色々なIF集   作:超人類DX

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また別話です。

ベリーハード……といえばわかる方はわかるかな。


ベリーハード→ノーマルくらい
秘密を持つもの達


 リアス・グレモリーには秘密がある。

 その秘密というのは自身が抱えた眷属にも話した事が無ければ親にも話した事が無い。

 

 何せその秘密を『自覚』したのは、彼女が眷属を持った時からであり、その秘密は『記憶』に関する物だったからだ。

 それも、他人に話した所でとても信じられるものでは無い大事な記憶……。

 

 結論から言うと、リアスはその秘密を自覚してからというもの、それまでは肩肘を張った部分はあれど年相応の少女だったのが、肩肘を張ったのはそのままに、どこか周囲に対して遠慮―――怯えを見せる事が多くなった。

 

 それこそ実の肉親や自身が抱える眷属にすら……いや、寧ろ近しい者程どこか距離を置いた態度を見せていた。

 

 突然変わった訳じゃなく、徐々にその態度を見せ始めた故、最初の頃は両親達もリアスが少し大人になったのだろうかと思って特に気にも止めなかった。

 しかし眷属達にしてみれば、日を追う毎に自分達から距離を置いた対応をしようとする主に違和感を覚える訳で。

 まるで自分達では無い『何者』かを焦がれる表情すら浮かべるその様もまた、周囲に疑問を抱かせるものであったとか。

 

 

 

 

 だがしかし、そんなリアスの変化から数年後。

 リアス自身が任された人間界の領地管理を兼ね、一般の人間に混ざって勉学に励む目的で駒王学園に入学してからちょうど一年後……その時は訪れた。

 

 既にリアス……そして同い年にてリアスの女王である姫島朱乃が入学し、その容姿も相まって瞬く間に学園内では誰もが羨む程の有名人となっていた訳だが、今年に入り女子高だった駒王学園が共学化し、男子の入学も受け入れる事でリアス眷属唯一の男子である木場祐斗が入学する事になった……………のは正直問題では無い。

 

 リアスにとって劇的だったのは、その数少ない男子入学者の中に混ざっていた一人の新入生。

 秘密を自覚してからずっと記憶と共に在り、最期までこんな己の為に生きてくれた最愛の人。

 

 記憶の中の彼は両親を失い、学ぶ事すら許されない生活をしていたので、まさかこの学園に入学しているとは思わなかったと初めはリアスも驚いた。

 

 出来るなら顔を見せたい。けれど自分と違ってもし彼が『彼』じゃ無かったら? かつて彼に散々甘えてきたリアスはそれが不安だった。

 

 けれどやっと見つけた人。そのまま逃げる訳にはいかないと、リアスは登下校の際に周囲の生徒達から騒がれる特性を利用し、彼に自分の存在をアピールしてみた。

 これでもし彼が彼であるなら、自分を見て何らかのリアクションを起こす筈。

 

 他の人達が容姿を持て囃す中、もし彼も自分を見て同じ様なリアクションなら外れ。

 もしそうで無ければ――

 

 

「見ろよ兵藤、あの人達が姫島朱乃先輩とリアス・グレモリー先輩だぜ。すっげーよな、なんて美人さんだ」

 

「そうだなぁ………懐かしいな、色々と」

 

 

 当たり。

 そしてそのリアクションは……。

 

 

「あ、おい!? こ、こっちにリアス・グレモリー先輩が来るぞ!?」

「まま、まさか俺のこのイケメンフェイスに一目惚れしたのか!? そうなのか!?」

 

「違うわよバカ! 私のお姉さまに対する気持ちが届いたのよ!」

 

「え、あれ? でも――」

 

 

 

 

「………」

 

「………」

 

 

 高鳴る胸の鼓動と共に……。

 

 

「一誠……」

 

「!? まさか……!」

 

 

 確信へと変わる。

 そうなれば最早自分を抑える事なぞ出来やしない。

 

 

「リアス? その子は一体……?」

 

 

 後ろに控えた女王が訝しげに見てようが抑えられない。

 周囲の人間達が自分とこの困惑した表情で自分を真っ直ぐ見てくれる少年を見てようが知ったことじゃない。

 

 

「リアス……ちゃんか? 俺の『知ってる』方の……」

 

「……うん」

 

「…………………………はは、ははは……! 本当か? いやでも今の時点じゃ初対面の筈だし、それなのに俺の名前を言い当てたって事はそうなんだろうな……くくくっ!」

 

 

 何年も何年も求めた温もりを、最期まで愛した人を前に止まる訳が無い。

 可笑しそうに、されど嬉しそうに自分を見つめながら笑うその表情もまた記憶と変わらない笑顔である事で確信を抱いたリアスは、ほぼ自然に……本能が如く。

 

 

「一誠……イッセー!!!」

 

 

 自身の眷属を含めた周囲の人間達が驚き、固まってしまう中、リアスは漸く叶った再会に感極まり、目の前の少年・一誠に飛び付いた。

 

 

「おっと……おお、前と変わってなくて俺は安心したよリアスちゃん」

 

「会いたかった……」

 

『………………。えぇぇぇぇぇっ!?!?』

 

 

 これが後々にまで語られる、公開抱擁事件でありこの日から兵藤一誠は駒王学園の生徒達の敵となった。

 嫉妬という意味で。

 

 

 これはベリーなハード人生を送った悪魔と人間の再生……所謂イージーモードなやり直しである。

 

 

 

 

 あのクソ野郎の心臓を握り潰し、存在そのものを数少ない仲間達と一緒に粉々にしてやった後、まさか同じ人生をやり直す事になるとは思わなかった。

 まさかクソ野郎の仕業か? と最初は思ったけどそうじゃなく、クソ野郎は存在せず、父さんと母さんも殺されていない。

 

 そのお陰で俺は前と違ってまともな学を得られた訳だけど、勿論不安はあった。

 またクソ野郎みたいなのが出てくるのでは無いかとか……リアスちゃんや仲間達はどうなったのかとか。

 

 もしかしてこんな体験をしたのは俺と……俺の中に宿る相棒だけなのかとかとかとか、色々と心配になりながらも平和な人生を前と同じ実力を取り戻してキープしつつ高校生になった訳だけど、うん……良かった。本当に良かった。マジで良かった。

 

  惚れた女の子もまた俺と同じだった事が、そしてまた一緒に生きられるという事が……俺は何よりも嬉しい。

 …………。前はリアスちゃんをあっさり裏切った奴等も居るけど、クソ野郎が居ないせいかまともな性格だしな。

 

 

「こ、婚約……者? だ、だれの?」

 

「ライザーって覚えてる? ほらその……一誠と出会って最初の頃に一誠が倒した……」

 

「………。あ、うん思い出した、居たねそんな奴」

 

「そのライザーが前と同じく婚約者になってたみたいで……。一応断ったのだけど、やっぱり純血悪魔の弊害が……」

 

「あ、あそう……」

 

 

 さて、そんなリアスちゃんとの嬉しき再会から一年が過ぎた頃。

 再会と同時に互いの力を高め合う事で全盛期以上にまで膨れ上がった器のお陰で俺も念願たるリアスちゃんの眷属になれた訳だけど、やっぱり世の中そんな上手くトントン拍子に事は運べない様だ。

 

 前の時は破壊して殺してしまった火の鳥の悪魔が、また今回もリアスちゃんの婚約者として俺の前に立ちふさがろうとしていたのだ。

 

 

「あんまり聞きたくは無いんだけど……う、受けるとかしない?」

 

 

 当たり前だけど、俺はリアスちゃんしか異性を知らない。

 というか、リアスちゃんしか見えない。

 それが弱点と相棒に呆れられたりもしたけど、俺はそれでもこの構えを変えられない。

 

 だからこそ、リアスちゃんの流れる純血としての弊害による純血悪魔との婚約なんて聞くだけで頭がどうにかなってしまいそうだ。

 

 

「まさか! でも両親が決めた話だがそう簡単に覆せる話じゃないのよ……」

 

「う……そっか。あ、そうだ……あの人は? サーゼクスさんは?」

 

「うん、兄は前も言った通り私達の知る兄なのかが解らないのよ……ミリキャスもイマイチ……」

 

「むむ……」

 

 

 リアスちゃんがこう言ってる以上、ホッとはするけどさ、それでも不安は不安なんだよね。

 前と違って自分勝手な大義名分振りかざして殺すなんて真似はできないし。

 前と違ってリアスちゃんは両親や眷属に裏切られてる訳じゃないし……。

 

 いっそ今の会話の通り、かつてクソ野郎を消滅させた仲間であるサーゼクスさんとミリキャスちゃんが俺達みたいに覚えていたらトントン拍子なんだけど、リアスちゃん曰く分からないと来た。

 

 てか今思ったがサーゼクスさんはあの銀髪を嫁さんにしてるのか? ミリキャスちゃんが居るって事はそうなんだろうけど……うーん。

 

 

「イザとなったらやるしか無いかも。リアスちゃんが他の男となんて死にたくなるし」

 

「死んでもそんな事にはならないから大丈夫よ……絶対に大丈夫だから」

 

 

 先にから迫る不安の種に、あの再会以降即加入することにしたオカルト研究部の部室にて、リアスちゃんに膝枕して貰いながら、俺は最悪の展開を覚悟する意思を少しだけ視野に入れるのだった。

 ちなみに、他の眷属達は今居ない。理由は出払ってるからである。

 

 

 

 

 

 サーゼクス・ルシファーには秘密がある。

 その秘密は、我が子であるミリキャスが生まれる事で自覚したのだが、同時にこの先どうすれば良いのかわからなくなった。

 

 というのも、丁度ミリキャスが生まれてからというもの、妻のグレイフィアが自分を嫌悪し始めたのだ。

 それこそまるで……『前』と同じ、邪魔者を見るような目で……。

 

 当然サーゼクスは焦ってグレイフィアを密かに調査した。

 もしかしたら前と同じくグレイフィアとそういう関係になった輩が居るのかもしれないと……。

 

 そしてその結果は……。

 

 

「嘘だろ……ははははは………………はぁ」

 

「お父様……」

 

「いやうん……もうホント……はぁ」

 

 

 アウト。

 どうやらグレイフィアは密かに人間界に通い、『天涯孤独』で妹とそんなに変わらない年齢の男の家に頻繁に訪れている……という、前と全然変わらないオチに再び絶望した。

 我が子もまた自覚しているせいか、疲れた様に項垂れる父に心配そうな眼差しだ。

 

 

「綾瀬和正とは違うみたいだけど、一体何時からだったんだろうね……ふふ、笑えないのに笑えてきちゃうよ」

 

 

 一度は妹を裏切った代償と思えば仕方ないと割りきりたいが、こうまで同じだと逆に笑いたくもないのに笑ってしまう。

 自室の椅子に疲れたリーマンの如く深く座りながら項垂れるサーゼクスは、乾いた声で笑いながら傍らで心配そうに見つめる我が子の頭を撫でながら、ベッドに腰掛けて己を見ている『人物』に魔王とは思えない情けない声を出す。

 

 

「アナタが調べたお陰で直ぐに解りましたけど、ふふ……もう、笑うしかありませんよこれ。

リアスはどうやら彼と再会出来たみたいで良かったですが、あはは……はぁ」

 

 

 とても魔王という肩書きを背負う男の姿では無く、しょぼくれた只の悪魔。

 そんなサーゼクスの余りにもしょぼくれた姿に、紅白衣装に身を包んでベッドに腰掛けていた人物は、耳さわりの良い声で話始めた。

 

 

「前と違って今の僕なら彼女がお熱の相手の記憶をサッパリと消せるぜ? そうすればキミの思う通りの夫婦で居られる」

 

 

 膝まである長い髪。

 悪魔すら虜にできるだろう魅力的過ぎる容姿。

 かつて人外と呼ばれたその人物からの、意外にも気を使う一言にサーゼクスは静かに首を横に振った。

 

 

「いえ、良いです。そんな事をした所で事実は変わらない。

グレイフィアにしてみれば僕よりその彼の方が良かった……それだけですから」

 

「早い諦めだなぁオイ。ま、散々味わった屈辱をまた今になって味あわされてるのだから、どうでも良くなるのもわからないでもないかな」

 

「いえ、それだけじゃありませんよ。僕もミリキャスもアナタとまた会えたからある意味此処まで割りきれただけですから」

 

「ふーん?」

 

 

 “彼女”の申し出を断ると同時に、再会出来た事を喜ばしい事だと話すサーゼクスと、同意するように頷くミリキャスに、平等なだけの人外は目を一瞬丸くしつつもどうでも良さげに相槌を打ち……。

 

 

「じゃあ向こうもやってんだし、折角だから前と同じく僕と不倫でもやるかい?」

 

 

 ニヤリとしながらとんでもない事を言い始めた。

 

 

「はは……前は確かにそうでしたね」

 

「安心院お姉ちゃんとまた一緒に居れるの?」

 

「それはお父さんの判断かなー? 断られたら僕は引き下がるぜ? 前と違ってまだ取り返しは付くかもしれないし、ミリキャスちゃんだって本当の母親の方が良いだろう?」

 

「………。安心院お姉ちゃんの方が良い。

またお父さんを裏切る人より……」

 

「そういう事は言うもんじゃないよミリキャスちゃん。

言ったろ? 前とは違ってまだサーゼクス君が動けば何とかなるかもしれないんだぜ?」

 

「それでも! …………それでも……」

 

 

 またしてもドロドロ昼メロ状態となってるサーゼクス一行。

 リアスが知ったら気絶でもしそうなものである。

 

 

「取り敢えずライザーの件で一誠君が出張る筈なので、その時色々な意味で顔を合わせるつもりです」

 

「それが良いかもね。ただ、この事一誠に話したら真っ先にキミからグレイフィアちゃん寝取ったそいつを八つ裂きにしに行きそうだ。

何だかんだ一誠はキミの事嫌いじゃなかったみたいだしね」

 

「一誠お兄ちゃんとリアスお姉ちゃんに、やっと話せるの?」

 

「うん、出来ることなら殺されていないコカビエル君や、ガブリエルちゃん、アザゼル君とヴァーリ君とも会っておいた方が良いかもね」

 

 

 これはベリーハードな人生を送った人外と魔王とその子供の……それでも微妙にハードな再生録。

 

 

 

 

 堕天使コカビエルには秘密がある……が、共有する同志が周囲に居たのでそこまで秘密って訳じゃない。

 その秘密を自覚したのは戦争終結と同時にであり、同時期に自覚した友と種族違いの友と即座に合流したコカビエルは、その日以降戦闘狂ながらも一本筋の通った男へと変わったのだが……。

 

 

「やぁコカビエル」

 

「景気はどうだ?」

 

「アザゼル……それにヴァーリか」

 

 

 後に誕生した白龍皇もまた自覚を持ち、瞬く間にコカビエルの弟子となってメキメキと実力を上げて今では歴代最強の白龍皇の名を欲しいままにしている。

 そう……かつて赤龍帝やその傍らに居た悪魔。魔王とその子と力を奪われた人外等と共に仇を始末した頃よりも更に上の領域に……。

 

 まあ、『今』は『前』と違ってその手の輩が居らず、コカビエルも不意打ちで殺されてないので割りと平和な日々なのだが。

 

 

「ガブリエルはどうしたよ? 今日来ると言ってなかったか?」

 

 

 そんな秘密の同志達は今日こうして秘密の空間に終結する約束をしていた。

 人工的に作られた何処までも広がる平原に腰を下ろすコカビエルに合流したアザゼルとヴァーリは、もう一人の同志たるガブリエルの姿が見えないと辺りを探っていると、微妙にげんなりとした顔のコカビエルが上空を軽く見上げながら口を開く。

 

 

「ガブリエルなら向こうで今喧嘩中だ」

 

「あ? 喧嘩?」

 

「誰とだ………って、言うまでも無いか。というか、奴等も来ているのか?」

 

「あぁ、お陰で俺はこうして退屈をもて余してる訳だ」

 

 

 弟子を自称するヴァーリの察した言い方に、コカビエルはムスッとしながら頷く。

 というのもだ……。

 

 

「何で当然の様に別世界の貴女が来るのですか!! さっさと帰ってください!!」

 

 

 緩いウェーブの掛かった金髪と、誰もが見惚れる美しい容姿を怒気に歪ませた女性が、純白の翼をその背に聖なる力を存分に震いながら目の前で人を食った様な笑みを浮かべて宙に佇む、これまた金髪の女性を倒さんと突撃をしていた。

 

 

「あらやぁね、天界一の美女と吟われる癖にそんなはしたないお顔になっちゃって? コカビエルに嫌われちゃうわよ?」

 

 

 喰らえば只では済まされない苛烈な聖なる力の籠った弾幕の雨を前に、紫色のドレスという何とも動きづらそうな格好をする同じ金髪の少女は目の前の空間に『裂け目』の様な何かを作り出して広げ、迫り来る弾幕の雨あられを防ぐ。

 

 

「っ!? だいたい貴女は元の世界があるでしょう!?」

 

「そうだけど、私は自由に行き来できるから何の問題も無いわ」

 

「くっ、どこまでもインチキな能力を……!」

 

 

 体術に切り替え、肉薄して掌底を放つガブリエルに対して同じ金髪の少女は薄ら笑いを浮かべながら持っていた扇子で捌いていく。

 どうやらまた彼女も『秘密』を知る者の一人であるらしく、またガブリエルが最も敵視する者でもあるらしく、戦いはしばらく続いた。

 

 

「……。あの妖怪女、また来たのか」

 

「式神もな」

 

「どうも……」

 

「みたいだな。しかしあの女……ガブリエルの攻撃をああも簡単に。

成長する事を放棄したんじゃないのか?」

 

「その筈ですが、どうやらコカビエル様の力の影響のせいか、その境界から外れてしまってるみたいです」

 

 

 そんな苛烈な戦いを地上から眺めていたコカビエル達の側に、式神と呼ばれる少女の使い魔がペコリと頭を下げてアザゼルとヴァーリに挨拶しつつ、主が別領域の進化をしたという話をしている。

 

 

「なるほど、だからガブリエルがあんなにムキきなっているのか」

 

「悪夢だな……向こうの閉鎖世界の連中は平和に見えてエグい力を持ってるし、その中でも随一だった彼女が進化って……」

 

「ええ、御本人はそこに喜びは抱いていませんが……」

 

 

 主と同じ金髪を持ち、もふもふしてみたいとすら思う九つの狐の尾を持つ式神がウズウズした面持ちで戦いを見ているコカビエルの横に腰を下ろしながら、その横顔をちょっと嬉しそうに笑みを見せつつ主の事について語る。

 どうやらこの式神とガブリエルと戦う少女はコカビエル達とは別の世界の存在らしい。

 

 何故そんな人物とコカビエル達が親しいのか……それはかつての世界で不意討ちでコカビエルが殺された際、流れ着いた事で少女に拾われた縁があったからだ。

 

 

「そろそろ終わりにしましょうよ? 皆集まってるわよ?」

 

「……! くっ、少々熱くなり過ぎましたね。良いでしょう、勝負は預けておきます」

 

 

 その縁は今も続いており、頻繁に閉鎖世界からやって来るせいでガブリエルは色々と焼きもちが大変な事になってる訳で。

 平和な証拠といえばそれまでなのだが……。

 

 

「終わったかスキマ妖怪。次は俺とヤるぞ!」

 

「いきなりの口説き文句ねコカビエル。こんな平原じゃ嫌よ恥ずかしい」

 

「ぬぅ……?」

 

「こ、コカビエル! な、何でですか!? こ、こんな場所で何て事を!」

 

「む……強い相手に戦いを挑む性分なのはお前だって知ってるだろ? 何だ急に」

 

「あ………そ、そっちですか? そ、そうですよね……あははは」

 

 

 

「なぁに尻尾をしゅんとさせちゃって?」

 

「いえ別に………」

 

「あらあら、相当コカビエルに懐いちゃったみたいねぇ?」

 

「べ、別にそういう訳では……」

 

 

 色々と大変なのは間違いなさそうだ。

 

 

 




補足

世界そのもの化してた相手を始末した影響で、その直後世界が消え、こうして別世界の過去に戻った的なカラクリ。

ベリーハードとは違い、居ないのでそれなりに平和なのだけど、サーゼクスさんだけ何故かハード。


その2
時系列はベリーハード開始と同時期。
つまりいきなり婚約話の件。


その3
コカビエルさん側はチート集団の塊。

ちなみに、スキマ妖怪だの式神だのの正体は……うん、お察しで。

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