数日後の事である。
何処の誰かが情報をリークしたせいで、兵藤一誠という名と顔は全世界に知られる様になってしまった。
しかも厄介な事に、世界で最初の男性IS起動者たる織斑春人に対して一方的に暴力を振るった男――と色々と捏造の入った情報を流された挙げ句、その男がIS学園で用務員をしているとまで全世界に知られた。
治外法権であるIS学園に居る為に、鬱陶しいマスコミ達に追われたりなんて事は無いものの、くだらないコメンテーターばかりが無駄に出ているワイドショーなんかでは、連日の様に一誠という用務員を逮捕すべきなのではという偏見報道ばかりであった。
しかし……。
「あっはっはっはっ! 見ろよリアスちゃん、昔どっかで体験した様な状況だぜ? 懐かしいなぁ?」
そんな偏見報道の放送を前に、イッセー本人はといえば、キンキンに冷えた麦茶片手に、クーラーの効いた用務員室で爆笑しながらリアス達と観ていた。
「すげーな、誰が流したのかは予想は可能にしても、見事に俺が小僧をぶん殴ってる所だけの映像ばっかしだわ。
うーん、しかし腕の角度がちと甘かったかもな、こうして客観的に見てみると」
「勝負を急ごうとしてるのが見てわかるわ」
「いやさ? 奴の力は長引かせる訳にはいかないって思ってついな?」
ケタケタと笑いながら麦茶と冷やし素麺を啜るイッセーは世界中からまるで犯罪者のようなレッテルを貼られているというのに、まるで気にも止めない様子だ。
「そんな笑ってられないですよ! これじゃあイッセーさんが一方的に悪者じゃないですかっ!」
そんなヘラヘラした態度のイッセーに、連日の事情聴取の度にイッセーを庇おうと奮闘している真耶が、まるで己の事の様にテレビを睨み付けている。
「事実はどうであろうと、殴り飛ばした事には変わり無いですからね。
もっとも、全く後悔なんてしちゃいないですけど」
そんな真耶に対してイッセーは宥めながらも気にしてないと言う。
「世界中の連中から悪人扱いされるからって何だって話だよ。
それで俺を殺そうと大群で攻めて来るとしてもどうだって良いし」
「というより、この報道のお陰で学園長から『事実確認が確定するまで学園に居た方が良い』って在籍の許可までして貰えたし、寧ろラッキーだと思うわ」
「ど、どうしてそんな楽観的な……」
「似た経験を散々してましたからね。
という訳だから、お前が気にする事はねーぞ箒?」
「…………」
真耶と違い、無言で画面を――いや、この映像をばら蒔いたであろう人物に向けた殺意を放つ箒にイッセーは素麺を食べる箸を置き、座ってる彼女に近づいてその頭を優しく撫でる。
「大方お前の姉ちゃん辺りがばら蒔いたって思ってるんだろうし、このアングルからして多分そうなんだろう。
が、お前がその事を気に病む事は無い。
お前はお前、姉は姉だからな」
「………………」
「そうだぜ箒。
こんな程度の事でイチ兄とリアス姉は崩れるわけ無いんだ」
「それと、うちの両親が政府に掛け合ってノーカットの映像を提示してそれを報道させるように各情報機関に通達させてますから、明日にでも本当の映像が流れるわ」
イッセーに続いて一夏や刀奈も箒に声を掛ける。
特に刀奈にとってすれば、自分のせいで今イッセーが面倒な状況に置かれてしまっているという事もある。
もっとも、それすらイッセーは『別にキミが気にする話では無いだろ。鬱陶しかったのは事実なんだから』と言い切っている。
つまるところ、イッセーにしてみれば世界中の存在からヘイトの集中砲火を浴びさせられた所で『だから?』なのである。
「…………」
「素麺を食べながらヘラヘラしてたけど、いくら気にするなと言われても、気にしちゃうわよね……。
今回の事は完全に私のせいなんだし……」
しかしイッセーが楽観的であろうとも、箒や刀奈にしてみればそうもいかないのは事実だ。
学園長に今日も呼び出され、退出していったイッセーを見送ったものの、箒と刀奈には罪悪感が残るばかりである。
「いえ、兄さんの情報をばら蒔いたのは私の姉です。
あの人は織斑先生と春人が大事ですからね」
「そういう意味じゃ、イッセーさんとアナタに似てるわね……」
「違います。
イッセー兄さんは興味が無い相手でもそれなりに取り繕えたりしますが、あの人と私はそうじゃない。
自分が大事に思える存在以外は総じて塵としか思ってません」
「………アナタも違うと思うけど」
「違いませんよ。
私は自分の大事な者以外が目の前で殺し合いを始めようが何も感じませんから……」
各々がイッセーから与えられた『課題』に奮闘する中、刀奈と箒は軽い組み手をしながら自身の本質について語っている。
自分は姉と似ている。そう吐露する通り、確かに箒は姉の篠ノ之束に似ているし、言うならばイッセーにどこまでも似ていた。
自分が好きと思う者以外がどうなろうとも構わないという極端な思考が……。
「でもその考え方を否定する気にはなれないわ。
私の場合、自分が好きだと思う者以外に興味なんて無いし。
多分、だから楯無になれたんだと思うもの」
「その考え方は一夏やリアス姉さんに似てますよ。
あの二人は自分にどれだけ悪意を向けられても気にも止めませんから」
「だから相性が良いのよ。アナタと一夏くんや、悔しいけどリアス先生とイッセーさんは」
「…………」
羨ましそうに話す刀奈に、それまでしかめっ面だった箒の表情が僅かに緩む。
そして、箒は思うのだ……。
(良いだろう篠ノ之束……。
アナタがそのつもりなら、私はそれ相応の対応をするまでさ。
お前等がイッセー兄さんにした事――そして一夏にした事を許す気は全く無いのだからな……)
徹底的に、二度と何かをしようとは思えぬ程に叩き潰す。
かつてイッセーがリアス一人の為だけに世界そのものを敵に回して生還した様に……。
「そういえば、箒ちゃんはご実家が剣の道場だから、てっきり剣術を嗜んでいると思ってたけど……?」
「ええ、本当に嗜む程度です。
私のスタイルは専ら
「……。リアス先生がイッセーさんにスタイルが近いって言ってたのがよくわかるわ」
「目指すべきは兄さんの様な生き方ですから……」
織斑千冬は、あの日向けられた強大な殺意を前にしてから、すっかり兵藤一誠という男に恐怖していた。
「更識家から兵藤君が織斑春人君と戦うまでに至った経緯並びに決闘の映像を見せて頂きました。
どうやら織斑春人君は生身である兵藤君にISを行使した様ですが……」
「……………」
「だとするなら大問題ですね。
それと、その後彼が取り出したこの刀は何ですか? 白式のデータには無い武装ですが……」
「………………………」
「黙秘ですか織斑先生……。
私としましては、すぐにでもこの映像を世界に公開しようと思いますが、そうなると政府の者達が黙っているとは思いません」
「それは………」
シレッとした顔で学園長の前に立つイッセーの横に立たされ、学園長に色々と尋ねられる千冬は、隣に立つイッセーの顔色を伺っている。
千冬もわかっているのだ。
春人が何を思ってISまで使って兵藤イッセーに襲い掛かったのかを。
しかし束がその部分だけを切り取って、都合よくイッセーが春人を殴り飛ばした映像だけを世間にばら蒔いたせいで、イッセーが悪者扱いをされてしまっている。
仮に更識家で撮られた本映像を公開すれば、世間の反応がある程度逆転するかもしれない。
しかし問題はイッセーが生身で異質な力を――恐らくはISの機能の一部と解釈される振るう春人を一撃で粉砕したという結果だ。
「一部の者達はある意味彼に希望を抱くやもしれまけんね。
それまで世界のパワーバランスを支配していたISによる武装した人間を生身で――しかも男性の身で倒したとなれば、一気に反IS世論が広まる」
「武装のみの展開だけをした相手を倒した程度でそんな反応なんてあるんですか?」
「充分にあるでしょうね。
下手をすれば各国の政府が直々にアナタを調べようともするやもしれません……」
「それは果てしなく面倒っすね……」
「でしょうね。
それを踏まえれば、アナタはやはりこの学園でもう暫く働いて欲しいと私は思っています。
下手に今世間に戻れば、マスコミや各国の政府――それと篠ノ之束が仕掛けて来る可能性がありますので」
「……。別に抵抗できない訳じゃないんですが、もう少しお金を貯めたいし、良いとおっしゃってくださるなら……」
学園長が言う通り、IS一強となって久しい世界のパワーバランスが崩れ去る可能性がある。
呑気な声で本人が言っていた通り、確かに春人は部分展開しかしていない。
だがそんな相手を顔色も変えずに武装ごと叩き壊したイッセーこそが異常者なのだ。
(束は自信があるようだが、本当に勝てるのか……? この男に……)
理屈や常識が通じない存在には慣れていた筈だった千冬が初めて対峙した挫折と恐怖の象徴。
それが織斑千冬にとっての用務員・兵藤一誠なのだ。
「失礼しました」
「………失礼しました」
下手をすれば明日以降、春人がバッシングを受けるかもしれないという話も終わり、学園長室から退出したイッセーと千冬。
其々が用務員室と職員室に戻る為に廊下を歩くのだが、悲運な事に途中までと道のりが同じな為、先に歩くイッセーの後ろをビクビクしながら歩いている千冬。
当然の様に会話なんてある筈もこれまでは無かった訳だが、あまりにも異次元生命体じみた一誠に恐怖を抱いてしまっていた千冬はついポロッと溢してしまったのだ。
「……お前は一体何なんだ」
天才だとか以前に、通常の人間の気配をまるで感じない一誠の近くに居てしまったせいか、無意識に声に出してしまった千冬はしまったと口を咄嗟に抑えた。
(し、しまった! あ、あまりにも意味不明過ぎて声に出してしまった……!! き、聞こえてしまったのかな? ど、どうしよう……)
即座に後悔し、ビクビクしながら前を歩く一誠の背中を伺う千冬に、立ち止まった一誠はチラリと肩越しに振り返る。
「…………」
「う……」
その目や表情はどこまでも『無』であった。
まるで興味のない玩具を見るような……石像を思わせる無の雰囲気。
現役を退いたとはいえ、世界最強のIS操縦者と称されて来た千冬が久しく向けられなかったものは、忘れかけていた千冬に戸惑いと、無であるがゆえに恐怖を抱かせた。
「は、春人は……! お、弟はお前に受けた傷が治らないで今も病室から抜けられない。
普通に考えてあの程度の傷なら治せる筈なのに、何故か治らない……お前は一体春人に何を―――」
だがそれでも聞きたいことがあるからこそ千冬は虚勢を目一杯張りながら尋ねた。
春人の傷か治らない原因は目の前の男にあるのではないかというある意味の希望を抱いて。
「……………………………………………。テメーの知った事かバカ野郎」
だがそんな勇気もただの一言で片付けられてしまった千冬。
それはまるで『もしもの世界で永遠にリアスと別れる道へと進み、とある子供に憑依してしまった一誠』が『尽く地雷を踏み抜いてきたとある宇宙人少女に対する徹底的な嫌悪』に近いものがあった。
「テメーから喧嘩吹っ掛けておきながら、負けたら相手が悪いと喚いて、周りに泣きつくだけの餓鬼がどうなろうが知ったことじゃねぇんだよ。
傷が治らない? 打ち所が悪かっただけだろ……精々テメーのやって来た事に後悔しながら生きるんだな」
「そ、そうだったとしても、あの子は私の大切な弟なんだ!」
「弟……ねぇ? その割りにはもう一人の弟の事は放ったらかしか? 病弱――ふん、今となっちゃあ本当に病弱なのかも怪しい方の餓鬼にはあれこれする癖に、もう一人の方はその餓鬼がやるべき事まで全部押し付けてたらしいじゃねーかよ? 浮かばれやしねぇなぁ? 彼もよォ?」
「っ! そ、それ……は……」
束が他人に向ける時以上の辛辣な言葉に千冬は言葉を詰まらせた。
いや……というよりは――
(一夏に押し付けていた……? そ、そうじゃない……アイツは春人と違って自立出来る子だったから……。
だが確かに私は多くの事を一夏に――――え?)
何かに――それまで何も感じなかった筈の違和感に気付いてしまったといった方が正しかった。
「わ、私は何で一夏にすべてを押し付けていたんだ……? あの子が病弱だから……? いや違う、いくら病弱だからといってあの子一人に何でもやらせて良い理由はないし、初めはそんな事も無かった………」
「……?」
その瞬間、千冬は下を向きながらブツブツと自問自答をするように呟き始めた。
そんな千冬に、『なんだコイツ?』と少し気になっていると、千冬は顔を上げて一誠に質問したのだ。
「…………………春人って誰だ?」
「は?」
端から見れば意味不明な質問に、一誠も思わず素の顔になってしまう。
「織斑春人が弟……? いや、私達は造られた存在だ。
そして造られたのは私と一夏と……それ以外は存在しない筈。
では春人は一体何だ? 待て、そもそも何時から私は一夏以外に弟が……」
「俺に聞くなよ。
第一何の事を言ってるのかもわからないし、突然何だよ?」
「い、いや……お前に言われて思い返してみたのだが、私の弟は一夏しか居ない筈なんだ。なのに何故私はあの春人を弟と思っているのかが……」
「………………………………」
『おい、この小娘……』
自分で言葉を発しながら、困惑している千冬の支離滅裂な様子に、一誠も一誠の中に宿るドライグも『何かしらのスイッチが切り替わった』様な感覚を覚えると、千冬が突然頭を抱えながら苦しみだしたのだ。
「ううっ!? わ、私は何故……一夏の事を邪魔に思っていたんだ!? 何で……どうして!? うぐぁぁっ!!」
『! 一誠!』
「チッ、めんどうな……!」
破壊の技術を込めて殴り飛ばしたせいか、春人を覆っていた様々な補正力等もどうやら影響を受けたらしい。
その上でイラついていた一誠が一夏の事を引き合いに出した事が引き金となってしまったらしく、まるで覚めない眠りから無理矢理たたき起こされた様に千冬の精神は混濁し、パニックを起こしてしまったらしい。
「う、あ……い、ち………か……」
『精神の許容がオーバーしたのか? 意識が飛んだらしいぞ』
結果、千冬はその場に崩れるように倒れてしまった。
それを別に支えるでもなく、ただただ怠そうな顔で見下ろす一誠は、あまりにも面倒な事態に突然なったのもあって、そのまま放置してしまおうかと考えた。
だが、先程の混濁から抜けた後の織斑千冬がどうなっているかによっては、余計面倒な事態に発展しかねないと考えた一誠は、本気で嫌々ながら倒れた千冬を乱暴に抱える。
「チッ、あの餓鬼が。
誰に対しても中途半端にするからこうなるんだ」
『ではもしかして他の小娘達もこうなる可能性があるわけか?』
「いや、この女の場合は元々は一夏と繋がりがあったからこうなったんだろう。
ただの他人があの餓鬼に何を思った場合はそのままだと思う。
要は、くだらねぇ補正とやらで向けられる様に仕向けた好意とやらの誤魔化しが壊れたんだろうぜ」
『………では俺達の世界に居たあのカスを完全に始末できていたら、もしかしてリアスに向けられていた悪意は無くなっていたのかもしれないという事か?』
「いや、あのカス野郎の場合は、世界そのものを味方に付けていたからな。
それに、この状況も奇跡的な偶然みたいなもんだろうから無理だったと思う。
どちらにせよ、この女が意識を取り戻した後の方が厄介だ。
………完全に抜けていた場合であったとしても、箒が許さないだろうからな――まあ、俺もだが」
『……………』
「とにかくリアスちゃんの所に運ぶ。
一夏にはまだ教えるべきじゃねぇ………。今更一夏に言った所でアイツは他人事みたいな反応だろうが――――」
とにかく今は千冬をリアスが居る保健室に運ぶべきだと言った一誠は、そのまま適当に片手で抱えた千冬を運ぼうと歩き出す。
しかしその直後……。
「えーっと、イッセーさんを発見できたは良いんですけど、何で織斑先生が気絶してるのかとか、適当な感じで抱えてるのか、色々と疑問しかないんですけど………」
そろそろ話が終わっただろうと思ってイッセーを迎えに来た刀奈にみられてしまった。
どうやら抱えかたがあまりにも雑すぎて変な誤解はされてないようだが、それでも残る疑問は彼女にとって多いらしい。
「想定外の事が起きたとしか言えない。
とりあえずリアスちゃんの所に運ぼうと思ってるんだが……」
「はぁ……。
一瞬イッセーさんが織斑先生を人気の無いところに連れていって変な事でもするんじゃないかと……。まあ、あり得ないのはわかってますけど」
「見られたのがキミで良かったよホント……」
ちょっとホッとする一誠は刀奈と一緒にに保健室へと向かう。
「…………。よし! 織斑先生にギリギリ勝った!」
「は?」
「ほら! おっぱいです! 織斑先生には勝ってます! 大きさも柔らかさも!」
「どっちでも良いだろそんなもん……」
「私にとっては重要なんです! そりゃあリアス先生や山田先生には勝てませんけど、何時かは勝ちますから!」
「あ、そ……」
「むぅ、そんな冷たい反応したって無駄ですからね? この前私のおっぱいでスヤスヤ寝たんだし? …………リアス先生に間違えられた挙げ句萎んだ言われたけど」
「………………。悪かったよ」
「別にもう怒ってませんからね? あ、ちなみに私と織斑先生のおっぱいだったらどっち選びます?」
「刀奈」
「わかってますよ? どうせ『ねーよ』の一言で終わるのは? でもどっちかと言われたら――――え?」
「だから、刀奈……キミの」
「………ぁ、そ、そうですか。ま、まあそうですよね? 私の方がマシですもんね? う、うん……良かったです」
「…………」
「あ、あれ? 急に暑くなりましたね……? 空調が効いてないのかしら?」
「…………」
「な、なんか言ってくださいよ……。
そ、そーやって平気な顔して言うから、余計好きになっちゃうのに……」
「心配しなくても俺にとって最高なのはリアスちゃんだけだ」
「………ふーんだ、知ってますよーだ」
微妙に不意打ちを食らってどぎまぎしてる刀奈と共に保健室へと向かった一誠。
そして保健室に到着し、仕事をしていたリアスに事情を説明して千冬をベッドに寝かしたのだが……。
「えーっと、刀奈はどうして私に抱きついてるのかしら?」
「リアスちゃんの胸は最強だって言ったら勝手に拗ねた」
「…………。微妙に私が恥ずかしいからそういう事は言わないで頂戴。
それにこの子だって女の子らしくてとても可愛らしいじゃない。
……そんな子にお酒に酔ったとはいえ抱きついて胸に顔を埋めた挙げ句、寝言で私の名前を連呼するのは良くないわ」
「言っとくけど、浮気じゃないからな……?」
「そうは思ってないわよ。
第一この子にそういう事をした所で浮気にはならないって思ってるし?」
「勘弁してくれよ……」
拗ねて抱きついてくる刀奈を姉の様に抱き返しながら頭を撫でるリアスの言葉に、一誠は微妙な表情だった。
「うぐぐ、本音ちゃんの言うとおりだわ。
この領域まではまだまだね……」
「今のままでも刀奈は素敵な子よ? もっと自信を持ちなさいな?」
「……………」
何せどんどんリアスと刀奈が仲良くなっていくし、寧ろリアスは刀奈の背中を押しまくってるのだから。
補足
まったくのダメージ0
何故かって? 慣れてるし対抗できるから。
その2
おや、千冬さんのようすが……?
その3
取り敢えずおっぱいで対抗したいお年頃の刀奈ちゃんだけど、不意打ちくらうと女の子になる。
実家からのバックアップに加えて、リアス先生すらも味方故に、どんどん追い詰めていくぜ。