色々なIF集   作:超人類DX

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学園祭のモチベーションを上げる為、なっちゃんこと更識楯無はノリで二人の男子を賞品に祭り上げたとさ。

が、大人の男が居たので相談した結果――――


神経質になりすぎて卑屈な彼

 手負いの獣の狂暴さを少女は知っている。

 まだ幼い頃、少女はまさに手負いと表現するに値する獣と出会したのだから。

 

 

『ガフッ! 死に損ない共が手こずらせやがって……! へへ、でもやっと皆殺しにしてやれたぜ……』

 

 

 全身が血塗れ。

 猛禽類を思わせる縦長に瞳孔が開いた赤く輝く瞳。

 普通の幼子にとってすればショック極まりない姿といえるが、生憎少女の運命はお世辞にも普通じゃなかった。

 少しばかり驚いたし、ちょっと怖いとも思ったけど、息を切らしながらその場から動けない青年から、少女は何故か目が離せなかった。

 

 

『……あ? 子供だと? おいお嬢ちゃん、どうやら見た限り人間らしいが、こんな所で何してやがる』

 

『凄い音が聞こえて、来てみたらアナタが……。怪我してる……』

 

『あぁん? こんなもんその内治るし、そんな事よりさっさとここから消えろ。

往生際の悪い死に損ないのカス共に狙われるぞ……』

 

『……?』

 

 

 言葉は乱暴。常に目は殺気に満ちてギラギラしている。

 おおよそ理性のある同じ人間とは思えない迫力があった青年にそう言われた少女は、一体この人は何を言ってるのかが理解できなかった。

 

 

『……? そういえば気配が感じねぇな』

 

『気配……?』

 

『こっちの話――じゃねぇ。おいお嬢ちゃん、何時まで居るつもりだ? さっさと家に帰れ』

 

『でも心配……』

 

『チビッ子に心配される程まだ俺は落ちぶれちゃいねぇ。

寧ろゴミ共を纏めてあの世に送りつけてやったぐらいだからな――げほ』

 

 

 これが後にグータラになる先代赤龍帝とのファーストコンタクト。

 とても遠い異界から生き延び、血塗れの姿で傷を癒す青年を少女の実家の者にバレない様に匿う事になり、後々直ぐにバレて少しだけ大変な事になるのだが、今の関係を考えれば乗り越えられたのは想像しやすい。

 

 寧ろ常にギラギラとしていた気迫を持った青年が、後に暗部の後継者となる少女を鍛え上げて更に龍帝の後継者にし、グータラ男に変貌してしまうのだから概ね血祭りとは無縁の生活だったのだろう。

 

 

「昨今の世の中を考えたら難しいっつーのに、それでも必死こいてかき集めたエロ本やエロDVDを目の前で焼却処分された哀しみで無想転生が習得できそうな気がするんだがね……」

 

「知らないわ」

 

「いやマジでどうしてくれるの? この年になってまでまともに恋人すらできない俺の寂れた生活を潤すものだったんだぞ? 燃やすとか何してくれてるわけ? それが弟子のやることかよ?」

 

「そんなものでムラムラするくらいなら私を使ってムラムラすれば良いのよっ! お師匠様のばか!」

 

「えぇ……?」

 

 

 少なくとも、弟子にめっちゃ懐かれる位は良い師弟関係になれたくらいは。

 

 

 

 更識家の天井裏から床下、果てには冷蔵庫の裏にまで隠し持っていた一誠秘蔵のお宝が休日のある日に刀奈によって当主権限で焼却処分されてしまってから数日。

 新たに集め直すには世の中の実情の悪さと、刀奈の小姑みたいなやかましさによって難易度が高すぎる事に気付いてしまい、仕方ないから我慢することにした一誠は、近々行われるらしい学園祭についての相談を何故か二人しか居ない男子生徒に相談されていた。

 

 

「学園祭の目玉賞品にされた?」

 

「はい、今朝の朝礼の時に更識先輩が突然そんな事を……」

 

「何でも学園祭では毎年各部活動ごとの催し物を出し、それに対して投票を行って、上位組は部費に特別助成金が出る仕組みだったのを、今年は上位2部に一夏か俺が賞品になるって流れに……」

 

「…………。お前何してんの?」

 

「てへっ♪ そう言った方が生徒のモチベーションが上がると思ったの♪」

 

 

 学園祭で各部が行う催し物に対しての投票で上位に入賞したその部活動に対し、一夏か烈火がその部に強制入部させられる特権を与えられるという、本人の意思が無さすぎる話に、相談を持ち込んできた二人の男子を前に反省の色無しといった具合の刀奈は、一誠の呆れた表情を前に可愛い子ぶって誤魔化していた。

 

 

「贔屓目かもしれねぇが、これが不細工だったらぶっとばしてやってたぜ今のアクションは?」

 

「え!? じゃあぶっ飛ばさないってことはお師匠様的に私は可愛い子なのね!? やったー!」

 

 

 不細工だとは思われてないと聞いて喜ぶ刀奈。

 やはり本人に反省の色はまったく見えないし、そんな刀奈を前に二人の男子も何も言えなくなる。

 

 

「ちなみに聞くけど二人は入りたい部活とかは?」

 

「学園生活を切り抜けるのに必死なのでそんな余裕は……」

 

「それに仮に入って変な空気になるのも嫌ですし……」

 

「まぁ、だろうな。何か悪いな……このバカ弟子が」

 

 男の複雑な心を理解せず、ノリに任せて勝手な事をしてしまった刀奈に代わって一誠が二人に頭を下げる。

 

 

「ちょっと強引な面が多いが、基本悪い子じゃないんだよ……だからあんまり怒らんでやって欲しいっつーか」

 

「い、いえいえ!」

 

「兵藤さんが頭を下げる事なんて……! よく相談に乗って貰ってるのはこっちですし」

 

 

 が、自分の直の弟子なせいか甘い所が寧ろ多く、過保護な親みたいに庇う一誠に一夏と烈火も何も言えなくなる。

 ちなみに一人喜んでた刀奈は、しつこかったので一誠に拳骨を貰って涙目になってる。

 

 

「おい、お前が勝手にこの二人の意思を無視して余計な事をしたんだ。

責任取って対策考えろ」

 

「痛い……」

 

「痛いじゃねぇぞバカ野郎。もう二、三発貰うか?」

 

「わ、わかったわよぉ! じゃあ生徒会が優勝して二人を生徒会の役員にしてしまえば問題ないでしょ?」

 

「せ、生徒会……」

 

「俺達がですか?」

 

「そうすれば部活と違って自由は利くし、何なら登録だけでも良いわ……これで良い?」

 

「言ったからには必ずそうしろ。

それでもし負けたら尻を百叩きしてやる」

 

「う……! そ、それはそれでご褒美に思えて負けたくなる――」

 

「あと破門」

 

「! か、勝つわ!! 絶対に勝つ!」

 

 

 完全にコントロールされてる刀奈……二人は楯無の名を聞かされてる生徒会長を前に一夏と烈火は内心『おおっ』と一誠に感嘆の声をだす。

 こうして単に学園祭へ向けてのモチベーション上げをするつもりで言った自分の言動の責任を自分でする事になってしまった刀奈は内心ちょっと今朝の自分の言った事に後悔する事になる中、生徒会室に新たな人物が入ってくる。

 

 

「ただいま戻りました」

 

 

 それは勿論入室する権利がある生徒会役員の一人である虚なのだが、そんな彼女の後に続いて入ってきたのが――

 

 

「あ、いっちーおじさん! それにおりむーとかーくんだ!」

 

 

 今明らかに一誠に向かっていっちーと言ったり、一夏や烈火にも珍妙な呼び方をする二人のクラスメートの布仏本音だった。

 

 

「お邪魔してんぞ虚ちゃまに本音ちゃま」

 

「同じく……」

 

「っす……」

 

 

 一誠にも変な渾名付けてんのかのほほんさんは……と思いながら虚と同じく頭を下げる一夏と烈火に本音はにこにこしていた。

 

 

「ねぇねぇ、学園祭の話だけど、生徒会が勝ったら生徒会に入るんでしょ?」

 

「その事で兵藤さんに相談したんだけど、話し合った結果ある程度自由は利くらしい生徒会に入れる様に生徒会長に勝てと言ってくれたんだ」

 

「ホント!? やったー! もしそうなったらかーくんと毎日一緒だね!」

 

「え? うん……勝てばだけど」

 

「勝つよ絶対! わーい!」

 

「なっ!? の、のほほんさん!?」

 

 

 特に本音はかーくんこと烈火が気に入ってるのか、もう生徒会に入ってるつもりでいきなり飛び付く。

 これには驚いて身体が硬直してしまう烈火だが、そんな二人の様子を見て一誠は『ほほう?』と何かに気付いた。

 

 

「本音ちゃま、ちと神崎君を貸してくれ」

 

「? 良いよー」

 

 

 小さい頃から刀奈の師として更識家に居た歳の離れた兄さん的な認識をしている本音は言われた通りベタベタと普通に頓着が無いのか、実は割りと良いスタイルしてるその身体を密着させてた烈火から離れる。

 そしてちょっと来てと言われた通り、本音に引っ付かれてべらぼうに緊張してた烈火を生徒会室の隅っこまで肩を組ながら移動した一誠はヘラヘラしながら茶化し始める。

 

 

「なんだ少年B? そんな余裕が無いと言ってた割にはあの子に結構好かれてるじゃあないか? え?」

 

「す、好かれてる!? お、俺が!? そ、そんなバカな、のほほんさんとはクラスメートではありますけど、別にそんな関係じゃありませんよ!」

 

「またまたぁ、あの子は人懐っこい子だけど、余程気に入った相手じゃないとあそこまでくっついて来ないんだぜ?」

 

「で、ですが……俺なんかに……ありえないですよ」

 

「カァー! 損すぎてちと拗らせてんのなぁキミは? そんなんだと俺みてーになんぞ? まあ嘘だと思って少し向かい合ってみろよ? くくく、あの子結構おっぱい大きいぜ?」

 

「や、やめてくださいよっ!!」

 

 

 なっはっはっ! と背中をパシパシ叩かれながら茶化された烈火は今ので完全に意識してしまって本音がまともに見れなくなってしまう。

 損すぎる立ち位置に立たされてて、尚且つグレてないのが一誠的に好感を持ってる様だ。

 

 

「? ねーねー、何の話?」

 

「ん? あぁ、本音ちゃまは可愛い子だぜと話してたんだよ。なぁ?」

「………ぅ」

 

「え、ほんと? かーくんもそう思うの?」

 

「…………の、ノーコメント」

 

「むぅ……」

 

「へぇ……あの子がね」

 

「……? 何の話だ?」

 

 

 ニタニタする一誠の言葉に本音が何時もより毛色の違う喜びの表情を烈火に向けるのだが、烈火は完全に本音から目を逸らしてしまい、本音が可愛いという話をしてたと聞いた刀奈は頬を膨らませ、姉の虚は妹の心の内を知ってほんの少し微笑む。

 一夏だけが全く状況がわかってなかったのはご愛敬だ。

 

 

(嘘だろ、俺は駄目だろ。駄目だ駄目だ! こんな俺にのほほんさんが……? 無い無い無い無い!! だって俺碌に何もしてないし一夏みたいにかっこ良くだってないし……! き、きっと何かの間違いだよ……)

 

 

 そんな一誠からの背押しに対して烈火は心の中で、自分に自信が無さすぎて完全に否定してしまっていた。

 一夏と謙遜なない男前なのに、外様の己のせいで一夏の人生を壊してしまう事への恐怖と、神経質すぎるまでの気配りがすっかり元から無かった自信を喪失させていたのだ。

 

 

「生徒会に入れたら一緒に頑張ろうねかーくん! 私頑張るから!」

 

「……うん」

 

「……? どうして目を合わせないのかーくん? ねぇねぇ?」

 

「っ!?」

 

 

 気のせいだ、間違いだ、そんな訳がない。

 いっそ卑屈なまでに自分を卑下して一誠の見解を否定する烈火は目を合わせられずに下を向けば、下から覗いてくる本音にどぎまぎしてしまうのだった。

 

 

「良いねぇ。

俺が若い頃にはない甘酸っぱさだぜ……」

 

「あ、そういうこと。てっきりお師匠様が本音ちゃんと不倫しちゃうのかと思ったわ」

 

「不倫という表現はやめてくださいお嬢様。

それにしても本音がね……」

 

「? ? ? い、一体何の話なのかまったくわからん……」

 

 

 唐変木モテモテ男の一夏にはまだわからないらしく、本音とさっきから挙動不審の親友を前に首を傾げている。

 最近紆余曲折あって早くに仲良くなった(一夏目線)の簪が今の烈火みたいな挙動を見せる事があるのを思い出すが、それでもやはり彼にはその意味がまだわからないらしい。

 

 

おわり

 

 

オマケ

 

遠い背中

 

 

 継承した赤龍帝こと更識刀奈の戦闘力は、正直既に人間離れした領域へと到達している。

 だが、そんな刀奈でもまだ師匠には届かないのだ。

 

 

「俺には無くてお前にあるのは、そのしなやかさだ。

懐に潜り込んで一撃を見舞うもよし、敵の攻撃をスタミナ切れまで避けながら攻撃するのも良しだ」

 

「はぁ、はぁはぁ……は、はいお師匠様……!」

 

 

 赤龍帝では無くなった。

 だがそれでも彼自身の力はまだまだ進化をし続ける。

 それは彼自身が龍の力とは別に覚醒させたモノが理由であり、隠居を自称してるものの、その力は常に進化をし続ける。

 それは立派な次代の赤龍帝になりつつある刀奈を一蹴できる事を考えればわかる事だ。

 

 

「今日はここまで。

そろそろ消灯時間だからな」

 

「あ、ありがとうございました……」

 

 

 グータラ男になってるけど、やっぱりお師匠様は凄い。

 一撃も当てられずに翻弄されてばかりだった刀奈はフラフラになりながらも立ち上がってお辞儀をするも、既に限界で歩けなかった。

 

 

「ま、待ってお師匠様……! も、もう歩けないわ」

 

 

 そのまま寝床でもある用務員室へと帰ろうとする一誠に、刀奈が限界で歩けないと訴えながらその場に座り込む。

 予備が何着もあるとはいえ、IS学園の制服そのままで修行をつけて貰った刀奈は疲労困憊で座り込んでしまって制服に汚れが目立ち、更に言えば疲れすぎて足が開いてしまってパンツが丸見えなのだが、そんなことを気にする余裕もなければ、一誠になら見られても構わないので気にしてない。

 

 

「スタミナが無いな相変わらず。

ったく、世話の焼ける弟子だ……そら」

 

 

 取り敢えず抱えて欲しいと懇願する刀奈に、一誠は仕方ないとぼやきながらも背を向けながらしゃがむ。

 それはおんぶをしてやるという意味であり、刀奈はもたれ掛かる様にして一誠の背に乗ると、そのままひょいと軽々と持ち上げられた。

 

 

「ごめんなさいお師匠様。

まだまだね私も……」

 

「俺と違って焦る必要は無いさ」

 

「うん……!」

 

 

 グータラしてしまってるけど、こういう所があるから大好きだ。

 刀奈は背越しに言われて心の中に暖かさを感じながら、一誠の首に腕を回して強く抱きつにその大きくて逞しい背中に顔を埋めた。

 

 

(幸せだなぁ……)

 

 

 一誠から与えられる修行は厳しい。

 でもそれが辛いと思った事はない。

 ひとつの技術を体得した時に見せる一誠の優しさがある限り、刀奈にとって修行すらも幸福の時間なのだ。

 

 

(ずっとこのまま私だけのお師匠様でありますように……)

 

 

 だからこれからも永遠に自分の師として傍に居て欲しい。

 それほどまでに刀奈の中では一誠の存在は大きすぎるのだ。

 

 

「そら着いたぞ」

 

「ん、ありがと……ねぇ、これからシャワー浴びるんだけど、中で待っててくれない?」

 

「は? お前な、こんな所を誰かに見られたらそれだけで一気に誤解されるかもしれねぇんだぞ?」

 

「お願い……一緒に居て欲しいの」

 

 

 一誠の前では本当の……決して強くはない自分に戻れる。

 甘えといえばそれまでだが、そんな自分をさらけ出せる一誠という存在が居てくれたからこそここまで成長できた。

 

 

「はぁ、しゃーねーな。待ってりゃ良いんだろ?」

 

「うん、ごめんね? すぐ入るから」

 

 

 自分の全てをさらけ出しても良いと思える相手、そしてそんな自分を受け入れてくれる相手は一誠の他に居ない。

 その想いが刀奈に一誠を師以上の感情を芽生えさせる事になっている。

 

 

「お師匠さま……」

 

 

 心と身体が成長していくにつれてその想いは大きくなる。

 いくら火照った身体を冷まそうとぬるま湯のシャワーを浴びても冷めてくれない……。

 

 

「身体も女らしくなった、胸だってお師匠さまの好みの大きさになったのに、それでもやっぱり子供なのかな……」

 

 

 自身の成長した胸に触れながら、刀奈は少し悲しそうに目を伏せる。

 技術を与えられた、力を継承してくれた――でもそれ以上に師の心が欲しい。

 日に日に強くなる想いは刀奈をモヤモヤさせ続け、また欲するという欲望が大きくなる。

 

 

「お待たせお師匠……さま?」

 

「くかーくかー」

 

 だから帰らないでシャワーを浴び終えるまで居てくれと頼んでしまった。

 それは彼女なりのアプローチなのだけど、一誠は自分を子供と見なしてるので気付いてない。それどころか何もされないと思ってるから平然と人の部屋のベッドで寝ていた。

 

 

「……………」

 

『さて、俺は引っ込むとしようかなー……』

 

 

 呑気に寝てる一誠を前に、タオル一枚の刀奈がゆっくりと近付こうとしたその時、普通に空気を読んだドライグが刀奈の意識の奥へと引っ込んだ。

 こうなったら誰も止める者は居ない……。

 

 寝ている一誠の横に立った刀奈は、身体に巻いていたバスタオルを外して一糸纏わぬ姿へとなると、眠る一誠の隣へと潜り込む。

 

 

「うへへ……人妻ハーレムじゃあ……むゃむにゃ……」

 

「……。お師匠さまのばか。またそんな夢見て……」

 

 

 だらしのない顔でわかりやすい寝言を言う一誠に小さく膨れた刀奈は、悔しさを感じながら一誠の身体を強く抱く。

 

 

「でも、大好きよお師匠さま……。

お師匠さまのせいなんだからね? こんなせつない気持ちになるのは……」

 

 

 グータラでスケベで、ガキ扱いしてこようとも、それでも師が大好き。

 だから今は寝ている隙を突く形になるけど、何時かきっと自分を弟子でも子供でもなく、一人の女として見てくれる事を願って、刀奈は大好きな師の頭を抱える様に抱き締めながら一誠の体温を直に感じるのだった。

 

 

「ふふ……お師匠さまの大好きなおっぱいよ? お師匠さまだけが好きにできるの……。

この身体も心も……私の全部を♪」

 

「ZZZ……」

 

 

 師匠離れが恐らく一生無理な弟子の気持ちはもっと大きくなる……。

 




補足

本当に一夏の人生の邪魔だけはしてはならねぇと神経質になりすぎて卑屈になりつつあったり。

が、そんな彼の頑張りを見てくれてる子もちゃんと居る訳で――本人は知らなかったのと、言われてパニクって余計卑屈になったけど。


その2
更識本家の面々はこの師弟の事は生暖かく見守ってるのと『お嬢様が押し倒して結ばれる』に全員BETしてるとかしてないとか。

もしくは一誠が『あしながおじさん』で刀奈ちゃまが主人公みたいだとも言われてるとか……。

その3
ちなみにかんちゃんとは寧ろ結構仲がよかったりする一誠。

理由はグータラでニート思考になると決まってかんちゃんとネトゲか特撮アニメ視聴したりする引きこもり仲間だからです

その都度、虚ちゃまと刀奈ちゃまに怒られますが(笑)

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