色々なIF集   作:超人類DX

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今回の転生者は――すっごいまともです。



マッチョイズムと誘い受け

 あくまで一誠の目線だが、ヒョロイ鳴瀬に言われて実は悪魔達であるリアス・グレモリーと話をする事にした。

 

 といっても内容は決まりきってるし、聞かれて答えにくい事なんて一つも無いので一誠は普通に答える気満々だ。

 

 ただ……。

 

 

「あ、あの兵藤君……その、凄まじく言いにくいのだけど、もう少し『普通に』お話しない?」

 

「いえ、お構い無く。トレーニングしてないと落ち着かないので。大丈夫、ちゃんと話は聞きますから……ふんっ! ふんっ!!」

 

 

 オカルト研究部の床で暑苦しく腕立てをしてるという、間抜けな姿さえ無ければ一誠は至って普通の家庭の子なのだ。

 

 

「やはり負荷が欲しいな。なぁゼヴィ、背中乗ってくんね?」

 

「それは構わないが……私一人で負荷になるのか?」

 

「うーん……軽すぎるな。よし、じゃあそこの白髪の子! 良ければゼヴィと一緒に乗ってくれないか?」

 

「い、嫌です……暑苦しいのは苦手です」

 

 

 ただちょっと、筋肉に対する信仰心が強いってだけの男の子……それが兵藤一誠という少年なのだから。

 

 

「嫌か……仕方ない。ゼヴィ一人で我慢するっきゃない。

んで、お話というのは?」

 

「お、おいイッセー、筋トレを中断するって考えは無いのかよ?」

 

「難しいな。強くなるためには筋肉を付けなきゃならんだろ? 俺は1日5リットルの汗を流すと決めてるし、時間は有限だぜ?」

 

『………』

 

 

 結局ゼノヴィアを背中に乗って貰う形で腕立てをしながら話を開始する事にしたリアス達は、キラキラした顔で腕立てをペース乱さずやり続けながら此方の質問に答えるイッセーに何というか……ちょっと引いてしまう。

 

 

「じゃ、じゃあ貴方はコカビエルを倒したのは筋力トレーニングのお陰だと言うのね?」

 

「そっすよ。筋肉が無ければ強く殴り倒せない……違いますか?」

 

「そうかもしれないけど、それだけじゃあのコカビエルを倒すのは無理よ……。絶対他にもあるでしょう? 例えば特殊な力を持ってるとか」

 

 

 片手、しかも人差し指一本で腕立てして汗を流しまくるその姿に何とも言えない顔をしたリアスの部下達の中にはゼノヴィアの相棒をやっていて今は勢いで悪魔に転生してしまったイリナなんかも入ってたりする。

 

 

「ねぇゼノヴィア……何というか、やっぱり変わってるわよ彼……」

 

「変わってるのかもしれないが、そこが良いんだよ。

理解して貰おうなんて思っちゃ居ない」

 

「えぇ……?」

 

 

 キッパリとイッセーの腕立てにより、その背中で上下に動いてるゼノヴィアは言う。

 前々から少し変わってる子とは思ってたが、まさかここまで変わってるとは思わなかった。

 まあ、仲間となったオカルト研究部の多くの女子みたいにこの幼馴染みの鳴瀬に惚れられたらそれはそれで困るから良いと言えば良いのだが、最近その鳴瀬が妙にゼノヴィアを気にしてるというか、今も何か言いたそうな顔をしながら見つめてるのが見える。

 

 

「筋肉こそ至高! 鳴瀬も木場も言っちゃなんだがヒョロイぜ? 例のコカビエルとやらに負けそうになって悔しいのならお前達も筋肉を付けろ! そう、この俺の様にな!」

 

 

 そんな視線に気付いてない様子の一誠はといえば、引いた顔をしてる同性の木場と鳴瀬に対して自慢したいのか、ゼノヴィアに降りてもらって腕立てを止めると、着ていたワイシャツを躊躇無く脱ぎ、その鍛え上げられた上半身を顕にした。

 

 

「お、お前女性が居るのに何脱いでるんだよ!?」

 

「ふっ、ボクサーは試合をすれば上半身を脱いでるだろ? そう思えばやましくないぜ! それに見よ! これぞ俺の強さの秘密!」

 

「た、確かに凄く鍛えられてるけど……」

 

 

 ボディビルダーポーズをしながらミドル級ボクサーの様な肉体を見せつけて自慢する一誠に、アーシアという女子以外の女性陣は多少耐性があったにせよドン引きだったのだが、同性の鳴瀬と木場は自分達より逞しい一誠のボディにちょっとした敗北感を覚える。

 

 

「ゆくゆくはNFLのQBクラスの筋肉を付けるつもりだぜ、くくく……」

 

 

 いや、今の状態でも充分に凄くね? という周囲の心の声なぞ聞こえる訳もない一誠は、ニタニタしながらマッスルポーズをしまくる。

 それを見てうっとりしてるゼノヴィアもまた大概だ。

 

 

「アナタ、将来はラグビー選手にでもなりたいの? 部活に入ってる訳じゃないみたいだけど」

 

「いや、部活には入ってないっすね。代わりに毎日自分で鍛えるかトレーニングジムに通ってるかのどっちかです。それよりどっすか? 俺がそれなりにやれる理由もこの肉体を見てわかったでしょう?」

 

「いや……私達悪魔はそんな筋肉を付けなくても種族として力が強かったりするから……」

 

「む……要するにフィジカルエリートって奴ですか。やるじゃねぇか悪魔」

 

 

 早く服着ろよと鳴瀬に言われて漸くワイシャツを着た一誠に悪魔のフィジカルについてつい言ってしまったリアス。

 その瞬間、一誠の顔がニヤリとしたのだが果たしてその笑みの意図は何なのか……。

 

 

「良いなオイ。じゃあいっそ誰でも良いから戦おうぜ? そうしたら俺の強さの理由ってのがわかるでしょう?」

 

『………』

 

 

 筋トレバカで割りと戦闘狂である一誠にその言葉はタブーなのである。

 

 

 

 

 

「さっぱりわからないわ!」

 

 

 結局一誠の意味不明な強さの理由が全然わからない事が分かっただけというオチに終わった話し合い。

 ゼノヴィアと共に部室から出て帰ってしまった一誠についてリアスは若干イライラした様子で声を少し荒げてしまってるのだが、眷属達だってわからないのだ。

 

 

「ゼノヴィアにそれとなく聞いてみたけど、やっぱり普段から筋力トレーニングばっかりしてるらしいわ。

あの異様すぎるパワーが筋力トレーニングだけだとしたら人って凄いわよね」

 

「凄いなんてもんじゃ無いですよアレ。だってあの時だって殆ど一体化した聖剣を『ナマクラ』呼ばわりしてベニヤ板みたいに片手でへし折るし、コカビエルを殴ればホームランを打つみたいに吹っ飛ぶし、タックル瞬間移動みたいに速いし、アレがただの人間技とは思いたくありません」

 

 

 イライラしてるリアスを宥めるつつ、一誠がコカビエルをボコボコにした時に見せた訳のわからない現象にていて振り替える様に話すイリナと小猫に全員が同意するように頷く。

 なんというか、あの時見た一誠はどうにも人間のそれじゃなくまるで人外同士の戦いにしか見えなかった。

 

 しかも一方的だし、やっとこさコカビエルが反撃しても……。

 

 

『はっはっはっ! 痛いじゃないか!』

 

 

 と笑いながら寧ろ苛烈になるのだから、人であることをリアス達が疑うのも無理はない。

 よく鍛えられてるのは確かに先程の暑苦しいのは筋肉自慢の際に見せられた肉体でわかるっちゃあわかるのだけど、だとしても不可解なことには変わり無い。

 

 

「あの、疑うより寧ろイッセー達とは仲良くするべきなんじゃありませんか?」

 

 

 故に不信感を募らせてしまうリアスと眷属達なのだが、そんな中でも唯一イッセーに対して擁護的なのが、色んな意味でイッセーを知ってる鳴瀬であった。

 

 

「確かに説明が付かない謎過ぎる力を持ってはいますけど、だからといってアイツが悪い奴じゃないのは今までその力に気付けなかった時期も含めて俺達はよく知ってるでしょう?」

 

「確かに学園での彼は暇さえあれば筋トレしてるだけの変わった子ってイメージだけど……」

 

「でしょう? もし上手く行って味方になってくれたら滅茶苦茶頼もしいじゃないですか」

 

「……。やけにあの人の肩を持つんですね『アキト先輩』は?」

 

「え? ま、まぁな。だって結果的にアイツ居なかったら俺達死んでたかもしれないし……」

 

 

 やけに一誠に肩入れする鳴瀬――改めアキトの誤魔化す様な苦笑いと紡がれる言葉に全員が口を閉ざす。

 確かにアキトの言うとおり、もし彼が何の理由があったにせよ人払いの結界を平然と通り抜けてあの場にやってこなかったら、今頃戦争狂だったコカビエルの人質として利用されていたのかもしれない。

 

 それを考えると確かに彼のあの理不尽な力任せ全開の力に助けられたとも言える。

 

 

「それに木場だって、流れだったとはいえアイツに聖剣を探す手伝いをして貰っただろ?」

 

「偶々聖剣を持ってたフリードをゴムボールみたいにバウンドさせてぶん殴ってたという意味ではそうかもしれないけど……」

 

「た、偶々だとしてもだよ! ほ、ほら……アレのお陰で真実に近づけたじゃん!?」

 

「問題は本人にそんなつもりが全く無さそうな所ですけどね」

 

「い、良いじゃんそれで! 無かったとしてもアイツが敵だって理由にはならないでしょ!? 俺は少なくとも思いたくないし!」

 

 

 本来持つべき力と立場を奪った負い目もあるのか、それを全く自覚は無いにしてもモノともせずインフレに追い付いた――いや寧ろ更にパワーアップした一誠にある種の尊敬でも抱いたのか、嫌に庇い立てしまくるアキト。

 

 彼はどうやら『かなり』まともな性格をしてるらしい。

 ……………………数多の世界に蔓延る連中を遥かに。

 

 

「それにイリナだってゼノヴィアが信用してる相手を敵なんて思いたくないだろ?」

「まぁ……あのお堅いゼノヴィアがあんなになる相手だし、変な人だとしても悪い人とは思いたくは無いかも」

 

「だろ? 俺だってそうさ。イッセーは筋トレが好きな奴なだけだって絶対!」

 

 

 それが例えどうであろうとも、少なくとも一誠からしても鳴瀬アキトという人物は嫌いじゃないと思われてる以上、余計な敵は作るべきじゃない。ましてやゼノヴィアと仲良くしてるのだなら尚更だ。

 

 

「アキトの言うとおり、私も少し過敏になってるのかも。

わかったわ、疑うのは少し控えてみましょう」

 

 

 もし間違って敵になったら、間違いなく理屈じゃなくボコボコにされてしまうし、ゼノヴィアにも嫌われる。

 それが嫌なアキトの必死の説得により何とかイッセーに対する疑いは少し晴れた。

 

 

(それにしてもゼヴィかぁ……良いなぁ。イッセーも満更じゃないみたいだし……ホント、良いなぁ)

 

 

 多分一誠本人はどっちに転んでも豪快に笑って済ませるのだろうけど。

 

 

 

 アキトにより変な疑いを少しは持たれずに済んだ事を全然知らない一誠はと云えば、ゼノヴィアと一緒の帰り道で住んでる場所についてを話していた。

 

 

「へぇ、紫藤さんと一緒なんだ」

 

「うん、ほらアイツ悪魔に破れかぶれで転生してしまっただろ? それのお陰でリアス・グレモリー側から支援を受けてな。私もついでにって感じで」

 

「そっか、ゼヴィ達は例の教会だったかを追われたもんな?」

 

「あぁ、元々真実を知った今戻るつもりも無かったが」

 

「ふーん、でもよく狙われないな? デュランダルだったかっつー貴重な武器を持ってるのに」

 

「紛いなりにもリアス・グレモリーの庇護下にあるってのが大きいのかもしれないな」

 

「だとしたらあの先輩にゃあ感謝しないといけないなぁ。今度改めて菓子折りでも持って挨拶でもするか?」

 

「そうだな」

 

 

 筋肉談義……かと思えば割りと真面目な話をする二人。

 悪魔に転生せず、尚且つ天然のデュランダル使いでありながらその身に危険が迫ってないのは、紫藤イリナがヤケクソでリアスの下へと付いたのが大きいと推測し、改めて一誠が感謝の意を込めてプロテインドリンクの詰め合わせでも送ろうかと真面目に呟いている。

 

 贈答品の中身はともかくとして、筋はきちんと通すべきという辺りは筋肉マニアなりにもちゃんと考えてるみたいだ。

 

 

「けど何かあってからでは遅いし、鍛練はするつもりだ。そこでだイッセー……私もお前の鍛練に同行したいのだけど良いか?」

 

「ん? あぁ、全然良いよ。今まで誰も付き合ってくれなかったし寧ろ歓迎だぜ。

ただし、俺には剣術の心得なんてないけど」

「それで良いよ。私も殆ど自己流だしな」

 

 

 筋肉の織り成す徒手空拳こそ無敵とばかりにシャドーする一誠にクスクスと笑うゼノヴィア。

 その選択は恐らく間違いではない、寧ろ英断なのかもしれない。

 

 何せマッチョイズムを支える一誠の異常性は、信頼し合う相手を進化させる特性があるのだから……。

 

 

「とはいえ、ゼヴィが俺みたいになるのは何か違う気もするんだけど」

 

「私は(コレ)を先ずは使いこなす所から始めるさ。デュランダルを暴走させてしまうからコカビエルの時はああなってしまったのだからな」

 

「なるほど」

 

 

 徒手空拳に対して剣術を。

 デュランダルをその手に呼び出し、握りしめて語るゼノヴィアに対して一誠はふと思い出す。

 

 夢の中で見たマッチョな上院議員を倒したあの忍者みたいにゼノヴィアがなれたら最強なんじゃないのかと。

 確かそう……ジャック・ザ・リッパーとか呼ばれてたあのサイボーグ忍者みたいな――

 

 

「もし強くなれたら俺達最強のコンビになれそうじゃね?」

 

「なれそうじゃなく、なるつもりさ。一誠の隣で戦えるだけの力を持ち、正真正銘お前のパートナーになってやる。それが今の私が持つ目標みたいなものだ」

 

「ほっほーぅ、そいつは楽しみだゼヴィ?」

 

 

 雨の化身となるゼノヴィアを想像すると中々良いと、一誠は笑うのだった。

 

 

「んじゃ、また明日な?」

 

 

 珍しく筋肉の話が無いまま家の方向により別れる事になり、ゼノヴィアが転校してきてからは何時もの通りの別れの挨拶をして自宅へと歩きだそうと背を向けた一誠。

 

 

「少し待ってくれないかイッセー?」

 

「んん?」

 

 

 しかし今回は少し違うようで、帰ろうとした所をゼノヴィアに呼び止められた。

 まだ何か言うことがあるのか? と振り返ってゼノヴィアを見る。

 

 

「何か言い忘れた事でもあるのか?」

 

「言い忘れは無いが、まぁその……なんだ……」

 

「?」

 

 

 何かを言い淀む様子のゼノヴィアにすっかり逞しくなった首を傾げる一誠。

 するとそれまで『あー』だの『うー』だのと視線を泳がせながら言葉を濁していたゼノヴィアが意を決したのか、強い眼差しで一誠を真っ直ぐ見つめてこう切り出した。

 

 

「おふざけとかじゃなく、私はイッセー……お前が好きだ」

 

「は? ………お、おう、何だよ急に?」

 

 

 ちょっと恥ずかしいのか、頬を染めながらハッキリ好きだと言われてちょっと面を喰らう一誠。

 考えてみたらこんなハッキリ言われたのは初めてかもしれない……とふと思い出しつつ何となく気恥ずかしくなる中、ゼノヴィアは一誠に距離を詰めていく。

 

 

「お前は私の事好きか?」

 

「えーっと、うん……」

 

 

 少なくとも自分の行いに引かないという意味では既に一誠もゼノヴィアに好意を持ってるので、素直に頷く。

 するとそれを聞いたゼノヴィアは嬉しそうに微笑むと、運良く他に人の居ない住宅街の真ん中で一誠に飛び付いてきた。

 

 

「そっか、この前は断られたけど、私は期待しても良いんだな?」

 

「あー……まぁ、あれは飛躍し過ぎじゃねーのと思ったから断っただけで、別にゼヴィが嫌いって訳じゃないからな」

 

「そうか……それならこれくらいは良いよな?」

 

「? 何が―――!?」

 

 

 何が? と聞こうとした一誠だったが声が出ない。

 その理由は首に腕を回していたゼノヴィアが顔を近づかせ、勿論未経験だった一誠にキスをしたのだ。

 

 

「わかってると思うけど、私はこれが初めてだからな?」

 

「……。おう、しかし何で急に……」

 

 

 あんまりにも急で自慢の筋肉が硬直してしまった一誠は棒立ちのまま暫くゼノヴィアの唇に『あ、なんかやーらけー……』とボーッとし、漸く口同士が離れた彼女から念押しされるように初めてと告白されて曖昧な返事と質問を投げ掛ける。

 

 

「ふふ、何でだろうな? 今まで無かったのに、お前を見てると、そうさせたとしか言えないのかもしれないな」

 

 

 互いにこれでもかと密着し、鼻頭が接触するくらい近い距離で微笑みながら『何となくそうしたくなったから』と、女なのにある意味男らしい理由に一誠は『ゼヴィめ……できるな』と感心してしまった。

 

 

「こうしてまた明日会えると分かってるのに、少しの別れも惜しんでしまう。いっそこのままずっと一緒に居たい……」

 

「そこまで好かれてるとは驚きだし、割りとかなり嬉しいけどよ、帰らないってのは流石にダメじゃね?」

 

「わかってるよ。だからせめてもう少しこうさせてくれ……もう一度――んっ!」

 

 

 コツンと額をくっつけて来たゼノヴィアがそのまま再び唇を重ねてくる。

 

 

「にゃろ……負けてたまるか!」

 

「あっ……!」

 

 

 せこく儲けてる柔なインテリだの、セレブだの草食系(メトロセクシャル)だのも真っ青な肉食っぷりを見せてくるゼノヴィアに悔しいとでも思ったのか、対抗心を燃やした一誠もまた壊れないようにと気を使いつつも強くゼノヴィアを抱き締めながら唇を重ね付ける。

 

 

「はぁはぁ……割りと疲れるんだな……」

 

「そ、そうだな……しかしこの満足感は他では味わえない気がする」

 

「それは同意できる……てか、俺も初めてなんだけどな?」

 

「そうだろうそうだろう! ふふ、嬉しいよイッセー、だからもう一度やろう!」

 

「またかよ!? こんにゃろ、俺とサシでやり合うってか!? 上等だぜ、掛かってこいゼヴィ!」

 

 

 一誠がちょっと間違えてる気はするけど、これにより火でもついたのかこの後何と……1時間は抱き合いながらやってたらしく……。

 

 

「…………!? あ、アレ兵藤くんとゼノヴィアじゃない!?」

 

「あ、あわわわ……あ、あんな激しく……!」

 

「…………。良いなぁイッセー……」

 

「え、アキト先輩も実はしたかったんですか、キス……」

 

 

 めっちゃ見られてるのも気付かずに。

 

 

「し、舌が痺れて来た。お前、何で舌入れてくるんだよ?」

 

「イリナが持ってた本にそんなやり方のキスがあると知ってな。

ふふ、私はまだまだやれるが、イッセーはもうへばったか?」

 

「!? そ、そんな訳ねーだろ! こんにゃろ!」

 

「あっ……♪ あはは、強いなぁイッセーは……」

 

 

 何かゼノヴィアから作為的なオーラが出てるのにも気付かずに……筋肉バカは無我夢中だった。

 

 

「あー……頭がぼーっとする……」

 

「あぁ、私もだよ……でも気持ちいいなこれ。毎日やりたいくらいに」

 

「それはちょっと同意できるぜ。これは中々凄いね……あー……」

 

 

終わり

 

 




補足

上院議員イッセーの対……つまりゼノヴィアさんが某ジャック・ザ・リッパーになったら最強無敵コンビに……。

 あれ? マジの殺し合いになっちまいそう……。


その2
誘い受け気味に挑発したゼノヴィアさんは本当に頭の良い方……。

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