色々なIF集   作:超人類DX

18 / 1033
加筆しました。

まあ、ゲーム終わらせてはい終わり……………では無いんでしょうね。


後日からの……もしかしたらの始まり

 えっとね、最初は一人でへらへらしてたんだ。

 それが安心院なじみに堕天使の金髪ロリっ娘であるミッテルトちゃんを押し付けられ、一緒に行動することとなった。

 その際、お父ちゃんとお母ちゃんに家を追い出され、オンボロアパートで暮らすこととなり、その数日後に悪魔達に俺とミッテルトちゃんが友達だと知られたせいで監視される生活へと変貌した。

 正直、そこまでならまだ許せたのだが、ミッテルトちゃんを人質にして俺に悪魔へ転生してスキルを利用させろ……なーんて言ったもんだから……まあ、大概へらへら出来る俺もちーっとばかしプッチンして仕返しをしてやろうと決めた。

 

 んでまあ、その時に助けてくれた色んな人ってかミッテルトちゃんと同じ悪平等だったり、偶然知った俺と同じ過負荷の気質を持った人妻とその子供。

 今でもその時の記憶は飛んでるが、その人妻さんにキッスをされたりする………初めてだったのに。

 

 で、なんやかんやの紆余曲折で仕返しを完了した俺は今……誰にも文句を言われない自由を取り返してやった。

 ミッテルトちゃんが人質にされることもない……のんべんだらりとした日々を取り戻せた事を有り難く思いながら過ごしてます―――

 

 

「うわ、うっま……」

 

「ぐぬぬ! 本当に家事まで完璧だなんて反則っす……」

 

「そんなに褒めて貰えると実に嬉しいですね。いや、というか初めて他人から褒めて貰えましたよ何気に」

 

 

 ミッテルトちゃんと…………ゴタゴタ解決の際に夫の実家から家出してきた人妻とそのお子さんと共に。

 

 

「スゲーなキミのかーちゃん。何で俺と似てるのかが解らないぞ」

 

「でもあの家に居た……リアスお姉ちゃん以外の人達は嫌味ばっかり言ってお母さんを虐めてた……」

 

 

 メイドさんの格好は伊達じゃなく、家事が俺目線じゃまるで非の打ち所が無さすぎて、何でこれで負け犬烙印の過負荷なのかが解らず、彼女に最も近いミリキャスくんに話を振ると、何だか人間の義親子にも有りがちなエピソードを話を聞かされてしまった。

 朝っぱらから中々にドロドロである。

 

 

「リアスってーと…………あれか、紅髪さんか」

 

「イッセーさんとウチには意地悪だっただけに、ちょっと信じられないっすねー?」

 

 

 そうだったな……リアスって名前だったねあの紅髪さん。

 フッ……そうか、一応身内には慈悲深さがあるってのは間違いでは無いらしい。

 

 

「……。でもリアスお姉ちゃんってお母さんが虐められてるって知らなかったと思う。

皆して表ではお父さんとお母さんは仲良しだって見せてたから……」

 

「………」

 

「なんでぇ、慈悲深い(笑)じゃないか」

 

悪平等(ぼく)じゃない悪魔さんって実に悪魔さんらしいっすね……」

 

 

 何だよ、ちょっと見直したと思ったらそんなオチかよ。

 てか気付けよ。異常野郎の妹だろうに。

 ミッテルトちゃんが引いてるじゃねーか。

 

 

「だからその……家に帰りたくない。

帰って良い子にしてないとお母さんがまた虐められる……。

僕はダメダメだから直ぐにまた……」

 

「おうおう、分かってらァ。

心配せずとも俺は少なくとも虐めてたりはしないさ……。

てか、この面子の中で最弱インフレの波にご機嫌なサーファー宜しくに乗り切ってる俺にそんな勇気は無い!」

 

 

 金持ちは金持ちで、そこんところが大変なんだな。

 しかし俺はいじめはしない!

 いじめ、かっこわるい! だしね。

 強い奴に仕返しはしまくるが、弱い奴にそれだけは絶対にやらん! そんな真似をする奴は過負荷(マイナス)以前に人間じゃねぇ。

 てか仮にこの面子にマジでやらかしたら刹那で死ぬし。

 

 

 

 冒険も厄介事も終わった俺の本分は学生である。

 何やかんやで堕天使ちゃんやら悪魔さん&くんと何故か暮らしていたりはしても学生なのはかわりないし、俺は基本的にサボらない。

 例え、俺以外のクラスメートが気付けば不登校や退学して学級崩壊となり、他のクラスに溶け込む事無く永久自習を義務づけられても俺は健全に学校へ登校してやる。

 それは、護衛だか何だかでそれまで一人での登校だったのが一気に三人増えても変わらない。

 金髪のロリっ娘だったり銀髪のメイドさんだったり紅髪の少年だったり……面子的に色々と濃くて学園が近くなって他の学生さん達が俺を見て唖然としても、それは何時もの事とそんな変わらないのだ。

 ただ、朝からキモいのを目にして最悪だ……的な目付きから、俺の周りに居る面子は何だよ? って目付きに変わってるだけなのだから。

 

 

「別にバラバラに解体されても死なないつもりなんですがねぇ」

 

「いえいえ、一誠様の護衛も私が家出した理由の1つでもありますから」

 

「ウチはこの女と一緒にしたら何されるか心配なので」

 

 

 学園の門が近付き、それを目指して色んな人達が歩く中、ある一組の団体の異様な光景が何時もの登校をざわざわと騒がせる要因となる。

 それが、ダラダラと歩く俺の左右と後ろを囲んで歩くミッテルトちゃんとグレイフィアさんとミリキャスくんだった。

 

 

「誠八……じゃなくて弟だよな? なんで奴が人と歩いてるんだ?」

 

「……。気持ち悪くないのか? てか何だよあの可愛い&美人な面子は……」

 

 

 

 

 

「やはり一誠様は注目されますね」

 

「ほぼ8割がアンタ等のせいだけどな」

 

 

 今まで一人で登校してたのが、急に個性ありまくりな団体引き連れて歩いてるんだ。

 俺だけでもある意味注目されてたのが、更に注目されるのは必然であり……。

 

 

「何かわざわざ申し訳無かったです」

 

「いえ、お気になさらず。

帰りは……16時頃でお間違い無いですね?」

 

「へい」

 

 

 全く以て普通に会話をしてる兵藤一誠……って絵面がやはり違和感だらけなんだろうね、この周りの人達にとっては。

 別に分かって貰おうとか思ってないけど、俺だって普通に人と会話をくらいするわ……目の前に居て普通に会話してくれるこの人達は堕天使と悪魔だけど。

 

 

「ファイトっすイッセーさん!」

 

「おうよ……全部自習だがな!」

 

 

 自由となり、監視も無くなって外へ出歩ける様になったミッテルトちゃんにそう言われ、俺は何時もの様にヘラヘラした笑みを浮かべて軽く手を上げて返しながら、三人に背を向けて門を潜る。

 今までが今までだっただけに、幸福とすら感じてしまう訳だが、これを失ったら結構泣くかもなぁ……三人には言わんけ――

 

 

「あ、ちょっと待ってください一誠様」

 

 

 ど……ぉ? なんだ?

 幸福を得ると俺のスキルが退化しなくなって精度も無くなって行く気がしてならないと、何と無く思いながら行こうした矢先、急に何かを思い出した様に俺を呼び止めて来たグレイフィアさんに俺の足は止まる。

 

 

「え、なんす……」

 

 

 言い忘れた事でもあるのかしら? そう思って振り向く俺は、何かデジャブを感じつつ振り向くと、そのまま出そうとしていた声が止まってしまった。

 てのもだ、振り向いた先の視界がグレイフィアさんの顔だったってのもあり、何よりもビックリなのは……。

 

 

「申し訳ございません……忘れ物です」

 

「忘れ…………も!?」

 

 

 周りに見られてるのにも関わらずの平気な顔して、この前見せられた例の初キッス映像を思い出させるキッスを、何でか知らないけどされたんだよ。

 

 

「ふふ……行ってらっしゃいませ」

 

 

 だからさ、もう少し劇的なシチュエーションっていうか……こう子供の夢的にってか……人妻とかレベル高いっていうか。

 そんな言葉がグルグルと俺の頭の中を回りながら、シャイボーイには刺激の強い危険な女を思わせる笑みを浮かべているグレイフィアさんに、若干目を逸らしてしまう

 

 

「………。これ、性別逆だったら軽く犯罪だろ」

 

「でも私は女で貴方は男です……。ですので『私は悪くない。』」

 

 

 いや、確かにそうですし文句なんて実は無いけど……あぁ似てるわぁ。

 ヘラヘラした顔で言うところとかデジャブ感じるわ。

 

 

「そのフレーズ………とことん似てr」

 

「イッセー…………さん!」

 

「え、何だい―――んぶ!?」

 

 

 周りの隕石降ってきた様なのを見るような目は気ににならんけど、ミッテルトちゃんが偉い顔になってるの気になる訳で、ていうか子供の目の前で何をしてるんだよこの人妻は――なんて思ってたら今度は切羽詰まった顔してたミッテルトちゃんに飛び掛かられ、正直窒息しそうなレベルのキッスを……ってもう!

 

 

「俺はキスされ人形じゃないんだけどなぁ。

弱いからって好き勝手し過ぎだぜ、まったくもう」

 

「んー……でもこうでもしないと私の場合、出会ってまだ日が浅いので……」

 

「中古女にゃぜってー負けねーっす……!」

 

 

 ………。とか言ってくれちゃうこの二人って俺より普通に強いから困るわ。

 抵抗できねーもん。ここら辺になると一切話聞いてくんねーし……はぁ。

 

 

「ミリキャスくんや……。まー何だ……ごめん」

 

「んーん、良いよ。あんな楽しそうなお母さんを見るの初めてだし」

 

 

 しかもミリキャスくんに悪いと思って謝っても、普通に許してくれるんだよね……………何でだよ。

 怒れよ、お母さんとやましい事してる他人の男なんだから俺は。

 とか何とか笑顔を見せてくるミリキャスくんに対して、ど偉い罪悪感を感じながら今度こそ教室目指して歩き出した訳だが……。

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………………」

 

「おや?」

 

 

 暗い顔をしている俺とそっくりな顔をしている男と、その取り巻きとの遭遇のお陰で、俺は自分の持つキャラをちゃんと取り戻していると実感出るんだよねコレが。

 

 

「ちょっと退いてくれないか? 昇降口の入口を塞ぐのは良くねーと思うぜ?」

 

「っ……」

 

 

 仕返しの結果……2度と俺と関わることを禁止された紅髪悪魔と兄者と取り巻きの白髪と黒髪が、俺の言葉にビクリと体を震わせている。

 何を言われたのか、何の罰を受けたのかは知らんけど……ふふ。

 

 

「俺のせいにしたいよね? そりゃしたいわな? だってそうでもしないと自分を保てないもんね? 別に良いよ、したけりゃすれば。

脅しくれて悪魔に転生させ、利用しようと思ったら手の平の上でした……なーんて笑い話にもならないもんね?」

 

「「「「……」」」」

 

 

 傷口にハバネロを塗りたくってあげるのが俺のやり方。

 別に挑発してるとかじゃなく、何か言いたげな顔をしているから代わりに言ってやれば、木場くんとアルジェントさん以外の面子から殺気が漏れる。

 尤も、殺気立つだけで何にもされないけど……そうだ。

 

 

「ところで紅髪の人。これは返しておくよ」

 

 

 兄の嫁さんとその子供……つまり自分の義理姉と甥っ子が俺と行動してるわ、不意討ち喰らわされた挙げ句虚仮にされましたわで散々な事になってる紅髪悪魔に、俺はポケットに入れといた『コレ』をポイッと投げて寄越す。

 それをキャッチした紅髪の人……そして兄者達はギョッとしていた。

 

 

悪魔の駒(イービル・ピース)……!?」

 

 

 俺を兵士として悪魔に転生させた筈の駒だ。

 紅髪悪魔の力が込められたその駒を見て、最初はキョトンとしていた面々の顔が、驚きに変わっていく様は見てて面白かった。

 つまりそれは……俺が人間に戻っているという何よりの証拠であり……理論上あり得ない事なのだ。

 

 

「一度悪魔に転生したら戻れないのに……何で……!」

 

「『戻りてぇ~!』って念じたら心臓からポーンって出てきましてね。

俺は人として生きたいんでさっさと返しますわ」

 

「ふ、ふざけないで! どうやって……まさか貴方の持ってる力が……」

 

「教える義務も質問する権利も互いに無いでしょ? 良いじゃん、アンタ等は裏切り者と縁が切れたし、俺はうざってぇ連中と縁が切れた。

ほら、互いにメリットだらけで万々歳でしょ?」

 

 

 急に元気になった紅髪悪魔をヘラヘラかわし、お次は今にも殺しに掛かって来そうな兄者に視線を移す。

 

 

「そう睨むなよ『お兄ちゃん。』

俺のせいで……とか思いたきゃ好きにすれば良いじゃん。

但し、俺は自分が悪いとは一切思わないけど」

 

「っ……!!」

 

 

 ははは、良い顔してるぜ兄者。

 っと、最後にこれを言っとかないとな。

 

「ところでのついでにところでなんだけど、今度アンタの親玉の魔王さんとか、ミリキャスくんの祖父母さんに会ったら言っといて貰えます? 『もう返せって言っても絶対に返さない』って」

 

 

 これだこれ。

 これを伝えとかないと面倒だし、紅髪悪魔に伝言を頼もうと話をすると、彼女の顔は露骨に歪んでいた。

 

 

「や、やっぱりグレイフィアとミリキャスは……」

 

「うん、結構な目に遇ってたらしいよ? アンタは全く気付いてなかったらしいけどね。

そんな事はどうでも良いんで伝えといてね? まあ、そのせいでアンタがライザーさん以外の知らん純血の悪魔と結婚させられるかもしんないけど仕方ないよね」

 

 

 うん、本当に仕方ないね。

 しょうがない……あの二人の帰る気の無さっぷりと俺を気色悪がらないっぷりのせいで、帰す気が無くなったのも、もう仕方ないったら仕方ない。

 

 

「っ……ぐぅ……!」

 

「そ、そんな……せっかく部長は……」

 

「ん? おいおいお兄様や? まさかこんな程度で終わるとでも? あっはっはっー…………甘い甘い。水飴レベルで甘いぜ。

だから言ったんだよ、俺を利用目的でも仲間にしようとしたらロクな事にならないってさ。

お兄ちゃんは知ってたろ? それでも利用しようとしたろ? 自業自得だわ…………俺は悪くないね」

 

 

 お先真っ暗? 知らんねそんなもんは。

 

 

「はぐれ悪魔を姉に持つ白髪さんだったり? 堕天使のハーフの黒髪さんだったりとかとかとかとか………良いじゃん。

アンタの実家の評判ががた落ちになって人間との契約件数が減ろうとも、それだけ無駄に個性がある面子を揃えてりゃあ、死ぬまで楽しく生きていけるじゃないか。

大丈夫…………失敗は成功のもとって言葉があるだろ? 悲観すんなって! まあ成功する為のチャンスを失ってるその様じゃどうなるかなんて知らんけど。

んじゃ、俺はこの辺で……『バイバイ』『墜落人生お疲れ様』」

 

 

 顔を歪めて動けない連中に、俺は何時もの通りの笑顔を向けながら言ってやると、その間を通って校舎内に入って行く。

 カタカタと……俺をぶっ殺したくてもぶっ殺せないと見て分かるくらいな殺意を押さえ込もうと震えてる様は実に面白かったな。

 

 ついでにな話、教室に向かおうと階段を昇ってたら……この学園の生徒会長だったの眼鏡っ娘さんとその取り巻きと鉢合わせし、何かスゲェガン見されたが…………何だったんだろ。

 

 

「眼鏡っ娘……」

 

 

 ダボダボのYシャツが随分似合いそうな人だったな―――――って、んな知らん人なんて今はどうでも良い。

 さっき紅髪の人にミリキャスくんとグレイフィアさんは返さねぇって啖呵を切っといた件。

 恐らく魔王さんは喜んで頷いてくるんだろうが、その上……ミリキャスくんの祖父母は絶対に何かしてくるだろう。

 なんせ、純血悪魔の後継者を失ってしまう事になっちゃうし、恐らくは………ふっ。

 

 

「幸せ過ぎてスキルが消滅しちまう前にケリを着けないとな」

 

 

 一度得たものを失うのは嫌だ。

 人妻だろうが子供だろうが、俺を気持ち悪がらずに優しくしてくれる人達をテメー等から手放しといて、やっぱ返せってって言われても絶対に返さない。

 どうにも最近は幸福続きで、幻実逃否(リアリティーエスケープ)の精度が変になってるし、もしかしたらこのままだとスキルが消えるのかもしれない。

 だったらその前に……。

 

 

「It's reality escapeってね」

 

 

 俺は、俺が好きだと思う全ての人達を無理矢理連れてでも逃げ切ってやるぜ。

 




補足

幸せ=マイナススキルの弱体化。
つまり、マイナス大嘘憑きみたいなアレです。

心が幸せになればなるほど、精度はがた落ちし……彼は――








「なんて考えてたけど、別にそうでも無かったぜ。
試しに使ってみたら変に使いやすくなってたもの」


 そんな事は別に無かった……つまり杞憂です。
 寧ろ得られたものを絶対に離さないという、彼の惚れっぽさが逆に駄目(マイナス)な成長の起爆剤になってるかもしれないです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。