色々なIF集   作:超人類DX

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前の続きの嘘予告的流れよ。

嘘はマジだがね


※再起への始動

 無様に負けて、罵倒されて殺されて終わった情けない人生かと思っていたイッセーは不思議な経験と不思議な出会いを経て這い戻る事に成功した。

 

 そして今度こそ何人たりとも踏み越えられない道を進む為に――そして何よりも復讐の為に……

 

 

「まいった」

 

 

 ………そのつもりだったのに。

 

 

 

「持ちうる力を全部捻り出して、結局何だったかも分からなかったあの空間を抜け出せたまでは良かったんだけどなぁ……」

 

『それが理由かは定かでは無いが、まさかお前の身体が縮むどころか、それまで積み上げたものすら無くなるとは……』

 

 

 復讐の為だけに血の滲む程の努力の果てに得た力が消えた――いや、身体の退行と共に退行してしまった現状にイッセーは自分の縮んだ手足を眺めながらため息を吐いていた。

 

 

「力に関しては鍛え直せば戻せるだろうけど、それよりも更に困るのがさ……」

 

『あぁ、今居るこの場所――いや、世界と云うべきなのか? 俺達が生きた世界では無いという事だ』

 

「それだ。

今の状態であのカス野郎に鉢合わせしてもあっという間に殺されるのは目に見えるからラッキーなのかもしれないけど、逆に力を完全に取り戻してそれ以上の領域に進んでもどうやって奴をぶち殺しに行くのかが全くわからない」

 

 

 加えて抜け出した先に在ったこの世界はイッセーとドライグが生きた世界とは異なる世界であった。

 現状を考えたらある意味でラッキーなのだが、どうやって戻るのかの手が無いので微妙な気持ちだった。

 

 

「まぁ、嘆いてたって戻れる訳じゃないし、生き延びられただけでも貰い物と思わないとな。ドライグともまだ一緒だしよ?」

 

『そうだな。それに、あのアリシアの小娘の事もある』

 

「あぁ、俺達がそうである様に、あの子にとってもこの世界が元の世界では無い可能性もある。

……アリシアの場合は名前以外の記憶が無いからそれを確かめられる術が無いんだけど」

 

 

 間違いなく殺されていた筈の己が何故生き残れたのか? 再び復讐の道に戻るのか? それを考えるよりも先すべき事が今のイッセーにはある。

 故に自分達の今後を考えるのは一旦止め、小生意気そうな子供になってしまった少年と、少年の中に宿る龍は力を取り戻す我流修行の止め、偶々見つけた小さな公園から去る。

 

 この世界に辿り着き、力も身体も縮んでしまった上に文無しとまで来たイッセーがちょうど見た目なら殆ど今のイッセーと同い年くらいに見えるアリシアを守りながら帰るべき場所へ帰してあげるのは、相当の難易度なのは間違いない。

 

 子供でしか無い今のイッセーが家を借りられる訳が無く、また働くにはあまりにも見た目の年齢が低すぎるのでお金すらまともに手にする事が出来ない。

 

 

「チッ、何だあの時代錯誤も甚だしいヤンキー共の財布は? しけてやがるぜ」

 

『見た目が餓鬼のせいか隙を突きやすくなったらしいが、見事に手癖が悪くなったなお前……』

 

「自分のやってる事を正当化するつもりは無いし、アリシアには口が裂けてもこんな事をしてるだなんて言うつもりは無いよ。

けど、こうでもしないと今の俺にあの子を守る事なんて出来ない」

 

 

 だからイッセーは子供の見た目である事を最大限利用し、手癖の悪いこそ泥のような真似に手を染めた。

 主なターゲットは他人に迷惑を掛けるイキッた連中のみで決して普通の人の物には手を出さないという最低限の事は守ってる様だが、当初イッセーは何度も盗んでやった連中にバレて殺されかけた。

 

 

「全部で三千円か、危ない橋を渡ったにしてはリターンが少ないぜ今日は」

 

『これなら腹を満たす程度の食料は調達出きるだろう』

 

「まーな、それに加えてさっき大量のアルミ缶を拾って換金した300円もあるし……」

 

 

 全盛期の力が残っていたのならこんな真似をしなくても済むのだけど、生憎今のイッセーはドライグに力を分けて貰って漸く動ける様になるというレベルにまで落ち込んでしまっている。

 

 自転車置き場の自転車を蹴って倒していきがってた不良グループ数人からスッた財布から金だけを取り、空になった財布をそのまま川へと投げ捨てたイッセーは、足早に今住んでいる場所へと帰る。

 

 

「俺一人なら外だろうが寝られるし、腹減ったらそこら辺の虫でも食えば良いけど、アリシアにそんな真似はさせられないからな。女の子だし」

 

『あの胡散臭い空間で出会った小娘だから同類意識を感じてるらしいが、自分を犠牲にしてまでする事なのか?』

 

「俺と違って本当に子供だし、記憶が無い分俺達以上に右も左もわからないんだぜ? 見捨てるだなんて出来るかよ」

 

 

 ちょうど夕方なせいか、自転車に乗った今の自分とアリシアに近い年齢の子供たちが楽しそうに家に帰ったり、晩御飯の買い物帰りの主婦等々とすれ違いながらドライグとアリシアというひょんな縁から今も一緒に居る少女について語りながら、イッセーは()()へと帰る。

 

 

「ただいま」

 

 

 身体は縮むし、力も失うしで災難続きだったイッセーだが、この()()を確保出来た事に関してだけは運が良かったと言えるだろう。

 もっとも、ガスも水道も電気も使えないし、見た目は完全に廃墟同然で幽霊すら宴会でもやりそうな程近寄りがたい見た目をした家なのだが、雨風を防げる事を考えてしまえば全く関係ないし、今更霊に怯えるにはあまりにも壮絶な人生を歩みすぎていた。

 

 

「おかえりー!」

 

 

 ひっそりと忘れ去られたかの様に放置されていた廃墟に住み着く様になってから中々の時間が経過してる。

 故にこの廃墟同然のボロ小屋で寝泊まりするのにもすっかり板についてしまったらしく、立て付け最悪のドアを開けて中に入ると、既に真っ暗となってる奥から金髪で赤い瞳の――この場所に全く似つかわしくない少女が笑顔で出迎え、帰ってきたイッセーに飛び付いた。

 

 

「大丈夫だったか?」

 

 

 妙な縁だったとはいえ、力を失ってしまっていて中々生きづらくなってるせいなのか、割りとアシリアという少女との仲がすっかりよくなってしまってるイッセーは、飛び付いてきた少女をバランスを崩さないように軽く踏ん張りながら受け止めると、そのままヨロヨロとした足取りで奥の部屋に入る。

 

 

「これが飲み物で、こっちがパンな。

で、これがアリシアの着替え一式と、歯ブラシと……」

 

「お洋服って……お金大丈夫だったの?」

 

「へ? …………。だ、大丈夫に決まってるだろ? 俺は見た目は子供の頭脳は大人なんだぜ?」

 

 

 何事も幼いアリシアを優先させて基本的に自分の事は完全に後回しにする癖がついてしまってるイッセーは、今日の戦利金で購入したものをアリシアに渡しながら電気代わりとなる蝋燭にライターで火を灯す。

 

 

「………」

 

「何だよその疑ってる様な顔は?」

 

「だってイッセーは何時も自分の分のご飯が私より少ないんだもん……」

 

「俺は少食だからあれくらいで良いんだよ。

ほれ、それ食べたら風呂屋行くから準備しとけ」

 

「…………うん」

 

『逆に心配させてるだろうこれでは……』

 

 

 ドライグがアリシアに聞こえない声でボソッと呟くのを無視しながら、イッセーは100均で買い込んだバスタオルやら替えの下着を、ゴミ捨て場から拾って洗って再生させたプラスチックの洋服入れから引っ張り出すと、洗面器に入れる。

 

 

「悪いなアリシア。俺の身体が縮まなければ今頃アリシアの記憶を戻せる様に動けたり、こんな廃墟で寝泊まりさせる事なんて無かったんだけど……」

 

「そんなことは良いよ。あの場所にずっと居た時を考えたら楽しいし、イッセーと一緒だから……」

 

「くっ……ホント良い子だなアリシアは。

年食ったせいか、そんな事を言われると涙腺が弱くなって……」

 

『言うほど歳じゃないだろお前は』

 

 

 浮浪者じみた生活。

 それがこの世界へと流れ着いたイッセーとアリシアの現状。

 しかし妙に過保護で空回り気味のイッセーはともかく、何時からあの空間に居たのかも覚えていないアリシアにとってはひもじかろうが楽しいと思えていた。

 

 

 しかし、アリシアは少しずつ知ることになる。

 自分の過去を――そして、イッセーの過去を。

 

 

 

終了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 偶然拾った綺麗な石を売って何としてでも纏まった銭が欲しかったイッセーは、アリシアに不自然な程似すぎてる少女ともう一人の栗毛ツインテールの少女がその石を巡ってバトルしてるという状況を知った。

 

 力を完全に失ってる今のイッセーでは、バカスカとビームの打ち合いをしてる様に見える子供二人を出し抜くのは難しい。

 

 

「あのアリシアに似すぎてる子には犬みたいな女がボディガードで居るから、変な真似したらぶっ飛ばされそうだし、かといって栗毛の子は騙しやすそうだけど最終的に痛い目に遭わせられそうだし……ぐぬぬ、最近の女の子ってののは逞しいにも程があんだろ。

ドラゴン波っぽいの出すしよ」

 

『あの小娘共が特殊なだけだろう』

 

「だと良いんだけど……」

 

 

 現状の笑えぬ弱体化もそうだけど、特にアリシアに似た少女から強引に宝石っぽい石を奪うのは何となく気が引けてしまうし、下手したら返り討ちにすらされる。

 栗毛少女に至っては初期ドラゴン波並みのビームも出すのだから余計難易度も高い。

 

 故に頭を悩ますイッセーだが、悲観する事ばかりでは無かった。

 

 

「ただいまぁ」

 

「おかえりー!」

 

「おかえり」

 

 

 ホームレス生活から脱却する奇跡の出会いにより、現在イッセーとアリシアは電気も水道もガスも通ってる綺麗な家に住める様になっていた。

 ……そう、帰るなり飛び付いてきたアリシアの後にやって来た車椅子少女のお陰で。

 

 

「見るが良い、今日は何とプリンを安く買えたんじゃい!」

 

「「おお~」」

 

 

 偶々出会したアリシアと気が合い、紆余曲折というか、正直に複雑すぎた事情で家が無いと話したら一緒に住んでみないかと提案してくれたこの少女の名前は八神はやてといった。

 

 

「それならご飯にしよか? えと、ドライグさんの分は……」

 

『俺は物を食う必要は無い』

 

 

 孤児だった孤独な少女にしてみれば同い年くらいの少年・少女と仲良く出来た事は影を落としていた精神に光を差し込ませるに十分だった。

 故に子供だからというのもあってか、二人の過去を怪しむ事なく受け入れたし、少年が不思議な力と龍を名乗る渋い声をしたドラゴンを宿していることに対しても割りとすんなりと受け入れられた。

 

 

「ドライグさんは窮屈やないんですか? お外に出てみたいとか……」

 

『は? 別に無いが……何だその質問は?』

 

「ちょっと気になるから……」

 

『……。イッセーを宿主にしてからは窮屈とも退屈とも思った事は無い』

 

 

「ふははは、おーばーけーだーぞー!」

「キャー! おばけー!」

 

『元々イッセーはあんな性格だからな』

 

「そっか……ふふっ♪」

 

 

 シーツを頭から被ったイッセーが、楽しげに逃げ回るアリシアを追いかけ回すという、シュール過ぎる光景を前に語るドライグにはやての孤独感は薄れていく。

 しかしこの少女もまた数奇な人生をたどる運命を持つ少女であり、それを知る事になるのはアリシアが『全て』を思い出す事件後になる。

 

 

「ヴォルケンリッターだぁ? 変な名前の強盗集団だな」

 

『油断するな、アリシアの一件で少し力を取り戻せたとはいえ、この連中はやる』

 

 

 変な本から飛び出した変な集団と出会い……。

 

 

『このままだとはやての小娘の命が危ないだと? 貴様等――それはどういう意味だ?』

 

「お、おいドライグ?」

 

 

 その本から出てきた集団を受け入れてから暫くして体調を悪化させたはやての身に危険が迫っている事を聞かされ、妙に気にするドライグ……。

 

 

「記憶を取り戻した今、フェイトとまでとはいかないけど、私にもそのリンカーコアがあるんでしょう? だったら使って、はやての為だもん」

 

「…………。本当に安全なんだろうな? はやての事は勿論大事だけど、もしそれを引っこ抜いてアリシアが死んだら、流石に俺も冷静じゃなくなるぞ?」

 

「わかっている。この命をかけてそれは保証する……」

 

『……俺の力は使えんのか?』

 

「残念ながらお前とイッセーの力は我々の経験にも無い未知の力――ロストロギアにも近い力だ。

その力を主に注ぎ込んだ後の予測がつかない以上は……」

 

『チッ……』

 

「落ち着けよドライグ……。無力に思える悔しさは俺も同じなんだからよ」

 

 

 全員がはやてに恩を持つ者であり、今その為に結束する。

 

 

 そして運命は――

 

 

 

「まさかこうして向かい合う事になるとはなドライグ? しかもその姿は俺じゃんかよ?」

 

「俺にもよくわからないが、考えてる暇は無い。

さっさとはやての小娘にひっつく鬱陶しい柵を破壊してやらないとな」

 

「あぁ……そうだな」

 

 

 あり得なかった奇跡を与える。

 

 

「今の状態でお前と融合する。そうすれば恐らく一瞬ながら全盛期に戻る筈だ」

 

「お前、折角表に出られたのに……」

 

「フン、元々俺はお前を最後の宿主として見ていた。

だから表に出られる事に意味など無いんだよ」

 

「…………そっか。くくく、それもはやてへの恩って奴か?」

 

「フン、早く俺を取り込め」

 

「最高だぜ……ドライグ!」

 

 

 真の赤龍帝として……。

 

 

『俺は兵藤イッセーでも赤い龍でも無い……。俺は貴様を倒す者だ!』

 

 

 

 そして……。

 

 

「機動六課? 給料は良いのか?」

 

「期待してもええで? 他にもヴォルケンリッターの子達やフェイトちゃんやなのはちゃん達も入るし、アリシアちゃんにも昨日交渉して入ってくれる事になったんよ」

 

「アリシアもか? うーん……でも高町さんとフェイトさんも居るんだろ? ……。あの子達が悪い訳じゃないんだけど、昔から微妙に苦手な気がしてさ、変な空気にならないかな?」

 

「そういや聞いたで? 昔、お金がほしくてジュエルシードが何なのかもわからないまま、二人に土下座して譲って欲しいと頼んでたって?」

 

「まだはやての世話になる前で、アリシアにひもじい思いだけはさせたくなかったから必死だったんだよ」

 

「わーぉ、アリシアちゃんは愛されとるなぁ?」

 

「何だかんだ長い付き合いになったからなぁ……。あの子が彼氏とか作って紹介とかしだしたら俺泣く自信があるぜ」

 

「……えぇ? それは無いやろ絶対」

 

 

 子供から大人へと変わっていく。

 

 

「勿論ドライグくんもやで? あ、ちなみにやけど、入る時は基本的に表に出といてな?」

 

『面倒なんだが……』

 

「出て貰わんと私と遊べないやろ!? お茶もできんし!」

 

『…………』

 

「気づいた頃には随分とこの子に懐かれたなドライグ?」

 

『知らん』

 

 

 復讐を捨て、先へと進む道を歩みながら……。

 

 

「えーっとこの度この機動六課でお世話になる兵藤イッセーと……」

 

「ウェルシュ・D・ドライグだ」

 

 

 

 

 

 

「えっとあの、お久し振り――に、なるのかなイッセー君とドライグ君」

 

「えーっと、お世話になります高町隊長殿」

 

「え、どうしてそんな他人行儀……」

 

「一兵卒程度ですから。あぁ、ハラウオン隊長もどうぞよしなに」

 

「は、はぁ……その、いい加減アリシア姉さんと同じ感覚で接しても――」

 

「イッセ~!」

 

「よぉアリシア! わははは! 職場まで一緒になっちゃたぜ!」

 

「でもお陰で毎日会えるし、私は嬉しいよ?」

 

「確かに! 頭が良いなぁアリシアは」

 

「えへへ~」

 

「……。あ、アリシアちゃんだとあんな感じなのに何で? 私何かしたの?」

 

「私なんて殆ど同じ顔なのに全然違うから余計変なダメージが……」

 

 

 微妙に苦手な上司二人に変な意味で再び目を付けられる割かし平和なのかもしれない人生を歩むのだ。

 

 

「あの、八神隊長。

高町隊長とハラウオン隊長をなんとかして貰えませんかね?」

 

「? 喧嘩でもしたんかいな? それと今は普段の口調でええで?」

 

「おう。確か立場的にははやてが一番上なんだろ? だったらあの二人に言ってくれないか? 最近仕事終わりにしょっちゅう訓練に付き合わされるんだよ……しかも割りとガチめに」

 

「? それの何がアカンの? ええことやん?」

 

「そりゃあそうかもしれないけどさ、仕事終わりでアリシアと飯食おうとすれば拉致られて、休日だからとアリシアと釣り行こうとしたら拉致られての繰り返しなんだぜ? あの二人絶対に俺の事嫌いだわ…………嫌われる真似した俺が悪いんだろうけどさ」

 

「あー……未だに姓で呼んでるからアカンのちゃう?」

 

「ちょちょちょ真面目に考えてくれよ! あの二人割りと容赦なくビーム魔法ぶっぱなすんだぞ!? しかも副災害とばかりにシグナムさんまで参戦してくるし! 俺基本的にドライグと離れてると本来の半分しか力が出ないんだぜ!? 美人になったからって怖いもんは怖いし、むしろその分迫力が半端無いつっーか……」

 

「真面目に考えた結果がそうなんやからしゃあないやん」

 

「昨日なんて、エリオとキャロとアリシアの三人と人生ゲームして盛り上がってたらハラウオンさんと高町さんが凄い渋い顔して後ろから覗いてたし……。どんだけ仲良いんだよあの二人……」

 

「へー?」

 

「一昨日はティアナとスバルとヴィーダと世間話してたらいつの間にか背後に立ってて、三人も顔がこれでもかとひきつってたし……」

 

「ほーん?」

 

「あの二人はよく分からなすぎて怖いっつーか―――なぁはやてにドライグ? さっきからどこを見て…………」

 

 

 

 

 

「「………………」」

 

 

「……………………………………………。あ、あれだよな、二人とも美人になったよね!?」

 

「もう遅いと思うでイッセーくん?」

 

「ちなみにほぼ最初から聞いてたっぽいぞ」

 

「そこは言えよドライグ!? や、やばいって、後ろ向けないんだけど、怖いんだけど……!」

 

 

 微妙に前途多難だが。

 

 

「ご愁傷さまやなイッセー君は。でもなのはちゃんとフェイトちゃんもわかっとらんなぁ。

きっとこの後やり過ぎそうになってアリシアちゃんが止めに入ってイッセーくん甘やかすんやろ? 無限ループや」

 

「アリシアやお前だと普通なのに、何故かあの二人の小娘を前にするとおかしくなる。

前々から微妙に苦手かもしれないとは言っていたが……」

 

「そら私やアリシアちゃんと殆ど同時期に知り合ったにも関わらず殆ど他人行儀のまんまやから納得できないんやろ。

まあ、今のまんまだと、永遠に他人行儀なんやろうけど、二人もホンマ不器用というか、特にフェイトちゃんは複雑なんやろ」

 

「そんなものなのか? 未だに人間とはよくわからん生き物だ……」

 

「まぁ二人の事はイッセー君に任せておいて、そろそろ息抜きの時間にしよか!」

 

「お前、イッセーと喋ってて全然仕事してなかったろ……」

 

「部下の悩みを聞いてあげるのも私の仕事の内なんや! という訳でドライグ君、外行っていっしょに買い物でも……」

 

「息抜きし過ぎだ。

あの小さい方のリインフォースから見張っとけと言われてる以上はダメだ」

 

「ちぇ~ それなら軽く仮眠するから膝枕してや? それで勘弁したるから」

 

「はぁ? もうガキじゃないのだから普通に―――おい」

 

「くふふ~♪ 不思議やなぁ、イッセー君の中に宿ってるのに、匂いが違うもん」

 

「…………………はぁ」

 

 

 

嘘でした




補足

他の人達とは元々の性格を取り戻したのもあって仲良くなれるのに、例のお二人とは初対面からの印象のせいか、結構他人行儀のまんま。

それが微妙に気に入らない二人は異性との接し方がイマイチわからないのでごり押しするけど、本人は余計に苦手に思えてしまっての無限地獄。

その2
どこでだろうと、アリシア相手だとスキンシップが割り増しな為、端から見るとデキてるのか? と思われてるらしい。

その3
自由に分岐可能になったドライグの容姿は、めっちゃ渋い声した目付き鋭い赤髪オールバックのイッセーらしい。
よくわからんけど、はやてさんに懐かれて微妙に戸惑ってるとかなんとか。


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