色々なIF集   作:超人類DX

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盾役としては精神的にダメと判断した、自称まともなカズマ君は後日の夕食……。


ダクネスさんマジダクネス

 一番まともそうだったと思っていたイッセーまでもが、結局の所、一度スイッチが入れば変人になってしまうという事実を、めぐみんが掠り傷程度の怪我をしただけでキャベツ軍勢をオーバーキルした現場を見て確信してしまったカズマは、色々とブーメランが突き刺さっているというにも拘わらず、自分だけがまともだと思い込んでるので頭を抱えていた。

 

 

「えー、今年のキャベツの収穫量は例年の4分の1になりました。

その理由はご存じの方も居るかと思いますが、収穫の最中に突如発生した暴風と謎の金色のドラゴンがキャベツを食い散らかしたからで―――」

 

 

 

 

 

「やっぱりこうなったじゃないか……」

 

「済まぬ」

 

 

 ギルドからキャベツの収穫が例年よりも大幅に下回っているという話を聞かされ、それが誰のせいなのかを知るカズマは小さくなっているイッセーに小さくため息を吐いた。

 めぐみんがキャベツに本当に軽い怪我を負わされたというだけでいきなり全身からどう見てもサイヤ人が出しそうな破壊的な金色オーラを出し、そのまま鬼みたいな形相で突き出した拳から何の原理なのかも分からぬ謎の金色の龍が飛び出たかと思ったら、キャベツを全部食らいつくしてしまった……ともなれば、割りと常識人なのかとイッセーに対して持っていたのもあって肩を落としてしまうのも無理はないのだ。

 

 

「何でか知らないけど、あの子が怪我してるのを見て頭に血が昇っちゃって……」

 

「見てたからよーくわかってるよ、召喚人みたいに龍を呼び出して食らいつくさせてたのもな」

 

「いや、あれは俺の力の形を龍にしただけだから本物じゃないんだぜ」

 

「どっちにしろビックリってもんじゃないよ」

 

 

 スイッチが切り替わると、周りを省みずに敵と認識した者を破壊し尽くすまで収まらないだなんて、めぐみんよりも質の悪い爆弾でしかない。

 ましてや、あれでまだ全体の半分も力を出してないらしいし、アクア曰く、完全に理性が飛んでいたらこの星ごと宇宙の塵にされていたのだから、カズマだってビビるし、どんなサイヤ人だらけの世界で生きてたんだとイッセーの生前世界が地味に気になって仕方ない。

 

 

「お、アクセルの龍帝! 昨日は良いものを見せてくれてサンキューな!」

 

「あ、どうも……」

 

「あ、そこに居るのはアクセルのロリコン龍帝! 今日はあのお嬢ちゃんと一緒じゃないのかい?」

 

「今別行動中――――は、ロリコン?」

 

 

 普通ならあんな化け物じみたパワーを見せてしまえば怯えられるでもするが、幸いな事に色々と緩すぎる世界の住人故か、寧ろ名物男扱いして通りかがりにイッセーを見ては口々に――そして奇しくも全盛期の通り名であった龍帝と呼んだり、めぐみんと抱き合いながら互いの名前を連呼しまくってたせいでロリコンとも呼んで怖れているといったものは少なかった。

 

 

「ロリコンってどういう意味だ……?」

 

「いや、あの時一部冒険者達が意識を取り戻した時に見たのは、ど真ん中でめぐみんと抱き合ってるお前だったからロリコンと……」

 

「…………………………嘘だろ?」

 

「マジだ」

 

「ろ、ロリコン……」

 

「まぁ……なんだ、お疲れ」

 

 

 自分はただ危なっかしい娘さんを心配してただけなのに……。

 自分が一晩でロリコン男という認識を他の冒険者からされている事を知ったイッセーは、かなり凹んでしまったのか、がっくりと肩を落としていた。

 その落ち込みっぷりにはカズマも無言で肩を叩いて励ますしか無かったとか。

 

 

「気を落とすなよ、少なくとも腫れ物扱いされるよりかはマシだと思わないと」

 

「しかしロリコンってのは……俺の性癖はかなり真逆なんだけどな」

 

 

 スイッチが入りさえしなかったら、一応は常識的だし何よりその力はやはりこの変人だらけパーティでは要である事は代わりないので、常人代表と自称するカズマとしても宛にしていきたいと思っている。

 しかしながら問題なのは、昨日仲間にしたばかりで早速その技能を確認した結果、色々と微妙な気がしてきたダクネスの方だった。

 

 

 イッセーとカズマの二人とは別行動をしていためぐみんとアクアと共に合流した新たな仲間ことダクネスとクリス。

 いや、クリスの方はまだ色々と解らない点はあれど地雷というものは無さそうだから良い。

 問題はこのダクネスだ。

 

 

「アンタのせいで一個一万エリスが消し飛んだのだから責任取って高級料理を奢りなさいよ?」

 

「あぁ、何でも好きなもんでも頼んだら良いさ」

 

「っしい!! じゃあ早速蟹料理でも頼んじゃおうかしら! すいませーん!!」

 

「はぁ……」

 

「? どうかしたのですか()()()()? 元気が無いようですけど……」

 

「ん? ちょっとな―――――――――――あい!?」

 

「?? なにか?」

 

「め、めぐみんお前、今俺の事を……」

 

「???? 普通に名前で呼びましたけど?」

 

「そ、そうじゃねぇ!! い、今呼び捨て……」

 

「あぁ、さん付けはそろそろやめようかなって――あ、あれイッセー? どうしました?」

 

「…………………」

 

 

 別行動中に何があったのか、それとも前々から決めていたのか、それまでさん付けで呼んでいたイッセーに対してめぐみんが急に呼び捨てになった事に、何とも形容しがたい顔をした後、ロリコン呼ばわりされている事よりも激しく落ち込み始めている前ではアクアが無遠慮に高級料理を頼んではばくばくと食べている。

 

 いや、カズマにとって今はそんな事は二の次で、問題は今自分の対面側に座って食べているダクネスとクリスについてだ。

 

 

「昨日は凄かったぞ、あのキャベツ共のせいで鎧を新しくしなくてはならなくて……くふふふ!」

 

「アタシは別件で居なかったんだけど、イッセー君が何かしたんだって?」

 

「それについては残念ながら私は見ていない。

カズマなら知ってると思うが……なぁ、どうなんだ?」

 

「…………」

 

 

 正直……本当に正直に思っている事は、盾役として本当に使えるのか? という疑念だった。

 剣術がてんでダメなのは昨日見て解った事だが、戦闘面はめぐみんとイッセーの二人でお釣りが来るから別に問題はない。

 それよりも折角アクア専用盾役として期待したダクネスが肉体面の耐久性はともかく精神的な耐久性が色々と残念すぎるという点だった。

 

 

「兵藤の事よりも、昨日お前を見て思った事を言って良いか?」

 

「む、その事なら自信はある! ちゃんとキャベツ共にボコボコにされても身代わりになれていただろう? ふふ、これからもあんな酷い目に逢わされると思うと武者震いがとまらんよ……」

 

 

 クルセイダーで盾役に自信ありと聞いただけで即決に仲間にしてしまった手前、ダクネスは既にこれからも仲間として行動するつもりらしい。

 その事は重々カズマとて承知している上で、敢えて心を鬼にして口を開いた。

 

 

「いや、申し訳無いけど心許ない」

 

「ふぇ?」

 

 

 すっかり仲間気分で、これからは畜生以下の扱いも期待できると震えていたダクネスが思わずといった変な声を出してカズマをみる。

 

 

「クリスの方は――まだ解らないから後日見せて貰うが」

 

「あ、うん」

 

 

 え、何この似つかわしくない空気? とクリスは思いながらも、妙にシリアス顔をしているカズマに頷きつつ、ポカンとしながら動いてない隣のダクネスに視線を移す。

 

 

「勝手に期待してしまった手前、かなり言いにくいが、昨日の様子を見た限りだとこの先盾役を任せるのは無理だ」

 

「な、なぜだ! け、怪我はしていないぞ!? 頑丈なんだぞ!?」

 

「それは重々承知しているが、勝手によがって意識をすぐ飛ばしてしまう時点で無意味だろ? 俺が求めてるのは核兵器の爆撃も耐えれて尚且つ気絶しない盾役だ」

 

「か、かくへいきってなんだ?」

 

「………」

 

 

 物凄い真顔で核兵器に耐えられる盾役が必要と、初心者の街だろうが何だろうが誰も居ないだろうという無茶苦茶過ぎる要求にダクネスは意味はわからずとも失格だと言われてる事はわかっているのか、あたふたとし始め、クリスは内心例えが核兵器って……やっぱり彼の頑丈さを見ちゃってるせいなのか……』と、何故か一人めぐみんに慰められながら落ち込むイッセーを見て思うクリス。

 

 

「まぁまぁ、ちゃんとレベルを上げていけば大丈夫だと思うよ?」

 

 

 あからさまにショックを受けているダクネスを見てクリスもフォローしようとする。

 しかし実質このパーティのリーダーっぽい位置に自然と置かれてストレスだらけのカズマは真顔のままノーと言った。

 

 

「俺だって無理を言ってるのは自覚してる。

だが、あの自堕落アクアが事あるごとに兵藤を盾にしようとし続けたら……俺まで巻き沿いで死ぬ可能性がある」

 

 

 そう言いながらカズマは椅子の上で体育座りまで始めたイッセーの隣をさも当たり前の様に座って慰めているめぐみんを見る。

 その瞬間、何が言いたいのか瞬時にクリスは理解するが、同時にジト目になる。

 

「……………。それってまさか自分の安全の為? イッセー君を盾にしようとアクアがくっついてめぐみんが誤解して爆発しちゃう巻き添えを食わないようにって」

 

「そうだが?」

 

「うっわぁ……」

 

 

 何を今更……と、言ってることが普通に最低な事を平然と肯定するカズマにクリスとしてでは無くてエリスとしても引いた。

 

 

「俺が必要に思うのは、頑丈かつ兵藤に頼らずとも済む盾役なんだよ。

このダクネスにはそれが期待できたが、蓋を開けてみればマゾが強すぎて意識を飛ばしちまうんだぞ? 何かある度に気絶されて貰ったら意味がない」

 

「あ、あれはだな! き、気持ち良くてつい……」

 

「お前がどんな性癖を持ってるかは何となく察し付いてたし、別にどうでも良かった。

が、その性癖のせいで盾役としての役を全う出来ないのであるなら―――必要ない!!」

 

 

 あくまでめぐみんの癇癪が爆発するのを未然に防ぐ苦肉の策としての募集なので、使えない盾役なぞは必要ないと言ってしまったカズマに、ダクネスは後ろに『ガーン』という擬音が付きそうな程のショックを受けて固まってしまう。

 

 

「そんな言い方はいくら何でも酷くない?」

 

 

 堪らずクリスも抗議の声を出すが、カズマはそれはもう難くなだった。

 

 

「じゃあクリスはめぐみんの嫉妬を刺激して爆発させたいのか?」

 

「それは……」

 

 

 今はかなり落ち着いてるめぐみんだが、少しでもイッセーに女の影があるとわかると感情を爆発させてしまう習性についてを問われると何も言えない。

 質が悪いことに、イッセー自身がそれに気付いてないというのもあるから余計に刺激させてしまったらどうなるかは想像しやすかったからだ。

 

 

「火力だけ言ったらめぐみんは兵藤に次いでいるし、元々はあの二人で行動したのを無理言って仲間になって貰ったからな、最大限の気は使うさ」

 

「……………」

 

「ダクネス……」

 

 

 敢えて厳しく言ってしまった感はあるが、自分自身の手足が吹っ飛ばされる事を考えたら仕方ないし、誰しも己の身が可愛いのだ。

 割りと辛辣に言われてすっかり今のイッセーみたいに俯いてしまったダクネスにクリスは同情してしまうが、カズマはそんなダクネスに声を掛ける事はせず、手元にあった飲み物をグビグビ飲む。

 

 

「別に最低な奴と思ってくれて結構だ。

だが、昨日の兵藤を見て余計にそう思ったからこそ俺は妥協しねぇことにした」

 

「そういえばイッセー君は何をしたの? 龍帝だのロリコンだなんて周りから呼ばれてるみたいだけど……」

 

「信じられないかもしれないが、昨日めぐみんがキャベツのせいでちょっと怪我をしたその瞬間、鬼みたいな形相でキャベツを残らず駆逐した」

 

「………………………………へぇ」

 

 

 席をはずしていて現場に居なかったクリスはここで初めて昨日のイッセーの行動を知るのと同時に、アクセルの街上空に出現した謎の金色の龍が誰によるものだったのかを瞬時に理解した。

 

 

(ヴァーリ・ルシファーさんと共に開発した単体奥義のひとつでしたか……)

 

 

 イッセーとその親友であるライバルである白龍皇と共に開発した奥義をまさかキャベツ相手に向けるとは流石にビックリするクリスは内心エリス気味になって思うのと同時に、やはりあのめぐみんという紅魔族が地味に凄いと女神ながらも思ってしまう。

 

 

(信じた者にしかその優しさは向けないのに、彼女がほんの擦り傷を負っただけでスイッチが入って敵を殲滅……。

一体彼女はどうやってそこまでイッセーさんの心を開かせたのでしょう? ――――何かさっきからずっと彼は落ち込んでますけど)

 

 

 女神目線でめぐみんの評価を上げるクリス。

 確かに変な気を起こさずにきちんと話をすれば、普通にそこら辺に居るような兄ちゃんみたいな感じではあるものの、既にその領域を越えてる位置まで受け入れられてるめぐみんは何をしたからそうなってるのか……。

 かなり気になってしまう――――なんて思って少し意識を内に向けていたクリスは、隣から突然机を叩きながら立ち上がるダクネスの音でハッと現実に戻された。

 

 

「こ、こんな……こんなの!!」

 

「だ、ダクネス?」

 

「まぁ、流石に怒るわな」

 

 

 机を叩き割る勢いで立ち上がったダクネスはワナワナと震えており、声からして怒りを孕んでいるように聞こえる。

 

 

「ちょっとぉ、折角の料理が溢れるじゃないのよー!」

 

「静かにしてもらえませんか? 今イッセーに大事な事を伝えてる最中なんで」

 

「俺は雑草に生まれ変わりたい……」

 

 

 が、そんなダクネスに対して、向こう側三人は完全に自分本意状態になっていて、何でこうなってるのかにすら興味なさそうだった。

 

 

「マイペースな……」

 

 

 そのあまりのマイペースさに呆れるクリスだっだが、下を向きながら怒りに震えてる様に見えるダクネスをいざとなれば止めなければと身構えつつ、座ったまま彼女を見上げてるカズマをとを見る。

 

 

「お、お前は……お前は!!」

 

「っ!?」

 

 

 その震えが頂点に達し、来ると察知したクリスとカズマが反射的に構えたその瞬間だった。

 顔を上げたダクネスはそれはそれは顔を真っ赤にさせており……。

 

 

「お前はなんて酷い男なんだ!! そ、そこまでなじられたのは生まれて初めてだぞ!!」

 

 

 それはそれは――瞳を潤ませ、とても嬉しそうだった。

 

 

「は……?」

 

「ちょ、ダクネス?」

 

 

 あれ、思ってたのと違うぞ? クリスとカズマの考えがシンクロするのも無理はない。

 流石にキレると思ってたのが、まさか罵倒されて喜んでたのだから。

 

 

「ふふ、ふふふっ!! 必要ない、役立たず、おまけに豚呼ばわりされるなんてなぁ……あは、あははは!」

 

「いや待て、豚なんて一言も言ってな――」

 

「しかもその眼! 私を豚以下の虫けらを見るような冷めきったその眼!! なんて素晴らし――いやいや、酷いんだ!?」

 

 

 怒りじゃなくて、ゾクゾクで震えてただけという真性さをこれでもかと見せるダクネスの声が大きいせいで、他の席で食べていた冒険者達が何だ何だと注目する。

 

 

「よし、決めた! やはりお前の仲間になるぞ私は!!」

 

「人の話聞いてた!? 俺はお前みたいな中途半端な盾役なんぞ要らな――」

 

「あっ……!! ぁ……ん……♪」

 

「こ、こいつ……」

 

「うわぉ……まさかのお薬作用」

 

 

 否定しようとしたカズマの言葉に過敏反応して、何やら達しちゃった様に頬を上気させながらビクンビクンしてるダクネスにクリスは心配して損した気分と共にちょっと引いた。

 

 

「も、もっと罵ってくれないか……! 私を虫けらを見るようなその眼で見下してくれないか……!? そして出来ればこの役立たずの盾を踏みつけて鍛えてくれないか!?」

 

「な、何を言ってんだお前は!? こ、こっちに寄るな!!」

 

 

 真性の度合いが想定外だったせいか、はぁはぁしながら四つん這いになってトコトコと此方に来るダクネスにカズマは逆に恐怖を感じてしまう。

 

 

「なんだなんだ、昨日見たクルセイダーと変態プレイするってだけか?」

 

「やるなら宿でやれよなぁ……まぁ、見てても良いけどよ」

 

「ちゃうわ!!」

 

 

 緩い冒険者達は、それが痴話喧嘩と勘違いしてケタケタ笑ってるが、その隙に気付いたら自分の足元に来て、犬の様にスリスリと身体を擦り付けてくるダクネス。

 

 

「い、椅子になれば良いのか? 私にそんな屈辱を味わえというのか!? そうなんだな!?」

 

「ちっげぇぇよっ!! やめろ! 俺はまともなんだぁぁぁっ!!」

 

 

 厳しい意見を言ったらそれがツボだっただなんて思いたくなかったが、後の祭り。

 すっかり虜になってしまったダクネスがはぁはぁと発情した犬みたいにしがみついてくるせいで、カズマはある意味ロリコンと勘違いされてるイッセーと双璧をなす鬼畜野郎扱いをされるのであった。

 

 

 その後、ロリコンと鬼畜調教野郎コンビという不名誉すぎる通り名が浸透してしまう…………

 

 

「で、結局仲間にする事にしたんだ?」

 

「だって、しないと仲間になるまで頭を踏みつけて貰うって言うから……」

 

「へぇ……そう言う割りには佐藤君は結構彼女をなじるのが楽しそう……」

 

「ち、ちがわい!!」

 

 

 のかは解らない。

 

 

「兵藤こそめぐみんに呼び捨てで呼ばれて落ち込んでたけど大丈夫なのかよ?」

 

「一応はね。

娘に反抗された親父ってこんな気分なのかと思ってたんだけど、どうやらあの子なりに思うところがあったらしいからな。

まぁ、元々さん付けで呼ばれるほど偉くなんかないし」

 

 

 解らないが……。

 

 

「イッセー! 早く宿に戻りますよ!

そして今日はすごく狭いお風呂に一緒に入って洗いっこしましょう!!」

 

「あぁ、わかった今行く! んじゃ佐藤くん、また明日」

 

「おう―――――って、ちょっと待て兵藤!? い、今宿に戻ったら風呂入るって……」

 

「あぁ、身体洗うのが下手だから手伝って欲しいんだとか何とか……」

 

「あ、洗うだと!? お前がか!?」

 

「してくれないと嫌だって煩くてさぁ。

しかも手でやれって注文までしてよぉ、手の掛かる小娘だよなホント」

 

「……………ま、マジかよ兵藤? お前騙されてないか?」

 

「? 騙されてるってどういう――」

 

「早く! そしてカズマ…………………余計な事を言ったら酷いですよ?

 

「うっ!? い、いや……ごめん兵藤、何でもないぜ(め、めぐみんの眼がやべぇ)」

 

 

 どっちも色々と大変なのは間違いない。

 

 

「か、カズマよ! 寒くないか? そんな寒さに対してお前が例えば私に今すぐ全裸で踊れと言われたら悔しいけど従う他は――」

 

「頼むから一人で勝手にやってろ!!!」

 

「ぁ……そ、そんな怒鳴らなくても良いじゃないかぁ……うへへへへ!」

 

「も、もう嫌!!」

 

 

 高低さ半端ないパーティ・結成。




補足

割りとシリアスに辛辣に言えば流石に……と思ったのに真性度が予想外過ぎてドハマリされちゃったとさ。

その2
イッセーさんだとよそよそしいと思って、ちょっと緊張しながら呼び捨てにした瞬間、娘の反抗期の親父気分に落とされたイッセーはアクア様がバカ食いしてる前で体育座りしてましたとさ。
まあ、かなりめぐみんがあれこれしたお陰で誤解は解けたけど、代わりに誘導され具合が半端ない事に……。


その3
龍拳

元ネタはご存知、まんま龍拳ですが、ヴァーリとイッセーが共に龍帝と龍皇という事で開発した単体最強奥義のひとつ。

魔力と気で作られた金色の龍が敵を粉砕する技ですが、本来ならイッセーは赤い龍、ヴァーリは白い龍の色になるので、金色は寧ろ全力では無い。


その3
仲良くお風呂に入って言われるがままに洗いっこしてそのまま誘導される形で一緒におねんねしたんだってさ。

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