色々なIF集   作:超人類DX

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続き。

悪魔を好ましく思ってないのに皮肉……。


不可逆のギルバ

 顔がムカつくから……最初は確かそんな理由だったっけ。

 

 

『悪魔同士で殺し合いか。

くく、どうせならそのまま共倒れして絶滅でもすりゃあ良いものを』

 

 

 とにかく私達悪魔が嫌いだって理由で、当時やっていた旧政府へのクーデター戦争の時に突如現れ、私達や旧政権属の悪魔両方をズタズタにした人間の男。

 当時の人間にしては小綺麗な格好で、まるで私達悪魔の様な文明を既に知ってるって様子のその男は、人間にあるまじき力で次々と私達を捻り潰した。

 

 

『テメー等四人の顔は知ってるぞ。

そうかそうか……くくく、過去ってのはこれで間違いないってか?』

 

『な、何の事よ……』

 

『またぶち壊せるって事だよぉ!!』

 

 

 うん、あの時のいーちゃん……凄い尖ってたなぁ。

 正直こうして今は私達に与してるのが奇跡に思える程に。

 今は今で色々と無愛想だけど。

 

 

 

 この日、冥界都市・ルシファードのとある会場は騒々しく悪魔達がどよめいていた。

 

 

「ギルバが居るぞ」

 

「あのギルバが一体何故?」

 

「今日は若手悪魔のお披露目だが……」

 

 

 本日行われる若手悪魔達の会合。

 その現場に出席する四大魔王はともかくとして、セラフォルーの後ろに居た男の姿に、何も聞かされてなかった魔王に続く権力者の悪魔達は忘れもしないその男の姿に大層驚いたそうな。

 

 

「そりゃあやっぱりびっくりするよね」

 

「何を言ってもフラフラしてた男がこの場に居るんだからな」

 

「それもやっぱり僕の妹の兵士君が関係してるのかいギルバ?」

 

 

 四人の魔王だけが許される席。

 その席の少し後ろ……セラフォルーの後ろに座る悪魔にとっては毒にも薬にも簡単になってしまう男、ギルバが心なしかゲッソリとした顔で椅子に深々と腰かけていており、サーゼクスとアジュカとファルビウムの三人は、はて? と思いつつも声を掛ける。

 

 

「赤龍帝だったか、その少年がギルバとそっくりなのは既に噂で古参達に広まってるが、やっぱり気になるか?」

 

「あぁ」

 

「何度も聞くけど子孫とかじゃないよね? ほら、元々ギルバは人間だったし……」

 

「違う」

 

「あの少年は随分とお前をいい人と思ってるみたいだけど……」

 

「あ、そ……」

 

 

 現代の魔王相手に不遜な態度をしても許される存在であるギルバのめんどくさそうな返しに三人の魔王は特にどうとも思ってない様子。いや寧ろ内心『あれ、今日は機嫌良いんだな』とすら思う辺り、普段如何にギルバが悪魔社会のやる事に興味を示してないのが伺える。

 

 

「ギルバと何かあった?」

 

 

 だからこそ、事情を聞こうと三人の視線が今日は妙に大人しいセラフォルーに向けられるのだが……。

 

 

「いやー……ちょっと……うん……」

 

(((ギルバが後ろから無言でセラフォルーの頭を軽く叩いてる……)))

 

 

 ベシベシベシベシとセラフォルーが喋ろうとした瞬間、ギルバが無言で後ろからその頭をひっ叩くという、ある意味では何時もの通りにも見えなくもないやり取りに、事情を聞くのは無理そうだと判断し、それ以上聞くのはセラフォルーの頭の無事的意味合いでやめようと思うのだったとか。

 

 

 

 

 ギルバの出席という思わぬ状況に少々どよめいたものの、本日の主役は未来の冥界を担う若き悪魔達。

 戦争を終わらせた英雄であり狂人でもある男がそんな会合に出席するのは些か違和感はあるものの、結局の所その理由は何と無く古参の悪魔達は解ってしまう。

 

 

「リアス・グレモリーの兵士……驚くほどにソックリだな」

 

 

 そう、若手の悪魔として出席したリアス・グレモリーが連れる兵士少年があまりにも魔王席の位置の目立たない後方に座る男とソックリなのだから。

 

 

「ギルバの子孫の先祖返りと言われた方が寧ろ納得できる程だな」

 

「うむ、しかしギルバは嫁も貰わずに独身のまま……。

それにセラフォルー様がな……」

 

「あー……確かに」

 

 

 子孫の先祖返りした結果と言われた方が全然納得出来るソックリさに生で初めて見る古参の悪魔達はただただ驚く訳だが、その視線を受けるイッセーからしたら微妙に居たたまれない気分でしかない。

 

 

(な、何か偉いポジションっぽい人達が超見てくる…)

 

 

 理由は何と無くこの前の出会いでわかるが、慣れないないものは慣れない。

 純血クラスの悪魔は決まって自分の顔を見るなりギョッとするのも、グレモリー家滞在の際、書庫でリアスの母に勉強させられた時の歴史で知ってるから分からないでもない。

 けれどやはり擽ったい訳で……。

 

 

「おほん。

本日この席よく集まってくれたな若き者達よ。

この会合は、次世代を担う貴殿らの顔を改めて確認する為、一定周期ごとに行う若き悪魔を見定めるものである」

 

 

 どうせなら美女悪魔に見られたいぜ……と、内心ぼやきつつ始まる会合に一誠は己の主であるリアスの背を見守るのであった。

 

 

「そこの者を見る限り、さっそく何かした様だがな」

 

 

 さて、そんな状況で始まる会合。

 魔王を頂点とした席の前に集まるリアスとソーナを含めた若き悪魔達は、集まる視線に悠然とした佇まいを保とうと其々頑張る。

 頬をぼっこり腫らせた者がある意味目立つが、まあ、余り意味の無い話だ。

 

 

「キミ達は、実力共に申し分のない次世代の悪魔だ。

だからこそデビュー前にお互い競い合い、力を高めて貰いたいと私達は願う」

 

 

 四大魔王を代表し、サーゼクスが若き悪魔達に凛とした態度で言う。

 するとその言葉に若き悪魔の一人……髪の色こそ違えどサーゼクスに似た容貌の青年が声を出す。

 

 

「それは、我々もいずれは『禍の団(カオスブリケード)』との戦に投入されるという事ですね?」

 

 

 若き悪魔の中ではナンバーワンの実力者であるサイラオーグ・バアルが自信をその身から滲み出しながら問う。

 だがサーゼクスはその質問に首を横に振る。

 

 

「それはまだ分からない。

我々としては出来るだけ若い悪魔逹は投入したくはないと思っている」

 

 

 サーゼクスの答えにサイラオーグが若干顔をしかめる。

 

 

「何故ですか?

若輩とはいえ、我らとて悪魔の一端を担います。

この歳になるまで先人の方々からご厚意を受け、なお何も出来ないとなれば……」

 

「キミの気持ちは分かるサイラオーグ。

しかしその若さが我々にとっては宝であり、無意味に散らせる訳にはいかない。

とはいえ、全く何もするななんて言うつもりも私達にも無い」

 

 

 そこで……とサイラオーグへと向けていたサーゼクスの視線が自分の座ってた席から隣――セラフォルーへと向けられた………と、下から見ていた若き悪魔達には見え、何だ? と其々サイラオーグを含めて首を傾げていた訳だが……。

 

 

「ものすごーく腰の重い彼がね……ちょっと動いてくれる気になってくれてね」

 

「は?」

 

 

 彼? セラフォルーは女性なのに彼? と思わず眉を潜めた若手の悪魔達だったが、その理由(ワケ)は直ぐに理解させられた。

 

 

「若いキミ達の中では初めて見るのが多いだろう、しかし名前は知ってる筈だ」

 

 

 セラフォルーの横にヌッと姿を現す一人の男。

 

 

「!?」

 

「あ、あのお姿は……!」

 

 

 驚く若手悪魔達、事情を知らない其々の眷属達の疑問混じりの驚く顔。

 

 

「同志であるセラフォルーの持つ唯一の眷属にて女王(クイーン)。不可逆のギルバだ」

 

 

 近くに居るリアス・グレモリーの兵士とそっくりな顔立ちをした青年……ギルバがそこに居たのだ……ちょっと怠そうな顔で。

 

 

「ほ、本物だ……本物のギルバ様が居る」

 

「な、何故ここに!? う、嘘だろ……さ、サイン色紙とか持ってくれば良かった……」

 

 

 それまで沈黙した他の若手悪魔達が明らかに動揺している。

 転生悪魔の多くは、自分達の王がそこまで動揺するのかと疑問だった。

 

 

「ぎ、ギルバさんだ……!」

 

「スーツっぽい格好だな……」

 

 

 何せすぐ近くで妙に目がキラキラしてる少年と顔が似てるのでイマイチ凄味が伝わり辛かったせいで。

 

 

「ギルバ、出来れば彼らの前に……」

 

「…………」

 

 

 知るものからのネームバリューは相当だな……と若手悪魔達からの畏怖と尊敬の眼差しを受けて露骨に嫌がる顔をしてるギルバに苦笑しつつ、サーゼクスはお願いしてみる。

 

 

「いーちゃん」

 

「チッ……」

 

 

 超嫌そうな顔をして断る意思を見せ始めたギルバにすかさずセラフォルーが彼女だけが呼べる愛称を口にすると、軽く舌打ちをしたギルバが仕方なさ全開の態度で魔王席から飛び降りる。

 

 

「ギ、ギルバ様だ……! ほ、本物だぁ……!」

 

「い、嫌だわ私……胸の高鳴りが抑えられない……!」

 

「く、ギルバ様がご出席なされると知れば、こんな情けない顔を晒す事なかったのに……くそ、オメーのせいだぞサイラオーグ!」

 

「……」

 

 

 音もなく地に着地したフォーマルスーツ姿のギルバに、若き悪魔達はミーハーの如くテンションを上げる。

 それを受けるギルバは内心『何で?』と困惑するものの、何時ものチンピラヤサグレ口調では無い、お仕事モードの口調で軽く一礼しながら、いつぞやの駒王学園での口上を口にした。

 

 

「只今魔王サーゼクス・ルシファー様からご紹介に預かりました、セラフォルー・レヴィアタン様が女王(クイーン)ギルバです」

 

 

 内心舌打ちしまくりで貼り付けた口上を口にするギルバは、背中に感じる古参悪魔含めた者達の妙に暖かい視線に一瞬首と胴体をおさらばさせてやろうかと本気で考える。

 

 

「あ、あわわわ……!

ど、どうしましょう、こ、こんなのって……! 夢みたい……」

 

 

 若手の一人であり、女性悪魔がまるでアイドルでも前にしてる様な反応をし、慌てて自分の身なりを整えている。

 

 

「スゲー……ギルバさん。

あのジークヴァイラって人もゼファードルって人も子供みたいに」

 

 

 改めて冥界でのギルバの存在の大きさに、何故自分と姿を見て驚かれたのか納得したイッセー。

 それは多くを知らない他の転生悪魔も同じであり、目の前の男はただ者ではないと一瞬で畏敬を覚えざるをを得ない。

 

 

(なんだ……コイツ等? 偽名としての俺を知ってる癖に何故ビビらない?)

 

『あの魔王の小僧や古参共は随分とお前をポジティブに伝えてた様だな』

 

(危うくぶち壊されそうになった相手をか? 理解できねぇな)

 

 

 ギルバ自身もある意味驚いており、シトリー家の昨晩のやり取りでもそうだったが、自分の抱かれてるイメージとのギャップの差に只驚くしか無く、思わず魔王席に座るセラフォルーへと振り向くと……。

 

 

「ふっふーんだ」

 

 

 ドヤ顔だった。

 びっくりするほどドヤ顔だった。

 思わずひっぱたいてやろうかと思うレベルの。

 

 

「ギルバがキミ達若者を徹底的に鍛える。

無論それは純血も転生悪魔も関係なく平等にだ」

 

 

 悪魔社会と距離を置いていたからこそ、いや、そもそも悪魔自体と距離を取ろうとしていたからこそ知らなかったギルバとしての一誠。

 全ての転生悪魔の祖として歴史に残る男は、ある意味悪魔ドリームの体現者として憧れるポジションだったのだ。

 

 それ故に一部を除いて古参悪魔の多くも畏怖を持ちつつも認めている。

 

 だからこそ……。

 

 

「私の夢は冥界にレーティングゲームの学校を建てる事です」

 

「む? レーティングゲームを学ぶ所ならば、既にある筈だが?」

 

「いいえ、それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行く事が許されない学校の事です。

私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔ての無い学舎です」

 

「ほう、確かに下級悪魔や転生悪魔の学舎は現在この冥界には存在しないな」

 

 

 ソーナの夢に対し、人でありながら悪魔にとって英雄であり狂人でもあるギルバの生き様を知っている悪魔達は。

 

 

「ソーナ・シトリーよ、その夢……道のりは決して楽ではないぞ? 我々の様な所謂古いタイプの悪魔の中には頭の固い存在がまだ存在する。

その者が居たらもしかしたら馬鹿馬鹿しいと笑うのかもしれない」

 

「承知しています。それを含めて私は悪魔の意識を改革してみたいのです」

 

「ふっ、良い意思の強さよ。

ふふ、かつて我々は人でありながら我等より高い次元に存在する男を知ったからこそ言おう――――頑張れとな」

 

「はっ、はい……!」

 

 

 ソーナの語る夢に対し、全員が満場一致で拍手して迎えるのだった。

 

 

「もー! いーちゃんも拍手してあげなよ!」

 

「はいはい」

 

 

 

 

 会合も終盤戦となり、魔王を含めた立食形式パーティーへと切り替わった。

 下級、上級、転生関係なく、語らう事で意識を一つに固めるを目的としたそのパーティなのだが……。

 

 

「ギルバ様! さ、サインを! 何卒サインを!」

 

 

 若手の純血悪魔達はこぞってサラダを食ってたギルバの元へと集まっていた。

 

 

「は、サイン……ですか?」

 

 

 内心は、チッ……鬱陶しいと思うギルバだが、一応セラフォルーの体裁もあるので丁寧な口調で対応する。

 

 

「私の様な者のサイン程度なら構いませんが……」

 

 

 しかしギルバは正直苦手だった。

 吐くだ、恐怖するだ、殺意を抱かれるだったら寧ろ得意だが、かつての世界では散々敵同士として壊してやった悪魔にサインをねだられる。

 内に隠れる相棒がゲラゲラ笑ってる程に違和感しか感じないのだが、この世界の若い悪魔には寧ろ何もしてないので、怖がられる要素は無いのだ。

 

 

「し、色紙が無いので……えっと、えっと……あ、せ、この衣装の背中とか……」

 

「はぁ……」

 

 

 だからいつの間にかサイン会にまで発展した。

 何せ公の場所に出てくる事自体が都市伝説レベルであり得ないから。

 

 

「ジ、ジークヴァイラちゃんへと添えて頂ければ……きゃ! 言っちゃいましたわ!」

 

「は、はぁ……。(んだこのガキ。前に居たか?)」

 

『居ただろう。お前は即他のと含めてぶち壊したがな』

 

 

 前の世界の時の記憶を隠れドライグのアシスト込みで照合しつつ、眼鏡をかけて青いローブを着てる女性悪魔のほんのりと頬を染めながら自分を見てる視線に内心うざったさを感じつつ、ローブやら衣装やらにスラスラと言われた通りにサインする。

 

 

「はい、これで宜しいでしょうか?」

 

「あ、あぁ……! ギ、ギルバ様の直筆のサイン……! あ、ありがとうございます! 一生の宝にしますわ!」

 

「あ、はい……」

 

 

 ジークヴァイラなる悪魔のテンションに軽く引くギルバ。

 

 

「あ、あと握手も……」

 

「え? あ、はい……」

 

「ほわぁ……。て、手袋の状態でもう一度……」

 

「は、はぁ……どうぞ」

 

「ほわぁ!! し、真空保存袋はどこ!?」

 

「………………」

 

 

 一体セラフォルーは何を吹いたのだろうか。

 後できっちり話を聞かないといけないと、勝手にクネクネしながらハシャイでるジークヴァイラなる悪魔をドン引きしながら見つめつつ思う。

 

 

「ギルバ様、こうしてお会いできて光栄です」

 

「……。私ごときに頭は……」

 

「いえ、アナタ様は不可能を可能にし続けたお方。

本来なら私の様な若造が近づくことさえ烏滸がましいのです」

 

「………。や、やりづらいんですけど……」

 

 

 サーゼクスの面影が強くあるサイラオーグなる悪魔に至っては、所詮転生悪魔である自分に膝付く始末。

 こんなんだったらまだ……。

 

 

「ギルバさーん!」

 

「あ、兵藤様!」

 

 

 過去の自分の様な気安さの方が良い。

 やっとこさ自分にやり難い態度じゃない過去の自分がキラキラした顔でやって来てホッとするギルバだが。

 

 

「そこのアナタ! ギルバ様に気安いですよ!!」

 

「え……あ……」

 

 

 若手悪魔達の視線が厳しくイッセーへと注がれてしまう。

 

 

「あ、あの……」

 

「リアス・グレモリーの下僕だなテメェ? この野郎

ギルバ様に何て無礼を……」

 

「そ、その……」

 

「お待ちください、兵藤様は私の知り合いです。

ですから全然構いません」

 

 

 別にテメー等に畏まれたくもねーよ。と、若手悪魔達に毒づきつつ、困惑するイッセーを近づけさせる。

 

 

「これで会うのは二度目ですね兵藤様。お元気そうで何よりです」

 

「あ、は、はい……ギルバ、様も――」

 

「やめてください、何時もの様にしていただいて結構。

というかそうしてください……割りと切実に」

 

 

 ポンポンと肩を叩きながらイッセーにそうマジな目をして頼むギルバを見て、若手悪魔達は渋々黙る。

 

 

「は、はぁ……わかりました。

それにしてもギルバさんって凄いんすね。部長の実家の書庫で沢山ギルバさんの事の本がありまして」

 

「私としては分不相応と思ってますがね……。そんなのより、どうですか兵藤様? 冥界のおっぱいレベルは?」

 

「最高っすよ!」

 

 

 そして出てくる出てくるギルバの口からの下ネタに若手達はただ驚く。

 

 

「あ、あのギルバ様……ギルバ様は女性の胸がお好きなのですか?」

 

 

 そっくりな少年と肩なんて組ながら楽しく女の胸話で盛り上がってるギルバの姿に、ジークヴァイラが恐る恐る聞いてみる。

 するとギルバは……へっ、と笑いながら。

 

 

「好きですけど? 男ですからね私は」

 

『………』

 

 

 無駄にキリッとしながら好きだと答えた。

 悪魔は対象外だがなという内面は隠して。

 

 

「ちなみにですが兵藤様、冥界のとある場所に温水プールの施設があるんですよ。

そのプールにはですね…」

 

「ぬほぉ!? ま、まま、マジっすか!? そ、それってどうやったら行けますか!?」

 

 

 

「胸……」

 

「どう?」

 

「大きさに拘るのかしら?」

 

 

 ギルバの返しを聞いた途端、何故か複数が自分の胸元を見てボリュームの確認をする。

 悪魔は対象外なのに。

 

 

「イッセーって改めて不思議ね。あのギルバ様とあんなに仲良く」

 

「顔が似てるからという理由もあるのでしょうかね? どう思いますお姉さま?」

 

「えっと、多分そうかな……。(あ、あれ? いーちゃんって意外と女の子に人気……)」

 

 

 そしてその様子を見ていたセラフォルーは、思ってたのと違う状況に軽く焦るのだったとか。




補足

一定の地位を持つ悪魔達はギルバを知ってます。
四大魔王のアシストで変に憧れてるらしく、公の場にほぼ出ないが故に、出たらテンション鰻登りらしい。

それをギルバ本人は、見て吐かれるか、嫌悪するかと勝手に思ってただけに面を食らった。というわけだぁ。



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