……という前の前の前の続きです
ギャスパーは運良く助かった。
クウラ達が去った直後に救出に現れた魔王達によって、なんとかリアス達と再会できたは良いのだが、彼の震えながら語る話に、皆はただただ絶句するしかなかった。
結局の所、クウラの現在の心理すらも掴めぬまま、滅亡の恐怖に震えなければならなくなったそんな頃、普通に屋敷へと戻ってきたクウラと白音を待っていたのは、広間に黒歌と――そして黒髪の少女だった。
「クウラ、まずは謝る。
我の組織の者がクウラに余計な事をした」
名を無限の龍神――オーフィス。
クウラの出現と、クウラによって戦闘力を昇華させた前までは世界最強クラスの強力なドラゴンであり、禍の団の長でもある彼――いや、彼女は椅子に座るクウラに謝った。
「前々からとぼけた奴だとは思っていたが、貴様は、自らが創った組織の統制すらもまともに取れんのか」
「元々創った目的が構成員によって形骸化してしまってるから……」
「そんなものは理由にもならん、この無能が」
「…………」
「ま、まあまあ……」
何故か戻るなり、そそくさとお風呂場に行った白音を待ちながら、冷徹極まりない台詞をぶつけるクウラに、少女の姿であるオーフィスは軽く凹み、黒歌が宥める。
組織内で自然と作り上げられた妙な派閥のどれにも属さず、更には白音という繋がりがある故に自然とクウラと接触出来るという事をどこかで知ったのか、オーフィスは黒歌の所謂腹心的な位置に置いていた。
「ふー……ちょっと個人的に建て込んでたもので、ご挨拶が遅れて申し訳ありません――って、なんです? このお通夜みたいな空気は?」
「………」
「ちょっと色々とね……。それにしても聞いたよ二人とも? 三大勢力の会談に乗り込んで色々とやらかしたって。大丈夫なの?」
「あら、お耳に入れるのが早いね。
別に問題は無いよ姉様。そもそもここに来たオーフィスさんの部下だか何だかが悪魔だと言うものだから、彼等の仲間か聞いてみようってだけの話だったし、その後白龍皇の相手はしたけど、喧嘩を売ってきたのは向こうだもん」
下ろし立てのメイド服に身を包み、身体を慣らすという意味で白音モードになってる白音は、グラスの中にお酒を注いでクウラに差し出す。
「どうせオーフィスさんの組織の者が勝手にやった事なんでしょう? ってのは何となくお察ししてるから大丈夫です。
……まあ、組織の規模を広げるだけで一切統率が取られてないのなどうかなって思うけど」
「ごめん……」
数年程前に一度オーフィスとは白音も会ってるので、初対面ではないらしい。
黒歌とオーフィスに一応お茶なんかも用意してあげながら、白音は組織の統率機能が死んでいる事をオーフィスに指摘していた。
「それでどうするつもりですか? 今後またアナタの組織の部下達が考えなしのバカみたいに、クウラ様にちょっかいをかけるという名の自殺をする様なら、徹底的に壊滅させてやりますが」
「一応ダメって言っておくけど、多分もう我の言うことに従う者は居ないと思う……」
「貴様にも劣る連中共に離反されるとはな」
「我はどうしたら良い……? グレートレッドを倒して静寂を得る為の戦力を集めていたのに……」
「そんな話を俺に聞いてどうなる? 自分で蒔いた種は自分で刈れ」
自分より遥かに強い存在であるクウラに頼りたい的な雰囲気をバシバシと出すオーフィスに、クウラはバッサリと言い捨てた。
そもそもグレートレッドという、次元内を遊泳しているオーフィスと同等以上の龍神とはクウラもまだ会ったことは無い。
今回発覚した白音の特殊能力の餌にできるかもしれないと考えている今なら、オーフィスの目的と合致するので協力体制を敷けなくもない。
が、別に協力せずともクウラ勢力のみで自己解決可能という自負があるので、以前叩き潰してやったオーフィスに協力してやる義理もないのだ。
「巷では完全なテロ組織扱いされてますので、黒歌姉様も危ないんじゃない?」
「逃げ足だけは自信があるし、ここに居ればある意味一番安全だから平気よ」
「……ここってそういう場所じゃないんだけどな」
テロ組織の構成員を実は匿ってました……と三大勢力達にバレたらそれはそれで面倒な――いや、多分逆に何も言われないかもしれないが、折角の金蔓相手なので、出来ればバレて変な空気になるのは避けたい。
現在の魔王達や天使長や堕天使総督とは違い、各々の下の上層部クラスの連中はクウラの存在をかなり疎んじてるのだから。
「……。わかった、自分で蒔いた種だから、クウラの言う通り自分で刈る」
クウラの助言――なのかどうかは別にして、そんな状況に陥ったオーフィスは暫く黙っていた後に、自分で片付けるという意思を表明する。
その言葉を受けたクウラは酒を飲みながら、相変わらずの無表情な態度だが、オーフィスはこの冷たい冷酷さがどことなく気に入っていた。
「だからもし刈れたら、黒歌みたいに我もここに来る」
「…………」
「えぇ……?」
ある意味では彼の近くこそが壊滅――いや、静寂(物理)な気がしてならないオーフィスは、刈った後はクウラの世話になると宣言する。
「なんなら白音のように部下になっても良い」
「……って、言ってますけど?」
「戦闘力が一万にも届いてない雑魚を俺の部下にすると思うのか?」
「だ、そうですよオーフィス?」
「なら強くなる。
元々我の目的であるグレートレッドを倒すという意味でも強さは必要だから」
「でも本当に鬼畜だよ? やめた方が良いにゃ」
そんなオーフィスをクウラは雑魚呼ばわりして一蹴するが、彼女の意思は無駄に固いらしく、早速とばかりに黒歌を連れて屋敷から帰ってしまった。
「………。もし仮にオーフィスを部下として登用したら 本当に面倒かもしれませんよ?」
「使えん奴を部下にするつもりはない。使える所を模索するとするなら、精々お前の餌か何かだろう」
「え~? そんな趣味なんて本当に無いのに……」
二人が帰った後、オーフィスを部下にする気は無いらしいクウラの一言に白音は本気で嫌そうな顔だ。
確かに他人の血肉を取り込んで糧に出来る不思議な特殊能力があったと発覚して、それはそれでクウラの中での価値が上がったと喜ぶべき事ではあるもののだ、旧校舎でギャスパーやヴァーリの腕を食えと言われて嫌がった様に、好き好んで生肉を食いちぎる趣味は白音には無いのだ。
クウラの血肉を抜かせば……だが。
「そもそもクウラ様の血の味を知った以上、他の連中の味なんて絶対に不味いに決まってるじゃないですかぁ」
「割り切るかどうかはお前の判断だ。
今のところ、指定した時期までに戦闘力を300万に到達さえ出来れば問題はないからな」
果てる程に美味だったと感じたクウラの血の味を、よりにもよって一番最初に知ってしまったのはある意味でまずかったのかもしれない。
とはいえ、そういった力を抜かしても白音の潜在能力はまだまだ伸び代を残しているのもまた事実。
「あ、そういえばさっき旧校舎を破壊してしまったし、私ってひょっとして退学なんでしょうか?」
「さぁな、通った所で何の為にもならん場所にこれ以上通う必要があるかと考えればどちらでもよかろう?」
「言われてしまえばそうではありますが……。
別に友達も居ませんでしたし……」
限定的な意味ではサイヤ人のような才能を持つ白音。
彼女の限界はまだ終わらない。
「せいっ!」
「………」
「はぁっ!!」
「……………………」
「シィッ!!」
「………………………………」
「…………。ぜ、全力でぶん殴ってるつもりなのに、顔色のひとつもまだ変えられないなんて、最早笑うしかないで――――みぎゃあ!?」
「………………」
「痛い痛い痛い!? 頭が潰れちゃいますって!?」
クウラとの差はまだまだではあるが。
「に゛ゃっ!?」
「……………」
実の所、悪魔達に金を出させて建設したこの屋敷の地下にはそれなりの頑丈さがあるフロアがあり、基本的に白音はそこでクウラを相手に修行を行っていたりする。
間違いなく日課となるこの修行は、オーフィスと黒歌が去った後だろうとも行われる訳で、ヴァーリの腕を楽に引きちぎったり、単なるデコピンの余波で旧校舎を全壊させる程のパワーを身に付けた彼女が唯一ボロボロになる時間でもあった。
今も白音モードからの全力全開でクウラに殴りかかったが、一切通用する事なく頭を掴まれたかと思ったら床に叩きつけられてしまっている。
「基本的に力押しなのは否定はせん。
しかしお前と同格かそれ以上の敵が相手となった場合は、力押しだけでは通用しなくなる。
少しは考えていみろ」
「か、考えた所でクウラ様には一切通用しない気しかしないのですが……。いえ、勿論やってみますけど」
クウラにしてみれば児戯にも等しい力加減なものの、床に盛大な皸が入る程のパワーであり、叩き付けられて頭を抑えながらも立ち上がる白音はの足元はおぼついていない。
出会ってから今までこんな調子で毎日ボロボロにされてきたせいか、回復力も異常なレベルに到達していると、見方を変えればそれもまた成長ではある。
「では……!」
少しは考えてみろと言われて、無理と否定はしたものの、立ち上がった白音は全身に気を循環させ、戦闘力を解放すると、今度は真っ直ぐにでは無くクウラの死角に移動し、拳を突き出すが……。
「がふっ!?」
左腕を軽く挙げたクウラの裏拳のカウンターが白音こ顔面を叩き、身体がのけ反る。
「っ!」
しかし直ぐ様体勢を建て直し、高速移動でクウラの背後に回って飛び蹴りをするが……今度はクウラの姿がその場から消えて空振ってしまう。
「うがっ!?」
空振ったと同時に再びクウラが姿を現し、そのまま裏拳が刺さる。
速度の違いがありすぎて白音の攻撃は悉く外れるのはまさに一種のクソゲーの様だ。
「うう……ま、また鼻血が……」
鼻から流れる血は何回流したか分からない。
未だクウラに手加減されている不甲斐なさもあるし、何より痛いのもあって軽く涙目になる白音は、これが他の者から裏拳だけで首が消し飛んでる――と考えたら相当破格である事を自覚できない。
それほどまでの絶望的な差なのだから。
「時間だ。今日はここまでとする」
「あ、ありがとうございましたクウラ様」
「7年前に比べたらお前も大分マシにはなっただろうが、そろそろ俺に埃のひとつでも付けて貰わんとな」
「はい……」
だがそれでも白音は諦めない。
クウラに価値を示し続け、その傍に遣え続けたいから。
それが彼女の生きる意味だから。
「身なりを整えたら飯にしろ」
「はーい」
他の誰にもそれは否定させない。
例えそれが肉親であろうと、この生き方を否定するのであるなら許しはしない。
それが白音という少女の持つ誇りなのだから。
「ところで白音よ。最近お前は俺の部屋の寝具で眠るが、アレは何を――」
「べ、べべべ、別になんでもありませんけど!? お部屋をお掃除するのは当然ですし!? た、偶々お掃除してたら眠くなってお借りしてるだけですから!? べ、別にクウラ様のベッドで変なことなんてしてませんからね!? と、というか見てたのですか!?」
「部屋に入ろうとしたら、お前が俺のベッドに潜って気色悪い声をだしながら何かをしていたから気になっただけだ。
しかし、一体なんのつもりだ? ベッドの寝具を全部取り替える意味もわからん」
「み、見てたんですか……?
あ、アレはですね……その、あの……ゴニョゴニョ」
「なんだ? もっとハッキリ言え」
「い、イメージ・トレーニングです! 色々な意味で! これ以上は聞かないでください!」
「………?」
終わり
残虐とも言える白音の蹂躙劇を目の当たりにしてしまったイッセーはリアスの里帰りに同行し、夏休みの間は冥界に留まる事になった。
その最中、色々なイベント事があるわけだが、白音とクウラがそこに関わる訳もないのでほぼ割愛されるであろう。
あるとするなら、イッセーがあの会談後に学園に来なくなった白音をずっと気にしているという事ぐらいか。
そして夏休みが終わった後くらいに始まったシスターフェチ悪魔とのゲームによる大騒動に彼女が現れた事くらいか……。
「く、クウラ!? 何故奴が……!?」
禍の団に渡った旧魔王の血族者と繋がっていたシスターフェチ悪魔が起こした騒動に現れた冷たき帝王とその部下たる白猫。
約一ヶ月以上振りに見た彼女は、相変わらずクウラの傍に居るのだが、その胸は間違いなく一ヶ月程前より成長しているとはイッセーの談。
「学校にも来ないし、どうしちまったんだよ小猫ちゃん……!」
「? 旧校舎を破壊したからてっきり退学処分にでもされてると思ってたのですがね?」
ずっと自分の心の中に残ってしまった白音を取り敢えずは学園に登校させなければ……と、一人で暴走し始めるイッセーを白音は特に相手にしないし、そもそもこの現場に来たのもオーフィスが『蒔いた種を刈るから』とクウラと連れてこられただけなのだ。
「オーフィスまで来ただと!?」
誰かがオーフィスの出現に驚いている。
しかしもっとも驚いたのは、自身の組織の構成員を次々と始末していく事だった。
「我はこんな事を命じた覚えもないし、色々と考えた結果、組織自体も必要なくなった。
だから長としての最後の責任として、自分で蒔いた種は自分で刈る」
そう言いながら次々と困惑する構成員と旧魔王達を始末していくオーフィスに、同じく敵対側であるイッセーやリアス達はただただ困惑し……そして驚愕する。
「クウラ、蒔いた種は殆ど刈った……。
これで我も仲間に」
「………………」
「あぁ、本気だったんだ……」
「それに付き合わされたお陰で疲れたにゃん……」
無限の龍神が、クウラの仲間になるんだと堂々と言ってしまったから。
「どうしますクウラ様?」
「直接の部下にはせん。お前がそいつの指揮をとってみろ」
「あ、はい」
白音の餌となるまで肥えさせてみると考えたクウラは自分ではなくて白音の部下として扱う事に。
それが後で、少しだけ失敗だったと気付く事になるのだが……。
「新・クウラ機甲戦隊のリーダー・白音!」
「オーフィス」
「…………うーん、やはりもう一人居ないと画としてのインパクトさに欠けますね。
黒歌姉様を加えても良いけど、パーソナルカラーがオーフィスと被るし……」
「クウラが認める強さを持つ者はそうそう居ないと我思う」
「それもあるし、一番の条件はクウラ様に怯えない精神力も必要だね」
「怒らないでね? ……あの格好させてるのってクウラの趣味じゃないよね?」
「白音が勝手にデザインして勝手に作っただけだ。
俺は知らん」
「だ、だよねぇ? あ、あの本当に怒らないでよ? 赤龍帝の彼の事は覚えてる? しょっちゅう白音に絡んでくる……」
「それが?」
「彼が勝手に誤解したみたいで……ええと、クウラは白音やオーフィスみたいな小さめの女の子にああいう格好させてエッチな事をしてる変態だって……」
「……………………」
(あ、ヤバイ。流石にキレたかも)
事あるごとに白音に絡んで来る赤龍帝が滅茶苦茶な噂を流したという話を黒歌から聞いたクウラは、かなり珍しくイラッとした。
それを見た黒歌は……お察しした顔をした。
しかもタイミングが悪く、この数日後、京都の舞子さんの躍りをポージングの参考にしたいと言い出した白音に連れていかれて行った京都で、オーフィスの組織の残党共が子供を浚おうとしている現場に出くわし、通り道の邪魔だからという理由で消し飛ばしたら、子供だったが故か恐怖よりも、いきなり現れたヒーロー的な認識され、頼んでもないのに家まで付いてきてしまった少女が新機甲戦隊に加入し、黒歌曰く『アウト』なコスチュームまで着てしまった状態でイッセーと出会したものだから大変な事になってしまった。
「や、やっぱりアンタはそんな趣味があるんだろ!? そんな小さい子にまでそんな格好をさせて!」
「……………」
「失礼ですね先輩さんは。
この衣装のデザインは私が考えて、私が作って好きで着てる戦闘服なんですよ。
寧ろそっちの解釈をしてる時点でアナタ方の方が変態――」
「うろちょろといい加減目障りだったのは俺も同じだ。
小僧……光栄に思え、今から貴様を徹底的になぶり殺しにしてやる」
何故かイッセーに変態呼ばわりされるとイラッとするクウラが、最悪な事に出撃してしまう。
「お待ちくださいクウラ様。
バカにされたのは我々も同じです。故に彼への制裁は私達に」
が、白音も自分がデザインした衣装をそんな感じで見られて軽く腹が立ったので、新機甲戦隊全員でボコボコにすることにした。
「白音!」
「オーフィス」
「九重!!」
「「「三人揃って、新・クウラ機甲戦隊!!」」」
「ぐげぇ!?」
それはもう……ほのぼのなんてとんでもないくらいの地獄絵図状態で、徹底的に……。
「あーぁ……何時だったかの白龍皇君みたいにトラウマになりそうにゃ。
一回復活しかけたのに、白音に今度は反対側の腕と脚をもがれて再起不能になったみたいだけど」
「いつのまに私の娘があんなに強くなって……」
「………………………」
新・クウラ軍
機甲戦隊リーダー兼側近・白音
機甲戦隊・オーフィス
機甲戦隊・九重
戦闘服・ひらひらミニスカメイド服(猫・龍角・狐耳カチューシャ付き)
構成員兼パシり
黒歌
八坂
「ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ」
「ど、どうしてくれるの!? 確かにありもしない妄言を広めてしまったイッセーに落ち度はあったかもしれないけど、アナタ達に半殺しにされて以降、完全なEDになっちゃったわ!」
「殺してないだけありがたいと思ってくださいよ。
クウラ様だったらEDに悩める事すら出来なかったんですから」
「騙されてるんだとか、クウラの洗脳だとか、会うたびに煩かったから違うと教えたまで」
「それに母様の事をスケベな目で見てたのはそっちだ」
「ホント……こっちはまるでそんな対象にすら見られてないのに、平和そうで羨ましいですよ」
「う……。(ま、禍々しいオーラを感じるわ……)」
なんて事にはなりません。
「あのー……クウラ様、クウラ様は誰かと結婚するつもりは無いのですか?」
「お前までそんな事を聞くのは、八坂辺りに何か言われたのか?
俺が下等生物とそんな下らん事をする訳がなかろう」
「……。私ってやっぱりまだ下等生物なんでしょうか?」
「……。確かに、お前の事はガキの頃から面倒は見てやったし、他の下等生物共とは違うというのは認めてはやるが……」
「……………………」
「……。何だそのツラは?」
「ぁ……い、いえ……! そんな事を言って頂けるとは思わなかったので、嬉しくて……あはは」
「当たり前だ、お前はこの世界で俺の所有物と認めた存在だ。
お前の価値は俺が一番よく知っていて当然だろう」
「ちょ、そ、そんな真顔で言わないでくださいよ、顔が熱くなるんで……!」
「フン」
こんな事にもなりません。
補足
軽くマイペースな白猫の影響なのか、割りとマイルドになってるかもしれないクウラ様。
その2
忠誠心が強すぎて、最近クウラ様のお部屋にお掃除という名目で入っては怪しげな事をしてる白音たん。
曰く色んな意味でのイメトレらしいが……。
その3
鈍いとかじゃなく、元々が宇宙人ですからね。
そりゃもしかしたらあの種族にもそんな欲求があったかもしれない――ってか、あの種族に女性タイプって居たのかな?
…………フリーザ様にクリーザなるお子様が居るし、あるのかな?
その4
散々白音たんに訪れる周期で、理解はしてはいるけどそれに協力してやる気はゼロのクウラ様。
だから自分の使ってるお布団で何かされてても察しはしないという哀しみ。
ちなみに果てしなくどうでも良い話だが、白音たん曰く、イメトレの中のクウラ様は凄いらしい。
そして大体終わった後、どんだけ好きなんだと自覚しながら悶絶してるとかなんとか。
…………そんな妹の姿を見て何とも言えなくなる黒猫お姉ちゃん。