色々なIF集   作:超人類DX

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やってる事が悪の秘密結社みたいな……でもないか?


精算へののほほん準備

「なぁなぁ、ちょっと騒がしくてもトークスキルがある奴の方が受けは良いよな?」

 

「うーん、人によるんじゃない?」

 

「オレは喧しいのはごめんだな」

 

「じゃあさ、俺と兵藤とじゃどっちがマシだと思う?」

 

「一般的には兵藤くんじゃないの?」

 

「既に統計は取れてる事だしな」

 

「そっかー……うーん、『向こう』でもそうだったけど何が駄目なのだろうか……?」

 

 

 それから更に数ヵ月後。

 そろそろ進級を前にした霧島一誠は相も変わらずな変態性ですっかり女子の敵になってしまった中、入学して半年くらいまでは学校生活中に殆ど話をしなかった名瀬妖歌こと黒神くじらと古賀いたみの二人との絡みを増やした。

 

 

「その目線がいやらしいんだと思う」

 

「バカみたいに露骨」

 

「いやだって顔を合わせたらまず自然に胸にいくだろ? 目視で計測だろ?」

 

 

 顔中に包帯を巻いた異様な風体である名瀬と、見た目は寧ろ普通なのにその名瀬の親友を豪語する古賀……そして他の女子には変態パワーを炸裂させる癖にこの二人にはそういった事はせずに気安く会話をする霧島一誠。

 

 見てくれだけなら完全にアンバランスな組み合わせであるこの三人組はある意味で持て囃されているとある部活動のメンバー達並みに名が知られている。

 勿論、ポジティブな意味では無く。

 

 

「とにかくだ! 真っ直ぐと自分を曲げてはならんのだ! 曲げてモテモテになってもそれは本当の自分じゃないと思うんだ!」

 

「限度があるよイッセーくん場合」

 

「覗き、持ち込み、教室のど真ん中で猥談……まあ、そんな奴を好く奴なんてまず普通なら無いな」

 

「なんでぇ……揃いも揃って」

 

 

 初めて着た時、散々一誠に大笑いされた駒王学園の制服を着ての登校をするくじらは相も変わらず顔を隠している。

 それは彼女がシャイだからが大半の理由を占めているのだが、如何せんその隠し方が怖い風体に直結してしまう為、逆に目立つは遠巻きに見られて怯えられるはで散々な評価だ。

 

 多分きっと一誠と古賀がこうして一緒でなければ引きこもってただろう。

 

 

「おおっ! 学校着いた瞬間に二大お姉様達を発見! 今日は良い1日になりそうだぜ」

 

「オカルト研究部の人達か……」

 

「ふん」

 

 

 制服の下に全身タイプの黒い密着スーツを着込むくじらが、登校するや否や視界に入った赤髪の美女が先頭になって歩く集団にバカ丸出しで騒いでる他の生徒に混ざってはしゃいでる一誠を見て小さく鼻を鳴らす。

 

 

「オレのイメージする悪魔ってのは、ああいう姿は見てくれで中身は蛹みたいな寄生虫だ」

 

「寄生虫て……この前見たサスペンス映画の影響かそりゃ?」

 

「あぁ、素人のビデオカメラの撮影視点で話が進んでいく奴だっけ? イッセーくんがレンタルしてきた……」

 

「別にそういう訳じゃないし、寄生虫じゃないにせよ悪魔だぞ? お前、例え話人型の山羊頭に欲情できるのか?」

 

「それを言われると無理だけど……でもほらあの人達は違う訳だし……」

 

「ふん、見た目が良ければ何でも良いってか。この変態ヤローが」

 

「……。不機嫌すぎるだろコイツ」

 

 

 歯に衣着せぬ言い方を止めないくじらに一誠は取り敢えずキャーキャー言われてるオカルト研究部の面子から視線を切る事にした。

 こんな程度で本気で怒る事はくじらに限ってありえないが、変に余計な事を言って凍る火柱……なんて事になったらそっちの後処理の方が大変だ。

 

 ましてや自分達が持つコレを意味無く見せてはならないのだから。

 

 

 そして物語は加速する……。

 

 

 

 霧島一誠だなんて名乗っているが、確実に奴は成り代わりする為に嘗て排除した筈のオリジナルである事は、今現在を兵藤一誠として生きる彼は分かっていた。

 何の為に今更のこのこと姿を現したのか、そしてどうやって生きてきたのか――

 

 

「やった! 今度は名瀬ちゃんもイッセーくんも同じクラスだよ!」

 

「わかったからそんな飛びはねて喜ぶなって古賀ちゃん」

 

「他は……おおっと、元浜と松田も同じじゃんか」

 

 

 そしてあの二人は何者なのか……。

 異様な風体で名前だけは知られていた名瀬妖歌なる女子と、その親友を豪語する古賀いたみという女子。

 どちらも成り代わりの兵藤一誠が知識として持つ『原作』に出てきた事が無い存在であり、そんな存在と死に損ないのオリジナルがつるんで行動している。

 

 この時点で兵藤一誠としてはこの先の霧島一誠の行動がまるで読めず、また二学年に進級した際のクラス変えにてめでたくまとまってしまった。

 それは勿論自分も……。

 

 

「あ、兵藤も同じクラスじゃねーか」

 

「チッ、地味にもて男だから憎いんだよなぁ」

 

 

 原作と違い、エロ男と呼ばれたくない為に元浜と松田の二人とは友人関係とは呼べない位置にたっている。

 だが代わりに二人に妬まれていて、霧島一誠が原作と同じ様に三人組の内の一人として女子から疎まれているのは果たして良いことなのか……。

 

 

「元浜くんと松田くんもよろしくね?」

 

「おう、名瀬さんもなー?」

 

「…………」

 

「おぅ……相変わらずクールだな名瀬さんは」

 

「単にシャイなだけだから気にすんな」

 

 

 ほぼ全ての女子が嫌う中、この二人だけは変態三人組をそんなに嫌わず、普通に会話してるのは果たして良いことなのか……。

 

 

「あ、兵藤くんとまた同じクラスね。今年もよろしく」

 

「あ……おう……」

 

「他には――げ、変態三人組とも一緒なのは最悪だわ」

 

「しかもあの名瀬さんも同じだわ……」

 

 

 成り代わりとしての人生を送ろうとしていた兵藤一誠にはまだわからない。

 霧島という姓を使って再び現れた一誠の動向に神経を減らす自分とは裏腹に、本人は楽しげにしているのが気に入らないし、あの時の事を全く言ってこないのは不気味だ。

 

 

「げげ、霧島がこっち見てるわ!」

 

「嫌っ!! 汚れるわ!!」

 

 

 兵藤一誠は霧島一誠の存在自体を恐れている。

 何時自分の事を誰かに吹き込むか……これまで築き上げた全てを台無しにされるのではないのか……と。

 

 

 そんな転生者の心中を他所に、着々とこの世界に戻された目的の為に動いていた一誠、くじら、いたみの三人はというと、同好会という隠れ蓑を利用し様々な『進化』を一年の間に果たしていた。

 

 

「はぐれ悪魔ってのが居て助かったよな。

お陰で奴等のレベルをある程度知ることが出来た訳だし」

 

「上級クラスってのをとっとと生け捕りにしちまえばもっと飛躍的に奴等の生態を知れるんだがな」

 

「いっそ生徒会かオカルト研究部の誰かを拉致しちゃう?」

 

 

 宇宙が今この瞬間にも膨張をする様に、際限無く進化をする特性(アブノーマル)を持つ一誠を媒体に、最も近しいくじらといたみの二人もまた影響を受けて進化をしている。

 例えばくじらによって普通から改造されて異常駆動を獲た古賀いたみは、かつて弱点としてスタミナの無さがあった。

 だがその燃費の悪さは現在一誠に苛められたせいか殆どを克服しており、寧ろその駆動性が本物の改造人間クラスにまで昇華している。

 

 腕の骨を砕かれても即座に回復したり、コンクリートの塊どころか鉄の塊すら簡単に粉砕する腕力。

 なにより恐ろしいのは、一誠とくじらとの出会いによりもたらされた経験が今の彼女を強くしていた。

 

 それこそ、調査の結果生息している悪魔の端くれを生け捕りの為に狩る事ができるくらいに……。

 

 

「黒神後輩……つまりくじらの妹ちゃんがもし悪魔やらその他生物の力を学習したら完成とかさせられると思うか?」

 

「実際に試さないとわからないが、多分できるだろう。奴は奴でイカれちまってるからな色々と……」

 

「その黒神を最後まで片手であしらってたイッセーくんは最早変態さんだよねー♪」

 

 

 くじらの『交渉』により、学園の応接室を同好会の活動場所にしてからは、そこが自宅以外での本来の三人のやり取りの場となっており、先日狩ったはぐれ悪魔の血液が入った試験管を眺めてるくじらの怪しげな実験施設の場でもあった。

 

 

「転生した悪魔ってのじゃこれ以上の進展は望めないな。

やはり本物の悪魔の血液サンプルが無いと」

 

「あの合成キメラみたいな生物じゃダメだったか?」

 

「あぁ、オレによる古賀ちゃんの改造も暫く伸び悩むだろうぜ」

 

「アタシ的には向こうに居た頃と比べたら信じられないパワーアップをしてる実感はあるんだけどなー。

黒神すら今なら勝てる気分だもん」

 

 

 会話の内容がかなり物騒なのはご愛敬。

 未知なる生物達が横行するこの世界はどうやらくじらにとってテンションの上がるものがあるらしく、今は本物の悪魔――つまり純血クラスの悪魔の生体データを欲してる様だ。

 

 

「まあ、こんな手間掛けずともイッセー自身を解体して調べりゃ簡単に済むんだがな。

お前、昨日また進化の壁を越えただろ?」

 

「あれ、バレたか?」

 

「また置いていかれちゃったの? もう、イッセーくんは色々とせっかちで困るよ!」

 

「いや、じゃないと元の世界に戻った時色々と不安だろ?」

 

 

 とはいえ、純血悪魔を生け捕りにするよりも進化のスピードが著しい一誠を解剖すればそれだけでお釣りが来るらしく、血液サンプルの試験管を眺め眺めながらメスを回していたくじらの一言に一誠は頬を掻きながら苦笑いをする。

 

 

「調べるから細胞寄越せ」

 

「そりゃ構わないが、何出せば良いんだ? 血か?」

 

「そんなもん決まってんだろ、精――」

 

「名瀬ちゃん声が大きいよ……」

 

 

 進化の異常性を知っても尚、解析不能のものを持つ一誠を調べる為に下を脱げと言い始めたくじらに古賀がすかさずに突っ込む。

 

 

「コイツの血液サンプルや髪の毛、皮膚の細胞は粗方採取したけど、コイツの子種はまだ取ってねーだろ?」

 

「それはそうだけど……いや、うん……普通なら科学者的視点だと思うけど、イッセーくんが相手の場合、名瀬ちゃんってそれだけじゃないって思うんだよね」

 

「つーか出せ言われても困るんだけど」

 

「あ? チッ、手間の掛かる奴だな。

なにか、オレに手伝って欲しいのか?」

 

「誰もそんな事言ってねーし」

 

「しょうがねーな、おら脱げよ?」

 

「だからやらねーってんだろうがこのバカ」

 

「は? オレの素顔にぶちまけたい? しょうもねぇド変態が。しかたねーから胸も使ってやらぁ」

 

「全然聞いてねぇやこのバカは」

 

「ほーらこうなった。隙あらばそっちに持ってこうとするんだから困ったちゃんだよ名瀬ちゃんは……」

 

 

 シュルシュルと顔に巻いた包帯を取って素顔になったくじらが、心なしかニヤニヤしているのを見てため息を吐く一誠といたみ。

 どうしても『仕方ないから』とか『一誠に無理矢理強要されたから』とかとかの理由を付けないといけない変な拘り癖は中々治りそうもない。

 

 

「古賀ちゃんもだと!? ふざけんなよテメー! 古賀ちゃんには手は出させねぇぞ! ヤるならオレだけにしろ!」

 

「挙げ句の果てに自分の世界に入りやがったぞコイツ。

つーか、どんだけ俺を畜生にしたいんだ?」

 

「日々の積み重ねだと思うよアタシは。

身に覚えはあるでしょう?」

 

「ぅ……ま、まぁなきにしもあらずだがよ」

 

「言っておくけど、アタシだってイッセーくんに散々な目に逢わされたし、お嫁さんに行けない事もされたからね? 忘れないよ絶対に」

 

「えぇ……?」

 

 

 ニヘラニヘラし始めたくじらに引く一誠の突っ込みに、いたみが若干ながらジトっとした目で一誠に対してこれまで受けた仕打ちについてを蒸し返す。

 

 

「名瀬ちゃんもアタシもイッセーくんにされたから別に怒らなかっただけで、普通ならまず告訴ものだからね?

だって普通寝ぼけたからって起こしに来た名瀬ちゃんやアタシを自分のお布団の中に引きずり込んだりする?」

 

「アレはだって本当に寝惚けてたからって前に――」

 

「だから! それで済むなら今頃セクハラだのって言葉は広まってないの! 大体それだけじゃないでしょう? 引きずり込んだ後とか! あんな事する普通! あんなに全身まさぐられたなんて親でも無いんだよ!」

 

「ぉ、ぉぅ……」

 

 

 強い口調で話すいたみにちょっと縮こまる一誠。

 低血圧なのが災いし、以前寝ぼけて二人を湯タンポ代わりにしてしまったりした。

 何せ二人して体型が程好く、柔っこかったから――と一誠は供述するも、そういう問題では無いのは確かだ。

 

 

「なのに向こうでも此処でも女の子見たら鼻の下伸ばすんだもん、名瀬ちゃんだって怒るよ」

 

「いやでもさ、美人な子見たらそうなるだろ……?」

 

「それを見せられるこっちの身にもなって!」

 

「おいっす……」

 

 

 飲んでもないのに酔っ払ったくじらを膝枕しながら説教するいたみに反論できず更に小さくなる一誠。

 此処まで強く言えるのがこの二人だけなだけに、割りと素直に聞いてしまうのは腐れ縁故なのかもしれない。

 

 

「正直言うとかなり感謝はしてるぜ。

多分一人でここに放り込まれたらやってけなかっただろうし、お前とくじらが付いてきたって分かったときはマジで安心したし……うん」

 

「そりゃ心配だもん、安心院さんからイッセーくんの小さい頃の話を聞いた上だったし、名瀬ちゃんなんか私よりも激しく『自分達も飛ばせ』って詰め寄ってたしね」

 

「そっか……」

 

 

 付いてきてくれた理由にそんな背景があったのを今知った一誠はちょっとだけ頬を緩ませながら素顔の状態で寝始めたくじらを見つめる。

 

 

「コイツとはホームレスやってた頃からの付き合いだからもうかれこれ15年以上の付き合いになるんだが、結局ずーっと助けられてばっかりだな。勿論お前にもだけどさ」

 

「え、急にどうしたの? 言いすぎちゃった……?」

 

「じゃなくて……ま、そのー……なんだ、俺と友達になってくれてありがとな?」

 

 

 恥ずかしそうに目を逸らしながら普段は言わない事を言った一誠にいたみと実は寝たフリしていたくじらは『あ、デレた』と内心呟く。

 これまでにも何度かこんな事はあったが、やはり何というか……

 

 

「素直になられるとそれはそれでちょっと気持ち悪いや」

 

「んだよ! 言って損した!!」

 

 

 慣れない。

 思わず気持ち悪いだなんて言っていつもの調子に戻してあげたものの、いたみとくじらはその都度思うのだ。

 

 

 『それはこっちの台詞だ』

 

 

 と……。

 

 

「ならばとっととこの世界の生物を調べつつ、安心院なじみからのよくわからねぇ試練ってのをクリアーして帰らねーとな」

 

「だね、アタシ達の世界はここじゃないもん。イッセーくんも」

 

「あぁ、それだけは胸張って言えるぜ」

 

 

 だからこそ三人の繋がりは、くじらの兄と妹が一誠に嫉妬するくらいに強い。

 

 

 霧島一誠

 精算の為に戻った進化の権化。

 

 

 古賀いたみ

 改造してくれた親友と共に進化を与えてくれた一誠を助ける改造進化少女。

 

 

 名瀬妖歌(黒神くじら)

 幼少の頃の病気という価値観を全て変えてくれた少年が抱える過去(トラウマ)を今度は自分が助けるために同行した変わり者少女。

 

 

 精算の時――迫る。

 

 

 

 終わり。

 

 

 

 

 

 

 過去の精算。それは即ち成り代わりに対するお返し。

 

 

「兵藤一誠だったか? 見れば見るほど顔だけは似てるが、外見だけで中身は根本的に違うな」

 

「うん……あまりにも普通だもん」

 

「何を言ってる? お前達はいったい……」

 

 

 知識には無い存在による見透かし。

 

 

「堕天使ね……くくく、良い実験動物じゃねーの?」

 

「よーっし! 頑張って生け捕りにしちゃうぜ♪」

 

「お、お前達は一体……!」

 

 

 改造人間と凍る火柱による堕天使狩り。

 

 

「赤龍帝の籠手が二つ……!?」

 

「なっ!? 何でお前がっ……!」

 

「あー……いやキミから全部奪われた筈だけど、何でかこれが残ってたみたい。脱け殻でね、ま、使った試しは一度きりだけど」

 

 

 あり得ない赤龍帝の神器を持つ二人の存在。

 だがその時……。

 

 

『おい小僧、そいつに触れろ』

 

「な、ドライグ……!? お前どうして今まで俺の声に応えなかったのに……」

 

「えーっとこう?」

 

『……………あぁ、これで漸く元に戻れる』

 

 

 十数年越しの帰還。

 

 

『元々そのガキは兵藤一誠等ではない。

霧島一誠こそが本来の宿主であり、そいつはどんな手を使ったのかは知らんが、顔から何から全てを成り代わったのだ』

 

「は、話についていけないのだけど、つまりアナタが言うには彼は兵藤一誠君ではない別人ってこと? そして霧島くんが兵藤くんで……あぁ、ややこしいわね」

 

『そうだ。その証拠に俺はこうして元の宿主である霧島一誠の中へと戻り、本来の力を取り戻した』

 

「お、おっさんの声が俺の中にとは嫌すぎる! せ、せめて美少女だったら良かったのに!!」

 

 

 剥がれる化けの皮。

 

 

「あ、あのー……いたみさんとくじらさんに助けて頂いたアーシア・アルジェントという者ですが……」

 

「なぬ!? こんな可愛い子といつのまに……!? どういう事じゃい!?」

 

「助けたなんてつもりはなかったんだが、勝手にそう思われてるんだよ」

 

「何度も説明したんだけどねー……」

 

 

 堕天使狩りの際に流れで助かった少女に懐かれたくじらさんと、いたみちゃん。

 一誠? 特に何にもありませんでした。

 

 

「お、俺の中にはオッサンボイスの龍が入ってるつっーのに……」

 

『おい、オッサンボイス言うのやめろ。

それに何もお前に俺と白いのの戦いを代行させるつもりも無いし、何ならお前らのいう元の世界とやらに渡っても構わん。

俺はあのお前の名を語っていたガキに良いように使われなければそれで良いのだ」

 

「あの……そのお話が本当なら、私もどこにも行く宛もありませんので……」

 

「おいどうするんだよ……! ついてくる気満々じゃん!?」

 

「オレに言われても……なぁ古賀ちゃん?」

 

「うん、アタシと名瀬ちゃんは悪くない」

 

「クマー先輩の決め台詞で誤魔化すな!」

 

 

 変なフラグが立ってしまったり。

 

 

「オレの凍る火柱とアンタの氷属性の魔力。どっちが上か見ものだな」

 

「くじらの兄貴の声にそっくり過ぎてこっちはめっちゃやり辛いんだけど……」

 

「というか何でアタシ達魔王退治みたいな事してるんだろ……?」

 

 

 何故か魔王とやりあったり……。

 

 

まあ、何か精算終わってからの方が大変だったらしい。

 

 

嘘です




補足

実のところ、この二人は既にセクハラじゃすまない事を寝ぼけてたとはいえされていた。

その2
誘い受け気味なくじらさん……そうなったのは全部ちゃらんぽらんにしてたイッセーくんのせいであり、真黒くんとめだかちゃんはイッセーくん憎しなのです。

その3
そんな真黒さんボイスの魔王の人と会ったら多分ギョッとするだろう。

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