色々なIF集   作:超人類DX

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割りと話はすっ飛ばし気味


赤と赤

 底無しの馬鹿。

 底無しの天然。

 底無しの女好き。

 

 

 彼を見た者は誰しもがそんな評価を下すであろう。

 

 どんな状況でもヘラヘラと笑い、どんな状況でもおちゃらけている。

 

 そんな気楽な性格に怒りを覚える者は決して少なくもない。

 だけど青年は笑うのをやめない。

 

 どれだけ苦しくても、どれだけ心の中では悲しくても、深くトラウマとして刻まれた過去があろうとも、彼は決して表に出すことなく笑う。

 

 

「ヴァーリ、神牙。立花さん、それから安心院――じゃなかった、風鳴様、あのレッドさんは俺がやる。

……なんつーか、パーソナルカラーが俺と丸かぶりしててなんか気にくわない」

 

「お前らしい理由だが……」

 

「今風鳴の事をあの人外女と間違え掛けたな? ……言われてみれば声がそっくりだ」

 

「なんの事? というかなんで翼さんの事を様付け……?」

 

「ば、ばか野郎! お、俺はもうあんな右ストレートは食らいたくないんだよ!」

 

「ふざけた事を言うからでしょうが……!」

 

 

 

 

 女に鼻の下を伸ばしては玉砕するアホに見えるかもしれない。

 ラーメン馬鹿に見えるかもしれない。

 一言余計な奴だと思うのかもしれない。

 

 

「何をゴチャゴチャ言ってやがる! 邪魔するってんなら纏めて――」

 

「喰らいやがれ色丸かぶりおっぱいちゃん!!! これが俺の―――」

 

「――――――う、嘘だろ……! な、なんだよその力……!?」

 

 

 地獄の様な幼少期を、地を這ってでも生きた過去があろうとも、彼等三バカは今のこの瞬間を大切にする為に、今日もヘラヘラ笑って生きるのだ。

 

 

「ま、まずいっ!?」

 

「龍拳・爆撃ィィッ!!!」

 

 

 振り返る事なく前を向き、走り続ける為に。

 

 

 

「チッ、逃したか……」

 

「な、何今の!? 赤いドラゴンが一誠くんから飛び出してドカーンってなったんだけど!?」

 

「赤龍帝の籠手で一誠の持つエネルギーを極限まで倍加させて放つ技みたいなものだよ。

わかりやすく龍の形にして放つから龍拳」

 

「元ネタは小さい頃一誠の父親と見ていたアニメの主人公の必殺技らしい」

 

「……なんでしょうね、物凄く身近に同じような事をしている人を知ってるわ」

 

 

 

 完全なるイレギュラーの発生。

 それはとある者にしてみれば、想定外且――邪魔な存在である。

 知る切っ掛けとなったのは、立花響が装者として覚醒したすぐ後の事だ。

 その三人の青年は、聖遺物と同等の力を体内に宿し、シンフォギアの同等以上の力をほぼノーリスクで扱え、ノイズを殲滅した。

 

 しかも捕らえて尋問をしてみれば、彼等はパラレルワールドからしょうもない喧嘩をした結果迷い込んだと宣っており、その聖遺物に近い力を神器と呼んでいた。

 

 真実か虚かは別にしても、その力だけは紛い物ではないし、何よりもこのまま存在されては脅威となるのは間違いない。

 なので手始めに――最初から期待なんてしてはないが、刺客を放ってみたが……只の人間が放ったと思えない極大のエネルギーを多少疲れた程度で済ませるだけのリスクで放出させる事ができるというのだけはわかった。

 

 つまり――アイツ等は尋問されてるのに出前を取れと平気な顔して注文付けてくる程度にはアホだが、下手をすれば一人一人が世界そのものを滅ぼせる程の力を保持しているという―――やっベー奴等なんだというのだけはわかった。

 

 わかったからこそ排除すべきとここ最近頭を悩ませているとある者だが―――笑えぬイレギュラー過ぎて何にも浮かばない。

 

 というか、ギリギリで生還して戻ってきた手駒曰く、その内の一人はイメージカラーが丸かぶりだからというしょうもない理由で危うく消し飛ばされ掛けたらしく、ちょっと涙目だった。

 

 何時ものとある者なら、知るかとばかりにシリアスなお仕置きをするのだけど……。

 

 

「まあ……うん、見るからに馬鹿が服でも着て闊歩してそうな感じだったし、仕方ないんじゃない?」

 

「……え?」

 

 

 アレはしょうがない。逃げれた方が寧ろ奇跡だったと、とある者は何もしなかった。

 

 だって意味がわからない。

 

 二十代以上の女性にアホ面晒しながら、盛った原始人みたいな口説き文句を垂れ流しては蹴り飛ばされる馬鹿。

 

 一番まともそうだと思いきや、絶対にわざととしか思えない事故を女性相手にやらかしては、毎度毎度土下座するアホ。

 

 比較的女性受けはいいけど、本人はラーメンの事ばっかり語り散らしてドン引きされる変人。

 

 

 そんな奴等が神滅具と呼ばれる力をほぼノーリスクで宿していて、ほぼ副作用無しで使いこなしてる? 馬鹿げてるにも程がある。

 

 

「次は完全聖遺物を奪って来て欲しいのだけど……」

 

「は、はあ……」

 

「うん、奪えたらでいいわ……うん」

 

 

 突如現れた傍迷惑なイレギュラーのせいで、というかそのイレギュラー共が知らず知らずの内にこちらの策略をぶち壊しまくってくれるせいで、軽く投げ遣り気味なとある者は、普段の冷酷さがどこかに家出したみたいな調子で、パーソナルカラーが丸かぶりという、しょうもない因縁で危うく龍拳の餌食になりかけた少女……クリスに命じると、一人『うーん……うーん……』とイレギュラー共についてを考えるのであった。

 

 

「………………変なもんでも食ったのか?」

 

「こんな時もあるわよたまには……」

 

 

 ただ、あまりにも何も無くて、クリスという少女に気味が悪そうな顔をされてしまい、とある者は割りと解せない気分になったとか。

 

 

「いや待て……そうか! 色仕掛けか!?」

 

「は、はぁ?」

 

「アホと変人には通用しないでしょうけど、馬鹿の方にはきっと通用する筈だわ! あれだけ女に馬鹿面で、盛った猿みたいな事を言ってるのだし! そうと決まれば、確か馬鹿の年齢は17だから……」

 

「………………あ、アタシは嫌だかんな!?」

 

「じゃあ何? 私がやれと言うつもり? あんな趣味にもならない馬鹿に? これは命令よ」

 

「ふ、ふざけんな! いくら命令でもこればかりは……!」

 

「……………」

 

「うっ……く、くそぉ……。

わ、わかったよ! やれば良いんだろやれば!!!」

 

 

 三バカが化け物じみてる癖に三人が三人馬鹿のせいか、本来ならばとてもシリアスな状況になっていくお話が変な方向に捻れまくる。

 

 仕方ない……だって三バカなのだから。

 

 

 

 

 

 

 そんな訳で『俺とイメージカラーが丸被りしてるからぶっ飛ばす』と、ただの因縁も良いところな理由で龍拳の餌食になりかけた少女こと雪音クリスは、命令主に言われて本当に渋々作戦を開始した。

 

 

「ま、マジで嫌なんだけど……」

 

 

 危うく殺され掛けた相手に、何が悲しくて色仕掛けなんてしなきゃならないんだ……と、一応律儀にそれっぽい服装に着替えたクリスはターゲットの捜索を開始し――――

 

 

「そこのお姉さん……これから俺と回転するベッドのある高級宿泊施設で忘れられない一時を――」

 

「キャァァッ!!? 変態!!! 来ないでっ!?」

 

「変態じゃなくてちゃんとした紳士――ひでぶっ!?」

 

 

 

 悲しいかな、本当に命令主の言った通り直ぐ発見できてしまった。

 変態丸だしなナンパをし、その相手から悲鳴と共に投げ付けられたいい感じの固さの鞄を顔面にクリーンヒットしてひっくり返ってるという――もう本当に救い様のない馬鹿さ丸出しな状態の彼を。

 

 

(こ、こんなのにアタシは殺されかけたのかよ……)

 

 

 女性に逃げられ、公園のど真ん中で無様にひっくり返ってる濃いめの茶髪青年の今の姿を見れば見るほど、こんなのにやられかけたのかという怒りと悔しさしか沸き上がらない。

 

 しかしこうもアホ丸出しな女好きともなれば、確かに命令主の思惑通りになるのかもしれない――と一応ちょっとは思ったクリスは、鼻から血を流しながらムクリと身体を起こす青年……一誠の前に立つ。

 

 

「ぐぬぬ、この世界の女性は素晴らしいのに、皆身持ちが固いぜ……」

 

「………」

 

「なのにヴァーリや神牙ばっかり……あんなED疑惑野郎共のどこがいいんだ?」

 

 

 ブツブツ言ってる一誠は、俯き気味なせいかクリスに気付いてない。

 しかしクリスもクリスで『こ、こんなのに声を掛けるもの嫌すぎる……』と思ってしまっていて無言だ。

 

 なので一誠が気付くまで無言で見下ろす事にしたわけだが……。

 

 

「よしっ! ………歓楽街に居る遊んでそうなお姉さんならイケる筈だ!」

 

 

 立ち上がり、まだ懲りてない様子の一誠は今絶対に目の前のクリスの存在に気付いている筈だ。

 なのに一誠は怪訝な顔のクリスを一瞥もくれる事なく――

 

 

「待ってろよ、まだ見ぬお姉さん!」

 

 

 普通に横を通りすぎてスルーした。

 それはもう古くさいコントを彷彿とさせるスルーっぷりだった。

 

 

「…………」

 

 

 最初は怪しんでいたクリスも、これは完全にガン無視されてると理解した。

 いや別にこっちだってこんな馬鹿に興味なんてないし、正味命令でもなければ声すらかけたくもないと思ってた。

 だがこうまで見事にガン無視されたとなれば、それはそれでイラッとするものなのだ。

 

 

「ふざけんなバカ野郎!!」

 

「ぎゃふ!?」

 

 

 

 なのでつい脊髄反射的に通りすぎた一誠の背中目掛けて、それはそれは美しい曲線のライダーキックをかましてやった。

 あまりにも美しいライダーキックはそのまま背中にヒットし、一誠は再び地面にひっくり返ったのであった。

 

 

「な、何だ貴様!?」

 

 

 しかし永久進化の結果、例え腕が消しとんでも蜥蜴の様に自己再生まで可能になる程の肉体へと進化した一誠には大したダメージにはならず、即座に起き上がってクリスを睨み……ハッとした。

 

 

「ぬ!? お、お前はこの前の色丸かぶりおっぱ――」

 

「次、その呼び方であたしを呼んだら殴る……」

 

「な、殴ってから言うんじゃねーよ!?」

 

 

 ふざけた呼び方をする一誠に、見事なビンタをしたクリスは誰が聞いても悪くないと言うだろう。

 だがある意味、これが一誠とクリスの初めての邂逅だった。

 

 

「また立花さんに用でもあんのか?」

 

「…………」

 

「? 人にライダーキックぶちかましておきながら、急に黙んなよ」

 

 

 実の所、この雪音クリスは命令主の命令によって、最初は覚醒したばかりの響を拐おうとしていた。

 しかしそれを阻止したのが響と同時期に出現したイレギュラー一号・通称バカだった。

 

 本当にやってる事がバカな癖に、イザ殺し合いとなると一切ふざけることなく、誰が相手であろうが徹底的にその化け物じみた戦闘能力を解放する。

 

 その力はシンフォギアのシステムを上回り、しかもほぼノーリスク。

 

 命令主が馬鹿げてるというだけはあるし、先日は危うく殺され掛けたのだ――変な因縁をつけられて。

 

 

「もしかして、俺とお前……どっちがこの先レンジャーレッドに相応しいか決着を着けたいってことか? 上等だぜ、俺こそがレッドに相応しいとわからせて――」

 

「ち、ちげーよバカ! 別に戦いに来た訳じゃない」

 

「ぬ……? じゃあなんだよ?」

 

「そ、それ……は……」

 

 

 シュッシュッ! と、どこぞのフェザー級ボクサーを思わせるデンプシーロールの前動作をする一誠に、クリスは戦うつもりは無いと伝えつつも言葉に詰まった。

 

 いや、詰まったというよりここから先のプランがまるで無かった。

 というのも、女好きのバカ野郎こと一誠なら、勝手に寄ってきて勝手に何かやってくれると思ってたのだ。

 

 

「なんだ、無いのか? じゃあ見なかった事にしてやるって事で見逃してやるからさっさとどっか行っちまいな。

俺は今から大人のお姉さんとの夢の一時を味わいに行くから」

 

 

 それがなんだ。

 蓋を開けてみたらこの男、本当にちょっとだけながら命令主に言われた通りにオサレ――ならぬお洒落をしてみたというのに、そこら辺の女にするバカ面はしないし、寧ろ『興味ゼロ』と言わんばかりに突き放してくるではないか。

 

 

「……………?」

 

 

 何度もいうが、クリスは嫌々だし、寧ろ一誠にはタンスの角に小指でも強打して苦しんでしまえば良いんだと思う程度には大嫌いだ。

 

 それなのにコイツは……。こっちの気も知らないでこのバカは……。

 

 

「……。お前もしかして……」

 

「な、なんだよ……?」

 

「アレか、財布落として文無しな挙げ句腹でも減ったんだろ? ははーん? で、偶々俺を見つけたから、集ろうって魂胆だなー?」

 

 

 本当に底無しのバカで、なんだか力も抜けてくる。

 クリスは最早馬鹿馬鹿しくなってしまった。

 

 

「…………………。もう良いやそれで。

そーだよ、財布落としちまったし、腹は減るしお前見つけるしで最悪な気分なんだよ。

だから何とかしろ」

 

「うっわー……ぜってー奢りたくねー……」

 

「うるせー! さっさとなんか食わせろ! バーカバーカ!」

 

 

 本当に、こんなのに殺され掛けたのかと思うと腹が立つ。

 そんな事を思いながら嫌々な顔をしつつも、本当に食わせてくれるつもりなのか、付いてきなと前を歩く一誠の後ろを歩くのだった。

 

 

終わり

 

 

 

 ちょっとだけ未来の話。

 

 

 どれだけ笑っても、どれだけ馬鹿をやっていても。

 

 一誠の過去は一誠自身の人生のトラウマとして深く残り続ける。

 

 

「俺に姓は無いぞ。無いというか……捨てた」

 

 

 今にして思えばしょーもない作戦で接近した一誠が、ファミレスのドリンクバーのコーラをチビチビ飲みながら話した恐らくなにかがあったのだろう過去の一端。

 

 その時は深く聞く気なんてないし、別に興味もなかった。

 だが馬鹿をやって何時も笑っていて……それに少し違和感を感じ始めた時、少女達は初めて知ってしまった。

 

 

 決して笑えないその過去(トラウマ)を。

 

 

「一誠……お前……」

 

「チッ、ドライグの野郎、俺が寝てる間に余計な事を……」

 

「じゃあ本当に……」

 

「あー、そういう哀れむ感じはやめてくれ。

昔の事だし、今はそれなりに楽しくやれてんだから。つーか、こんなもんベラベラ喋ったり知られるなんてカッコ悪いだろうが」

 

 

 

 その異質な精神と神器の力があるから肉親に捨てられた。

 その後保護した者達から最初から受け入れられ、一誠もまたその者達の為にと努力して強くなっていったのに、それ以上の存在が現れた途端、用無しとばかりに見捨てられた。

 

 悪魔と呼ばれる存在達と、龍神と呼ばれる存在。

 その二つ……一誠自身が信じようとした者達は一人の男によって壊された。

 

 壊され、蔑まれ、傷つけられ、放り出された。

 

 普通なら精神が壊れてもおかしくない。

 

 それなのに一誠は前に進もうとする。

 

 本当の親友二人と出会えたから……。

 

 

「姓を捨てたって言ってたのは……」

 

「まー……そういう事だな、うん」

 

『…………』

 

「やめろやめろ! お子様達がんなシリアスな顔すんなっての! 本当に同情なんてされたくねーし! ……ったく、ドライグが余計な事まで教えるから……!」

 

 

 不幸な過去を晒すのはダサい奴だと思ってる一誠は、同情されることも嫌がった。

 過去を振り返るより、今を生きて前を向く……そんな生き方をしているからこそ、何よりトモダチだからこそ同情なんてされたくなかったのだ。

 

 

「それよりもっ!! …………………そろそろ美人なお姉さんとウヒヒな事がしたいから、同情するくらいなら傾向と対策を考えてくんね?

同情するなら金をくれ! ならぬ、同情するならお姉さんとウヒヒな事をする方法を教えてくれ! ってね」

 

 

 自分より、寧ろ少女達の過去の方が大変だと思ってる一誠。

 いや、きっとそんな過去があったからこそ、少女達の過去を深いところで共感できた。

 

 一誠自身はいつも少女達に『自分達で乗り越えたんだろ? 俺はなんもしてねーわい』と言う。

 実際はそうかもしれない……けれどこの底無しの馬鹿さ加減を常に見せて、イザという時は文字通りの盾になってまで手助けしてくれて来たのだけは真実だった。

 

 

「多分ここまで来るとお前は無理だろ……」

 

「む、無理とはなんじゃい!?

いくら200戦全敗だとしてもまだまだお姉さんは世の中に一杯いるんだ! 一人くらいは……」

 

「いやうん……無理だと思う」

 

「無理、そして無駄」

 

「我儘なんだよ一誠くんは」

 

 

 もっと先の先へと進もうとするその背中を少女達は知っているのだ。

 

 

「つーかさ、言う割りにはマリアとかには何もしねーじゃん?」

 

「い、いやあの人はちょっと……声が苦手っつーか」

 

「声……? あ、ドライグが言ってたリアス・グレモリーとかいう女の声に似てんだって?」

 

「ド、ドライグはどこまでお前らに喋ったんだ!?」

 

「色々。

で? その女とマリアの声が苦手なのはなんでだよ?」

 

「なんでってのは………ホントに頼むから他の誰にも言うなよ? 今でこそ寧ろ顔見たら神威の断頭台の刑にしてやりたくなるけど――――――――当時の初恋の人だっただけ」

 

『…………………………………』

 

 

 だから知りたくなる。

 どうしても……。

 

 

「ふーん? へー? じゃあマリアの声聞いたら一々初恋思い出すのかよ?」

 

「うーん、ちょっとだけな?」

 

「そーかい……一誠のばーか」

 

「今のどこに馬鹿呼ばわりされる要素があんの!?」

 

「私も馬鹿って言たくなるかも……」

 

「ええっ!? 良い子ちゃんの響にすらもディスられる案件なの!?」

 

「大馬鹿」

 

「超絶の大馬鹿デス」

 

「ほらな? 喜べ一誠、お前は空前絶後の馬鹿――」

 

「こんのお子様共がァ!! やはりレンジャーレッドの座を賭けて決着つけてやんよこの野郎!!」

 

「うわっ!? 馬鹿に馬鹿って言って何が悪いんだよ!?」

 

「うるせー!!」

 

「ば、ばか! また何処触って……!? や、やめろって! こ、こんなに見られてる所で……!」

 

「ねぇ、ひょっとしてわざと一誠くんを怒らせてないよねクリスちゃん?」

 

「そ、そんな訳あるか!!」

 

「……図星って顔に出てる」

 

「もしや割りと変態ちっく……」

 

「だから違ぁぁぁう!!」

 

 

終わり




補足

赤が被るからと変なライバル視をされて迷惑でしかないクリスさん。

しかしながら、イレギュラーパワーを持っておきながら、あまりにも三人揃ってアホなせいか、例の方がそっち方面に引っ張られ始めてる奇跡。

お陰でなんか緩い……色々と。


その後依り代にしてる状態で神のごときラキスケ運の彼に何かされたらしいけど、詳細は不明。


その2
爆弾その1 過去の苦い思い出

 語りたくもなければ、思い出したくもあんまりない一誠の過去は、まず知られない為に、ひょうきんな男になろうとし、結果、あんなアホな子になってしまいました。

そして、マリアさんにじゅういっさいには何にもしないのは、ボイスがその……それなんだからという。


その3
色被り漫才コンビなんてその内呼ばれる様になるかは不明だけど、しょっちゅう取っ組み合いの喧嘩ばっかしてるせいで、怪しまれて割りと焦るクリスさんなのだった。





三バカ専用戦闘テーマ『Battle of omega』

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