色々なIF集   作:超人類DX

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……………………。


まぁ、うん乗せられやすいの。感想多いとちょうしくれちゃうの……。


地球の外からのお客

 止められない異常性はリトとして生き直しても尚失われず、それどころか無限の進化を促していた。

 戦えば戦う程、鍛えれば鍛える程学習し、適応して糧とする。

 それこそが兵藤一誠を――結城リトを常に進化させ続ける正体なのだが、皮肉にもその力は最早必要ないのかもしれない。

 

 だってこの世界は少なくとも昔と比べたら平和なのだから……。

 

 

「今ならあのクソ神を無傷でぶち殺せる気がするよ……。遅すぎるけど」

 

『明確な敵も居ないしな。もっとも、只の人間とは異なる生物がチラホラ居るみたいだが』

 

「居たとしてもどうでもいいな」

 

 

 死して尚も――結城リトとなっても持ち続ける異常性と赤龍帝の称号。

 両親や妹に内緒で小さい頃からずっと続けてる『癖』としての鍛練は最早日常であり、安いジャージ姿で近くの公園で身体を鍛えていたリトは、前世からの繋がりである赤い龍と『兵藤一誠』としての会話を楽しみながら、日が昇り始めた住宅街を歩く。

 どこか寂しそうに……。

 

 

 

 

 秘密の鍛練の結果、結城リトの肉体は『本来あるべきである世界』と比べるととても絞り込まれた均整のとれた筋肉を搭載し、背丈の方も高くなっている。

 しかしやはり死んだ魚の様な目だけはどうにもならず、常に目付きも悪め為、まともに彼と関われるのは親友を自称する良い意味での『バカ』である猿山ぐらいであり、後は結城リトとしての妹である結城美柑や両親くらいだろう。

 

 

「朝ご飯できたよリト――って、またシャドーボクシングってやつやってるの?」

 

「えっと、ごめん煩かったか?」

 

「いや、別に謝らなくても良いし煩くはないけど……」

 

 

 漫画家らしい父親もデザイナーで世界を飛び回る母親も基本的に家に帰ることが少ない。

 なのでこの妹が家事やら何やらを全てこなすのだが、当然リトも手伝うことは多い。

 だがその兄妹仲はどこかぎこちない……特にリトが美柑に対して距離を取ろうとしているという意味で。

 

 

「何時も思うけど、そんなに鍛えてるならボクシング部にでも入ったら?」

 

「鍛えてるのは単なる趣味だから……」

 

「そう……」

 

 

 折角美柑が話を膨らませようとしてもリトは一言二言で終わらせてしまう。

 これでは折角の美味しい朝食も味気ないものになってしまうのだが、流石に妹だけあって一見すれば素っ気ない兄のこの態度には慣れている。

 

 

(は、話が続かねぇ……)

 

『普通に()()らしく話したら良いだろう。いい加減何年その小娘の兄をやってると思っている』

 

 

 存在している時点で結城家を裏切ってると思うからこそ、上手く話も出来なくなってしまっているリトは相棒のドライグに呆れられながらさっさと朝食を食べ終えてしまうと、ごちそうさまの挨拶も早く席を立つ。

 

 

「じゃ、じゃあ学校に行くわ俺……」

 

「え、途中まで一緒に……」

 

「えっ!? あ……わ、わかった! じゃあ食器洗っとくぜ!」

 

 

 苦痛に思う事は大変失礼なのでそう思う事は無い。

 けど肉体的には別にして精神的には結城家の人間ではないからこその騙しているという罪悪感がリトをテンパらせる。

 

 

(クソっ!!)

 

『毎度のながら、あの歳でよく出来た小娘だ』

 

(だから余計に罪悪感があるんだよ! ちくしょう……!!)

 

 

 美柑に感心するドライグには同意できるが、だからこそ余計に本当の兄の身体を乗っ取ってのうのうと生きている自覚を強め、罪悪感に支配される。

 ガシャガシャと自分の食べた食器を洗うそんなリトの背中をじーっと見つめてるとは気付かずに……。

 

 

 

 朝食のお礼に美柑の食器も洗い、身支度を整えたリトは約束通り一緒に登校する事にした。

 妙に大人びた言動が多い美柑だが、実はまだ小学生であり赤いランドセルを背負っている。

 

 

「学校はどうだ?」

 

「ふふ、なにそれ? どこかのお父さんじゃあるまいし」

 

 

 実によくできた妹。

 本当の結城リト君が生きていたらさぞ幸せだったのに……そう思わざるを得ないまま、まともに喋る課題が見つからず、久々に自分の子と話す父親みたいな事を聞くリトに美柑はクスクスと笑うが、どこか嬉しそうに学校での事を話す。

 

 

「リトこそどうなの? 友達は――あー、この前の通り猿山さんだけ?」

 

「まぁ……」

 

 

 リトのあわてふためく内心は別に、この時間が美柑は好きだった。

 昔からリトはどこか家族すらとも距離を置いた立ち位置で、決して踏み込んでこようとはしない。

 此方が踏み込めばきちんと対応はしてくれるけど、やはりどこかぎこちない。

 だからこの時間が……ぎこちないけど話ができるこの時間が美柑は好きだった。

 

 

「じゃあ学校も目の前だしここで……」

 

「おう……」

 

 

 学校に到着し、更に距離がある兄と別れるのはちょっと名残惜しい。

 いや別に家に帰れば普通に顔を合わせるのだけど、そそくさと行ってしまった兄の背中を無くなるまで見つめながら美柑はちょっとした寂しさを覚えるのだった。

 

 

 

 

 さて、そんな美柑の気持ちとは裏腹に、つい逃げる様に別れたリトはというと、精神的に疲れでもしたのか、自身が通う高校の門を潜る頃には肩をガックリ落とした姿で足取り重そうに歩いていた。

 

 朝練をしている運動部達の声や同じタイミングで登校してきた生徒達の声をBGMにしながら昇降口に入り、己の下駄箱から靴を履き替え、慣れ始めた教室への道をのそのそとした足取りで目指す。

 それが今の結城リトとしての兵藤一誠の生活パターンであり、人懐っこい本来の性格は完全に消え失せ、ただただ暗めの目が死んだ男子高校生だ。

 

 

「きゃ!?」

 

 

 そんな男子高生の結城リトになってからというもの、妙に異性との予期せぬ事故的接触が多くなった気がするという、本人の考え通り、ちょうど階段を上がりきって曲がり角へと差し掛かった瞬間、少し可愛らしい声の誰かと衝突してしまう。

 

 

「…………」

 

 

 とはいえ、本来の結城リトとは違って決してスカートの中に顔は突っ込まないし、もっといえば人外領域へと進化し、尚も止められない鍛練の成果は伊達では無く、リト本人に来た衝撃は微々たるもので転ぶことも倒れる事もせず、逆に衝突した少女が尻餅をついていた。

 

 

「……………あ、ごめん」

 

 

 予期せぬ衝突だったとはいえ、相手が尻餅をつかせてしまったのは事実であり、痛そうに少し呻くその少女に対して軽く謝罪するリトは、その容姿を見てクラスメートの一人だった事に気付く。

 そう確か………………。

 

 

(…………………誰だ)

 

 

 

 思い出せない。

 クラスメートであることはギリギリ記憶していたが、名前が全く思い出せないリトはそこに触れる事無く上手く誤魔化そうと適当に助け起こしてからさっさと逃げようと手を差し出す。

 

 

「いたたた、ごめん――って結城?」

 

 

 どうやらこのクラスメートは自分を知っているらしい……だがやはり名前は出てこない。

 意外な相手とぶつかったと気付いて目を丸くするクラスメートの女子に手を貸して起こしてあげるリト。

 

 

「大丈夫か?」

 

「うん、こっちこそごめんね?」

 

「いや別に……それじゃあ」

 

 

 誰だったかこの眼鏡女子は……。

 等と考えつつとっとと横を通りすぎるが、覚えるつもりも無いし教室に到着した頃にはどうでも良くなっていた。

 

 

 

 そんなこんなで吹けばそのままあの世にでも生きそうな老人担任の授業やら、何時も通り寄ってきた猿山の学生らしい会話に生返事で対応したり、今朝方ぶつかった女子が特にどうとも思ってないけど中学生の頃クラスメートになった事がある女子――つまり西蓮寺春菜の友達だった等々、概ね普通の学生生活を過ごして家に帰ったリトは、既に帰ってて晩御飯の準備をしていた美柑に促されて風呂に入っていた。

 

 

「猿山ってセンスだけはあると思うんだ。

いや、てか俺の性癖とまんま同じっつーの?」

 

『胸のでかい雌の事か? あの小僧がリアスを見たら飛び付きそうだな』

 

「……………。リアスちゃんはもう居ないけどな」

 

 

 今日も煩いくらい絡んできた唯一の知り合いとも言えなくもない猿山のお宝選びのセンスだけを褒めながら湯船に浸かってドライグとトークを楽しむ。

 この会話がリトを一誠としてのストレスを軽減し、何とか今まで生きてこれた理由だった。

 

 

『そういやあの猿小僧の他に中学とやらから同じ学校に進んだのがクラスに居ただろ?』

 

「え? あー……確か西……そう、西蓮寺なんとかって子の事か? 急にどうした?」

 

『いや、その小娘がしょっちゅうお前を見てるから気になってな』

 

「見てる? 気のせいだろ。その子は確か相当真面目だったろ」

 

 

 一誠としての全てをさらけ出せる相手が居るだけでも精神的には相当楽な様で、この時のリトはとても気楽な口調である。

 

 

「第一見てたから何だって話だし、所詮単なるクラスメー――!?」

 

『っ!? イッセー!!』

 

 

 しかしその時だった。

 それまで全く感じなかった『気配』というものがいきなり自分の間近に感じ取れたのと同時にボコボコと湯船から泡が吹き出す。

 ほぼ反射的にリトでは無くイッセーと呼ぶドライグに呼応するかの如くその左腕に長年の相棒の力を纏うと、湯船の中に突然現れた気配が姿を見せたと同時に何時でも迎撃できるようにと構える。

 

 すると強烈な閃光と耳を劈く程の凄まじい爆発音に巻き込まれ、風呂の湯は津波の如く勢いでリトに襲い掛かる。

 

 

「チッ!」

 

 

 咄嗟的にリトは両腕で顔全体を防御した事で、目と鼻の先から顔に被るのを防ぎ、『Boost!』という相棒の声の掛け声と共に全身から鮮血を思わせるオーラを纏って直ぐにでもこの相棒との時間を邪魔してくれた誰かに報復しようと拳を握り締めたのだが……。

 

 

「んーーーーーーっ♪ 脱出成功っ!」

 

 

 久々にマジの殺意をもって迎撃しようと振り上げたリトは閃光の後に立ち上っていた煙と湯気が晴れた先に姿を現したそれに殺意を引っ込めてしまって固まった。

 

 

「………………………………………。は?」

 

 

 可愛らしい容姿をした、天真爛漫を体現した様な美少女が全裸の姿で何かの成功を喜ぶかの如く嬉しそうに背伸びをして声を発していたのだから仕方ないのかもしれない。

 

 

「…………」

 

『何だこの小娘は? どっから現れた?』

 

 

 ドライグの疑問は尤もだ。この世界に悪魔やら堕天使やら天使、果てには神話の存在が殆ど架空の存在という事になっている以上はそう思うのも仕方ない。

 

 

「……………………………………………………人間じゃないな」

 

 

 しかしある意味経験豊富なリトはすぐにこの目の前の全裸少女がまともな人間ではないのとを悟る。

 その証拠に太もも辺りまである長くて艶やかな桃色の長髪に、緑曜石を彷彿とさせる宝石が色褪せてしまう程の綺麗な瞳はともかくとして、人間には無い筈の、真っ黒で先端が矢印にも見える尻尾の様なものが生えている。

 

 

「悪魔……いや、違う。魔力とはまた別の力が……」

 

『いや、俺も驚いたが取り敢えずどうするんだよ?』

 

 

 襲撃者なら文句無くぶち殺す……かつて同胞に裏切られ、見捨てられたリアス・グレモリーのパートナーとして生きた兵藤一誠ならば選択しただろう。

 しかし今は結城リトであり、もっと言えば今ここでこの訳のわからない登場をした小娘を血祭りにあげる様を妹の美柑に見られたら全てか終わる。

 

 ならば……と、殺気は少なくともこの少女から感じないと察知したリトは口を開く。

 

 

「人様の風呂に不法侵入するとは驚いたが、何だお前は?」

 

「ん?」

 

 

 リアス以外の異性には全く無反応な領域なっているリトの淡々とした言い方に少女は可愛らしく全裸のまま小首を傾げ、やがて逆に罪悪感が沸きそうなくらいの天真爛漫な笑顔を浮かべた。

 

 

「私ララ! デビルーク星から来たの!」

 

「…………………」

 

『電波な女――って訳じゃあ無さそうだな。にしてもデビルーク星ってどこだ?』

 

(俺が知るかよ……)

 

 

 いっそ悪魔領土の冥界から来たとでも言ってくれた方が信じられたが、どうやらデビルーク星なる場所から嘘か真かを抜きにして来たと自供するララなる少女はそのまま湯船に浸かり始めてしまった。

 

 

「オーケー、ララさんだな? 風呂入りたいならまず話せ。

この訳のわからない茶番の理由だの全部な」

 

「いいよー」

 

『……………。あんまり見ないタイプだなこの小娘』

 

 

 取り敢えずこの全裸少女に何とか出て貰い、服でも着させてからじっくりと話を聞こうと思ったリトが若干の脅し混じりで軽く殺意を向ける。

 しかしわかってないのか、それともただのアホなのか、ララなる少女はニコニコしながらうなずいている。

 その気の抜ける態度にはドライグも呆れ、何だか殺意を向けるのも馬鹿馬鹿しくなったリトも脱衣所から大きめのバスタオルを取ってララに渡す。

 

 

「取り敢えず拭け。服は――」

 

「ちょっとリト? さっきから一人で何をブツブツ…………え?」

 

「!?」

 

 

 だがタイミングが最悪に悪かった。

 物音が聞こえることに不審がった妹の美柑が様子を見に来てしまったのだ。

 当然兄………そして謎の全裸の美少女の姿を目撃してしまう訳で……。

 

 全裸のリトを見てなのか、それとも謎の少女と全裸同士で居たからなのか。

 そりゃ当然だろうという美柑の叫び声が結城家を揺らしたのは云うまでもなかった。

 

 

「キャァァァッ!!!」

 

 

 

 

 

 即座にリビングに連行されたリトはジト目になってる妹からの視線に居たたまれない気持ちになりながら、逆に呑気にしてる謎のララなる珍客について説明した。

 

 

「風呂入ってたら沸いて出てきた。本当にそうとしか言いようがない」

 

「ふーん……」

 

 

 元から無い兄としての尊厳が完全に消え去ってるとしか思えない美柑からのジト目から目を逸らしつつ、内心ララをとっとと始末すべきだったと後悔する。

 

 

「それで、貴女は誰……?」

 

「私? 私はララ。デビルーク星から来たの!」

 

「ら、ララ……さん?」

 

 

 毒気が抜ける笑顔で自己紹介され、ちょっと肩透かしをくらった美柑。というかデビルーク星とは? と悪いことなんてしてない筈なのに小さくなってるリトに視線で『どういうこと?』と質問する。

 

 

「多分きっと宇宙人的な存在だと言いたいんだろ……」

 

「宇宙人? そんなまさか……」

 

「あ、信じてないの? ふふーん、じゃあこれ見たら信じる?」

 

「は?」

 

 

 かなり懐疑的な美柑を見てララが立ち上がって背を向けると、巻いていたタオルを取ってそれを見せた。

 

 

「地球人にはないでしょ? 尻尾(これ)♪」

 

 

 どう見ても適当にくっつけただけとは思えない生物的な動きをする尾にしばし唖然とする美柑と一緒になって、悪魔に近い何かなのかと観察するリト。

 するとその視線……つまりララの裸体をガン見してと気付いた美柑から叱られてしまう。

 

 

「リト! 見ちゃダメ!!」

 

「は? あ、あぁ……おう」

 

 

 何時に無く強めの口調に、逆らうのはやめようと言われた通りそっぽを向いたリト。

 

 

「取り敢えず宇宙人さんなのはわかったけど、何でウチのお風呂に現れたの?」

 

「あれは偶然というか、転送装置が暴発しちゃったんだー」

 

「は、はぁ……」

 

「……………」

 

 

 これが奇妙な生活の始まりとは知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 ララなる少女の話を聞けば、彼女が星の姫様的存在である事を知る。

 そして色々あって逃げ出してきて追っ手が迫ってたりする事も。

 

 

「別にこの小娘がどうなろうと俺は知らん、連れて帰りたくば勝手にしてくれ。

あぁ、ただしさっき家のドアぶっ壊したのと、この小娘の転送とやらのせいでぶっ壊された風呂の修理代は置いていけよ?」

 

「え!? ら、ララさんが連れていかれちゃうよリト?」

 

 

 追手に対してララをさっさと渡そうとする淡白さに、ショック受けてるララを見ながらちょっと違うんじゃなかろうかと美柑が遠慮がちに言う。

 

 

「……………………………と、最初は思ったけど気が変わったから帰れ」

 

 

 追手が現れるまでに結構ララと仲良くなった美柑が言うのであっさり意見を返し、追手達に帰れと言うが……それが始まりだったのかもしれない。

 

 

「なんだガッカリだな宇宙人? さっきまで地球人は貧弱だとかほざいてたのにそのザマかよ……なぁ?」

 

「が、がはっ……」

 

「き、貴様……何者だ……っ!!」

 

「地球生まれの赤龍帝だよ」

 

 

 修羅場を潜り抜けた龍帝が捻り潰してしまう。

 

 

「えっと、なんで助けてくれたの?」

 

「あ? 美柑と仲良くしてくれたから……だな。特に他に意味はねぇ」

 

 

 そして現れる格上の新たな追手にもリトは……。

 

 

「ド」

 

「くっ!? つ、強い! 地球人にこれほどの……!」

 

「ラ」

 

「リト……」

 

『ら、ララ様まさかあの様な粗暴な者に……?』

 

「ゴ」

 

「う、うん……だって今までパパが勝手に連れてきた婚約者と違う目――全然私に興味が無いって男の人なんて初めてで……」

 

「ン」

『Boost!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

波ァァァァァッ!!!!!!!!

 

「グォォォォッ!!!?!?」

 

 

 粉砕する。

 

 

「ね、ねぇねぇ、リトはお嫁さんとは欲しくない?」

 

「要らない」

 

「そ、そっかー えへ、えへへへ……」

 

「……?」

 

『難儀だな……』

 

 

 それ以降、全く興味を己に示さないリトに嵌まったのか、居着く事になったララ。

 だがお姫様なララとの婚約を巡って宇宙全体からの刺客が次々と……。

 

 

「ひぃぃぃっ!?!?」

 

「なんだカエル? 俺に人質が通用するとでも思ったのか? 残念だったな」

 

 

 捻り潰される。

 

 

「結城リト、アナタを始末しろという依頼により始末させて――」

 

「ガキが殺し屋とは宇宙も末だな」

 

「む……ガキではありません」

 

「それとそのしゃべり方……昔あの子を裏切ったクソ猫に似てて若干ムカつく―――――てのは流石に言い掛かりだから冗談にしても、まぁ良いぜ小娘? 掛かってこいよ?」

 

 

 宇宙の名の通った殺し屋とか。

 

 

「と、トランスが通用しない……!?」

 

「これで気は済んだか? 悪いがガキの遊びに付き合えるほど暇じゃないんだ。猿山とエロ本発掘しに行くつもりだし」

 

「っ!? えっちぃのは嫌いです……!」

 

 

 何もせず返り討ちにしたり……。

 

 

「宇宙を統一した王様ね……。オーケーオーケー、光栄に思えよ、俺とドライグの究極の変身を見られるのは、アンタが最初で最後だぁぁぁっ!!!!」

 

「まだ上があるのか小僧……!」

 

「かぁぁぁぁっ! ダァァァッ!!!!!」

 

 

 出すことも無いだろうと思っていた本気を出したり……。

 

 

『俺は結城リトでもア・ドライグ・ゴッホでもない。

俺は貴様を倒すものだ……!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ帰れば?」

 

「え!? い、嫌だよ! リトは私の事嫌い? だ、だったら嫌なところは直すから!』

 

「……………」

 

『お前に相当依存してるぞこの小娘……』

 

 

 依存されたり……まぁまぁ概ね平和かもしれない。

 

 

「掴んだぞリト! これで俺も西蓮寺もお前に追い付けた!」

 

「お前等……このバカが! こんなものが無くても生きていけるのに何でっ!!」

 

「確かにそうかもしれないけど、でも結城君の事を本当に知ることができるから……」

 

 

 開ける必要も無い扉を開ける二人の地球人の事以外は。

 

 

終わり




補足

ぶっちゃけ上位陣の戦闘力ってやばいよねこの世界。


その2
リアスちゃんとリア充イチャイチャしてたもんだから、他の女の子裸体見たところで平然としてる程度には枯れてしまってるリトinイッセー。


その3
予告通りになってしまうと、素っ気なさすぎて逆に懐き、その内依存しはじめるお姫様だの、ドラゴン波で炭にされる宇宙人さんとか、ぶちのめされて変な進化してしまいそうな宇宙の殺し屋ちゃんとか、その宇宙の殺し屋ちゃんと遊んでる(お姫様視点)のせいで妙な修羅場になったりとか……。

挙げ句ただのスケベ小僧が原作イッセーみたいな進化しちゃう猿山くんとか、無力ゆえに進化しちゃう幽霊嫌いの女の子とか………まぁまぁ平和かな。

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