色々なIF集   作:超人類DX

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タイトル通り。
感想を一杯頂くとうはうはな気持ちでやれる!

そして、保健体育の勉強もしてるから知識だけは知ってました!


その後のその2

 駒王学園生徒会室。

 そこは読んで字のごとく生徒会役員の拠点であり様々な仕事を行う場所であるのだが、生徒会長である兵藤一誠の本日は実に暇だった。

 先代達の10倍スピードで仕事を終わらせてしまうので、早くも次の仕事……もしくは目安箱に依頼の投書が無いと暇を持て余してしまうスタンスとなっていた。

 故に一誠の取った行動はこうだった……。

 

 

「1994……1995……1996……1997……」

 

 

 努力フェチ……。

 努力を重ねに重ねて得られる結果、もくしは己に鞭を打ちまくってから達成する事に喜びを感じる一誠は只今、生徒会室の床に親指一本を付いて腕立て伏せをしていた。

 

 

「凄い……私とレイナーレ様を背に乗せた状態で2000回も親指一本で……」

 

「原始的過ぎるわね」

 

 

 特に疲労の色が無さそうな顔で開始から一定のペースを保ったまま腕立て伏せを続ける一誠のその背中に腰掛けている二人の少女は、其々感服と呆れの気持ちを2000回目のカウントを終わらせてストップした一誠に向けていた。

 元シスターであるアーシアと堕天使レイナーレ。

 紆余曲折の後に一誠の元に居るこの二人の少女は、腕立て伏せを終えて立とうとする一誠の背から離れると、物凄いキラキラした笑顔で制服を早脱ぎして上半身裸になる彼に、毎度の事ながらビックリしてしまう。

 

 

「うーん、実に清々しい……」

 

 

 生徒会役員専用と彼が勝手に作って着てる専用制服の黒のスラックスだけの上半身裸姿は、アーシアとレイナーレの目を逸らさせるのに十分な素材だった。

 スピードを殺さないようにとギリギリまで搾り込まれた筋肉を搭載しており、むさ苦しさをまるで感じさせず、這い上がると決めた『あの日』から積み重ねた証とも言うべき傷が様々な箇所にあるが、それすら見る者の目を惹き付け、美しさを感じさせるものがある。

 ……なんて大袈裟に表現したが、その肉体の持ち主である一誠はといえば、用意していた水を飲みながらキラキラした笑顔のまんまだった。

 

 

「自分に課した鍛練を達成できたという気分は、何時でも気持ちが良いものだ……ふふ、ふはははは」

 

 

 それどころか、一誠の中にある異常性の特徴である『努力フェチ』の余波が『快感』として脳内麻薬の如く駆け巡ってるせいで、若干目付きが危なくなっていた。

 

 

「は、早く制服を着て欲しいんですけど……」

 

「毎回の事だけど、アンタ露出狂の気でもあるわけ?」

 

 

 しかしながら、この前より一誠の発足した生徒会の見習い庶務としてほぼ同じ行動をしているアーシアとレイナーレとしては、紛いなりにも異性が上半身裸で若干トリップしてますという絵を間近で見せられては、その肉体の完成度も合間って気恥ずかしさを感じざるおえない。

 特にレイナーレは、最近彼を見てると意味が分からずとも心地良い……心が擽られるという気持ちを抱いていた。

 

 

 

 

 

 数だけの無能な人間でしか無い筈なのに、殺そうとまでした自分を……いや自分達を。

 

 

『久々に使うか……。

おい、先に言っとくぞ堕天使共………………避けろ』

 

 

 そう言った次の瞬間、空気の破裂する音がレイナーレ……そしてその時はまだ仲間だった他の堕天使達の視界は反転していた。

 

 

『なじみに教えられた黒神ファントムの最良版……名を光化静翔(テーマソング)……。

あまり他人の努力を当たり前の様に使いたくは無かったが、人間ってのは努力と折れぬ心を得れば此処まで成長を遂げられる事を貴様等に知って欲しかった』

 

 

 戦闘が始まる直前に制服の上を脱ぎ、茶髪だった髪の色を黒色に変色させた一誠はひっくり返って泡を吹いて気絶したミッテルト、カラワーナ、ドーナシークの三人と、腹部に衝撃と激痛を受けて膝を付き、何とか意識を保ったまま荒い呼吸をするレイナーレの目の前に立つ。

 

 

『な、なんなのよ……あん…た……!』

 

 

 堕天使4人を前に一切怯むことなく逆に下した一誠を膝を付いた体制のまま睨み付けたレイナーレの声は、腹部へのダメージが大きいせいか絶え絶えだった。

 

 

『さっきも言っただろ、俺は兵藤一誠……只の努力好きな変態(ニンゲン)さ』

 

『な、なにが……あぐ!?』

 

『無理に動かん方が良いぞ堕天使。

貴様の腹に攻撃した際嫌な音が聞こえた、堕天使の人体構造はわからんが、恐らく内蔵が数ヶ所イカれてる筈だ』

 

『ぐっ……ごほっ!』

 

 

 元に持つ一誠の茶色の髪とはまるで違う。

 堕天使の漆黒の翼を思わせる黒き髪と空から獲物を捕らえようとする猛禽類を彷彿とさせる縦長に開いた瞳孔の瞳……。

 先程までの一誠とは明らかに様子が違うその姿に、レイナーレは恐れや怒りよりもある感情が芽生えていた。

 

 

『誰かを見返してやりたい……その気位は俺にもよく分かる。

しかし、だからと言って人の可能性を命ごと奪い取る事は許さん』

 

『……………』

 

『そんな事をしなくともやり方次第で貴様等だって上に這い上がれると俺は思ってる』

 

 

 様子が変わってからずっと目を離せなくなる一誠が、フッと笑みを浮かべながらレイナーレに手を差し伸べる。

 

 

『シスターに謝れるのなら、俺がお前に這い上がる手段を教えよう。

だから…………俺と来いよレイナーレ』

 

『ぁ……』

 

 

 王を思わせるオーラを出した一誠がニコリと微笑んだその瞬間、レイナーレの心の中あるナニかが大きく鼓動した。

 そしてそのまま……堕天使総督を見ても感じなかった可能性を一誠に感じ取ったレイナーレは、差し出された手を……。

 

 

『嘘だったら………ぶん殴ってやるわよ……ごほっ』

 

 

 しっかりと握りしめた。

 

 

 

 

 

 

「ほら変態バ会長。さっさと服を着なさい」

 

 

 そこからレイナーレの人生は変わった。

 利用して殺そうとまでしたアーシアに謝ったり。

 見下していた人間に混じって学校に通ったり。

 そして、毎日一誠と共に力の鍛練をしたり。

 一誠の課してくる課題は原始的で、しかも堕天使の自分から見てもハードだが、不思議とその積み重ねはちゃんと自分の物へとなってる実感はあった。

 募った堕天使の仲間達は、人間とは思えない一誠を化け物と罵って去っていってしまったが、レイナーレの心に寂しさは無かった。

 

 

「おっと済まん。酔っ払いすぎた」

 

 

 目を逸らし、少々頬を染めながらYシャツと制服を投げ付けるレイナーレに一誠は謝罪と共に袖を通し、『会長』『副会長』『会計』『書記』の腕章を腕に取り付ける。

 

 

「うぅ、女性の前で服を脱がないてください!」

 

「む、すまんな。どうにも癖で……」

 

 

 男性に対する耐性が無いアーシアには刺激的で、しかも同年代ともなると恥ずかしい。

 だからこそのこの反応だし、一誠も一応は謝ってるのだが……。

 

 

「頑張って鍛え上げたこの肉体だし、正直見られても俺は恥ずかしいとは思わんのだよ」

 

「私は恥ずかしいんですよ!」

 

「………。やっぱり露出狂じゃない」

 

 

 反省の色はあんまり無く、シレッと言い切る一誠にアーシアは真っ赤のまま怒り、レイナーレな呆れ顔を見せており、既に人間を見下している目はしていない。

 何だかんだで仲が良くなってる三人なのだった。

 

 

 

 

 

 

「イッセー……その……お願いがあるのだけど……」

 

 

 そう暗い顔をしながら言って家にやって来た紅髪の悪魔の友人を見るその日まで。

 

 

 

 

 純血だから……それは理解している。

 けど、それでも私は嫌だった。

 勝手に決められたレールの上を歩くのはどうしても嫌だった。

 けれど私の意見は父も母も聞いてくれず、徐々に追い込まれていく。

 だから私の足は自然と……彼の元へと向かっていた。

 根拠なんてまるで無いけど、彼なら何とかしてくれるという気がしたから。

 そして何より、彼がどんな人なのかを知ってから、私の心は――

 

 

「すまん、こんなもんしか出せんが……」

 

 

 夜……突然押し掛けたというのにイッセーは嫌な顔せずに私を部屋の中に招き入れてくれた。

 狭く、小さいアパートの一室に住むイッセーは

独り暮らしであり、これで来たのは二度目となるが、前と同じでよく掃除をしてるのか綺麗である。

 淹れてくれたお茶をお礼を言ってから口にした私は、来た理由もあってか緊張している。

 だけど言わないといけない……言わないと……………っとその前に。

 

 

「安心院なじみは居るの?」

 

「ん? 居ないぞ」

 

 

 イッセーの師匠である安心院なじみの所在を聞くと、イッセーはキョトンとしながら居ないと答える。

 アーシアとレイナーレはこのアパートの別部屋に二人で住んでるので聞かれる心配は無いが、安心院なじみは別だ。

 なんでもアリが擬人化したような女だ……これから私が話す内容を聞いたら恐らく邪魔してくるだろう。

 最悪私が持つイッセーに関する記憶も消されるかもしれない…………いや、もしかしたらニヤニヤしながら見逃すかもしれないけど……。

 

 

「そう……」

 

「なじみに用事か?」

 

「いいえ、用があるのはイッセー……アナタよ」

 

「俺? なんだ、明日じゃないとダメなのか?」

 

 

 寝る直前だったのだろう、上下共にスエット姿のイッセーの問いに私は黙って首を横に振る。

 明日では駄目……今じゃないと私は実家の連中に連れ戻されてしまう。

 

 

「あの、ね……イッセー」

 

「おう」

 

 

 断られるのだろうと思ってしまうけど、言ってみないと分からない。

 だからダメ元で言おうとするのだが、言おうとすればするほど私の心臓がバクバクと喧しく鼓動し、声が上手く出せない。

 

 

「そ、その……えっと……無理を承知で頼みたいのだけど……」

 

「おう、遠慮せず言ってくれ。

リアスは友達だからな、何でも聞くぞ!」

 

 

 フンスと胸を張って、普段なら嬉しいぜ一言を言ってくれるイッセーに、少しだけ私の心は軽くなって頬も緩むけど友達止まりだと困る。

 もっとその上……更にその先の関係になりたいと私は本気で思ってる。

 だから――――

 

 

 

 

 

 

「わ、わ、私と…………こ、子作りしてくれない?」

 

 

 私は言った。

 ここに来た第一の理由を。

 

 

「おう、良い――――――――――はぇ?」

 

 

 その際イッセーがどんな顔をしたのかは、恥ずかし過ぎて俯いてしまった為に見てないが、何と無く予想は出来た。

 恐らく、ポカーンとしてるに違いない。

 

 

「……子作り? 子、作り?」

 

「……………」

 

 

 まるで初めてその言葉を知った子供の様に、子作りと連呼するイッセーに私は熱くて堪らない顔を俯かせながら黙って頷く。

 純血の悪魔である私と人間のイッセーでは無理な話。

 けど私の中では、心を許せる……いや身を明け渡せる男性はイッセーしか居ない。

 眷属の祐人も心を許せると言えるかもしれないが、それは大切な仲間という意味であって異性としてでは無い。

 セーヤは……………うん、こういう事に関しては論外。

 

 

「………。リアスよ、お前……何かあったのか?」

 

「……………」

 

 

 ハッキリ言ってそこら辺の純血悪魔なんかよりも高みに居ると個人的に思ってるし、その惚けた性格で親しみやすい。

 イッセーが安心院なじみやレイナーレやアーシアと楽しそうにしているのを見てると胸が痛くなると感じ始めてからハッキリと自覚してる。

 私はどうやら……イッセーに惹かれてしまってるんだと。

 唐突過ぎる私のお願いを即否定せず、何かあったのかと案じてくれるその優しさに私は甘えてしまう。

 実家云々の話が無くても、私はイッセー抱かれたいと……。

 でも……フッ……予想した通り無理だったわね……はぁ。

 

 

「ごめんなさい。ちょっと実家で色々あってね……。今言ったのは忘れてちょうだい?」

 

 

 本当はそうして欲しかったけど、今はまだ叶わないと改めて分かった私は、自嘲気味な笑みを浮かべながら顔を上げ、困惑しているイッセーを見つめる。

 そして、話した……あんな事を言ったその理由を……。

 

 

 

 

 

「婚約?」

 

「ええ……」

 

 

 急に家に来て、急に子作りしてくれと言われた時はビックリしてしまったが、言うだけの理由をリアスから聞いた時は何と無く察しが付いた。

 

 

「つまりだ、その婚約者との結婚が嫌だから、その前に他の男と関係を持ってしまおうと……」

 

「そうよ……。ごめんなさい……アナタを利用しようとする真似をしてしまって」

 

「いや、それは構わんが……ただビックリしたぞ。

お前程の女性にそんな事を言われた事にな」

 

 

 子作りの意味は普通に知ってる。保健体育で学んでたからな。

 俺が驚いたのは、その子作りをリアスが……人間の俺に誘ってきたという所にある。

 リアスは美人だし、努力フェチで変態な俺よりももっと良い男に頼んだ方が良いと思う……………って、学園の生徒に不純異性交遊をさせる訳にはいかんだろ……何を流されそうになっとるんだ俺は。

 

 

「うーむ……結婚がそんな嫌なのは分かったが、やろうとすることが中々極端だな」

 

「ぅ……言わないで。恥ずかしくなってくるわ」

 

「だろうな。リアスってお姉様とか何とか言われてるけど、結構()()だし」

 

「む……! そ、そんな事無いわよ? なんだったら今から私とベッドの中で――」

 

「無理するな、顔が真っ赤だぞ? それに不純異性交遊は駄目だ」

 

 

 ちょっとムキになるリアスに俺はハッキリと駄目だと釘を刺す。

 しかし……ふむ……したくない結婚を強いられていると聞かされて黙ってる訳にもいかないし――む!?

 

 

「こんな所で何をしてるのですかリアスお嬢様……」

 

「グ、グレイフィア……」

 

 

 部屋の隅に光る円みたいなナニかが浮かび上がったその瞬間、そこから一人の女が現れた。

 長い銀髪を小綺麗に縛り……所謂メイド服って奴を着てる女はどうやらリアスの知り合いらしく、リアスは顔を嫌そうに歪ませてその女の名前を口にしている。

 

 

「こんな狭くて無関係の人間の所に逃げても同じですわ」

 

「嫌よ、私は誰とも結婚しない……! 帰って!」

 

「…………………」

 

 

 嫌だと突っぱねるリアスに、メイドの悪魔は淡々とした態度であり、家主の筈の俺は蚊帳の外だ。

 ………………。うむ、仕方ないな。

 

 

「おい、お取り込みの所申し訳ないが、今リアスと俺は子作りを終えて一息ついた所でね、これから寝る約束までしてあるから、取り敢えず明日また迎えに来てくれないか?」

 

「え、イッセー……?」

 

「……………………」

 

 

 ……。この嘘で誤魔化せ……………るかな。

 チッ、こんなんだったらリアリティ求めて半裸になっとくべきだったな。

 メイド悪魔も絶対信じて無さそうだし……あーぁ。




補足

さてと……続きは特に考えてませんね。
いやだって……こっから先は見たかねーでしょ?

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