」

 

「良いだろ別に。

寧ろ俺を殺せるんだとしたら、大したもんだと思うぜ」

 

 

 少しだけても良いから前を向いて欲しい。

 それがセレナ――いや、セレナ達の願いであった。

 

 

 

 本来の歴史ならば、ナスターシャはある事故が理由で右目を失明し、自力で歩く事も儘ならない程の肉体的ダメージを負い、そしてどう考えても不摂生なのもあるだろう的な病に犯されてしまう筈であった。

 だが龍の力を宿し、適応進化する事が可能な青年との出会いがナスターシャの運命を変えた。

 

 

「おっと、どうやら俺も良い感じで犯罪者入りになったみたいだぜ?」

 

 

 人という種の突然変異体。

 何億年と続いた人類の進化を根底から覆す、人でありながら人でない存在。

 

 ナスターシャにとって青年――一誠という男はそんな存在であるのと同時に、ある意味では最も信頼の置ける男でもあった。

 

 

「あの子達への悪意を逸らす為とはいえ、随分と思いきった事をしてくれましたね……」

 

「あ? 別にアイツ等の為とかじゃあ無いな。

俺という世界にとっては害にしかならねぇ生物が存在してると教えてやれば、少なくとも死ねる確率が少しは上がるだろ?」

 

「………。細菌ガスが蔓延している部屋に押し込めても、その部屋の中で平気な顔をしながらナイター中継を見ていたアナタを殺せる者や物があるとは思えません」

 

 

 だが彼の意向により、彼の積み重ねてきた進化の産物という名の、人類にとっての宝は世間に知らせてはいない。

 いや、というよりは誰も彼の持つお宝を本当の意味で使いこなせる者は居ない。

 

 唯一の例外が、こちら側にスカウトした科学者の執念と偶発と賭けによって成功したナスターシャ自身だけ。

 

 

「寧ろあの細菌兵器にアナタの細胞が即時に適応したばかりか、糧にして更なる進化をしてしまってます」

 

「アレは真面目に余計な事だったと反省してるわ。

無駄にパワーが増してしまった……」

 

 

 病によって寿命が少なくなっていたナスターシャは生きている。

 それも以前よりも健康体で、しかも日増しに肉体に力がみなぎるという……病自体を糧に進化したかのように。

 

 

「恐らくは私が同じ事をしても、アナタと同じようになるでしょう。

ご覧の通り、ここ最近は肌の皺や衰えがなくなり、潤いと張りを取り戻しましたし?」

 

「ああ、そうみたいで……」

 

 

 スカウトした科学者の執念が、常人なら取り込んだだけで瞬く間に細胞自身に食い殺されてしまうであろう一誠の進化細胞を殆ど自殺を覚悟で取り込もうとしたナスターシャ用に調整に成功した。

 

 それによってナスターシャは病を克服し、あろうことかナスターシャ自身を日に日に若返らせているという、不老不死の体現まで果たしてしまっている。

 

 

「身体も軽いですし、垂れていた胸も再び――」

 

「ババァの胸の話をされても困るんだけど……」

 

 

 一誠はそこまで適応してしまっているナスターシャに複雑な表情だ。

 しかしナスターシャはそれを覚悟した上での事なので、これから先どうなろうとも構わないという意思がある。

 

 

「この事を子供達に話してみたら、相当羨ましがられましたよ……ふふふ」

 

 

 もっとも、何時の日か一誠と見た目の年齢が逆転する日が訪れると思っている少女達から、最近はちょっぴり嫉妬されてるけど。

 

 

「で、これからどうするつもりだ? 分かりやすく『死にたくなけりゃ俺を殺してみろ』と煽ってやったが……」

 

「ああ、それなら直前の事故でネットワークが遮断されてしまったらしくて、アナタの発言はその場に居た者にしか伝わっていないみたいですよ?」

 

「わっつ!?」

 

 

 老女もまた、不思議な青年によって運命を変えた者であるのだ。

 

 

 

 

 月読調と暁切歌にとっての一誠とは、大人とはあんまり思えない大人だった。

 何せ一々大人気ない。

 

 

『ヒャッハー! またまた俺が一着ゥ! 残念でしたァ!』

 

 

 最初は、『なぁ、やることがないからやらね?』と無理矢理一誠に誘われてマリアやセレナと共にやったトランプゲームだった。

 大富豪というゲームなのだけど、大人である筈の一誠が決まって目を血走らせて、ガチになるのだ。

 そして負ければ、勝つまでやらせろと駄々をこねるし、勝ったら勝ったで、腹が立つくらいの憎たらしい笑顔で煽ってくる。

 

 だから切歌も調も思うのだ……『子供か』と。

 

 けれど、そんな大人になれてない大人な一誠によって色々な意味で救われた事は決して少なくない。

 覚悟がまだ足りない自分達を、何を言うでも無く察して手を汚し続けていた事も、離反する前は上の者達に向かって啖呵を切り、自分達を守ってくれていた事も。

 

 それを知っているからこそ、そして一誠自身が普通の人間として死ねない理由を知っているからこそ――二人もまた一誠を信用するのだ。

 

 もっとも、イケ好かないウェルを一誠が信用しているのは気に入らないけど。

 

 

「マムが言ってましたけど、どうやらあの発言は発信されてなかったみたいデス」

 

「良かったね?」

 

「揃って良い顔して笑いやがって……」

 

 

 マムことナスターシャが、一誠の単純な考えをあっさりと読んでいた事が原因で、マリア達の宣戦布告後の一誠の発言だけは阻止した――と、あとになって知った切歌と調は、セレナに小言を言われた後、一人で何故か卵かけご飯を食べていた一誠に安心したという意味もこもっている笑顔で話しかける。

 

 理由ありきの死にたがりであることも、自分の様な人間に誰かがなってしまうのも望んではない事は彼を知る者達は知っている。

 

 

「マムがどんどん若返ってるのを見てると、羨ましいデス」

 

「マリアも言ってた」

 

「まあ、アイツは二十歳越えてるからな……けど俺やババァから見りゃ、二十歳なんて若いだろうが」

 

「一誠はいくつだっけ?」

 

「えーっと、多分30くらい? 色々とありすぎて自分の実年齢があやふやなんだよ……」

 

「でも見た目は私達と変わらない。だから最近のマリアは―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~ぁ~男の人ってぇ~! 何人、好きな人がほしいのー!? あ~あ、私だけ愛してよ~!

いつでも 一人だけをー……!

 

あーあー男の人って~! いくつも愛を持っているのね

ああ、あちこちにバラまいて私を……悩ませるわー……!」

 

 

 

「引く程熱唱してる……」

 

「なんでも、夢で会った女の人から教えて貰ったらしいデス」

 

「ふーん……? つーかやっぱし声はホント似てるな……」

 

 

 ボイストレーニングにしては、何故か半泣きな顔しているマリアの若干ドン引きものの熱唱が、一誠が今でも最も愛する悪魔女性であるリアスの声に改めて似ているので、ちょっと苦笑いだ。

 そんな姉を傍で見ているセレナがチラチラと一誠を見ながら、何やらマリアに耳打ちすると、余計熱の籠った声で歌っている。

 

 

「あんまりソワソワしないで?

あなたは いつでもキョロキョロ

よそ見をするのはやめてよ?

私が誰よりいちばん

私がいつでもいちばん

あなたの全てが

 

好きよ(好きよ)好きよ(うっふん)

好きよ(好きよ)好きよ(ふふふ――

いちばん 好きよーー!!!」

 

 

 

 

「セレナまで乗ってんじゃねーか……。あの姉妹の最近の行動はホントよくわかんねーわ」

 

「「………」」

 

「お前らからそんな目をされる理由もよくわかんねー」

 

 

 とうとうセレナまで一緒になって歌いだし、歌い終えたと同時にお茶を飲んでた一誠をチラッチラと見てくるので、取り敢えず微妙な顔しながら頷いてあげてら、半泣きだったマリアは大泣きしながら部屋から飛び出してしまった。

 

 

「あの子の感情がよくわかんねーんだけど……」

 

「「「………」」」

 

「いやだからお前らにそんな顔される意味もわかんない」

 

 

 

 

 

 

 良いから追い掛けろと食べかけだった卵かけご飯を切歌と調に強奪された挙げ句食べられてしまい、飲みかけていたお茶をセレナに飲み干されてながら追い出されてしまった一誠は、意味がわからないまま飛び出したマリアを探したのだけど……意外にもすぐ見つかった。

 

 というのも、冷静になって恥ずかしくなったのだろう、通路の隅っこの壁に向かって体育座りをしていたのだ。

 

 

「よう」

 

「うぅ……」

 

 

 5・6年程前からマリアの行動に突拍子の無さが追加されているのは一誠も知っているし、決まってそんな行動を起こした後は自己嫌悪か何かで落ち込むのも知っている。

 

 軽い調子で話し掛けてみれば、自分の行いが後になって恥ずかしくて仕方ないのか、真っ赤に紅潮し、涙目になった表情で一度だけ振り向くと、そんな顔を隠す様に自分の膝に顔を埋めた。

 

 

「そんなんになるんだったら、最初からすんなよ……」

 

「い、今本当に後悔してるのよ……うぅ、あんまり見ないで……」

 

「知らねーよ、自分の行動には責任持てって言っただろうが……そら、んな所で体育座りなんてしてねーで戻るぞ」

 

「うー……!」

 

「『うー』じゃないよ。ガキかお前は……」

 

 

 

 こうなると割りとめんどくさくなる事も知っている一誠は、梃子でも動こうとしないマリアを無理矢理抱える。

 

 

「っ!? う、うー……!」

 

 

 その瞬間、ビクッとするマリアは自身を抱える一誠の呆れた顔と目が合ったので、恥ずかしいのもあって両手で顔を覆う。

 あのライブでカッコつけて宣戦布告をしていた女性とはとてもじゃないが思えない。

 

 いや、基本的に彼女はちょっとポンコツが入ってるだけの女性なのではあるが、一誠が相手になると、そのポンコツ度が倍以上に跳ね上がるのだ。

 

 

「そもそもさっきの歌ってお前の持ち歌じゃねーだろ?」

 

「そ、そうだけど、アナタに対する抗議を込めた歌というか……」

 

「は? 抗議? 何の?」

 

 

 当たり前の様に一誠に抱えられてる今のマリアをファンが見たら、間違いなく一誠は失敗した世間への挑発なんて必要無しなヘイトが集まることうけあいだ。

 しかし残念ながら、ここはマリア達のテリトリーなので、そんな光景を見られた所で『生ぬるい目』で見られておしまいだ。

 

 

「い、色々とあるのよ! 色々と!!!」

 

「あ、あぁ……?」

 

 

 マリア・カデンツァヴナ・イヴにとって一誠は年上の男である。

 自身の声がかつて一誠が愛した女性――リアスと似ていると聞いた時は、自分をリアスに重ねられていたのだと激怒したこともあった。

 

 でもそれはマリアがそう思っていただけで、実際一誠は全くそんな気は無かったと知ったのにそう時間は掛からなかった。

 

 何せ一誠はマリアをそんな対象としては決して見ていないから。

 何より、以前写真で見たことがあり、その時点で敗北を思わされる程の美貌のリアスの事を、死に別れた今でも想い続けているから。

 

 

「私はもう子供じゃないのに……」

 

「そう言ってる時点で、お前はまだガキだよ。

大人になるってのは、自分で生き方を決めるって事だ」

 

「そんなの! と、とっくに決めてるわ……!」

 

「へぇ? じゃあ言ってみな?」

 

「うぇ!? そ、それはその……アナタと――――――あ、あうあう……!」

 

 

 それがマリアにとっては複雑だけど寂しい。

 自分とリアスは違うし、現に扱われ方が基本的に雑なのだ。

 あの地獄の様な場所で傷だらけの姿でセレナを守り、自分を守り、食べ物を割いてくれた。

 

 レセプターチルドレンとして組織に囲われた時も、大人達から守ってくれたのも……。

 

 宣戦布告によって敵に回した世界からの憎悪を一手に受けようと、世界に向かってさらに挑発した意味も……まあそれは失敗したみたいなので安心したけど。

 

 

 

 

 

『死んだ私はもう一誠と触れ合う事はできない。

でも、貴女にあの子を独りにさせないで欲しいの……。

その為に私のコレを貴女に託すわ……』

 

 

 一誠にはまだ話してはいないけど、ある日を境に夢の中で邂逅するようになった彼女に託されるその前から、死にたがりの一誠に対して特別な感情を抱いているマリアはモヤモヤするのだ。

 

 

(でもリアスさん……。貴女が通っていた学校の制服を模倣して着た時、一誠は何とも言えない顔だったのですが……)

 

 

 お陰で変な方向に努力していて、あんまり報われてない日々なのは皆知っている。

 

マリア・カデンツァヴナ・イヴの今は大体そんな感じだった。

 

 

 

 

 

 

 

 悲しいかな、世界に向けての挑発が失敗してしまい、あんまり世間に顔や名前が売れてなかった一誠だけど、あの場に居た者達には知られていたし、何より脅威扱いされている。

 

 

「………。こうして改めて聞くと、マジで安心院さんに声が似てるなキミは」

 

「だ、誰の事……? と、というかこんな所で何をしてるの!?」

 

「見ての通り、世界征服の為に飯食ってる」

 

「…………」

 

 

 しかしあんまりにも緩い。

 行動から言動までが本当に手からビーム出しながら、ライブ会場をぶち壊しまくった人間には思えないくらい、緊張感の欠片も無い青年に、偶々出会した災害特別二課所属の者達は、平気な顔をしてステーキを食べてる青年を見てる事しか出来ない。

 

 

「あ、あのー……。

本当にアナタを何とかしないと世界中の人間を殺すのですか……?」

 

「んー? あー……さぁ?」

 

「さ、さぁ……って、アンタが言ってた事だろ?」

 

「いやまあ、その場のノリもあったし、なにより中継が遮断されてたみたいで、あんまり広まってないらしいじゃん? それ聞いてやる気無くしちゃってさー? あ、でも世界征服すんのは多分マジだよ? ウチん所の娘さん達がやる気満々だもの」

 

 

 気づいたら奢って貰っている適合者さん達に、嘘なのか本当なのかも微妙にわからない事をペラペラと喋る一誠。

 それは余裕の顕れなのか、それとも単なるアホなのか……。

 

 

「ど、どうしてもやるんですか? 私は、あの人達を止めたいんですけど……」

 

「そうは言っても、こっちにも色々と事情があるしなぁ……」

 

「あの時のやり取りを見ている限り、あの三人は貴方の言う事なら素直に聞く気がするのですが……」

 

「えー? かなり反抗してくるぜ? 最近の小娘の考えなんか全然わかんねーし」

 

「小娘って……アンタだってそう変わんないだろ?」

 

「俺今年30だぞ?」

 

「「「………はぁっ!?」」」

 

 

 大体同じくらいの年頃にしか見えない青年の実年齢にビビったり。

 

 

「そ、それが本当だとしたら、アナタに聞きたいことがあるんですっ!!」

 

「聞きたいこと?」

 

 

 だがそんな呑気な空気も………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴァーリって名前の銀髪の男の人を知ってますか?」

 

「………………………………」

 

 

 

 加速していく。

 

 

「何故お前がその名を知っている?」

 

「ず、ずっと小さい頃に傷だらけで倒れていたのを家族で見つけて、一年半前まで私の家に住んでいたんです……」

 

「それからは……?」

 

「やらなければならないことがある……そう言ってどこかに。

それからは一度も……でも小さい頃からずっとヴァーリ君に色々と教えて貰った中で、よくお師匠さんやライバルだった人の事を話してました。

そのライバルがイッセーってヴァーリ君と対になるドラゴンを宿した人だとも……」

 

「………キミ、名前は?」

 

「た、立花響です。

あ、あの……ヴァーリ君がどこに居るのかわかる方法はありませんか?」

 

「………………………………。いやダメだ、キミからその名前を聞いたと同時に気配を全力で俺の中のドラゴンと探ってるが、全く感知ができない。

アルビオンと一緒に極限まで気配を隠しているからなのか、それはわからないけど……」

 

 

 ヴァーリがどこかに居る。

 そして少なくともこの立花響の傍に暫く居たのも知った。

 ともなれば一誠は実に手が早かった。

 

 

「ふふ、久しぶりに生きてるって感じが沸いてきたぜ。

立花さんだったな? 連絡先を交換しようぜ、俺もアイツが居るってんなら探さない理由が無いからな。それに、キミは相当アイツに懐いてたみたいだしね……」

 

「は、はい! とても優しくて、私がこうしていられるのも、ヴァーリ君が教えてくれたからで……! でも突然居なくなっちゃったせいで毎日泣いてばっかりで――」

 

「お、おうわかったわかった……。

確かにアイツは良いやつだからなぁ……」

 

「そうなんです! お父さんが蒸発しそうになった時も、ヴァーリ君が説得したりしてくれたり、怖い映画を見て一人じゃ眠れなくなった時も眠れるまでずっと傍に居てくれたり、それからそれから……!!」

 

「わ、わかったっつーの!! な、なんだかマリアみたいな子だな……。

で、キミ達はヴァーリの事は知ってるのか?」

 

「い、いえ……」

 

「ただ、ソイツの話をする時の響からやべーオーラを感じるくらいしか……」

 

「そ、そうか……それは何となくわかるわ」

 

 

 

 

 

「転んだ時も優しく起こしてくれたし、頭洗うのが怖かった時も洗ってくれたし、お化け屋敷で泣いた時はずっとおんぶもしてくれたし……。

ふふふ、どこに行っちゃったんだろーなー? でも絶対に連れ戻すんだ………じゃないと寂しくて死んじゃうよ……ねぇヴァーリくん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……俺しーらね」

 

「ああ、やはりアナタもそう思いますか?」

 

「ありゃ重度だわ……」

 

「前にそのヴァーリってのと一緒に写ってる写真を見せられながら三時間以上も延々とソイツについて語ってたんだけど、後半は殆どやべー事しか言ってなくて、正直怖いんだよ……」

 

「なんか、俺の親友がスマン……」

 

 

 

終わり




補足

ポンコツ度三割増し増しになるのだ。仕方ないね。


その2
マムさんは現在進化細胞と自身の細胞が完全に共存状態になっており、とにかく日増しにピチピチしてます。

そして一誠が暇すぎてやってるトレーニングになに食わぬ顔してついて行ける程度には健康体です。

その3
夢にでなかった理由はそんな理由。

しかし、家族というものにちょっとした理想があるらしいヴァーリくんのせいでビッキーが………。



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