タイトル通りよ
三バカ珍道中
切っ掛けは本当にただのしょうもない小競り合いからのマジ喧嘩だった。
その喧嘩が激しさを増し、何時しか次元に亀裂が入り、発生したブラックホールめいたものに吸い込まれてしまっただなんて誰も予想はできない。
「オーケー、わかった。喧嘩するのはやめよう」
「ああ、今はな……」
「くっ……」
流石にこの状況では喧嘩の続きをする気にはならなかったので、とりあえず落ち着く事にした三人の青年は状況の確認をする。
「まずはここが真面目に何処なんだよって事だ。
多分人間界だとは思うが」
「だろうな。普通に人間が歩いてるし」
「ラーメンも普通に旨い」
暴れたけいですっかり空腹になってしまったので、とにかくまずは腹ごしらえということで割りと近代的な気がする街にあったこじんまりとしたラーメン屋に入って飲み食いする。
しかし困った事がここで発生。
なんと三人揃って現金を持っていなかったのだ。
「保護者に連絡して来て貰うしかないね。それか警察に――」
「そ、そこをなんとかっ! 皿洗いでもなんでもしますから! コイツらが!」
「ふざけるな! お前が一番食ってたじゃないか!」
「ご主人、そんな事よりも、 この店のラーメンのダシのベースを……」
それはもう醜いの一言しかない若者三人の無様な姿。
だが彼等は多分きっと運が良かったのだろう……。
偶々通りかかった女学生の二人組が店先でマジ土下座してる同い年くらいの男子三人を見兼ねて、見ず知らずなのに立て替えてくれたのだ。
「き、キミはなんて良い子なんだ! 女神と呼ばせてくれ!」
「絶対に返すからな! 本当にありがとう!!」
「ラーメンの出汁……」
「「あ、あははは……」」
何とか窮地を脱した三人のバカ少年達は、軽く引いてる女学生二人に死ぬほどお礼をする。
そこで女学生とは別れた三バカ共だが、今度はこの場所が自分達の居た場所とは世界そのものという意味で違うということに絶望。
まずは帰るための足掛かりとしての資金集めに四苦八苦する破目になったりと色々と大変だったけど、なんとか上手いことその日暮らしの派遣業務員になれたので、まずはラーメン代を立て替えてくれた女神女学生を探し――結構簡単に見つかった。
「あ、この前の……」
「その節は本当に世話になった。
これはほんの少しばかりのお礼だ」
といって、異性にプレゼントなんてした試しが無い三バカ達なりに考えた結果、小熊の人形ストラップとラーメン代を女学生二人に渡す。
こうして借りを返した三バカは今度こそ帰る為に奮闘する事になった訳だが……。
「ありゃなんだ?」
「見たこと無い生物だな……」
「む、襲われてる人間が固まってるぞ……」
見たこと無い生物が突然大量発生し、人間を襲っているのを発見する。
意外とシビアな三バカは当初なにもせずただ見ていたのだが……。
「あ、ありゃ何だ? その2……」
「変な格好したのが戦ってる……」
「パワードスーツか? しかも戦ってるのは女だな」
今度はその謎生物と戦う謎の少女に目が点となり……。
「!? あ、あそこに居るのは、ラーメン女神の子じゃねーか!?」
「ほ、本当だ! た、戦ってるみたいだぞ……!」
「少し手こずって居るみたいだが……」
ラーメン代を立て替えてくれた女神さん(三バカ命名)が謎生物と謎の機械みたいなものを纏ってバトルしていて、ちょっとだけ手こずっているのを見てしまう。
「「「…………」」」
その時、三バカは無言で頷いた。
何が何だか訳がわからないが、見ず知らずの自分達にラーメン代を立て替えてくれた少女が大変そう。
ならどうするか――お助けするしかない。
こんな時は大体気が合う三バカは、謎生物が気になるのもあってからなのか、ニヤニヤと笑い始めると……。
「「「討ち入りの時間だー!!!」」」
その腕に赤き籠手を。
その背に白き翼を。
その手に輝く槍を。
三バカが三バカたらしめる証を示しながら、突撃したのだ。
「えっ!? あ、アナタ達は……!」
「なんか大変そうだったから助太刀しに来た」
「す、助太刀って……! あ、危ないから早く逃げ――」
『Boost!』
「て……って……えぇ……?」
手から光線出してぶっ飛ばしたり、謎の槍でバカスカなぎ倒したりと、見たこと無い力を振るう三人の青年に唖然とするラーメン女神さん。
それは彼女の仲間達にも見られており、結局三人で謎生物を殲滅した所で……。
『動くなっ!! 連行する!』
めでたく連行されるのであった。
「ええ……うそーん?」
「どうする? 逃げるか?」
「逃げたら余計厄介な事になるんじゃないか?」
連行され、色々と尋問されまくる三バカ。
しかしあまりにも三バカの性格が緩すぎたせいで、その内敵とは思われなくなったお陰で、逆にスカウトされた。
「や、やった! 食うのも寝るところにも暫く困らないぞ!」
「しかも給料も良い!」
「ラーメン屋マップもくれたぞ。ここはきっと良い場所に違いない!」
どうやら謎生物から人間達を守る組織で、意外と給料が良いという言葉に結構な魅力を感じたのだ。
「おっす! ラーメン女神ちゃん!」
「ら、ラーメン女神って呼び方はやめてくださいよ……。
それにしても本当なんですか? ここに入ったって……」
「スカウトされたんだよ。
なんだっけ? ノイズだっけ? あれを退治できる装者ではない存在は貴重通り越して初めてらしいんだと」
ヘラヘラしながらラーメン女神さんに改めて自己紹介する三バカ達。
結果どうなるかは知らない。
女性比率が微妙に多いこの環境で彼等がどうなるかも知らない。
神に愛されるレベルのラッキースケベ持ちだったりとか。
「すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません! わざとじゃないんだ! 本当に違うんだ!」
「い、いえ……そこまでしなくても良いから……」
「神牙の奴……またやったのか」
「あの野郎ぉ! な、なんて羨ましいんだ!」
ちんまいのにばっか好かれるボイン好きだったりとか……。
「くっ……! ま、また断られた……! どうしてだぁっ!!」
「ま、またなの? 何回目だっけ?」
「もうかれこれ25回目……! く、クソ! どうして俺だけこんなモテないんだよ! 昔からそうだぜ!」
「顔がスケベ丸出しだからだと思う」
「そう思いマス」
「なんというか、必死すぎる気が……」
「な、なんだとぉ!? ……………そ、そんなに顔に出てた?」
でもストライクではないタイプからは、例え暗い過去があろうとも氷解させ、懐かれやすかったり……。
「む、この味は中々……」
ラーメン大好き龍皇だったり。
三バカはどこでも三バカなのだ。
「ええぃ! 今日こそナンパを成功させてウヒヒな一時をするんじゃい! 邪魔するなちびっこ共め!」
「ちびっこじゃない」
「もう15デス」
「一誠くんとそんなに変わらないよ?」
「ふっ、15なんてまだまだ子供だぜ。やっぱり二十歳越えたお姉さんが俺は………いでででで!? 脛を無言で蹴るな脛を!?」
始まらない
補足
どこにすっ飛ばされたというかクロスしてるかは敢えてボカす
その2
そして続きもまったく考えてない。